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単一フォレストからリソース フォレストに移行する方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2009-03-16

ここでは、既存の Exchange Server 2003 または Exchange 2000 Server 組織に Microsoft Exchange Server 2007 リソース フォレストを追加する方法について説明します。

この手順を実行するときは、Exchange リソース フォレストに無効になったユーザー アカウントを作成し、既存のメールボックスを Exchange 2003 または Exchange 2000 サーバーからこれらの無効になったユーザー アカウントに移動します。これらのメールボックスに対して有効なユーザー アカウントは、既存の Exchange 2003 または Exchange 2000 フォレストに残されます。

一部のメールボックスを Exchange 2003 または Exchange 2000 サーバーから別のフォレスト内の Exchange 2007 サーバーに移動した後は、リソース フォレストとフォレスト間が混在したシナリオになります。これは、ハイブリッド フォレストのシナリオと呼ばれます。

important重要 :
マイクロソフトは、ハイブリッド フォレスト環境において Exchange をサポートしています。

すべてのメールボックスを Exchange 2003 または Exchange 2000 サーバーから Exchange 2007 サーバーに移動した後で、Exchange 2003 および Exchange 2000 サーバーを削除すると、リソース フォレストのシナリオになります。

GAL 同期および MIIS 2003

Microsoft Identity Integration Server (MIIS) 2003 を使用してグローバル アドレス一覧 (GAL) を同期する場合、追加の手順を実行して MIIS GAL 同期 (GALSync) プロセスで作成する受信者の準備を完了します。MIIS 2003 の GALSync は、Exchange 2003 Server または Exchange 2000 Server で機能するように設計されています。Microsoft Exchange のこれらのバージョンでは、受信者更新サービスによって受信者の準備を完了するのに必要なタスクが実行されます。受信者更新サービスは、Exchange 2007 では使用できません。したがって、MIIS 2003 GALSync プロセスによって作成された、電子メールが有効な連絡先の準備を手動で完了する必要があります。

さらに、Exchange 2007 の受信者には、以前のバージョンの Exchange には存在していなかったいくつかの属性があります。MIIS 2003 の GALSync では、これらの新しい属性は同期されません。この結果、MIIS 2003 の GALSync を使用してフォレスト間で受信者を同期する場合には、次の制限があります。

  • あるユーザーに別のユーザーのメールボックスに対するアクセスが委任された場合、ユーザーのメールボックスまたは委任対象のメールボックスは、別のフォレストに移動され、委任は失われます。
  • 他のフォレストにある会議室メールボックスや備品用メールボックスを示す連絡先は、これらのリソースに関する詳細な情報を保持しません。
  • Microsoft Office Outlook は、別の Exchange フォレストにあるメールボックスを示している同期された連絡先を認識しません。Office Outlook では、この連絡先は通常の連絡先として表示されます。
note注 :
MIIS 2003 を使用した Exchange 2007 の GAL の同期はカスタム ソリューションとしてのみサポートされています。Exchange 2007 の GAL を同期するための推奨されるソリューションは、Exchange 2007 Service Pack 1 (SP1) および Identity Lifecycle Manager (ILM) 2007 Feature Pack 1 を使用することです。

Exchange 2007 SP1 の新機能

Microsoft Exchange 2007 SP1 では、GALSync によって作成される受信者の準備を完了するための Update-Recipient コマンドレットを備えています。

Exchange 2007 SP1 の GAL を同期するには、MIIS 2003 の代わりに ILM 2007 Feature Pack 1 を使用することをお勧めします。ILM 2007 Feature Pack 1 の GAL 同期管理エージェントは、Update-Recipient コマンドレットを自動的に呼び出します。ILM 2007 Feature Pack 1 の GAL 同期によって作成される受信者の準備を完了するために追加の手順を実行する必要はありません。

note注 :
ILM 2007 Feature Pack 1 を使用して GAL を同期するには、Exchange 2007 SP1 をインストールしている必要があります。

ILM 2007 Feature Pack 1 を使用する場合、Exchange 2007 の受信者のあらゆる受信者属性が同期されます。この結果として、以下に関する制限は生じません。

  • フォレスト間の委任。
  • 会議室情報および備品情報の同期。
  • 同期された連絡先としての連絡先の認識に失敗した Outlook。

ILM 2007 の詳細については、Microsoft Identity Lifecycle Manager 2007 の製品概要についてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

開始する前に

次の手順を実行する前に、Exchange 2007 RTM (Release To Manufacturing) 版、または Exchange 2007 SP1 のどちらを使用しているかによって、次のいずれかのセクションに記載されているアクションを実行する必要があります。

Exchange 2007 SP1 のアクセス許可および前提条件

Exchange 2007 SP1 で次の手順を実行するには、以下の点を確認してください。

  • トピック「複雑な Exchange 組織の計画」を読み終えている。
  • Exchange 2007 フォレストと Exchange 2003 フォレストの両方が Microsoft Windows Server 2003 フォレスト機能レベルにある。
  • Exchange 2007 を含むすべての複数フォレスト トポロジでは、各フォレストに Service Pack 1 以降の Windows Server 2003 を実行しているディレクトリ サーバーが必要になる。
  • Exchange 2007 ではサポートされていない Exchange 2003 の機能を今後も使用する場合は、組織に少なくとも 1 台の Exchange 2003 サーバーを保持するように計画する。次の Exchange 2003 機能は、Exchange 2007 ではサポートされていません。
    • Novell GroupWise コネクタ
    • NNTP (ネットワーク ニュース転送プロトコル)
  • Exchange 2007 ではサポートされていない Exchange 2000 の機能を今後も使用する場合は、組織に少なくとも 1 台の Exchange 2000 サーバーを保持するように計画する。次の Exchange 2000 機能は、Exchange 2007 ではサポートされていません。
    • Microsoft Mobile Information Server
    • インスタント メッセージング サービス
    • Exchange Chat サービス
    • Exchange 2000 Conferencing Server
    • キー マネージメント サービス
    • cc:Mail コネクタ
    • MS Mail コネクタ
  • ILM 2007 Feature Pack 1 をインストールした。ILM 2007 Feature Pack 1 の展開の詳細については、Identity Lifecycle Manager についてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。
  • Microsoft Office Outlook 2007 を使用して電子メールにアクセスしている場合は、可用性サービスを使用してフォレスト間で空き時間情報データを共有できます。可用性サービスは、Outlook 2007 クライアントでのみサポートされます。Outlook の以前のバージョンを使用している場合は、複数のフォレスト間で空き時間情報データを同期するために Exchange 組織間のレプリケーション ツールを使用する必要があります。組織間のレプリケーション ツールのインストールは、Exchange 2007 管理ツールがインストールされた他の Exchange 2007 サーバーの役割を持たないコンピュータや、Exchange 2003 または Exchange 2000 サーバーでサポートされます。Exchange 2007 管理ツールがインストールされているコンピュータにツールをインストールする場合、Exchange MAPI クライアントのライブラリもインストールする必要があります。組織間のレプリケーション ツールの詳細については、Microsoft Exchange Server 組織間のレプリケーションについてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。Exchange MAPI クライアント ライブラリのダウンロードの詳細については、Microsoft Exchange Server MAPI クライアントと Collaboration Data Objects 1.2.1 についてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

Exchange 2007 RTM のアクセス許可および前提条件

Exchange 2007 RTM で次の手順を実行するには、以下の点を確認してください。

  • トピック「複雑な Exchange 組織の計画」を読み終えている。
  • Exchange 2007 フォレストと Exchange 2003 フォレストの両方が Microsoft Windows Server 2003 フォレスト機能レベルにある。
  • Exchange 2007 ではサポートされていない Exchange 2003 の機能を今後も使用する場合は、組織に少なくとも 1 台の Exchange 2003 サーバーを保持するように計画する。次の Exchange 2003 機能は、Exchange 2007 ではサポートされていません。
    • Novell GroupWise コネクタ
    • NNTP (ネットワーク ニュース転送プロトコル)
  • Exchange 2007 ではサポートされていない Exchange 2000 の機能を今後も使用する場合は、組織に少なくとも 1 台の Exchange 2000 サーバーを保持するように計画する。次の Exchange 2000 機能は、Exchange 2007 ではサポートされていません。
    • Microsoft Mobile Information Server
    • インスタント メッセージング サービス
    • Exchange Chat サービス
    • Exchange 2000 Conferencing Server
    • キー マネージメント サービス
    • cc:Mail コネクタ
    • MS Mail コネクタ
  • フォレスト間で受信者を同期する場合、MIIS 2003 または Identity Integration Feature Pack for Microsoft Windows Server Active Directory Service Pack 2 (SP2) をインストールしておきます。MIIS 2003 の展開の詳細については、「MIIS 2003 の導入~計画・展開・管理~」を参照してください。Identity Integration Feature Pack for Microsoft Windows Server Active Directory SP2 のダウンロードの詳細については、Identity Integration Feature Pack for Microsoft Windows Server Active Directory Service Pack 2 (SP2) についてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。
  • MIIS 2003 を使用している場合、MIIS 2003 の SP2 をインストールしておく必要があります。MIIS 2003 SP2 の展開の詳細については、Microsoft Identity Integration Server 2003 SP2 の更新プログラムについてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。
  • Microsoft Office Outlook 2007 を使用して電子メールにアクセスしている場合は、可用性サービスを使用してフォレスト間で空き時間情報データを共有できます。可用性サービスは Office Outlook 2007 クライアントのみでサポートされています。Outlook の以前のバージョンを使用している場合は、複数のフォレスト間で空き時間情報データを同期するために Microsoft Exchange 組織間のレプリケーション ツールを使用する必要があります。組織間のレプリケーション ツールのインストールは、Exchange 2007 管理ツールがインストールされた他の Exchange 2007 サーバーの役割を持たないコンピュータや、Exchange 2003 または Exchange 2000 サーバーでサポートされます。Exchange 2007 管理ツールがインストールされているコンピュータにツールをインストールする場合、Exchange MAPI クライアントのライブラリもインストールする必要があります。組織間のレプリケーション ツールの詳細については、Microsoft Exchange Server 組織間のレプリケーションについてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。Exchange MAPI クライアント ライブラリのダウンロードの詳細については、Microsoft Exchange Server MAPI クライアントと Collaboration Data Objects 1.2.1 についてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

手順

既存の単一フォレスト Exchange 組織から Exchange 2007 リソース フォレストに移行するには、次の操作を行います。

  1. 新しい Active Directory フォレストを作成します。このフォレストには、後で Exchange 2007 をインストールします。Windows Server 2003 フォレストを作成する方法の詳細については、Windows Server 2003 フォレスト ルート ドメインの展開についてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。
note注 :
Exchange 2007 リソース フォレストから Exchange 2003 または Exchange 2000 フォレストへの出力方向のフォレストの信頼を作成する必要はありません。
  1. Exchange 2007 フォレストで、Exchange 2007 をインストールします。単一フォレストのシナリオと同じ方法で Exchange をインストールします。Exchange 2007 をインストールする方法の詳細については、以下のいずれかのトピックを参照してください。

  2. メールボックスを Exchange 2003 または Exchange 2000 フォレストから Exchange 2007 フォレストに移動します。詳細な手順については、「フォレスト間でメールボックスを移動する方法」を参照してください。

    note注 :
    このシナリオにおいて、Exchange 2007 リソース フォレストにすべてのメールボックスを移動するのではない場合は、ハイブリッド フォレストのシナリオになります。これは、サポートされている Exchange 環境です。ハイブリッド フォレストのシナリオでは、ILM または MIIS の GALSync は既定で両フォレストの受信者を同期しません。ただし、カスタマイズされた ILM または MIIS ソリューションを作成して、GALSync が両フォレストの受信者を同期するようにできます。
    note注 :
    SourceMailboxCleanupOptions パラメータを使用して、MailEnableSourceAccount または DeleteSourceMailbox のいずれかを指定できます。新しい Exchange フォレストにまだ移動していない元のフォレストのユーザーからの電子メール メッセージを受信できるようにするには、MailEnableSourceAccount を指定してソース ユーザー アカウントでメールを有効にする必要があります。これは、ハイブリッド フォレストのシナリオです。すべてのメールボックスを新しい Exchange フォレストに移動し、ソース フォレストから Exchange を完全に削除するには、DeleteSourceMailbox を指定する必要があります。
    note注 :
    フォレスト間で連絡先または配布グループを移動するには、Active Directory 移行ツール Version 3.0 (ADMT V3) などのツールを使用する必要があります。ADMT V3 の詳細については、「Active Directory 移行ツール Version 3.0」を参照してください。
    note注 :
    適用されていない Exchange 2003 または Exchange 2000 の受信者ポリシーがある場合は、メールボックスを Exchange 2007 サーバーに移動すると、受信者ポリシーが再評価されて適用されます。メールボックスを移動する前に、既存のすべての受信者ポリシーを適用するかどうかを確認してください。適用しない既存の受信者ポリシーがある場合は、[Active Directory ユーザーとコンピュータ] にある [電子メール アドレス ポリシーに基づいて電子メール アドレスを自動更新する] チェック ボックスをオフにします。詳細については、Exchange Server チーム ブログの記事 Exchange 2007 で強制的に適用される電子メール アドレス ポリシーに関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。(注 : 各ブログとその URL の内容は、将来予告なしに変更されることがあります。)
  3. (オプション) Exchange 2003 または Exchange 2000 フォレストから古い Exchange 2003 または Exchange 2000 サーバーを削除します。Exchange 2003 サーバーを削除する方法の詳細については、Exchange Server 2003 デプロイメント ガイドExchange Server 2003 をアンインストールする方法に関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。Exchange 2000 サーバーを削除する方法の詳細については、Exchange Server 2003 デプロイメント ガイドExchange 2000 Server をアンインストールする方法に関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

    note注 :
    組織から最後の Exchange 2003 サーバーまたは Exchange 2000 サーバーを削除するには、特別な手順を実行して、パブリック フォルダ レプリカの移動、パブリック フォルダ データベースの削除、パブリック フォルダ階層の移動、オフライン アドレス帳 (OAB) 生成サーバーの移動、ルーティング グループ コネクタの削除、受信者更新サービスの削除、メール フロー、プロトコル、および受信者ポリシーの検証を行う必要があります。詳細な手順については、「組織から最後の従来の Exchange サーバーを削除する方法」を参照してください。

詳細情報

Windows Server 2003 の信頼の詳細については、ドメインとフォレストの信頼を管理する方法についてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

別のフォレスト内のアカウントを使用して、フォレスト内の Exchange 2007 を管理する方法の詳細については、「フォレスト間の管理を構成する方法」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。