公共のコンピューターおよびプライベートのコンピューターのファイル アクセスを構成する

適用先 : Exchange Server 2010

ファイルへの直接アクセスが可能になると、電子メール メッセージに添付されているファイルや、Windows SharePoint Services ドキュメント ライブラリおよび Windows ファイル共有に保管されているファイルを開くことができます。公共のコンピューターおよびプライベート コンピューターの両方で、Microsoft Exchange Server 2010 内の Microsoft Office Outlook Web App に対するファイルへの直接アクセスを管理できます。

既定では、共有のコンピューターのファイルへの直接アクセスは、Outlook Web App の新規インストールおよびアップグレードに対して有効になっています。そのため、組織のユーザーが Outlook Web App サインイン ページの [これは公共または共有のコンピューターです] または [これは個人のコンピューターです] を選択すると、電子メール メッセージに添付されているファイルにアクセスできるようになります。

ユーザーに対してプライベートのコンピューターまたは公共のコンピューターのファイル アクセスを有効にするときに、EMC を使用して、個別のファイルの種類と MIME の種類を指定できます。次の表は、\owa 仮想ディレクトリに対して既定で許可、ブロック、または強制保存に設定されるファイル名拡張子と MIME の種類の一覧を示しています。

  • 許可   許可一覧に含まれるファイルと MIME の種類は、そのファイルを開くために必要なアプリケーションがクライアント コンピューターにインストールされている場合、Outlook Web App から開くことができます。許可は、ブロックおよび強制保存より優先されます。
  • ブロック   禁止一覧に含まれるファイルと MIME の種類は、開くことができません。ブロックは強制保存より優先されますが、ブロックより許可が優先されます。
  • 強制保存   強制保存一覧に含まれるファイルと MIME の種類を開くには、クライアント コンピューターに保存する必要があります。強制保存より許可およびブロックが優先されます。
    Bb124232.note(ja-jp,EXCHG.140).gif注 :
    プライベートのコンピューターと公共のコンピューターのアクセスごとに値を設定できるように見えますが、それはできません。プライベート アクセスの動作を指定すると、それがパブリック アクセスにも設定されます。

\owa 仮想ディレクトリに対する許可、ブロック、および強制保存の設定に関する既定のファイル名拡張子と MIME 値

オプション 説明 既定のファイル名拡張子 既定の MIME の種類

許可

このオプションは、常にファイルへの直接アクセスが許可されるファイルの種類を指定します。

.rpmsg, .xlsx, .xlsm, .xlsb, .pptx, .pptm, .ppsx, .ppsm, .docx, .docm, .xls, .wmv, .wma, .wav, .vsd, .txt, .tif, .rtf, .pub, .ppt, .png, .pdf, .one, .mp3, .jpeg, .gif, .doc, .bmp, .avi

image/jpeg、image/png、image/gif、image/bmp

ブロック

このオプションは、常にファイルへの直接アクセスがブロックされるファイルの種類を指定します。

.ade, .adp, .asx, .app, .asp, .aspx, .bas, .bat, .cer, .chm, .cmd, .com, .cpl, .crt, .csh, .dir, .dcr, .der, .exe, .fxp, .hlp, .hta, .inf, .ins, .isp, .its, .js, .jse, .ksh, .lnk, .mad, .maf, .mag, .mam, .maq, .mar, .mas, .mat, .mau, .mav, .maw, .mda, .mdb, .mde, .mdt, .mdw, .mdz, .msc, .msh, .msh1, .mshxml, .msh1xml, .msi, .msp, .mst, .ops, .pcd, .pif, .plg, .prf, .prg, .ps1, .ps2, .psc1, .psc2, .ps1xml, .ps2xml, .pst, .reg, .scf, .scr, .sct, .shb, .shs, .spl, .swf, .tmp, .url, .vb, .vbe, .vbs, .vsmacros, .vss, .vst, .vsw, .ws, .wsc, .wsf, .wsh, .xml

application/x-javascript、application/javascript、application/msaccess、x-internet-signup、text/javascript、application/prg、application/hta、text/scriptlet

強制保存

このオプションは、ユーザーがローカル コンピューターに保存した後にのみアクセスできるファイルを指定します。

.vsmacros, .mshxml, .aspx, .xml, .wsh, .wsf, .wsc, .vsw, .vst, .vss, .vbs, .vbe, .url, .tmp, .swf, .spl, .shs, .shb, .sct, .scr, .scf, .reg, .pst, .prg, .prf, .plg, .pif, .pcd, .ops, .mst, .msp, .msi, .msh, .msc, .mdz, .mdw, .mdt, .mde, .mdb, .mda, .maw, .mav, .mau, .mat, .mas, .mar, .maq, .mam, .mag, .maf, .mad, .lnk, .ksh, .jse, .its, .isp, .ins, .inf, .hta, .hlp, .fxp, .exe, .dir, .dcr, .csh, .crt, .cpl, .com, .cmd, .chm, .cer, .bat, .bas, .asx, .asp, .app, .adp, .ade, .ws, .vb, .js

Application/x-shockwave-flash、Application/octet-stream、Application/futuresplash、Application/x-director、Application/xml、text/xml

また、不明なファイルの種類に対する既定の設定も存在します。不明なファイルの種類には、以下のいずれかの値に設定できます。

  • 許可
  • ブロック
  • 強制保存

Outlook Web App からのファイルへのアクセスに関連する他の管理タスクについては、「Outlook Web App のファイルとデータへのアクセスの管理」を参照してください。

EMC を使用して Outlook Web App に関するファイルへの直接アクセス ポリシーを構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「クライアント アクセス許可」の「Outlook Web App 仮想ディレクトリ」。

  1. コンソール ツリーで、[サーバーの構成] > [クライアント アクセス] にアクセスします。
  2. 操作ウィンドウで、[Outlook Web App][プロパティ] をクリックします。
  3. [Outlook Web App のプロパティ] ページで、[共有のコンピューターのファイル アクセス] タブまたは [プライベートのコンピューターのファイル アクセス] タブをクリックします。
  4. [ファイルへの直接アクセス] の下で、[ファイルへの直接アクセスを有効にする] の横にあるチェック ボックスをオンにして、ユーザーが添付ファイルをダウンロードできるようにします。
  5. ユーザーがアクセスできる添付ファイルの種類を変更するには、[ファイルへの直接アクセスをカスタマイズする] の横にある [カスタマイズ] をクリックします。
  6. [ファイルへの直接アクセスの設定] ページで、以下のいずれかの操作を行います。
    • ユーザーがアクセスするファイルの種類と MIME の種類を設定するには、[許可] をクリックし、[許可一覧] ページでファイル名拡張子と MIME 値を設定します。
    • ユーザーによるアクセスを禁止するファイルの種類と MIME の種類を設定するには、[ブロック] をクリックし、[禁止一覧] ページでファイル名拡張子と MIME 値を設定します。
    • アクセスするために保存する必要があるファイルの種類と MIME 値を設定するには、[強制保存] をクリックし、[強制保存一覧] ページでファイル名拡張子と MIME 値を設定します。
    • 不明なファイルの種類については、[不明なファイル] ボックスの一覧でオプションを選択します。[許可][ブロック]、または [強制保存] を選択します。
  7. [OK] をクリックし、設定を保存します。

シェルを使用して Outlook Web App に関する添付ファイル ポリシーの設定を構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「クライアント アクセス許可」の「Outlook Web App 仮想ディレクトリ」。

この例では、公共のコンピューター上でユーザーがファイルをダウンロードできないようにします。

Set-OwaVirtualDirectory -identity "owa (Default Web Site)" -DirectFileAccessOnPublicComputersEnabled $false 

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-OwaVirtualDirectory」を参照してください。

その他のタスク

ファイルへの直接アクセスを構成した後で、次の操作も実行できます。