テンプレートを使用して受信者を作成する方法
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-08-01
ここでは、Exchange 管理シェルを使用し、既存の受信者をテンプレートとして用いて受信者を作成する方法について説明します。受信者テンプレートを使用すると、すべての構成設定を明示的に指定する必要がなく、一貫した方法で受信者を効率的に準備できます。
注 : |
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Exchange 管理コンソールでは、テンプレートを使用して受信者を作成することはできません。 |
受信者テンプレートを使用すると、一貫性が得られ構成を簡略化できるだけではなく、New- コマンドレットでは利用できない受信者の設定を構成できます。たとえば、組織内のすべての配布グループに展開サーバーを指定して使用するとします。通常、新しい配布グループに対して展開サーバーを設定するには、Exchange 管理シェルで Set-DistributionGroup コマンドレットを使用するか、Exchange 管理コンソールで配布グループ プロパティの [詳細設定] タブを使用する必要があります。既に展開サーバーの属性が構成されている配布グループを、New-DistributionGroup コマンドレット内でテンプレートとして使用すると、同じ結果を得ることができます。
受信者テンプレートを使用すると、標準外の受信者を準備することもできます。次のシナリオについて考えます。インターン用メールボックスを構成するにあたっては、格納域の制限およびメッセージ サイズ制限を、組織の標準よりも小さくするようにします。また、削除したアイテムを保持しないようにします。これを実現するには、すべてのインターン用メールボックスを個別のメールボックス データベースに作成し、メールボックス データベース レベルで設定を構成するという方法があります。ただし、追加のメールボックス データベースを作成しない場合は、テンプレート メールボックスを使用してインターン用メールボックスを準備することで同じ結果が得られます。インターン用メールボックスのプロファイルに基づいてテンプレート メールボックスを構成し、インターン用の新しいメールボックスを準備するときに New-Mailbox コマンドレットでこのメールボックスをテンプレートとして使用できます。
重要 : |
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新しい受信者を作成する際に既存の受信者をテンプレートとして使用できますが、この目的専用の特定の受信者を維持することもできます。このような受信者は実際の人、リソース、またはグループに関連付けられていないため、受信者が汎用アカウントを持っていることに関連するリスクを最小限度に抑えるようにセキュリティで保護する必要があります。テンプレートとしてのみ使用される受信者をセキュリティで保護する方法の詳細については、「受信者テンプレートをセキュリティで保護する方法」を参照してください。 |
テンプレートの使用によるオブジェクトの複製の詳細については、「テンプレート」を参照してください。
開始する前に
以下の手順を実行するには、使用するアカウントに次の役割が委任されている必要があります。
- Exchange 受信者管理者の役割
- 該当する Active Directory コンテナのアカウント オペレータの役割
アクセス許可、役割の委任、および Microsoft Exchange Server 2007 を管理するために必要な権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
また、これらの手順を実行する前に、Exchange 管理シェルで以下のコマンドレットを使用して、テンプレートを使用して受信者を作成できることを確認してください。
- New-DistributionGroup
- New-DynamicDistributionGroup
- New-Mailbox
- New-MailContact
- New-MailUser
これらのコマンドレットはすべて、TemplateInstance パラメータを実装しています。テンプレートを使用して新しい受信者を作成するには、テンプレートとして使用する受信者オブジェクトを TemplateInstance パラメータに渡す必要があります。
注 : |
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テンプレートを使用して新しい受信者を作成すると、すべてのプロパティが新しい受信者にコピーされます。ただし、対応する New- コマンドレットの必須のプロパティと、組織内で一意にする必要のあるプロパティは別途指定する必要があります。 |
手順
メールボックス テンプレートを使用して新しいメールボックスを作成するには、次の操作を行います。
Exchange 管理シェルを起動します。
次のコマンドを実行し、Template1 をメールボックス テンプレートとして使用して John Smith 用の新しいメールボックスを作成します。最初のコマンドはメールボックス テンプレートを取得し、これを一時変数
$Template
に格納します。2 番目のコマンドは、このメールボックス テンプレートを使用してメールボックスを作成します。$Template = Get-Mailbox "Template1" New-Mailbox -Name "John Smith" -UserPrincipalName "jsmith@contoso.com" -Database "Server1\Mailbox Database" -OrganizationalUnit "contoso.com/Users" -TemplateInstance $Template
パスワードの入力を求められたら、新しいユーザーのパスワードを入力します。
一覧とメールボックス テンプレートを使用して複数のメールボックスを作成するには、次の操作を行います。
前述の例をさらに一歩進めると、単一のコマンドを使用して、メールボックス テンプレートに基づいて複数のメールボックスを作成できます。この場合、同一のメールボックス Template1 をメールボックス テンプレートとして使用します。この手順では、作成するメールボックスの一覧を含んだコンマ区切り (CSV) 形式のテキスト ファイルを用意すると想定しています。以下にその例を示します。
Name,UPN,OU,Password Deepak Kumar,DKumar@contoso.com,contoso.com/Users,pass@word1 Ray Chow,RChow@contoso.com,contoso.com/Users,pass@word1 David Simpson,DSimpson@contoso.com,contoso.com/Users,pass@word1 Isabel Martins,IMartins@contoso.com,contoso.com/Users,pass@word1
Exchange 管理シェルを起動します。
次のコマンドを実行し、Template1 をメールボックス テンプレートとして使用して、CSV ファイルの一覧から新しいメールボックスを作成します。最初のコマンドはメールボックス テンプレートを取得し、これを一時変数
$Template
に格納します。Import-CSV コマンドは NewUsers.csv ファイルの内容を読み取ります。続いて、この CSV ファイルの内容が ForEach-Object コマンドにパイプ出力されます。このコマンドは、CSV ファイルの一覧の項目ごとに新しいメールボックスを作成するためのスクリプト ブロックを実行します。スクリプト ブロック内の ConvertTo-SecureString コマンドにより、CSV ファイル内のテキスト形式のパスワードはセキュリティで保護された文字列に変換され、一時変数$Temp
に格納されます。New-Mailbox コマンドは、新しいメールボックスを作成し、$Temp
変数を使用して新しいユーザーのパスワードを作成します。$Template = Get-Mailbox "Template1" Import-CSV "C:\NewUsers.csv" | ForEach-Object -process {$Temp = ConvertTo-SecureString $_.Password -asPlainText -force;New-Mailbox -Name $_.Name -UserPrincipalName $_.UPN -OrganizationalUnit $_.OU -Database "Mailbox Database" -Password $Temp -TemplateInstance $Template}
Exchange 管理シェルでのスクリプトの使用の詳細については、「Exchange 管理シェルを使用したスクリプトの作成」を参照してください。
配布グループ テンプレートを使用して新しい配布グループを作成するには、次の操作を行います。
次のコマンドを実行し、配布グループ DGTemplate をテンプレートとして使用して、新しい配布グループを作成します。最初のコマンドは配布グループ テンプレートを取得し、これを一時変数
$Template
に格納します。2 番目のコマンドは、新しい配布グループを作成します。$Template = Get-DistributionGroup "DGTemplate" New-DistributionGroup -Type Distribution -SamAccountName DG1 -Name DG1 -OrganizationalUnit "contoso.com/Users" -TemplateInstance $Template
詳細情報
受信者の詳細については、「受信者について」を参照してください。
Exchange 管理シェルでのパイプライン処理機能の詳細については、「パイプライン処理」を参照してください。
Exchange 2007 での管理インターフェイスの詳細については、「管理インターフェイス」を参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。