E-mail Router の構成

 

公開日: 2017年2月

対象: Dynamics CRM 2016、Dynamics CRM Online

E-mail Router はインストール後、構成する必要があります。 この構成作業の中には必須の作業もあります。 次の機能を有効化するために行う構成作業はオプションです。

  • 構成タスク 1: E-mail Router 構成マネージャーを使用して、プロファイルを設定し、(オプションで) 展開を設定します。 詳細は、このトピックの後半の「E-mail Router Configuration Manager」を参照してください。

  • 構成作業 2: Microsoft Dynamics CRM ユーザーは、着信する電子メールんのアクセスの種類を "E-mail Router" に設定する必要があります。 詳細は、このトピックの後半の「電子メール アクセスの種類の設定」を参照してください。

  • 構成タスク 3: (省略可) 構成で、ルールを展開することができます。 詳細は、このトピックの後半の「受信トレイ ルールの展開」を参照してください。

  • 構成タスク 4: (省略可) 構成で、転送用メールボックスを設定することができます。 詳細は、このトピックの後半の「転送用メールボックスの設定」を参照してください。

このトピックの内容

E-mail Router 構成マネージャー

ユーザー資格情報のセキュリティ保護

電子メール アクセスの種類の設定

受信トレイ ルールの展開

転送用メールボックスの設定

E-mail Router 構成マネージャー

E-mail Router 構成マネージャーは、E-mail Router を構成するために使用するツールです。E-mail Router 構成マネージャーは E-mail Router と共にインストールされ、E-mail Router セットアップの完了後に実行できます。

E-mail Router 構成マネージャー を使用して構成された E-mail Router の設定は、Microsoft.Crm.tools.EmailAgent.xml ファイルに保存されます。このファイルは、E-mail Router がインストールされているフォルダーにあります。

E-mail Router には複数のオプションがあります。E-mail Router 構成マネージャーを実行する前に、これらのオプションの構成方法を決定する必要があります。

  • 受信の構成。Microsoft Dynamics CRM E-mail Router は、受信する電子メール メッセージのために、一般的なバージョンの Exchange または POP3 電子メール システムをサポートします。詳細:Microsoft Dynamics CRM Email Router のソフトウェア要件

  • 送信の構成。Microsoft Dynamics CRM は、送信電子メール メッセージ用には、Exchange Online または SMTP 電子メール システムのみをサポートします。

  • 監視するメールボックスの種類。 次の 2 種類のメールボックスを構成できます。

    • 転送用メールボックス。E-mail Router 構成マネージャー の実行時に転送用メールボックスを選択すると、E-mail Router では、電子メール メッセージの処理に単一のメールボックスが使用されます。 その後、電子メール メッセージを受信する Microsoft Dynamics CRM ユーザーまたはキューごとに、ルール展開ウィザードを実行して、ユーザーまたはキューに対するルールを作成する必要があります。

    • E-mail Router。 電子メール メッセージを添付ファイルとして転送できるが、ルールが電子メール システムで許可されていない場合は、E-mail Router の設定を使用するように各ユーザーを構成する必要があります。Exchange Server を使用している場合は、[転送用メールボックスの監視] を使用することをお勧めします。

E-mail Router のオプションの詳細については、「E-mail Router」を参照してください。 また、Email Router 構成マネージャーの使用も参照してください。

E-mail Router 構成マネージャー を起動するには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム][Microsoft Dynamics CRM E-mail Router] の順にポイントして、[Microsoft Dynamics CRME-mail Router 構成マネージャー] をクリックします。

構成プロファイル

E-mail Router を使用して Microsoft Dynamics CRM 組織との間で電子メールをルーティングできるようにするには、受信電子メール プロファイルと送信電子メール プロファイルをそれぞれ 1 つ以上構成する必要があります。 組織の電子メール システムが複雑な場合は、複数の受信構成プロファイルおよび送信構成プロファイルの作成が必要な場合があります。 たとえば、複数の電子メール サーバー用に受信 E-mail Router サービスを必要とする組織では、1 つの電子メール サーバーに対して 1 つの受信構成プロファイルを作成する必要があります。

重要

Exchange Online にアクセスするときのパフォーマンス調整により、プロファイルが Exchange Online 用にも構成されている場合は、Microsoft Exchange Server の設置型展開 または POP3 アカウントを使用するように E-mail Router を構成しないでください。Exchange Online と Exchange Server 設置型または POP3 電子メール サーバーの両方と通信を行う必要がある場合は、E-mail Router の複数のインスタンスを使用してください (E-mail Router のインスタンスは、1 台のコンピューターに 1 つのみインストールできます)。 同じ E-mail Router インスタンスの複数のプロファイルを使用しての Exchange Server 設置型 および POP3 電子メール サーバーへの接続はサポートされています。

認証の種類

E-mail Router が使用する認証の種類を、送受信電子メール プロファイルごとに指定する必要があります。 受信電子メールの処理に使用する電子メール サーバーの種類に応じて、次のいずれかの認証の種類を選択します。

  • Windows 認証: この認証の種類は、受信電子メールに Microsoft Exchange Server を使用する場合にのみ使用できます。

  • NTLM: このオプションは、受信電子メールに POP3 準拠サーバーを使用する場合にのみ使用できます。

  • クリア テキスト: このオプションは、受信電子メールに POP3 準拠サーバーまたは Microsoft Exchange Online を使用する場合にのみ使用できます。Microsoft Exchange Online の場合は、この認証の種類のみ使用できます。

Exchange Server の場合、受信プロファイルでサポートされる認証は Windows の認証のみです。 POP3 準拠サーバーの場合、受信プロファイルは NTLM およびクリア テキスト認証をサポートします。

ヒント

Exchange Server で POP3 プロトコルを使用するように E-mail Router を構成できます。 ただし、Exchange Server POP3 サービスは既定で無効になっています。 POP3 を有効にする方法については、Exchange Server のドキュメントを参照してください。

重要

クリア テキスト認証では、ユーザー名とパスワードが暗号化されずに送信されます。 クリア テキスト認証を使用する場合は、常に Transport Layer Security (TLS) または Secure Sockets Layer (SSL) を使用することをお勧めします。[SSL を使用] を選択し、環境に応じた適切な値を [ネットワーク ポート] フィールド ([詳細設定] タブ) に設定します。 (Exchange Online を指定する場合、[SSL を使用] オプションは使用できません。これは、Exchange Online には、https 接続でしか接続できないためです。) POP3 サーバー要件を電子メール管理者に確認してください。

注意

匿名 SMTP は、インターネットに接続しない内部 SMTP サーバーに対してのみ有効です。 多くの SMTP サーバーは、匿名認証をサポートしません。E-mail Router からの電子メール フローが中断しないように、SMTP サーバー要件を電子メール管理者に確認してください。

アクセス資格情報

他の構成プロファイル オプションの設定方法によっては、以下のオプションを使用して、プロファイルで提供される各メールボックスにアクセスするために E-mail Router が使用するユーザー名とパスワードを指定できます。

重要

電子メール サーバーに対しては有効であっても特定のメールボックスに対しては有効ではないアクセス資格情報を使用した場合、アクセスをテストするとき "401 アクセス拒否" エラーが発生します。

受信プロファイルは以下のアクセス資格情報をサポートします。

  • ローカル システム アカウント : このオプションを使用するには、E-mail Router が実行されているコンピューターと、Microsoft Exchange Server が実行されているコンピューターとの間で、信頼関係が必要です。 受信プロファイルの場合、このオプションは Exchange Server に対してのみ使用できます (Exchange Online や他の POP3 準拠電子メール サーバーには使用できません)。

  • ユーザー指定: このオプションは製品の設置型バージョンでのみ使用できます。 このオプションは、すべての電子メール サーバーの種類、プロトコル、および認証の種類で使用できます。

    このオプションを指定した場合、各ユーザーはユーザー名とパスワードを [個人用オプションの設定] ダイアログ ボックス (Microsoft Dynamics CRM Web クライアントの [ワークプレース] セクションからアクセス可能) で入力する必要があります。 これにより、E-mail Router で各ユーザーのアクセス資格情報を使用してメールボックスを監視できるようになります。 ユーザーはドメイン パスワードを変更するとき (ドメイン パスワードの有効期限が切れたときなど) に、E-mail Router で引き続きメールボックスを監視できるように、Microsoft Dynamics CRM でパスワードを更新する必要があります。 このオプションは、Exchange Server、Exchange Online、および他の POP3 準拠電子メール サーバーで使用できます。

  • [その他の指定]: 指定ユーザーの資格情報を E-mail Router での認証に使用する場合は、このオプションを使用します。 このオプションは、すべての電子メール サーバーの種類、プロトコル、および認証の種類で使用できます。 指定ユーザーは、受信プロファイルが対象とするメールボックスすべてに対してフル アクセス権を持っている必要があります。 複数のアクセス資格情報を指定するには、指定ユーザーごとに個別に構成プロファイルを作成する必要があります。

送信プロファイルは以下のアクセス資格情報をサポートします。 詳細については、E-mail Router 構成マネージャーのヘルプを参照してください。

  • ローカル システム アカウント :[SMTP] を電子メール サーバーの種類として選択し、E-mail Router が実行されるコンピューターのローカル システム アカウントを認証に使用する場合は、このオプションを選択します。 このオプションを使用するには、E-mail Router が実行されているコンピューターと、Exchange Server が実行されているコンピューターとの間で、信頼関係が必要です。 詳細については、「Microsoft Dynamics 365 用オペレーティング システムとプラットフォーム技術のセキュリティに関する考慮事項」の「Exchange Server と Outlook のセキュリティ保護」を参照してください。 このオプションを選択する場合は、E-mail Router が Microsoft Dynamics CRM Server と同じサーバー上にインストールされているか、Microsoft Dynamics CRM Server セットアップ の実行時に E-mail Router のコンピューター名が入力されている必要があります。 このオプションは、電子メール サーバーの種類として [SMTP] を選択し、認証の種類として [Windows 認証] または [匿名] を選択した場合にのみ使用できます。

  • ユーザー指定 :

    このオプションは、Exchange サーバーの種類として Exchange Online を使用している場合に、 Microsoft Dynamics CRMの設置型およびサービス プロバイダー エディションで使用できます。

    個々のユーザー アカウントまたはメールボックスを E-mail Router での認証に使用する場合は、このオプションを使用します。

  • その他の指定: このオプションを使用すると、管理者は、指定されたユーザー アカウントのアクセス資格情報を使用して、各ユーザーの代わりに電子メール メッセージを送信するように、E-mail Router を構成できます。 指定ユーザーは、受信プロファイルが対象とするメールボックスすべてに対してフル アクセス権を持っている必要があります。 複数のアクセス資格情報を指定するには、指定ユーザーごとに個別に構成プロファイルを作成する必要があります。 このオプションは、電子メール サーバーの種類として [SMTP] を選択し、認証の種類として [匿名] を選択した場合には使用できません。

  • ユーザー タイプ: [Exchange Online] を電子メール サーバーの種類として、[その他の指定] をアクセス資格情報として選択した場合は、ユーザーの種類として [管理者] または [ユーザー] を選択する必要があります。 1 つの資格情報セットを使用して複数のメールボックスを処理する場合、または電子メール資格情報の異なるセットを指定して個々のメールボックスを処理する場合は、[管理者] を選択します。

  • アクセスの種類: [Exchange Online] を電子メール サーバーの種類として、[その他の指定] をアクセス資格情報として、[管理者] をユーザーの種類として選択した場合は、[代理人アクセス] または [代理人として送信する] のいずれかをアクセスの種類として選択する必要があります。

    • [代理人アクセス] を選択すると、電子メールは "代理送信" メッセージとして送信されます。

    • [代理人として送信する] を選択すると、電子メールは "代理人送信" メッセージとして送信されます。

展開

E-mail Router の構成プロファイルを Microsoft Dynamics CRM オンラインにリンクできます。 これは必須ではありませんが、このようにすると、他のプロファイルが割り当てられていないユーザーに構成プロファイルを割り当てることができるという利点があります。

E-mail Router を接続する Microsoft Dynamics CRM システムの種類を選択する必要があります。 次のオプションを選択できます。

  • [自分の会社]。 社内で Microsoft Dynamics CRM が展開されている場合は、このオプションを選択します。

  • [オンライン サービス プロバイダー]。E-mail Router が接続する展開が Microsoft Dynamics CRM オンライン サービス プロバイダーの展開である場合は、このオプションを選択します。

  • [Microsoft Dynamics CRM オンライン]。E-mail Router を Microsoft Dynamics CRM オンライン組織に接続するには、このオプションを選択します。

Microsoft Dynamics CRM サーバー

Microsoft Dynamics CRM サーバーの URL を入力します。

  • 社内の設置型バージョンに接続する場合は、http://myCRMServer:5555/OrganizationUniqueName のような形式になります。

  • サービス プロバイダーの展開に接続する場合は、そのサービス プロバイダーに問い合わせて正しい URL を取得してください。 詳細については、Microsoft ダウンロード センターから入手できるサービス プロバイダーのドキュメントを参照してください。

  • Microsoft Dynamics CRM オンラインに接続する際に、組織で Microsoft アカウント を使用している場合は、次のように入力します。

  • Microsoft Dynamics CRM オンラインに接続する際に、組織で Microsoft Office 365 を使用している場合は、次のように入力します。

重要

Microsoft Dynamics CRM 展開の URL が正しいスペルで記述されていることを確認します。 URL の OrganizationUniqueName 部分は、Microsoft Dynamics CRM サーバーに表示されるとおりに正確に指定する必要があります。OrganizationUniqueName を判別するには、システム カスタマイザーの役割を持つユーザーとして Microsoft Dynamics CRM Web アプリケーションを起動します。 [設定] をクリックし、[カスタマイズ] をクリックします。[カスタマイズ] ページで [開発者リソース] をクリックします。OrganizationUniqueName が [組織独自の名前] ラベルの下に表示されます。

一度に 1 つの展開方法

展開には 2 つの種類があります。 1 つは、[Microsoft Dynamics CRMオンライン] のみへの展開です。 もう一方には、[自分の会社] または [オンライン サービス プロバイダー] への展開が含まれます。E-mail Router に対して複数の展開を定義する場合、展開の種類はすべて同じにする必要があります。 つまり、いずれかの種類の展開を作成した場合、それ以降に作成する展開の種類はすべて同じにする必要があります。 (他の種類の展開を作成するには、最初に現在存在しているすべての展開を削除する必要があります)。

Microsoft Dynamics CRM からユーザー電子メール資格情報を取得する

ある種の環境では、E-mail Router は Microsoft Dynamics CRM からユーザーの資格情報を取得する必要があります。 ただし、Microsoft Dynamics CRM は、E-mail Router が Microsoft Dynamics CRM へのアクセスに使用するプロトコルとして HTTPS が選択されている場合にのみ、ユーザー名とパスワードを保存します。 HTTP を使用している場合でも Microsoft Dynamics CRM がユーザー名とパスワードを保存して E-mail Router に配布するように、この動作を変更できます。 詳細は、このトピックの後半の「ユーザー資格情報のセキュリティ保護」の「HTTP オプション」を参照してください。

アクセス資格情報

E-mail Router が Microsoft Dynamics CRM サーバーへのログオンに使用するアクセス資格情報を指定する必要があります。

[ローカル システム アカウント] ([自分の会社] を展開の種類に選択する場合にのみ利用可能) を使用するには、E-mail Router を Microsoft Dynamics CRM サーバーがインストールされたのと同じコンピューターにインストールするか、E-mail Router がインストールされたコンピューターを Active Directory PrivUserGroup セキュリティ グループのメンバーにする必要があります。

ヒント

Microsoft Dynamics CRM の設置型展開では、Microsoft Dynamics CRM サーバーのセットアップ中に E-mail Router のコンピューターを指定済みの場合、コンピューターは PrivUserGroup セキュリティ グループに追加されます。

複数の構成および展開に関する電子メール ルーティングの構成

E-mail Router 構成を追加または編集することができます。この構成には、電子メールを電子メール サーバーにルーティングする単一の送受信方法が含まれています。 この構成では、以下の項目を指定する必要があります。

  • 表示および参照用の構成プロファイルの名前。

  • 構成プロファイルの方向: 受信または送信。

  • 電子メールの転送の種類 (例: 受信の場合は Exchange または POP3、送信の場合は SMTP)。

E-mail Router の展開を追加または編集することもできます。E-mail Router の展開には、Microsoft Dynamics CRM サーバーコンピューターへの URL、1 つの受信構成、および 1 つの送信構成が含まれます。E-mail Router 展開オブジェクトでは、以下のコンポーネントを指定します。

  • Microsoft Dynamics CRM サーバーコンピューターへの URL (必須)。

  • 既定の受信構成 (オプション)。

  • 既定の送信構成 (オプション)。

新規または既存の構成プロファイルに対して追加の操作設定を指定するには、[E-mail Router 構成マネージャー] ダイアログ ボックスで [詳細設定] をクリックします。

詳細については、E-mail Router 構成マネージャーのヘルプを参照してください。

ユーザー資格情報のセキュリティ保護

組織で E-mail Router を使用してユーザーまたはキューのメッセージを送受信する場合、高いセキュリティを確保する必要があります。 それには、HTTPS プロトコルを使用するか、IPsec を有効にします。

注意

この問題は Microsoft Dynamics CRM の設置型展開のユーザーにのみ適用されます。

HTTPS オプション

E-mail Router でユーザーまたはキューの電子メールを処理する際に、そのユーザーまたはキューの資格情報が必要になります。 この資格情報は、Microsoft Dynamics CRM Web アプリケーションの [個人用オプションの設定] ダイアログ ボックス (ユーザーの場合) および [キュー] フォーム (キューの場合) で入力できます。Microsoft Dynamics CRM では、この資格情報は、暗号化された形で Microsoft Dynamics CRM データベースに保存されます。E-mail Router では、資格情報の暗号化を解除する際に、Microsoft Dynamics CRM データベースに保存されているキーが使用されます。 このキーを取得するために E-mail Router から行われる呼び出しで、HTTPS が適用されます。Microsoft Dynamics CRM サーバーでは、E-mail Router が既定でこのように機能します。したがって、この動作を維持するために何かする必要はありません。 ただし、HTTPS を使用しない場合は、次のセクションで説明されているようにして、特定の Windows レジストリ キーを設定する必要があります。

HTTP オプション

HTTPS を使用しない場合、次の手順を実行して、Windows レジストリ キーを設定する必要があります。

  1. Microsoft Dynamics CRM サーバーで、パス HKLM\Software\Microsoft\MSCRM のレジストリ キー DisableSecureDecryptionKey の値を確認します。 このレジストリ キーが存在する場合、値を 1 に設定します。 (キーが存在しない場合、または 0 に設定されている場合、E-mail Router から Microsoft Dynamics CRM サーバーへの呼び出しに HTTPS が使用されます。) このキーの値を 1 に設定すると、E-mail Router で HTTP プロトコルを使用して Microsoft Dynamics CRM データベースから情報を取得できるようになります。

  2. DisableSecureDecryptionKey の値を変更した場合、Microsoft Dynamics CRM サーバーで インターネット インフォメーション サービス (IIS) を再起動します。 この操作を行うには、[スタート]、[ファイル名を指定して実行] の順にクリックし、「IISRESET」を入力して、[OK] をクリックします。

  3. (推奨) Microsoft Dynamics CRM サーバーと E-mail Router コンピューターの間のすべての通信に対して、Windows ファイアウォール など、セキュリティで保護されたネットワークを有効にします。詳細:Windows ファイアウォールの高度なセキュリティの概要

Email Router で HTTPS を使用するための証明書の管理

HTTPS で Microsoft Dynamics CRM を実行しているときに、1 つ以上の証明書が証明機関の署名を受けていない場合は、E-mail Router がインストールされているコンピューターで次の手順を実行してください。

Microsoft Dynamics CRM 証明書の場合

  1. E-mail Router サービスが "LocalSystem" アカウントを使用するように構成されている場合は、E-mail Router がインストールされているコンピューターのローカル コンピューター アカウントの信頼されたストアに Microsoft Dynamics CRM 証明書をインポートします。

  2. E-mail Router サービスがそれ以外の特定ユーザー アカウントを使用するように構成されている場合は、E-mail Router がインストールされているコンピューターにあるそのユーザー アカウントの信頼されたストアに Microsoft Dynamics CRM 証明書をインポートします。

任意の Exchange Server 証明書の場合:

  1. E-mail Router サービスが "LocalSystem" アカウントを使用するように構成されている場合は、E-mail Router がインストールされているコンピューターのローカル コンピューター アカウントの信頼されたストアに Exchange Server 証明書をインポートします。

  2. E-mail Router サービスがそれ以外の特定ユーザー アカウントを使用するように構成されている場合は、E-mail Router がインストールされているコンピューターにあるそのユーザー アカウントの信頼されたストアに Exchange Server 証明書をインポートします。

電子メール アクセスの種類の設定

Microsoft Dynamics CRM でトラックされる電子メール メッセージの送受信をユーザーが行うには、その前に、次の手順で説明されているように、そのユーザー用に設定された電子メール アクセス タイプを変更する必要があります。

電子メール アクセスの種類を設定するには

  1. [設定] > [セキュリティ] に移動します。

  2. [ユーザー] を選択します。 設定を編集するユーザーを探します。 別のページへの移動が必要な場合があります。

  3. ユーザーの名前をクリックするか、またはユーザーを選択して [編集] をクリックします。[ユーザー] フォームが開きます。[電子メール アクセス構成] セクションでメッセージングのオプションを編集できます。

    警告

    既定では、Microsoft Dynamics CRM の電子メール アクセスの種類は、受信、送信共に "Outlook 用 Dynamics 365" に設定されます。

  4. E-mail Router でメールがルーティングされる Microsoft Dynamics CRM Web アプリケーションの各ユーザーは、受信タイプを E-mail Router または転送用メールボックスに変更し、送信タイプを E-mail Router に変更する必要があります。

Microsoft Dynamics CRM (online) と連携するように E-mail Router を設定

  1. E-mail Router 構成マネージャーを起動します。

  2. [展開] タブをクリックします。

  3. [新規] をクリックして、新しい展開を作成します。

  4. [展開] オプションが [Microsoft Dynamics CRM オンライン] に設定されていることを確認します。[Microsoft Dynamics CRM オンライン] オプションが選択できない場合は、次のメモで説明されているようにして既存の展開を削除してください。

    注意

    展開には 2 つの種類があります。 1 つは、[Microsoft Dynamics CRMオンライン] のみへの展開です。 もう一方には、[自分の会社] または [オンライン サービス プロバイダー] への展開が含まれます。E-mail Router に対して複数の展開を定義する場合、展開の種類はすべて同じにする必要があります。 つまり、いずれかの種類の展開を作成した場合、それ以降に作成する展開の種類はすべて同じにする必要があります。 (他の種類の展開を作成するには、最初に、現在存在しているすべての展開を削除する必要があります。)

  5. 展開の定義に必要な残りの情報を入力し、[OK] をクリックして終了します。

受信トレイ ルールの展開

電子メール メッセージを Microsoft Dynamics CRM システムにルーティングするための重要な作業の 1 つに、各 Microsoft Dynamics CRM ユーザー/キューの受信トレイに Microsoft Exchange Server 受信トレイ ルールを設定する作業があります。 このルールにより、Microsoft Dynamics CRM ユーザーが受信した各メッセージのコピーが Microsoft Dynamics CRM システム メールボックスに送信されます。E-mail Router は、Microsoft Dynamics CRM システム メールボックスからメッセージを取得し、Microsoft Dynamics CRM に電子メール活動を作成します。

このような Microsoft Dynamics CRM ユーザー受信トレイ ルールを展開するには、ルール展開ウィザードを使用します。これは、Microsoft Dynamics CRM ユーザーの受信トレイ ルールを追加または変更するためにいつでも実行できます。

重要

ルール展開ウィザードでは、Exchange Server のメールボックスに対してのみルールを展開できます。ルール展開ウィザードでは、POP3 電子メール サーバーにルールを展開できません。

注意

ルール展開ウィザードのインストールについては、このガイドの「E-mail Router とルール展開ウィザードのインストール」を参照してください。

E-mail Router インストールの一部としてこのウィザードをインストールする場合、次の操作を実行してこのウィザードにアクセスできます。

ルール展開ウィザード をインストールしたコンピューターで [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft Dynamics CRM E-mail Router] の順にポイントして、[ルール展開ウィザード] をクリックします。

ルール展開ウィザードは、Exchange Server のインスタンスがあるコンピューターで実行する必要はありません。ルール展開ウィザードを実行するには、実行するユーザーが次の条件を満たしている必要があります。

  • セキュリティ ロールを持つ Microsoft Dynamics CRM ユーザーとしてログオンしていること。 (アクセス制限モードのユーザーでもかまいません)。

  • ウィザードが実行されているコンピューターのローカル管理者であること。

  • Exchange Server 管理者権限を持っていること。

Microsoft Dynamics CRM ユーザーのメールボックスにルールを展開するには、ルール展開ウィザードを実行するユーザーが、そのメールボックスに対する Exchange Server 管理者権限を持っている必要があります。Exchange システム マネージャーまたは Exchange Server 委任ウィザードを使用して、Exchange Server 管理者を指定します。 または、ルール展開ウィザードを実行するユーザーに、対象のユーザーのメールボックスが置かれている Exchange Server メールボックス ストアまたはストレージ グループに対する完全なアクセス許可を与えます。

Outlook で手動でルールを作成する

POP3 電子メール サーバーを使用していて、その電子メール サーバーが電子メール メッセージを添付して転送できる電子メール システム ルールをサポートしている場合は、ルールを手動で作成できます。

注意

ルールで転送用メールボックスを指定するには、メールボックスを作成し、転送用メールボックスとして指定しておく必要があります。 詳細については、E-mail Router 構成マネージャー ヘルプの「転送用メールボックスの指定」を参照してください。

  1. Microsoft Office Outlook で、[ファイル] > [仕訳ルールと通知の管理] をクリックします。

  2. [仕分けルールと通知] ダイアログ ボックスの、[電子メールの仕分けルール] タブで、[新しい仕訳ルール] をクリックします

  3. ステップ 1: テンプレートを選択してくださいで、受信メッセージにルールを適用するを選択し、次へ をクリックします。

  4. **[ステップ 1: 条件を選択してください]**で [[宛先] または[CC]に自分の名前がある場合] 選択して [次へ] をクリックします。

  5. **[ステップ 1: 処理を選択してください]**で [添付して名前/パブリック グループに転送する] を選択します。

  6. ステップ 2: 仕分けルールの説明を編集してください で、名前/パブリック グループをクリックし、ルール アドレスウィンドウで、転送用メールボックスを入力し、実行をクリックします。アドレス帳で選択して、宛先をクリックし、OKをクリックします。

  7. [完了] をクリックします。

  8. 新しいルールをクリックして、それをアクティブ化し、このフォルダーに変更を適用するに表示されている正しい受信トレイに対して実行していることを確認します。

  9. 受信トレイ内に既にあるメッセージにこのルールを実行するには、ここでルールを実行するルールと通知 でクリックします。

転送用メールボックスの設定

転送用メールボックスは、各 Microsoft Dynamics CRM ユーザーのメールボックスからサーバー側のルールに基づいて転送される電子メール メッセージを収集するボックスとして使用されます。 転送用メールボックスは、E-mail Router システム専用にする必要があり、個人ユーザーの作業用メールボックスとして使用することはできません。

転送用メールボックスを指定する前に、Microsoft Dynamics CRM で追跡される電子メール メッセージの処理を専用にできる、既存の Exchange Server または POP3 メールボックスを作成または使用する必要があります。 転送用メールボックスを指定したら、ルール展開ウィザード を実行して、電子メール メッセージを転送用メールボックスに転送するために使用されるルールを展開できます。

注意

転送用メールボックスとして POP3 メールボックスを指定する場合は、ルールを手動で展開する必要があります。ルール展開ウィザードでは、POP3 電子メール サーバーにルールを展開できません。 ルールを手動で展開する方法については、前の「手動でのルールの作成」を参照してください。

転送用メールボックスの指定または変更

  1. 転送専用にするメールボックスがあることを確認します。 メールボックスがない場合は、メッセージング サーバーのマニュアルでメールボックスの作成方法に関する情報を参照してください。Exchange Server を受信電子メール サーバーの種類として選択した場合は、Microsoft Office Outlook や Outlook on the web などの電子メール クライアントを使用してメールボックスに少なくとも 1 回はログオンして、メールボックスを作成する必要があります。

  2. [ユーザー、キュー、転送用メールボックス] タブをクリックして、[データの読み込み] をクリックします。

  3. リストが表示されたら、[転送用メールボックス] タブをクリックして、[新規] をクリックします。 既存の転送用メールボックスを変更するには、[変更] をクリックします。

  4. [転送用メールボックス] ダイアログ ボックスにある以下のボックスに入力して、[OK] をクリックします。

    • 名前: 転送用メールボックスの名前を入力します。 これは、E-mail Router 構成マネージャーとルール展開ウィザードでの表示に使用されます。

    • 電子メール アドレス。 転送用メールボックスへの電子メール アドレスを、forwardmailbox@contoso.com のように入力します。

    • 受信構成プロファイル: 転送用メールボックスに関連付ける受信構成プロファイルを選択します。 異なる受信構成プロファイルを使用する複数の転送用メールボックスを使用することができます。

    注意

    転送用メールボックスの電子メール メッセージを E-mail Router での処理後に削除するには、[転送用メールボックスのメッセージを処理後に削除する] オプションを選択します。

  5. [発行] をクリックします。

  6. Microsoft Dynamics CRM Email Router サービスを停止します。 そのためには、[スタート] メニューで「services.msc」と入力してから ENTER キーを押すか、[ファイル名を指定して実行] をクリックして「services.msc」と入力してから ENTER キーを押します。 Microsoft Dynamics CRM Email Router サービスを右クリックして、[停止] をクリックします。

  7. Microsoft Dynamics CRM Email Router サービスを再起動します。 これを行うには、サービス一覧で [Microsoft Dynamics CRM 電子メール ルーター] を右クリックして、[スタート] をクリックします。

  8. [OK] をクリックし、サービス アプリケーションを閉じます。

転送用メールボックスの設定

転送用メールボックスを使用して電子メール メッセージをルーティングする場合、Active Directory ディレクトリ サービスで、E-mail Router 転送用メールボックスに使用されるユーザーとメールボックスを作成する必要があります。

重要

E-mail Router で転送用メールボックスを使用して電子メール メッセージを処理するには、転送用メールボックスに少なくとも 1 回はログオンしておく必要があります。

関連項目

E-mail Router とルール展開ウィザードのインストール
E-mail Router

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