エッジ トランスポート

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2006-09-15

Microsoft Exchange Server 2007 エッジ トランスポート サーバーの役割は、組織の境界ネットワークに展開され、インターネットに対するすべてのメール フローを処理すると共に、スパムおよびウイルスに対する保護機能を提供します。

メール フロー

エッジ トランスポート サーバーの役割は、インターネットから Exchange 2007 組織に入ってくるメールを受け入れ、すべての送信メッセージをインターネットにルーティングします。エッジ トランスポート サーバーの役割は、Exchange 組織に対するスマート ホストと SMTP 中継として動作します。エッジ トランスポート サーバーで送信コネクタと受信コネクタを構成して、メッセージ処理を制御します。

スパム対策およびウイルス対策向けの機能

多くのウイルスは、スパムと同じような方法でユーザーの組織へのアクセスを取得し、ユーザーがメールを開くように誘導します。スパムまたは迷惑な商用電子メールの大部分をフィルタで除外できれば、ウイルスが組織に潜入する前にこれらを捕まえられる可能性が高くなります。スパムの発信者は、さまざまな手法を使用して組織にスパムを送信します。Exchange 2007 エッジ トランスポート サーバーの役割は、複数の層でスパムのフィルタ処理と保護を提供するために連携して動作する一連のエージェントを備えているため、組織のユーザーがスパムを受信することを防止できます。

  • 添付ファイル フィルタ エージェント   このエージェントは、添付ファイル名、ファイル名の拡張子、またはファイルの MIME コンテンツの種類に基づいて、メッセージにフィルタを適用します。このエージェントを構成すると、メッセージと添付ファイルをブロックしたり、添付ファイルを削除してからメッセージを通過させたり、またはメッセージと添付ファイルを警告なしに削除したりすることができます。
  • 接続フィルタ エージェント   このエージェントは、メッセージの送信元であるリモート サーバーの IP アドレスに基づいて、メッセージにフィルタを適用します。さまざまな IP 禁止一覧、IP 許可一覧、およびオプションのサービスを使用して、送信元の IP アドレスに基づいて特定のメッセージに対して行う処理を決定します。
  • コンテンツ フィルタ エージェント   Microsoft このエージェントは、SmartScreen テクノロジを使用してメッセージの内容にアクセスします。Exchange インテリジェント メッセージ フィルタは、Microsoft Research が開発した、特許を取得済みのマシン学習テクノロジに基づいています。インテリジェント メッセージ フィルタは、正当な電子メールとスパムの特性から、それらを区別する方法を学習します。インテリジェント メッセージ フィルタは、これらの特性に基づいて、受信メッセージがスパムであるか正当な電子メールであるかを判断するために役立ちます。
  • 受信者フィルタ エージェント   このエージェントは、RCPT TO:SMTP ヘッダーに指定された受信者を、IP 禁止一覧に指定されている既知の受信者、および組織内に存在する有効な受信者を格納するローカルの受信者ディレクトリと比較して、特定のメッセージに対して行う処理を決定します。
  • 送信者フィルタ エージェント   このエージェントは、MAIL FROM:SMTP ヘッダーに指定された送信者を、IP 禁止一覧に指定されている既知の送信者と比較して、特定のメッセージに対して行う処理を決定します。
  • Sender ID エージェント   このエージェントは、RECEIVED: SMTP ヘッダーおよび送信元システムの DNS サービスへのクエリを利用して、特定のメッセージに対して行う処理を決定します。

メッセージングのポリシーと準拠

多くの組織には、組織内のユーザー間の電子メールにフィルタを適用したり、処理や格納を行ったりするための法規制上の要件や内部の要件があります。また、インターネットとの間で送信されるメールの処理方法に対する追加要件もあります。Exchange 2007 の一連のメッセージングのポリシーと準拠エージェントは、組織がこれらの法規制上の要件や内部要件に容易に準拠できるように、これらの要件を満たすために役立つルールおよび設定を構成する方法を提供しています。次のメッセージングのポリシーと準拠のエージェントは、エッジ トランスポート サーバーの役割で使用できます。

  • アドレス書き換えエージェント   このエージェントによって、組織で送受信されるメッセージの送信者または受信者の SMTP アドレスの変更が可能になります。アドレスの書き換えは、組織が内部ドメインを非表示にする場合や、複数の組織を単一の組織として表示できるようにする場合、あるいはサード パーティが組織に提供するサービスを統合する場合に役に立つことがあります。
  • エッジ ルール エージェント   エッジ トランスポート サーバーの役割のエッジ ルール エージェントを構成して、インターネットとの間で送受信されるメッセージの流れを制御するルールを作成します。エッジ トランスポート ルールは、指定された条件に一致するメッセージにアクションを適用することによって、企業ネットワークのリソースとデータを保護するために役立ちます。これらのルールはサーバーごとに構成されます。エッジ トランスポート ルールの条件は各データ、たとえば、メッセージの件名、本文、ヘッダー、または送信元アドレスに含まれている特定の単語またはテキスト パターン、SCL (Spam Confidence Level)、添付ファイルの種類などに基づいています。指定された条件に当てはまる場合のメッセージの処理方法はアクションによって決まります。可能なアクションには、メッセージの検疫、メッセージの破棄または拒否、他の受信者の追加、イベントのログ出力などがあります。オプションの例外は、特定のメッセージをアクションの適用対象外にします。

詳細情報

詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。