Exchange 2007 での Outlook Web Access 仮想ディレクトリの管理

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2009-01-14

ここでは、Exchange 2007 の Outlook Web Access 仮想ディレクトリを管理する方法について説明します。

Outlook Web Access の仮想ディレクトリ

Exchange サーバーにクライアント アクセス サーバーの役割をインストールすると、Exchange サーバー上の既定のインターネット インフォメーション サービス (IIS) Web サイトに 4 つの Outlook Web Access 仮想ディレクトリが作成されます。Exchange 管理シェル、管理コンソール、およびインターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャを使用して、Exchange 仮想ディレクトリを管理できます。Exchange 2007 Outlook Web Access 仮想ディレクトリを次の表に示します。

Exchange 2007 Outlook Web Access の仮想ディレクトリ

名前 説明

/owa

この仮想ディレクトリは、Exchange 2007 メールボックス サーバーでメールボックスにアクセスするために、Outlook Web Access によって使用されます。

/Public

この仮想ディレクトリは、Exchange 2007、Exchange Server 2003、または Exchange 2000 Server を実行しているコンピュータにあるメールボックスの Outlook Web Access アプリケーションを使用して、パブリック フォルダにアクセスするために使用されます。Outlook Web Access から使用できるのは、Exchange 2003 または Exchange 2000 を実行しているサーバーにあるパブリック フォルダのみです。パブリック フォルダを表示するには、ユーザーは /Public 仮想ディレクトリに接続する必要があります。Outlook Web Access を使用して Exchange メールボックスにログオンするために使用される URL からパブリック フォルダを使用することはできません。

/Exchweb

この仮想ディレクトリは、Exchange 2003 または Exchange 2000 を実行しているコンピュータ上のメールボックス用の Outlook Web Access アプリケーションで使用されます。

/Exchange

この仮想ディレクトリは、Exchange 2003 または Exchange 2000 を実行しているコンピュータ上のメールボックスにアクセスするときに、Outlook Web Access によって使用されます。Exchange 2007 メールボックスに加えて Exchange 2000 メールボックスまたは Exchange 2003 メールボックスが組織内にある場合、すべてのユーザーは /Exchange 仮想ディレクトリを通じて Outlook Web Access にアクセスできます。クライアント アクセス サーバーは、自動的に Exchange 2007 メールボックス ユーザーを /owa 仮想ディレクトリにリダイレクトします。

note注 :
クライアント アクセス サーバーの役割をホストするサーバーにメールボックス サーバーの役割もホストされている場合、/Exchange 仮想ディレクトリを使用するユーザーは /owa 仮想ディレクトリにリダイレクトされます。Exchange 2000 メールボックスまたは Exchange 2003 メールボックスはこの仮想ディレクトリを使用できません。Exchange 2000 メールボックスまたは Exchange 2003 メールボックスへの Outlook Web Access アクセスをサポートする必要がある場合は、同じ Exchange 2007 サーバーにクライアント アクセス サーバーの役割とメールボックス サーバーの役割をインストールしないでください。

/Exadmin

この仮想ディレクトリは、他の仮想ディレクトリを通じて使用できるフォルダと同じフォルダにアクセスでき、管理設定およびプロパティを変更するために使用されます。管理アクセス許可を持つユーザーのみが /exadmin 仮想ディレクトリにアクセスできます。

Outlook Web Access の仮想ディレクトリの構成

Exchange 2007 は、以下のトポロジ構成をサポートしています。

  • クライアント アクセス サーバーとメールボックス サーバー上の Exchange 2007。
  • クライアント アクセス サーバー上の Exchange 2007 とバックエンド サーバー上の Exchange 2003 または Exchange 2000。

ほとんどの Exchange 2007 の展開では、ほとんどの組織にとって、インストール中に作成される既定の Outlook Web Access 仮想ディレクトリで十分です。新しい Outlook Web Access 仮想ディレクトリの作成が必要になることもあります。一般的に、新しい Outlook Web Access 仮想ディレクトリは、Outlook Web Access 仮想ディレクトリの削除と再作成など、ホストまたは問題のトラブルシューティングを行う組織によって作成されます。

組織のニーズに応じて、Outlook Web Access 仮想ディレクトリで以下のタスクを実行します。

important重要 :
Exchange 管理コンソールを使用した仮想ディレクトリのプロパティの表示および変更に関連する重要な違いについては、後の「Exchange 2007 SP1 の新機能」を参照してください。
  • Outlook Web Access 仮想ディレクトリの作成   Exchange 管理シェルを使って新しい Outlook Web Access 仮想ディレクトリを作成します。詳細については、「Exchange 2007 に Outlook Web Access 仮想ディレクトリを作成する方法」を参照してください。

    note注 :
    クライアント アクセス サーバーの役割がインストールされている場合、すべての Outlook Web Access 仮想ディレクトリは既定の Web サイトの下にインストールされます。仮想ディレクトリの作成時に別の Web サイトが指定されない場合、新しい仮想ディレクトリはすべて既定の Web サイトの下にインストールされます。
  • Outlook Web Access 仮想ディレクトリでのプロパティの表示   Exchange 管理シェルおよび Exchange 管理コンソールを使用すると、Outlook Web Access 仮想ディレクトリのプロパティを表示できます。詳細については、「Outlook Web Access 仮想ディレクトリのプロパティを表示する方法」を参照してください。

Exchange 2007 SP1 の新機能

Exchange 管理コンソールを使用して仮想ディレクトリのプロパティを表示および変更するために実行する手順は、次の条件によって異なります。

  • Exchange 2007 または Exchange 2007 SP1 の元のリリース (RTM) バージョンを実行しているかどうか
  • クライアント アクセス サーバーの役割を実行しているコンピュータでメールボックス サーバーの役割を実行しているかどうか

Exchange 2007 SP1

Exchange 2007 SP1 を実行している場合、以下の点を考慮してください。

  • コンピュータ上でクライアント アクセス サーバーの役割のみを実行している場合は、Exchange 管理コンソールの [Outlook Web Access] タブから、Exchange 2007 仮想ディレクトリおよび従来の仮想ディレクトリのプロパティを管理します。[サーバーの構成] をクリックし、[クライアント アクセス] をクリックして、[Outlook Web Access] にアクセスします。既定の仮想ディレクトリは次のとおりです。/owa、/Public、/Exchweb、/Exchange、および /Exadmin。
  • メールボックス サーバーの役割とクライアント アクセス サーバーの役割を同じコンピュータ上で実行している場合は、Exchange 管理コンソールの [Outlook Web Access] タブから Exchange 2007 仮想ディレクトリのみを管理できます。[サーバーの構成] をクリックし、[クライアント アクセス] をクリックして、[Outlook Web Access] にアクセスします。既定の Exchange 2007 仮想ディレクトリは /owa です。この場合、従来の仮想ディレクトリのプロパティは、[サーバーの構成][メールボックス] ノードをクリックしてアクセスする [WebDAV] タブから管理する必要があります。既定の従来の仮想ディレクトリは次のとおりです。/Public、/Exchweb、/Exchange、および /Exadmin。
  • コンピュータ上でメールボックス サーバーの役割を実行し、クライアント アクセス サーバーの役割を実行していない場合は、Exchange 管理コンソールの [WebDAV] タブから従来の仮想ディレクトリのプロパティを管理する必要があります。[サーバーの構成] をクリックし、[メールボックス] をクリックして、[WebDAV] タブにアクセスします。既定の従来の仮想ディレクトリは以下のとおりです。/Public、/Exchweb、/Exchange、および /Exadmin。

Exchange 2007 RTM

Exchange 2007 RTM を実行している場合、以下の点を考慮してください。

  • コンピュータでクライアント アクセス サーバーの役割がインストールされた Exchange 2007 を実行している場合は、Exchange 管理コンソールの [Outlook Web Access] タブから、Exchange 2007 仮想ディレクトリおよび従来の仮想ディレクトリのプロパティを管理します。[サーバーの構成] をクリックし、[クライアント アクセス] をクリックして、[Outlook Web Access] タブにアクセスします。既定の仮想ディレクトリは次のとおりです。/owa、/Public、/Exchweb、/Exchange、および /Exadmin。
  • クライアント アクセス サーバーの役割がインストールされていない場合は、Exchange 管理シェルまたはインターネット インフォメーション サービス マネージャを使用して仮想ディレクトリのみを表示および管理できます。

詳細情報

クライアント アクセス サーバーの役割をインストールする方法の詳細については、「サーバーの役割の展開」を参照してください。

Outlook Web Access を通じてパブリック フォルダにアクセスする方法の詳細については、「ユーザーが Outlook Web Access からパブリック フォルダにアクセスできるようにする方法」を参照してください。

Outlook Web Access 仮想ディレクトリを管理する方法の詳細については、以下のトピックを参照してください。

Outlook Web Access の URL の詳細については、「Outlook Web Access の URL の管理」を参照してください。

/exadmin 仮想ディレクトリを使用する方法の詳細については、管理用の仮想ルートの使用についてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。