Share via


ビジネス ロジックの追加

XML データにはいくつかの方法でビジネス ロジックを追加できます。

  • XML データの挿入や変更のときに領域固有の制約を強制する行制約または列制約を記述できます。

  • 列の値を挿入または更新したときに起動するトリガを XML 列に記述できます。トリガには領域固有の検証規則を含めたり、トリガを使用してプロパティ テーブルにデータを格納することができます。

  • SQL Server 2005 以降では、データベース エンジンにマネージ コードを実行する機能が含まれています。この共通言語ランタイム (CLR) 統合を使用すると、XML 値を渡す関数をマネージ コードに記述し、System.Xml 名前空間の提供する XML 処理機能を使用できます。たとえば、XML データに XSL 変換を適用する場合に使用します。または、XML のシリアル化を解除して 1 つ以上のマネージ クラスにし、マネージ コードで操作することができます。

  • ビジネス ニーズに合わせて XML 列の処理を開始する Transact-SQL ストアド プロシージャや関数を記述できます。

例 : XSL 変換の適用

xml データ型のインスタンスおよびファイルに保存されている XSL 変換を受け取り、XML データに変換を適用し、変換後の XML を結果として返す CLR 関数 TransformXml() を考えてみます。次に示すのは、C# で記述した関数の骨組みです。

public static SqlXml TransformXml (SqlXml XmlData, string xslPath) {
   // Load XSL transformation
   XslCompiledTransform xform = new XslCompiledTransform();
   XPathDocument xslDoc = new XPathDocument (xslPath);
   xform.Load(xslDoc);

   // Load XML data 
   XPathDocument xDoc = new XPathDocument (XmlData.CreateReader());

   // Return the transformed value
   MemoryStream xsltResult = new MemoryStream();
   xform.Transform(xDoc, null, xsltResult);
   SqlXml retSqlXml = new SqlXml(xsltResult);
   return (retSqlXml);
} 

アセンブリを登録し、TransformXml() に対応する Transact-SQL のユーザー定義関数 SqlXslTransform() を作成すると、次のクエリに示すように Transact-SQL からその関数を呼び出すことができます。

SELECT SqlXslTransform (xCol, 'C:\MyFile\xsltransform.xsl')
FROM    T
WHERE  xCol.exist('/book/title/text()[contains(.,"custom")]') =1

クエリの結果には、変換後の XML の行セットが含まれます。

SQL Server に CLR を統合することによって、XML データをテーブルに分解するかプロパティを昇格させてから、System.Xml 名前空間のマネージ クラスを使用して XML データにクエリを実行できるようになります。詳細については、「CLR (共通言語ランタイム) 統合の概要」を参照してください。