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損失した Exchange Server を回復する方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2011-04-15

ここでは、setup コマンドの /m:RecoverServer スイッチを使用して、サーバーの損失から回復する方法について説明します。Microsoft Exchange Server 2007 を実行しているコンピュータの設定はほとんどすべて、Active Directory ディレクトリ サービスに格納されています。/m:RecoverServer スイッチにより、Active Directory 内の情報を使用して、Exchange サーバーが同じ名前と設定で再構築されます。

サーバーの回復時に Setup /m:RecoverServer でエラーが発生し、セットアップが失敗した場合、/m:RecoverServer をもう一度実行すると再度失敗する可能性があります。Setup /m:RecoverServer を再度実行して失敗した場合、以下の状況が発生することがあります。

  • 一部のサーバーの役割が完全に回復されない。
  • サーバーに構成済みの役割が含まれているため、セットアップが残りの役割の回復に失敗する。
  • 障害回復の作業中に失敗したために残りの役割のアンインストールが失敗し、障害回復が成功するまで他の処理は試行されない場合がある。

エラーによっては、Setup を再度実行すると成功する場合があります。ただし、Setup を再度実行して失敗した場合には、Setup が処理を続行できるようにし、初回時に回復されなかった役割の回復を試行する回避策を手動で実行することができます。この回避策は、Setup を再度起動できるようにするだけで、初回時にセットアップの失敗を引き起こした問題に対処するものではありません。Setup を再度実行する前に、この問題を診断し、修正しておく必要があります。

開始する前に

Exchange 2007 をインストールするコンピュータで以下の手順を実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。

  • Exchange Server Administrator の役割および対象サーバーのローカル Administrators グループ

Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

サーバーには、置き換えるサーバーと同じ名前を付け、Exchange データを格納していたドライブに一致するドライブ構成を割り当てる必要があります。

手順

/m:RecoverServer スイッチを使用して、損失したサーバーを回復するには、次の操作を行います。

  1. 損失したサーバーのドメイン コンピュータ アカウントをリセットします。これを実行するには、次の操作を行います。

    1. Active Directory ユーザーとコンピュータを開きます。
    2. 損失したサーバーのコンピュータを見つけます。
    3. コンピュータ名を右クリックし、[アカウントのリセット] をクリックします。

    Microsoft Windows Server 2003 を実行している新しいサーバーをオンラインにし、損失したサーバーと同じ名前でドメインに参加させます。

  2. 損失したサーバー上に存在していたのと同じ論理割り当てを使用してすべてのドライブを構成します。

  3. Exchange の移動元のフォルダでコマンド プロンプト ウィンドウを開き、次のコマンドを実行します。

    setup /m:recoverserver 
    
    note注 :
    移動元のフォルダは、DVD またはその他のソース メディア上にあるプロセッサの種類の識別フォルダ (\i386 または \amd64) です。

/m:RecoverServer スイッチを使用して、回復処理中に失敗した損失したサーバーを回復するには、次の操作を行います。

  1. Setup を再度実行できるようにするには、まず、回復された役割を特定する必要があります。最初の試行でのセットアップ コンソールがまだ表示されている場合は、回復された役割の名前の横に "完了" が表示されています。それ以外の場合は、レジストリに移動し、以下のキーを開く必要があります。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Exchange\v8.0

    サーバーの役割の名前が付いた複数のサブキー ("MailboxRole" など) は v8.0 キーの下にあります。それぞれのサブキーを確認します。サブキーに UnpackedVersion 値と ConfiguredVersion 値の両方が含まれており、両方の値が同じである ("8.0.685.23" などの文字列である) 場合、サーバーの役割は正常に回復され、インストールされています。正常に回復された役割を書き留めます。

    note注 :
    レジストリに対して誤った編集を行うと、重大な問題が発生する可能性があり、オペレーティング システムの再インストールが必要になる場合があります。 誤ったレジストリ編集に起因する問題は、解決できない場合もあります。 レジストリを編集する前に、重要なデータをバックアップしてください。
  2. レジストリと Active Directory の両方で、変更する予定のデータをバックアップします。レジストリで、以下のキーを開きます。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Exchange\v8.0

    このキーを右クリックして [エクスポート] を選択し、ファイルを保存します。

  3. AdsiEdit (AdsiEdit.msc) を使用して、回復するサーバーの Exchange サーバー オブジェクトを見つけます。以下に、サーバー オブジェクトへのパスの例を示します。

    CN=<サーバーの名前>,CN=Servers,CN=Exchange Administrative Group (FYDIBOHF23SPDLT),CN=Administrative Groups,CN=<組織の名前>,CN=Microsoft Exchange,CN=Services,CN=Configuration,DC=<ドメインの名前>

    属性 msExchCurrentServerRoles; の値を書き留めます。値は整数です。サーバー オブジェクトのこの属性の値は、失敗する前にサーバー オブジェクトで構成されていた役割を示し、次のような値を加算することによって得られます。

    サーバーの役割 役割の値

    メールボックスの役割

    2

    クライアント アクセスの役割 (CAS)

    4

    ユニファイド メッセージングの役割

    16

    ハブ トランスポートの役割

    32

    エッジ トランスポートの役割

    64

  4. Setup が読み込む変数を変更して、回復された役割を無視し、回復されなかった役割を回復するようにします。このためには、レジストリと Active Directory の情報を一時的に変更する必要があります。

    1. regedit.exe の使用   すべての正常に回復された役割について、HKLM\Software\Microsoft\Exchange\v8.0 の下にあるキーに 0 を追加して名前を変更するか、それ以外の方法でキーの名前を変更します。
    2. AdsiEdit.msc の使用   msExchCurrentServerRoles の現在の値を取り、回復された役割に対応する値を差し引き、属性を新しい値に変更します。たとえば、ハブ (値 = 32)、メールボックス (値 = 2)、および CAS (値 = 4) サーバーの役割がインストールされているサーバー上でメールボックスの役割が正常に回復された場合、値は 38 になります。この値からメールボックスの役割の 2 を引くと、msExchCurrentServerRoles には値 36 が残ります。
  5. 前回と同様に Setup /m:RecoverServer を実行し、残りの回復されていないサーバーの役割をすべて回復します。

  6. 回復が終了したら、レジストリおよび Active Directory で変更した値を元に戻します。

    1. regedit.exe の使用   Setup によって、正常に回復された役割については、以前に名前が変更されたキーに対応する新しいキーが作成されます。これらのキーを削除し、HKLM\Software\Microsoft\Exchange\v8.0 の下にあるすべてのキーの名前を変更して元の名前に戻します。
    2. AdsiEdit.msc の使用   msExchCurrentServerRoles の値を変更して元の設定に戻します。

詳細情報

/m:RecoverServer スイッチの詳細については、「Setup /M:RecoverServer について」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。