メッセージング レコード管理について

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-07-19

メッセージング レコード管理 (MRM) は Microsoft Exchange Server 2007 のレコード管理テクノロジで、組織における電子メールおよびその他の通信に関連する法的リスクの軽減に役立ちます。MRM を使用すると、企業ポリシー、政府規制、または法的要件への準拠に必要なメッセージを保持し、法的価値またはビジネス上の価値を持たなくなったコンテンツを削除することがより簡単になります。これは、管理フォルダを使用することで実現されます。管理フォルダとは、管理コンテンツの設定が適用された、ユーザーのメールボックス内にあるフォルダです。管理者またはユーザーは、これらの管理フォルダをユーザーのメールボックスに置き、ユーザーが組織のポリシーに基づいて個々のメッセージまたはフォルダ全体を管理フォルダに整理します。管理フォルダ内のメッセージは、フォルダのコンテンツ設定に従って Exchange によって定期的に処理されます。メッセージが保存制限に到達したときは、アーカイブ、削除、ユーザー通知のためのフラグ設定、またはイベントのログ出力が行われます。

MRM プロセスの図

メッセージング レコード管理戦略

メッセージング管理ポリシーを使用すると、組織は法的要件に準拠し、情報技術リソースを節約することが容易になります。ただし、従来、これらのポリシーの適用は困難であり、十分な効果を上げることはできませんでした。ユーザーの準拠を監視することは難しく、また法的な検出規定への準拠には多くのコストと時間が必要でした。メッセージング管理プロセスを自動化する試みも、限られた成果しか上げていません。Exchange 2007 の MRM 機能は、これらの課題に対応し、それを軽減するものです。

Exchange 2007 のメッセージング管理およびポリシー適用の信頼性、効果、および使いやすさを向上させるための戦略は、次の 3 つの原則に基づいています。

  • ユーザーは自分自身のメッセージを分類する。
  • 古くなったメッセージは削除される。
  • 必要なメッセージは保持される。

ユーザーは自分自身のメッセージを分類する

Exchange 2007 では、ユーザーは自分自身のメッセージを分類し、それを管理フォルダと呼ばれる特殊なメールボックス フォルダ内に並べ替えることにより、MRM プロセスに参加します。この並べ替えプロセスでは、メッセージがユーザーや組織のニーズに応じて分類されるため、完全に自動化されたメッセージング管理ソリューションで発生することがあるメッセージ処理の誤りがなくなります。

管理フォルダは、ユーザーのメールボックス内の他のフォルダと似ていますが、移動したり名前を変更したりすることができず、また (ほとんどの場合は) 削除することもできないという点においてのみ異なります。ユーザーは、各アイテムを、その種類のコンテンツに適した管理フォルダに移動することにより、ファイルに保存できます。また、ルールを使用して、メッセージを適切なフォルダに並べ替えることもできます。

管理フォルダは、システム管理者が (Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用して)、ユーザーのメールボックスに追加できます。組織がその目的で Web サービス サイトを作成した場合、ユーザーはそのサイトで自分自身のメールボックスに対して管理フォルダを追加または削除することができます。Exchange 2007 での Web サービスの使用の詳細については、Web サービスに関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

Microsoft Office Outlook 2007 のユーザー用の管理フォルダでは、格納域の制限を設定したり、適用されるメッセージング管理ポリシーの説明を表示したりすることができます。サイズ制限やフォルダの説明が設定された管理フォルダは、以前のバージョンの Outlook によってアクセスされるメールボックスに割り当てることはできません。

MRM ポリシーは、コンテンツの種類に従ってフォルダ単位で適用できるため、管理者は管理プロセスを詳細に制御できます。

管理されたカスタム フォルダを作成する方法の詳細については、「管理フォルダを作成する方法」を参照してください。

古くなったメッセージは削除される

管理フォルダ メールボックス ポリシーを使用すると、古くなったコンテンツを処理して、ユーザーのメールボックスから削除することができます。これらのポリシーは、コンテンツの保存期間およびメッセージの種類 (たとえば、ボイス メールや予定) に従って構成可能であり、ユーザーのメールボックス内の任意のフォルダに適用できます。

MRM ポリシーが適用されている場合に可能な操作には、次のものがあります。

  • コンテンツを完全に削除するか、または後で Outlook 2007 の [削除済みアイテムの復元] コマンドで復元できるようにコンテンツを削除する。
  • コンテンツを削除する前に、ユーザーの確認用にセットアップされた管理フォルダにコンテンツを移動する。これにより、ユーザーは、アイテムが完全に削除される前に確認できるようになります。
  • Outlook 2007 でユーザーのメールボックスのメッセージに保存期限経過とマークして、ユーザーに必要な操作を行うように促す。

古くなったメッセージを処理する方法の詳細については、「管理コンテンツの設定を作成する方法」を参照してください。

必要なメッセージは保持される

別の場所にコンテンツのジャーナルを行う (コピーする) 管理フォルダ メールボックス ポリシーを作成することにより、残しておきたいコンテンツを保持できます。これは、別の Exchange メールボックスを含め、SMTP (簡易メール転送プロトコル) 電子メール アドレスを持つ任意の場所に対して実行できます。このようなリポジトリに送信されたデータには、分類情報を保持するためのラベルがスタンプされます。

保存期間の設定は、メッセージの種類 (たとえば、ボイス メールや予定など) に従って、フォルダ レベルで構成できます。

保存期間の設定を構成する方法の詳細については、「管理コンテンツの設定を作成する方法」を参照してください。

クライアント アクセス ライセンスと MRM

Exchange 2007 Service Pack 1 (SP1) では、Exchange Standard クライアント アクセス ライセンス (CAL) を持つ Exchange サーバー上の管理された既定フォルダに MRM を適用できます (管理された既定フォルダは、受信トレイなど、ユーザーの Microsoft Office Outlook メールボックスに既定で表示されるフォルダです)。これにより、Exchange 2000 Server や Exchange Server 2003 のメールボックス マネージャ機能との類似性が保持されます。Exchange 2007 SP1 では、管理された既定フォルダを必要な数だけ作成できます。

管理されたカスタム フォルダは MRM のプレミアム機能であり、管理されたカスタム フォルダを持つ各メールボックスは Exchange Server Enterprise CAL を必要とします。

詳細情報

MRM の実装および管理については、「メッセージング レコード管理の管理」を参照してください。

MRM に関するさまざまな用語については、「メッセージング レコード管理用語」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。