クォータ メッセージについて

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2015-03-09

クォータ メッセージとは、メールボックスまたはパブリック フォルダーがサイズ制限 (格納域の制限と呼ぶ) を超えたときに、Microsoft Exchange がメールボックスまたはパブリック フォルダーの所有者に自動的に送信する電子メール メッセージです。Exchange 管理シェルで、New-SystemMessageGet-SystemMessageSet-SystemMessage、および Remove-SystemMessage コマンドレットを使用して、組み込みのクォータ メッセージを表示したり、カスタマイズしたクォータ メッセージを作成、表示、変更、または削除したりすることができます。

Exchange 2010 SP1 のクォータ メッセージ

Exchange 2010 SP1 では、メールボックスのサイズが [送信禁止] クォータの 50% 以上になった場合にメールボックスを確認するかどうかを制御するフラグが導入されました。その結果、[送信禁止] クォータの 50% より低い値に [警告を出す] クォータを設定すると、[警告を出す] クォータに関連する警告メッセージはユーザーに送信されません。たとえば、メールボックスのサイズ制限が 10 MB であり、[警告を出す] クォータを 3 MB に、[送信禁止] クォータを 8 MB に設定した場合、[警告を出す] クォータ制限が [送信禁止] クォータの 50% 以上でないので、ユーザーは [警告を出す] クォータによって指定される警告を受信しません。ユーザーは、[送信禁止] クォータに関連するメッセージのみを受信します (この場合は、ユーザーのメールボックスのサイズが 8 MB に達したとき)。

QuotaNotificationSchedule パラメーターを指定して Set-MailboxDatabase コマンドレットを実行した後で、このフラグはクリアされます。このコマンドを実行すると、フラグがリセットされるまでメールボックスは確認されません。メッセージがメールボックスに保存されたとき、またはメールボックスでメッセージが送受信されたとき、フラグはリセットされます。その時点で、メールボックスのサイズが [送信禁止] クォータの 50% より大きい場合、フラグはリセットされ、QuotaNotificationSchedule パラメーターで指定された時刻にメールボックスが確認されます。

格納域の制限

格納域の制限とは、メールボックスまたはパブリック フォルダーの格納域のサイズ制限です。Exchange 管理コンソール (EMC) またはシェルを使用すると、データベース内のすべてのメールボックスまたはパブリック フォルダーの格納域の制限を表示したり、設定したりすることができます。また、EMC やシェルを使用して、メールボックス単位で格納域の制限を設定することができます。この設定は、データベース レベルで設定された格納域の制限に優先します。ただし、個々のパブリック フォルダーに対する格納域の制限は、シェルでしか表示、設定できません。

格納域の制限の表示および構成の詳細については、以下のトピックを参照してください。

クォータ メッセージ

既定では、Exchange は以下の場合にメールボックスまたはパブリック フォルダーの所有者にクォータ メッセージを送信します。

  • メールボックス、個人用アーカイブ、またはパブリック フォルダーが、[警告を表示するサイズ] を超えた場合 (最小の格納域の制限)

  • メールボックスが [送信を禁止するサイズ] を超えたか、パブリック フォルダーが [投稿を禁止するサイズ] を超えた場合 (中間の格納域の制限)

  • メールボックスが [送受信禁止] クォータを超えたか、個人用アーカイブがアーカイブ クォータ (最大の格納域の制限) を超えた場合

メールボックスのクォータ メッセージは、メールボックスの所有者に送信されます。セキュリティ グループがメールボックスを所有している場合 (つまり、共有メールボックスである場合)、クォータ メッセージはセキュリティ グループに送信されます。パブリック フォルダーのクォータ メッセージは、パブリック フォルダーのすべての所有者に送信されます。メールボックスおよびパブリック フォルダーの所有者は、ユーザー、連絡先、またはセキュリティ グループです。

クォータ メッセージは "重要度 - 高" で送信され、格納域の制限の対象とはなりません。受信者のメールボックスがいっぱいでも、常に配信されます。

Exchange はさまざまな言語でクォータ メッセージを生成できます。クォータ メッセージに使用可能なサポートされる言語ロケールの一覧については、「システム メッセージでの使用がサポートされるロケール」を参照してください。

クォータ メッセージの形式

クォータ メッセージは 7 種類あります。4 種類はメールボックス用、3 種類はパブリック フォルダー用です。すべてのクォータ メッセージは以下のようになっています。

  • "差出人" フィールドに、"Microsoft Exchange" というテキストが含まれている。

  • "件名" フィールドに、カスタマイズできない簡単な状況説明が含まれている。

  • メッセージ本文に、カスタマイズ可能なメッセージが含まれている。

  • メッセージ本文に、格納域の制限と使用済み格納域の容量をグラフィカルに表したものが含まれている (メールボックスまたはパブリック フォルダーのサイズが無制限である場合を除く)。

既定のクォータ メッセージ

以下の表に示すのは、既定の英語のクォータ メッセージ 7 つ (メールボックス用の 4 つとパブリック フォルダー用の 3 つ) の件名と既定のメッセージ テキストです。既定のメッセージはカスタマイズ可能ですが、件名テキストはカスタマイズできません。

注意

特定のアーカイブ クォータ メッセージはありません。ユーザーのアーカイブがクォータを満たしているか、超えている場合、メールボックス クォータ メッセージが送信されます。

メールボックス クォータ メッセージとアーカイブ クォータ メッセージ

イベント メッセージの件名 既定のメッセージ テキスト

サイズが無制限のメールボックスが [警告を出す] クォータを超えた。

メールボックスがいっぱいになりつつあります。

メールボックスのサイズを小さくしてください。メールボックスから不要なアイテムを削除し、削除済みアイテム フォルダーを空にします。

サイズに制限のあるメールボックスが [警告を出す] クォータを超えた。

重要

[警告を出す] クォータに関連付けられたメッセージは、クォータの値が [送信禁止] クォータに指定された値の 50% を超えない限り、ユーザーには送信されません。たとえば、[送信禁止] クォータを 8 MB に設定した場合、[警告を出す] クォータは少なくとも 4 MB に設定する必要があります。そのように設定しない場合、[警告を出す] クォータ メッセージは送信されません。

メールボックスがほぼいっぱいです。

メールボックスのサイズを小さくしてください。メールボックスから不要なアイテムを削除し、削除済みアイテム フォルダーを空にします。

サイズに制限のあるメールボックスが [送信禁止] クォータを超えた。

メールボックスがいっぱいです。

メールボックスがメッセージを送信できなくなっています。メールボックスのサイズを小さくしてください。メールボックスから不要なアイテムを削除し、削除済みアイテム フォルダーを空にします。

サイズに制限のあるメールボックスが [送受信禁止] クォータを超えた。

メールボックスがいっぱいです。

メールボックスがメッセージを送受信できなくなっています。メールボックスのサイズを小さくしてください。メールボックスから不要なアイテムを削除し、削除済みアイテム フォルダーを空にします。

パブリック フォルダーのクォータ メッセージ

イベント メッセージの件名 既定のメッセージ テキスト

サイズが無制限のパブリック フォルダーが [警告を出す] クォータを超えた。

パブリック フォルダーが大きくなりすぎています。

不要なアイテムをすべて削除し、パブリック フォルダーのサイズを小さくしてください。

サイズに制限のあるパブリック フォルダーが [警告を出す] クォータを超えた。

パブリック フォルダーがほぼいっぱいです。

不要なアイテムをすべて削除し、パブリック フォルダーのサイズを小さくしてください。

サイズに制限のあるパブリック フォルダーが [投稿を禁止するサイズ] を超えた。

パブリック フォルダーがいっぱいです。

ユーザーがこのフォルダーにアイテムを投稿できなくなっています。不要なアイテムをすべて削除し、パブリック フォルダーのサイズを小さくしてください。

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