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セキュリティ対策の要点解説

第 17 回 Windows Vista のセキュリティ機能 ~ Family Safety ~

公開日: 2007年5月23日

マイクロソフト株式会社
セキュリティ レスポンス チーム
小野寺 匠 著

前回は、管理者権限などの使用を制限するユーザー アクセス制御 (UAC: User Access Control) について触れ、UACを有効にした場合の互換性対応について書きました。今回は、すこし視点をかえて家族と子供のためのセキュリティ機能について触れます。

家族と子供のためのセキュリティ機能といえば Internet Explorer のコンテンツ レーティングが今までもありました。このフィルタリングは、サイト側の協力が不可欠であることと、多くのサイトを自分自身で管理する必要があった点が、使用を難しくしていました。

Windows Vista では、コンテンツ レーティングとは全く別の保護機能である「保護者による制限」を搭載しています。この機能は、Web だけではなく、ゲーム、実行するプログラムの制限、パソコンの使用時間を細かく制限することが可能です。そして、その設定を、各ユーザー アカウント毎に行えるため、子供が複数いる場合でも、年齢や学年に合わせて設定を変化させていく事ができます。

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ゲームの制限は、日本で広く使用されている CERO レーティングによる制限が可能です。また、Web フィルタは、従来のようなサイト側がサイトの内容を宣言する方法ではなく、このフィルタのためのデータをマイクロソフトが日々メンテナンスしているため、サイトに関係なくある程度自動的に望まないコンテンツがフィルタされます。

しかし、制限される側 (子供) からしてみると、フィルタされているサイトや他に制限しているサイトを閲覧したい事もあるでしょう。その場合、Vista の機能として保護者 (親) に対して閲覧する事の許可を求める事が可能です。保護者は、子供からのリクエストに基づいて、判断し許可を出すことで一方的な制限ではなく、親子の対話によって制限がメンテナンスできる可能性を提供しています。

それでも、どうしても子供がどの様にパソコンを使っているか、不安に思っている場合は、その活動を記録する事が可能です。保護者は、活動を確認する事で、本当の危険に巻き込まれる前に、子供と向かい合い、危険性について話し合う機会を得る事ができます。

Windows Vista の機能は、制限・監視するものですから、保護者が一方的に制限を行い、自由を奪う事も可能です。しかし、考え方によっては、子供を信頼し、親子で本当に安全な利用方法を学ぶいい機会になるかもしれません。

親子のための安全なインターネットの使い方をまとめたコンテンツも公開していますので、合わせてご覧ください。


この記事は、マイクロソフト セキュリティ ニュースレターで配信しました。

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