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ローカル連続レプリケーションに関する問題のトラブルシューティングを行う方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-10-10

ここでは、LCR 環境で Microsoft Exchange Server 2007 を実行しているときに発生する可能性がある問題をトラブルシューティングする方法について説明します。このトピックの手順は、次の問題に対応しています。

  • Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットを実行すると、データベースでエラーが発生し、データベースがシードされていないと報告される。
  • Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットを実行すると、データベースでエラーが発生したことが報告される。FailedMessage 値は、エラーの原因について具体的な情報を提供します。
  • 警告、パフォーマンス カウンタ、または Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットの実行により、ストレージ グループ コピーのコピー キューまたは再生キューがバックアップされていると指摘される。
  • Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットを実行すると、LastInspectedLogTime 値として古い時間が報告される。
  • シード処理が失敗している。
  • LCR で Restore-StorageGroupCopy コマンドレットを実行すると、Exx.log が使用できなかったと報告される。

上記以外の問題が発生した場合はイベント ログを調べ、原因と回復のために必要と考えられる対処方法を判断してください。障害が発生した時間が明確になると、他のイベント ログによって問題をより理解できる場合があります。LCR に関する問題のトラブルシューティングに役立つツールの詳細については、「高可用性展開の問題のトラブルシューティング ツール」を参照してください。

開始する前に

これらの手順を実行するには、Exchange サーバー管理者の役割および対象サーバーのローカルの Administrators グループが委任されているアカウントを使用する必要があります。Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

手順

Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットを実行すると、データベースでエラーが発生し、データベースがシードされていないと報告される。

  • 考えられる原因   構成の問題が発生しているか、またはレプリケーション コピーに有効なベースライン データベースがありません。また、この問題は、ローカル コンピュータ上でストレージ グループを有効にしていないために発生することもあります。

  • 解決方法   以下のことを行います。

    • コピー元の記憶域が正しく構成され、使用できる状態にあることを確認します。エラーが見つかった場合は、ストレージ グループを中断してから再開することによって、コピーの確認を新しく開始できます。
    • LCR コピーのパスが正しく構成されていることを確認します。このためには、Exchange 管理シェルで Get-StorageGroup コマンドレットを使用します。Get-StorageGroup コマンドレットを使用して構成情報を表示する方法の詳細については、「ローカル連続レプリケーションの構成設定を表示する方法」を参照してください。
    • ストレージ グループ コピーをシードするには、Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用します。

Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットを実行すると、データベースでエラーが発生したと報告され、FailedMessage 値にエラーの原因についての具体的な情報が示される。

  • 考えられる原因   パッシブ コピーが失敗したと判断される場合は、さまざまな原因が考えられます。FailedMessage 値は、検出された問題を具体的に示します。

  • 解決方法   Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットを実行すると、完全な FailedMessage 値を取得することができます。この文字列は、検出された具体的な問題を示しています。報告された状態がログの破損または不足である場合は、正しい世代番号を持つ、破損していないログを探します。正しいログが見つからない場合は、Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用して再シードを行います。メッセージが移動元のログが使用できないことを示している場合は、移動元のログ ディレクトリにある共有を削除し、コンピュータで Microsoft Exchange Replication サービスを再起動します。FailedMessage 値によって提供された情報を分析し、識別された状態を解決します。

警告、パフォーマンス カウンタ、または Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットの実行により、パッシブ コピーのコピー キューまたは再生キューが増加していることが示される。

  • 考えられる原因   ログのコピーまたは再生処理のバックログに、回復処理での問題または一時的な状態が示されることがあります。一時的な状態は、パッシブ コピーが長期間中断された後、最近再開された場合に発生します。状態が一時的なものではない場合、問題の原因としては次のいずれかが考えられます。

    • 構成の問題が存在する。
    • レプリケーション処理が中断されている。
    • Microsoft Exchange Replication サービスが停止している。
    • 記憶域に障害が発生しているか、または記憶域がオフラインになっている。
  • 解決方法   次のことを行って、実際に問題が発生しているのか、または一時的な状態なのかを判断します。

    • Microsoft Exchange Replication サービスが実行中であることを確認します。このためには、サービス スナップインを使用します。このサービスが停止している場合は、再開する必要があります。
    • Exchange 管理シェル コマンドレットの Get-StorageGroupCopyStatusfl コマンドを指定して実行し、パッシブ コピーが中断されているかどうかを判断します。中断されている場合は、パッシブ コピーのファイルが間違いなく存在することを確認し、Resume-StorageGroupCopy コマンドレットを使用してパッシブ コピーを再開します。
    • Exchange 管理シェル コマンドレットの Get-StorageGroupCopyStatusfl オプションを指定して実行し、コピーが正常かどうかを判断します。コピーが失敗していた場合は、状態フィールドの一覧を確認し、必要な修正操作を判断します。

レプリケーション パフォーマンス カウンタを数分間監視して、処理が進行しているかどうかを判断します。特に、再生世代番号と検査世代番号に注目します。コピー キューの長さは増大し続けているが、再生キューの長さが短かったり減少したりしている場合は、アクティブ コピーのネットワーク ファイル共有またはアクティブ サーバー自体に問題がある可能性があります。ストレージ グループの GUID を使用して、アクティブなストレージ グループ コピーのログ ディレクトリにネットワーク ファイル共有が定義されていることを確認します。ストレージ グループの GUID を特定するには、Exchange 管理シェルで fl オプションを指定して Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットを使用します。

Get-StorageGroupCopyStatus を実行すると、LastInspectedLogTime として古い時間が報告される。

  • 考えられる原因   この問題の原因としては、次の 3 つが考えられます。

    • アクティブ コピーのデータベースのマウントが解除されている。
    • アクティブ コピーはマウントされているが、長期間変更されていない。このため、アクティブ コピーによってログが生成されていない。
    • Microsoft Exchange Replication サービスが実行されていない。
  • 解決方法   この 3 つの原因のうち、どれに該当しているかを判断します。これを判断するには、次の操作を行います。

    • Exchange 管理コンソールを使用して、または Exchange 管理シェルで Get-StorageGroupStatus コマンドレットを実行して、データベースのマウントが解除されているかどうかを判断します。マウントが解除されている場合はデータベースをマウントし、LastInspectedLogTime が変わる前に新しいログ ファイルの生成シーケンスを作成する必要があります。
    • Microsoft Exchange Replication サービスが実行中であることを確認します。このサービスが停止している場合は、再開する必要があります。
    • データベースがマウントされていることを確認したら、データベースによってログが生成されているかどうかを確認します。アクティブなデータベースのログ ディレクトリを調べ、世代番号が最も大きいログ ファイルを特定します。そのログのタイムスタンプを調べます。タイムスタンプは LastInspectedLogTime と一致している必要があります。

シード処理が失敗している。

  • 考えられる原因   アクティブ コピー上でバックアップが進行中であるか、または通信の問題が存在します。

  • 解決方法   影響を受けるストレージ グループまたはデータベースのバックアップが進行中でないことを確認します。

Restore-StorageGroupCopy コマンドレットを実行すると、Exx.log が使用できないと報告される。

  • 考えられる原因   Restore-StorageGroupCopy コマンドレットによって、Exx.log が存在しなくても処理を続行するかどうかを確認するメッセージが表示されます。

  • 解決方法   アクティブ化によって、データが失われていないデータベースが生成されると予想している場合は、このメッセージに対して "いいえ" を返します。Restore-StorageGroupCopy コマンドレット操作の時点で Exx.log が使用できないと、回復時の損失が大きくなります。"いいえ" を返した場合は、運用ログへのアクセスを妨げている問題をすべて解決する必要があります。これらの問題を修正したら、Restore-StorageGroupCopy コマンドレットを再度実行することができます。

詳細情報

ここで説明した Exchange 管理シェル コマンドレットの詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。