新機能 (Integration Services)

この最新リリースの MicrosoftIntegration Services では、インストール、コンポーネント、データ管理、およびパフォーマンスとトラブルシューティングに新機能が導入されて機能が強化されています。 この新機能や機能強化は、データ変換ソリューションを開発する開発者、管理者、ナレッジ ワーカーの能力や生産性を向上させます。

領域ごとの新機能と強化された機能

  • インストール機能
    このリリースでは、データ変換サービスのサンプルの場所の変更、およびサポートの追加が行われました。

  • コンポーネントの機能強化
    このリリースでは、参照変換機能が強化され、新しい ADO.NET コンポーネント、データ プロファイル機能、接続ウィザード、スクリプト環境、パッケージ アップグレード オプションが追加され、パッケージ構成のアプリケーションに変更が加わっています。

  • データ管理の機能強化
    このリリースでは、データ型の処理が強化され、新しい日付と時刻のデータ型が追加され、SQL ステートメントが拡張されました。

  • パフォーマンスとトラブルシューティングの機能強化
    このリリースでは、新しい変更データ キャプチャ機能とデバッグ ダンプ ファイルが追加されました。

インストール機能

サンプルの場所の変更

SQL Server のサンプル データベースおよびサンプル アプリケーションは、オンライン ブックに含まれなくなりました。 これらのサンプル データベースおよびサンプル アプリケーションは、SQL Server のサンプルの Web サイトからダウンロードできます。 この Web サイトでは、これらのサンプルが見つけやすくなっただけでなく、Microsoft SQL Server とビジネス インテリジェンスに関連するサンプルが追加されました。 SQL Server のサンプルの Web サイトでは、次の操作を行うことができます。

  • 開発者、ユーザー、および Microsoft Most Valuable Professional (MVP) コミュニティから提供されたサンプルの参照

  • サンプル データベースとコード プロジェクトのダウンロード

  • 各技術領域に関するサンプルについての問題を報告したり、質問したりできる掲示板の閲覧とコメントの投稿

SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) のサポート

Integration Services では、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) を引き続きサポートします。 詳細については、「SQL Server 2008 でのデータ変換サービス (DTS) のサポート」を参照してください。

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コンポーネントの機能強化

参照変換のパフォーマンスとキャッシュの向上

キャッシュの読み込み速度や参照操作の効率性の向上など、参照変換のパフォーマンスが強化されています。 次の機能によって、このような強化が実現しました。

  • 参照データセットに一致するエントリがない行を取得して、キャッシュに読み込む機能。

  • 参照データセットのキャッシュへの読み込みと、参照データセットに対する参照の実行に、個別のデータ フローを使用する機能。

参照変換には、次のキャッシュ オプションがあります。

  • 参照データセットはキャッシュ ファイル (.caw) です。キャッシュ接続マネージャーを使用してアクセスします。

  • 参照データセットは、データ フロー内の接続されているデータ ソースです。キャッシュ接続マネージャーおよびキャッシュ変換を使用してアクセスします。

  • 参照データセットは、完全または部分的にキャッシュされているテーブル、ビュー、またはクエリです。OLE DB 接続マネージャーを使用してアクセスします。

  • 単一パッケージ内の複数の参照変換や別々のパッケージ内の変換の間で、キャッシュを共有できます。 詳細については、「キャッシュ接続マネージャを使用してフル キャッシュ モードの参照変換を実装する方法」を参照してください。

  • キャッシュ ファイルをパッケージと共に配置できます。 詳細については、「参照変換用のキャッシュを作成および配置する方法」を参照してください。

詳細については、「参照変換」、「キャッシュ接続マネージャ」、および「キャッシュ変換」を参照してください。

参照変換を構成する方法のデモ ビデオについては、MSDN ライブラリのビデオ ホーム ページ「フル キャッシュ モードで参照変換を実装する方法 (SQL Server ビデオ)」を参照してください。

新しい ADO.NET コンポーネント

Integration Services に次の ADO.NET コンポーネントが含まれるようになりました。

  • .NET Framework プロバイダーからデータを呼び出し、そのデータをデータ フローで使用できるようにする、ADO NET ソース コンポーネント。 詳細については、「ADO NET ソース」を参照してください。

  • データベースのテーブルやビューを使用するさまざまな ADO.NET 互換データベースにデータを読み込む、ADO NET 変換先コンポーネント。 詳細については、「ADO NET 変換先」を参照してください。

新しいデータ プロファイル タスクと Data Profile Viewer

データ プロファイル タスクは、Integration Services ツールボックスの新しいタスクです。 Integration Services パッケージ内のこのタスクを使用すると、SQL Server に格納されているデータをプロファイルできます。 プロファイルで提供される情報を使用すると、発生する可能性のあるデータ品質の問題を特定できます。 データ プロファイル タスクでは、個々の列内および列のリレーションシップに関するデータ品質の問題を特定するために役立つプロファイルが提供されます。

  • 個々の列内の問題を特定するために役立つプロファイル

    • 列の値の長さの分布。

    • NULL 値の比率。

    • 列の値の分布。

    • 数値列の列統計。

    • 文字列型の列と一致する正規表現。

  • 列のリレーションシップの問題を特定するために役立つプロファイル

    • 候補キー列。

    • 列間の機能依存。

    • ある列の値セットの、別の列の値セットへの包含。

詳細については、「データ プロファイル タスク」および「データ プロファイル タスクと Data Profile Viewer を使用したデータのプロファイル」を参照してください。

データ プロファイル タスクの使用方法のデモ ビデオについては、MSDN ライブラリのビデオ ホーム ページ「データ プロファイル タスクを使用する方法 (SQL Server ビデオ)」を参照してください。

新しい Integration Services 接続プロジェクト ウィザード

Integration Services 接続プロジェクト ウィザードを使用して、データの変換元と変換先の接続に必要な接続情報を含むパッケージを作成します。 ウィザードの手順に従って、データ プロバイダーの選択、接続マネージャーの構成、接続マネージャーの変換元と変換先への割り当てを実行できます。 このウィザードの使用方法については、「ウィザードを使用したパッケージの作成」を参照してください。

新しいスクリプト環境

Business Intelligence Development Studio は、MicrosoftVisual Studio Tools for Applications (VSTA) 環境とシームレスに統合されました。 VSTA は、開発者がスクリプト タスクおよびスクリプト コンポーネント用のスクリプトを記述するための開発環境です。

VSTA は、MicrosoftVisual Basic 2008 と MicrosoftVisual C# 2008 の両方のプログラミング言語をサポートしています。 VSTA では、フォルダーの場所を参照して、デザイン時にマネージ アセンブリを追加することもできます。 さらに、VSTA では、コードに Web 参照を追加して、Web サービスで提供されているオブジェクトやメソッドをコードの中で使用できます。

MicrosoftVisual Studio for Applications (VSA) スクリプトを含む SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージでは、VSTA がこれらのスクリプトを変換します。

注意注意

スクリプト コンポーネントでは、ブレークポイントはサポートされません。

Integration Services における VSTA の詳細については、次のトピックを参照してください。

パッケージのアップグレード

Integration Services パッケージを、SQL Server 2005 で使用される形式から SQL Server 2008 で使用される形式にアップグレードできます。 SQL Server 2005 パッケージをアップグレードするには、次の手順の 1 つ以上を実行します。

  • SQL Server 2008 に付属する dtexec コマンド プロンプト ユーティリティ (dtexec.exe) を使用して、SQL Server 2005 パッケージを実行します。 この方法で SQL Server 2005 パッケージを実行した場合は、一時的なアップグレードであるため、アップグレードによる変更を保存できません。

  • 既存のプロジェクトに SQL Server 2005 パッケージを追加するか、このパッケージを SQL Server 2008Integration Services で開きます。Integration Services によってパッケージが自動的にアップグレードされます。 ただし、これは一時的なアップグレードです。 パッケージを永続的にアップグレードするには、パッケージの変更を保存する必要があります。

    注意注意

    既存のパッケージにパッケージを追加するには、[プロジェクト] メニューの [既存のパッケージを追加] をクリックします。

  • SQL Server 2005Integration Services プロジェクトを作成するか開いて、SSIS パッケージ アップグレード ウィザードを使用し、プロジェクト内のすべてのパッケージをアップグレードします。 このアップグレード プロセスは永続的です。

詳細については、「Integration Services パッケージのアップグレード」を参照してください。

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パッケージ構成

dtexec コマンド プロンプト ユーティリティ (dtexec.exe) を使用して配置済みのパッケージを実行する場合、Integration Services ではパッケージ構成が 2 回適用されます。Integration Services では、dtexec コマンド ラインで指定したオプションの適用前と適用後の両方に構成が適用されます

詳細については、「パッケージ構成」を参照してください。

データ管理の機能強化

SQL Server インポートおよびエクスポート ウィザードのデータ型処理の強化

インポート操作またはエクスポート操作に必要なデータ型変換に関する情報とオプションが、SQL Server インポートおよびエクスポート ウィザードでさらに多く提供されるようになりました。

  • インポートまたはエクスポートするために選択した各テーブルまたはビューについて、データ型のマッピング情報を表示できます。 この情報には、変換がエラーなしに成功する確率も視覚的に表示されます。

  • 選択したテーブルまたはビューの任意の列について、詳細情報を表示できます。

  • ウィザードで列ごとに実行されるデータ型変換を、承認または拒否できます。

  • エラーまたは切り捨ての処理を、グローバルに、または列ごとに指定できます。

詳細については、「[データ型マッピングの確認] (SQL Server インポートおよびエクスポート ウィザード)」を参照してください。

新しい日付および時刻データ型

Integration Services では、次の新しい日付および時刻データ型を使用できます。

  • DT_DBTIME2

  • DT_DBTIMESTAMP2

  • DT_DBTIMESTAMPOFFSET

これらの新しい Integration Services データ型には、次の利点があります。

  • 1 秒未満でのより多くの桁数のサポート

  • ユーザー定義の有効桁数のサポート

  • タイム ゾーン オフセットのサポート

これらの新しいデータ型は、さまざまな制御フロー要素とデータ フロー要素でサポートされています。 詳細については、「制御フローの要素」および「データ フロー要素」を参照してください。

新しいデータ型は、式、データ変換の変換、および派生列変換を使用して、他の Integration Services 日付データ型に変換できます。 式を使用して、新しいデータ型どうしを比較することもできます。 詳細については、「Integration Services のデータ型」および「キャスト (SSIS)」を参照してください。

機能強化された SQL ステートメント

Integration Services では、次の Transact-SQL ステートメントが強化されました。

  • 複数のデータ操作言語 (DML) 操作の実行   Transact-SQL は、SQL ステートメントでの MERGE 操作の使用をサポートしています。 MERGE 操作を使用することで、指定した対象テーブルに対して、単一のステートメントで複数の INSERT、UPDATE、DELETE 操作を記述できます。 対象テーブルは、結合条件に基づいてソース テーブルと結合されます。 詳細については、「MERGE を使用したデータの挿入、更新、および削除」および「Integration Services パッケージでの MERGE の使用」を参照してください。

  • データ ソースへの変更についてのデータの取得   INSERT、UPDATE、DELETE、または MERGE 操作の OUTPUT 句によって返される行を、INSERT 操作で対象テーブルに挿入できます。 詳細については、「INSERT (Transact-SQL)」を参照してください。

  • データがテーブルのクラスター化インデックスに従って並べ替えられた際の、一括読み込み操作のパフォーマンスの向上   OPENROWSET 関数の BULK オプションがサポートする ORDER 引数を使用すると、データ ファイル内でデータが既に並べ替えられている順番を指定できます。 ORDER 引数は、テキスト データに対する並べ替え操作には影響しません。 この引数は、ファイル内のデータが既に事前に並べ替えられていることを SQL Server データベース エンジンに示すためのものです。 データが並べ替えられていない場合、データベース エンジンはエラーを返します。

    OPENROWSET 関数によって、OLE DB を使用してリモート データにアクセスできます。 詳細については、「OPENROWSET (Transact-SQL)」を参照してください。

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パフォーマンスとトラブルシューティングの機能強化

変更データ キャプチャ

Integration Services では、変更データ キャプチャと呼ばれる新しいデータベース エンジンの機能を使用できます。 この新機能は、SQL Server のテーブルに適用された挿入、更新、削除の各アクティビティを記録します。 また、変更データ キャプチャは、変更の詳細を、利用しやすいリレーショナル形式で格納します。

Integration Services パッケージで変更データ キャプチャを使用して増分読み込みを実行する方法については、「変更データ キャプチャによる増分読み込みの向上」を参照してください。 Integration Services パッケージでの変更データ キャプチャの使用方法に関する最新のサンプルについては、SQL Server のサンプルの Web サイトを参照してください。

新しいデバッグ ダンプ ファイル

パッケージ実行時の動作に関する情報を提供するデバッグ ダンプ ファイル (.mdmp および .tmp) を作成できます。 この情報は、パッケージ実行時に発生する問題のトラブルシューティングに役立ちます。

デバッグ ダンプ ファイルを作成するには、dtexec ユーティリティおよび dtutil コマンド プロンプト ユーティリティ (dtutil.exe) を、コマンド プロンプト オプションと共に使用します。 詳細については、「dtexec ユーティリティ」および「dtutil ユーティリティ」を参照してください。

デバッグ ダンプ ファイル (.tmp) に含まれる情報の種類の詳細については、「デバッグ ダンプ ファイルの操作」を参照してください。

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Integration Services のアイコン (小) 最新の Integration Services の入手

Microsoft が提供する最新のダウンロード、アーティクル、サンプル、ビデオ、およびコミュニティで選択されたソリューションについては、MSDN または TechNet の Integration Services のページを参照してください。

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変更履歴

変更内容

  • 「パッケージ構成」のセクションを追加しました。