Sender ID の処理を構成する方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2012-04-26

ここでは、Exchange 管理シェルを使用して Sender ID の処理を構成する方法について説明します。Sender ID エージェントを構成して、ドメイン スプーフィングや一時的なエラーの形跡が検出された場合にそれらに対処することができます。Sender ID の評価処理によって、スプーフィングされたメッセージや一時的なエラーのメッセージに対して以下の Sender ID 状態コードが生成されます。

  • Fail   この Sender ID の状態は、PRA (Purported Responsible Address) の IP アドレスが許可セットに含まれていないことを示します。これは、送信側サーバーの IP アドレスが、DNS (Domain Name System) SPF (Sender Policy Framework) レコードに権限のある SMTP (簡易メール転送プロトコル) 送信サーバーとして記載されておらず、メッセージがスプーフィングされたものである可能性が高いことを意味します。
  • TempError   DNS サーバーが使用できない場合などの一時的なエラーです。

Sender ID によってメッセージがスプーフィングされたものであると判断された場合、または一時的なエラーが返された場合は、以下のいずれかの処理を行うように Sender ID を構成できます。

  • [Sender ID の結果をメッセージにスタンプして処理を続行する]   このオプションは既定の処理です。組織へのすべての受信メッセージのメタデータに Sender ID の状態が含まれます。このメタデータは、SCL (Spam Confidence Level) の計算時にコンテンツ フィルタ エージェントによって評価されます。さらに、送信者評価は、メッセージの送信者に対する送信者評価レベル (SRL) を計算するときにメッセージのメタデータを使用します。
  • [メッセージを拒否する]   このオプションはメッセージを拒否し、送信側サーバーに SMTP エラー応答を送信します。SMTP エラー応答は 5xx レベルのプロトコル応答で、テキストは Sender ID の状態に対応しています。
  • [メッセージの削除]   このオプションは、送信側サーバーに通知せずにメッセージを削除します。実際には、エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータは偽の "OK" SMTP コマンドを送信側サーバーに送信してからメッセージを削除します。送信側サーバーはメッセージが送信されたと見なすため、同じセッションでメッセージの送信を再試行しません。

開始する前に

エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータで以下の手順を実行するには、そのコンピュータのローカルの Administrators グループのメンバであるアカウントを使用してログオンする必要があります。

また、これらの手順を実行する前に、次のことを確認してください。

スプーフィングされたメッセージに対する Sender ID の処理を構成する

メッセージがスプーフィングされている場合の処理を設定するには、Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用します。

Exchange 管理コンソールを使用して、スプーフィングされたメッセージに対する Sender ID の処理を構成するには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールで、[エッジ トランスポート] をクリックします。

  2. 作業ウィンドウで、[スパム対策] タブをクリックし、[Sender ID] を選択します。

  3. 操作ウィンドウで [プロパティ] をクリックし、[アクション] タブをクリックします。

  4. Sender ID の確認が失敗したときの処理を選択します。

    note注 :
    既定の設定は、[Sender ID の結果をメッセージにスタンプして処理を続行する] です。
  5. 変更を保存してダイアログ ボックスを閉じるには、[OK] をクリックします。ダイアログ ボックスを閉じずに変更を保存するには、[適用] をクリックします。

Exchange 管理シェルを使用して、スプーフィングされたメッセージに対する Sender ID の処理を構成するには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    Set-SenderIDConfig -SpoofedDomainAction <StampStatus | Reject | Delete>
    

    たとえば、スプーフィングされたメッセージを拒否するには、次のコマンドを実行します。

    Set-SenderIDConfig -SpoofedDomainAction Reject
    
    note注 :
    既定値は StampStatus です。

一時的なエラーに対する Sender ID の処理を構成する

一時的なエラーが返された場合の処理を設定するには、Exchange 管理シェルの Set-SenderIdConfig コマンドを使用する必要があります。Exchange 管理コンソールでは、この処理を設定できません。

Exchange 管理シェルを使用して、一時的なエラーに対する Sender ID の処理を構成するには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    Set-SenderIDConfig -TempErrorAction <StampStatus | Reject | Delete>
    

    たとえば、一時的なエラーのメッセージを削除するには、次のコマンドを実行します。

    Set-SenderIDConfig -TempErrorAction Delete
    
    note注 :
    既定値は StampStatus です。

構文およびパラメータの詳細については、「Set-SenderIdConfig」を参照してください。

詳細情報

Sender ID を使用および構成する方法の詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。