Exchange ActiveSync Reporting Services
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-06-12
Microsoft Exchange Server 2007 と Exchange ActiveSync には、ユーザーと管理者の両方に対して広範な機能が用意されています。管理者として重要なのは、展開の規模と使用パターンを知っておくことです。この情報を利用することで、Exchange ActiveSync 展開を効果的に管理したり、ユーザーの生産性を的確に把握したりできます。また、将来のニーズを考慮した計画立案にも役立ちます。Exchange Server 2007 の Exchange ActiveSync でのレポートは Windows PowerShell のタスクで、インターネット インフォメーション サービス (IIS) のログとプロセスがまとめられた、一連の出力ファイルが作成されます。各ファイルは独立したレポートになっており、Exchange ActiveSync 展開を理解するのに役立ちます。ここでは、これらのレポートを生成する際に使用するコマンドレットの概要と、レポートのコンテンツの情報について説明します。
Exchange ActiveSync レポートの生成
Exchange ActiveSync レポートを生成するには、Export-ActiveSyncLog コマンドレットを使用します。このコマンドレットでは、IIS ログ ファイルの場所、レポートの開始日と終了日、レポートの出力パスなど、各種入力パラメータを指定できます。このコマンドレットを実行するには、Exchange Server 管理者または Exchange 組織管理者の役割に関連付けられているアクセス許可が委任されている必要があります。また、IIS ログが置かれるディレクトリへの読み取りアクセスも必要です。Export-ActiveSyncLog コマンドレットの構文の詳細については、「Export-ActiveSyncLog」を参照してください。
利用可能な Exchange ActiveSync レポート
Exchange ActiveSync レポートにはさまざまな種類があります。たとえば、次のレポートを利用できます。
- Exchange ActiveSync 使用レポート このレポートには、送受信された合計バイト数やアイテムの種類の数など、監視対象の各種パラメータが含まれます。アイテムの種類には、電子メール メッセージ、予定表アイテム、連絡先アイテム、および仕事アイテムがあります。
- ヒット レポート このレポートには、1 時間ごとに処理される同期要求の総数と、同期要求を開始する固有のデバイスの総数が表示されます。
- HTTP 状態レポート このレポートは、クライアント アクセス サーバーのパフォーマンスの概要を示します。各種エラー応答コードの要約と、各コードが発生した時間の割合が含まれます。
- ポリシー準拠レポート このレポートは、ポリシーに完全に準拠した、部分的に準拠した、および非準拠のデバイスの数についての情報を示します。完全に準拠したデバイスは、Exchange ActiveSync ポリシーを受け入れ、ポリシーのすべての要素を実装できます。部分的に準拠したデバイスは、ポリシーを受け入れているが、ポリシーの要素の一部を適用できないモバイル デバイスのオペレーティング システムを使用しています。非準拠のデバイスは、ポリシーを受け入れることが不可能であるか、またはポリシーを拒否しています。
- ユーザー エージェント一覧 このレポートは、モバイル デバイスのオペレーティング システムによって編成される、固有のユーザーの総数を返します。
インターネット インフォメーション サービスのログ ファイルの解釈
次の表は、Exchange ActiveSync IIS ログの要素の一覧です。ログ ファイルでは、各要素はアンダースコア (_) によって区切られます。
Exchange ActiveSync のプロトコル ログの要素
| 文字の識別子 | 要素名 | 定義 | 可能な値 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
V |
プロトコルのバージョン |
Exchange サーバーとの同期のためにデバイスが使用するプロトコルのバージョン。 |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Ty |
種類 |
同期中のフォルダの種類。 |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Fid |
フォルダ ID |
同期中のフォルダの ID。 |
正の整数 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Fc |
フォルダ数 |
同期中のフォルダの数。 |
正の整数 |
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Filt |
フィルタの種類 |
ユーザーが要求したデータ。 |
|
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St |
同期の種類 |
実行中の同期の種類。 |
|
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Sk |
同期キー |
モバイル デバイスと Exchange サーバーとの間で使用される、実際の同期キー。 |
正の整数 |
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Cli: |
クライアントの統計 |
クライアントからの動作について、種類ごとに回数を格納します。出力の形式は |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Svr: |
サーバーの統計 |
サーバーからの動作について、種類ごとに回数を格納します。出力の形式は |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
E |
エラーの数 |
要求で発生したエラーの数。 |
正の整数 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Io |
開いたアイテム |
開いたアイテムの数。この機能はまだ実装されていません。 |
正の整数 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Hb |
ハートビート間隔 |
Ping コマンドで使用されるハートビート間隔。 |
正の整数 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Ssp |
SharePoint ドキュメント |
Windows SharePoint Services からアクセスされたファイルの数。 |
正の整数 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Sspb |
SharePoint バイト |
Windows SharePoint Services からアクセスされたバイト数。 |
正の整数 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Unc |
UNC ファイル |
Windows ファイル共有経由でアクセスされたファイルの数。 |
正の整数 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Uncb |
UNC バイト |
Windows ファイル共有経由でアクセスされたバイト数。 |
正の整数 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Att |
添付ファイル |
取得した添付ファイルの数。 |
正の整数 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Attb |
添付ファイルのバイト数 |
取得した添付ファイルのバイト数。 |
正の整数 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Pk |
受信したポリシー キー |
受信確認を特定のポリシー設定と相互に関連付けるため、クライアントとサーバーによって使用される要素。 |
該当なし |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Pa |
ポリシー確認の状態 |
すべてのポリシー設定が正しく適用された場合に成功を示す要素。 |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Oof |
OOf 処理 |
Exchange サーバーに格納されている不在時状態に対して実行される処理。 |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
UserInfo |
ユーザー情報の操作 |
ユーザー情報データの取得を指定するパラメータ。 |
Get |
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DevModel |
デバイス モデル |
デバイス製造元によって提供されるデバイス情報。 |
値としては、製造元名、モデル名、モデル番号などがあります。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
DevIMEI |
IMEI |
IMEI (International Mobile Equipment Identity)。各デバイスに割り当てられている 15 桁のコードです。 |
String |
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DevName |
デバイスのフレンドリ名。 |
この要素には、ユーザーによるデバイスの説明が格納されています。 |
String |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
DevOS |
デバイスの OS |
デバイスで実行されているオペレーティング システム。 |
String |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
DevLang |
デバイスの OS の言語 |
デバイスのオペレーティング システムのローカライズ言語。 |
String |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Error |
エラー |
要求のエラー セクション。 |
String |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
S |
状態 |
この要素は、デバイスの状態を返します。 |
String |
デバイスの同期に関するサンプル ログを次に示します。
- &Log=V123_Ty:Em_Fid:37_Fc1_Filt2_St:S_SK:1805_Srv:1a0c0d0s0e0r_Pk2260121383_S1
詳細情報
Exchange ActiveSync のレポートの詳細については、以下のトピックを参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。