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共有トランスポート データベース構成オプションの管理

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2009-01-16

Microsoft Exchange Server 2007 ハブ トランスポート サーバーの役割またはエッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているサーバーは、特定のトランスポート サーバー コンポーネント用に Extensible Storage Engine (ESE) データベース テクノロジを使用します。以前は JET と呼ばれていた ESE は、Exchange 2007 の基本的なデータベース構造に対する下位レベルの API を定義する手段です。ESE は、以下のトランスポート コンポーネントで使用されます。

  • メッセージ キュー データベース   キューは、次の処理段階に移るのを待っているメッセージが一時的に保持されている場所です。各キューは、トランスポート サーバーが特定の順序で処理するメッセージの論理的なセットを表します。詳細については、「キューの管理」を参照してください。
  • IP フィルタ データベース   IP フィルタ データベースは、接続フィルタの一部である IP 許可一覧と IP 禁止一覧を格納します。詳細については、「コンテンツ フィルタの構成」を参照してください。

メッセージ キュー データベースと IP フィルタ データベースは独立した ESE データベースです。これらのデータベースはリソースを共有しません。ただし、ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーで、サーバー上に存在するすべての ESE データベースに適用される ESE データベース構成オプションを構成できます。

ESE データベースの概要

ESE データベースでは、ログ ファイルを使用してデータの受け付け、追跡、および維持を行います。パフォーマンスを強化するために、トランザクションはすべて、最初にログ ファイルとメモリに書き込まれ、次にデータベース ファイルに書き込まれます。チェックポイント ファイルは、データベースにコミットされたトランザクション ログ エントリを追跡します。Microsoft Exchange トランスポート サービスの通常のシャットダウン中、コミットされていないデータベースの変更がトランザクション ログ内に見つかると、必ずデータベースにコミットされます。

メッセージ キュー データベースと IP フィルタ データベースには循環ログが使用されます。つまり、トランザクション ログ内で見つかった、コミットされたトランザクションの履歴は保持されません。現在のチェックポイントより古いすべてのトランザクション ログは直ちに、自動的に削除されます。このため、メッセージ キュー データベースや IP フィルタ データベースを回復するために、バックアップからトランザクション ログを再生することはできません。

トランスポート サーバーでの共有 ESE データベース オプションの構成

共有 ESE データベースの構成オプションは、C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\Bin ディレクトリに格納されている EdgeTransport.exe.config アプリケーション構成ファイルで使用できます。EdgeTransport.exe.config ファイルは、EdgeTransport.exe ファイルと関連付けられた、XML アプリケーション構成ファイルです。EdgeTransport.exe と MSExchangeTransport.exe は、Microsoft Exchange Transport サービスによって使用される実行可能ファイルです。このサービスは、すべてのハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーで実行されます。EdgeTransport.exe.config ファイルに保存された変更内容は、Microsoft Exchange Transport サービスが再起動した後で適用されます。構成オプションが存在しない場合や、構成オプションが存在し、既定値が含まれている場合は、既定値が適用されます。

次の例は、EdgeTransport.exe.config ファイルの標準的な構造を示しています。

<configuration>

<runtime>

<gcServer enabled="true" />

</runtime>

<appSettings>

<add key=" 構成オプション " value=" " />

...

</appSettings>

</configuration>

<appSettings> セクションでは、新しい構成オプションを追加したり、既存の構成オプションを変更したりすることができます。使用可能な構成オプションの多くは共有 ESE データベース オプションとはまったく関係のないものです。共有 ESE データベース オプションとは関係のない構成オプションはすべて、このトピックの範囲外です。

note注 :
<add key=../> セクションのパラメータ名では、大文字と小文字が区別されます。

EdgeTransport.exe.config ファイルで使用可能なメッセージ キュー データベース パラメータについては、「キュー データベースの管理」を参照してください。

表 1 に、EdgeTransport.exe.config ファイルで使用できる共有 ESE データベースの構成オプションを示します。

表 1   共有 ESE データベースの構成オプション

パラメータ名 説明

DatabaseCacheFlushStart

このパラメータは、キャッシュが過度に使用されている場合に、キャッシュされたデータベース トランザクションをメモリから削除できるようにします。このパラメータの値は、使用されていないキャッシュの割合を表します。データベース キャッシュの空きリソースが指定した割合を下回ると、バックグラウンド プロセスはキャッシュされたデータベース トランザクションをトランザクション ログに書き込みます。既定値は 3 です。

DatabaseCacheFlushStop

このパラメータは、キャッシュの使用率が通常レベルに戻った場合に、キャッシュされたデータベース トランザクションをメモリから削除する処理を中断します。このパラメータの値は、使用されていないキャッシュの割合を表します。データベース キャッシュの空きリソースが指定した割合を上回ると、キャッシュされたデータベース トランザクションをトランザクション ログに書き込むバックグラウンド プロセスが中断されます。既定値は 5 です。

DatabaseCheckPointDepthMax

このパラメータは、ハード ディスク ドライブ上に存在するコミットされていないすべてのトランザクション ログの許可された合計サイズを制御します。既定値は 20971520 バイトです。DatabaseCheckPointDepthMax パラメータの値を低く設定しすぎると、コミットされていないトランザクションがトランザクション ログに書き込まれるのではなく、データベースに強制的にコミットされるため、パフォーマンス上の重大な問題が発生することがあります。DatabaseCheckPointDepthMax パラメータの既定値は変更しないことをお勧めします。

DatabaseMaxCacheSize

このパラメータは、メモリ内のデータベース キャッシュの最大サイズを指定します。既定値は 134217728 バイトです。

4 GB 以上のメモリを備えたコンピュータでパフォーマンスを向上させるには、DatabaseMaxCacheSize 値を 536870912 バイトに設定します。

DatabaseMaxCacheSize パラメータの値を変更することによってパフォーマンスに影響を及ぼす方法の詳細については、Exchange Server チーム ブログの記事「New maximum database cache size guidance for Exchange 2007 Hub Transport Server role」 (英語) を参照してください。

note注 :
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メッセージ キュー データベースと IP フィルタ データベースは、互いに完全に独立していることに注意してください。ESE データベース ファイルは、データベース ファイル、トランザクション ログ、またはキャッシュを共有しません。共有構成オプションは、各データベースとデータベースがサポートするインフラストラクチャに適用されます。たとえば、DatabaseMaxCacheSize パラメータを設定すると、メッセージ キュー データベースと IP フィルタ データベースの最大キャッシュ サイズが同時に設定されます。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。