トランスポート ルールのインポートおよびエクスポート
適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3
トピックの最終更新日: 2012-07-23
次のシナリオでは、Microsoft Exchange Server 2010 または Exchange Server 2007 を実行しているトランスポート サーバーから別のトランスポート サーバーにトランスポート ルール コレクションをエクスポートおよびインポートする必要があります。
エッジ トランスポート サーバーのトランスポート ルール構成を複製する すべてのエッジ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーのセットに、同じトランスポート ルールを適用させます。ハブ トランスポート サーバーは Active Directory にこれらの構成を格納します。これらの構成は組織内のすべてのドメイン コントローラーにレプリケートされます。エッジ トランスポート サーバーは、これらの構成を Active Directory ライトウェイト ディレクトリ サービス (AD LDS) のローカル インスタンスに格納します。ここで構成が自動的にレプリケートされることはありません。
Exchange の展開およびメッセージ ルーティング トポロジによって、エッジ トランスポート サーバーのセットごとに異なるトランスポート ルールを使用することができます。たとえば、送信電子メールを送信するエッジ トランスポート サーバーのトランスポート ルールとは異なるトランスポート ルールを、受信電子メールを受信するエッジ トランスポート サーバー上に適用することができます。組織内のすべてのエッジ トランスポート サーバーに同じトランスポート ルール セットを適用する場合は、この手順を使用してトランスポート ルール構成を複製できます。
Exchange 構成全体をエッジ トランスポート サーバーから別のエッジ トランスポート サーバーにレプリケートする場合は、複製構成を使用することをお勧めします。この構成には、エッジ トランスポート サーバーのトランスポート ルール構成が含まれます。エッジ トランスポート サーバーを複製する方法の詳細については、「エッジ トランスポート サーバーの複製構成」を参照してください。
重要
エッジ トランスポート サーバーのトランスポート ルール構成に頻繁に変更があると予測される場合は、1 台のエッジ トランスポート サーバーを複製元サーバーに指定して、そのサーバー上で変更を行うことをお勧めします。後で説明する手順を実行するシェル スクリプトを使用して、その他のエッジ トランスポート サーバーを、複製元エッジ トランスポート サーバーからトランスポート ルール構成を自動的に更新するよう構成します。シェルでスクリプトを実行する方法の詳細については、「Exchange 管理シェルを使用したスクリプトの作成」を参照してください。
Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーとの共存中 Exchange 2010 には、多くの新しいトランスポート ルールの述語とアクション、および Exchange 2007 にあったいくつかの述語とアクションへの変更が含まれています。Exchange 2007 組織に最初の Exchange 2010 サーバーをインストールする際に、Exchange セットアップによって Active Directory 内に Exchange 2010 ルールを格納するコンテナーが作成されます。その結果、ここに格納されたルールは別々の場所に保存されている両方のバージョンで使用されます。Exchange 2007 の既存のトランスポート ルールはすべて変換され、コピーが Exchange 2010 コンテナーに格納されます。セットアップが完了すると、Exchange 組織は、Exchange サーバーの両方のバージョン用に同じトランスポート ルール セットを持ちます。
その結果、Exchange 2007 または Exchange 2010 のトランスポート ルール構成に変更を行った場合、両方のバージョンのルール セットに違いが生じます。Exchange サーバーの両方のバージョンが同じトランスポート ルールを持ち、同じメッセージング ポリシーを適用させるには、Exchange 2007 のトランスポート ルール構成に行った変更を Exchange 2010 構成にも行います。この手順を実行すると、Exchange 2007 からルールをエクスポートして、Exchange 2010 にルールをインポートすることが容易になります。
重要
Exchange 2007 トランスポート ルールを Exchange 2010 サーバーにエクスポートするには、Exchange 2010 サーバーで Export-TransportRuleCollection コマンドレットを実行する必要があります。Export-TransportRuleCollection コマンドレットには、Exchange 2007 ルールをエクスポートするためのオプションが含まれています。
Exchange 2007 トランスポート ルールを Exchange 2007 サーバーにインポートするには、Exchange 2007 サーバーで Import-TransportRuleCollection コマンドレットを実行する必要があります。
Exchange 2010 ルールをエクスポートして、Exchange 2007 サーバーにインポートすることはできません。
トランスポート ルールに関連する他の管理タスクについては、「トランスポート ルールの管理」を参照してください。
シェルを使用してハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーから Exchange 2010 トランスポート ルールをエクスポートする
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メッセージングのポリシーと準拠のアクセス許可」の「トランスポート ルール」。
注意
EMC を使用してハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーから Exchange 2010 トランスポート ルールをエクスポートすることはできません。
Exchange 2010 トランスポート ルールのエクスポート手順は、ハブ トランスポート サーバーの場合とエッジ トランスポート サーバーの場合で同じです。ハブ トランスポート サーバーでは、共存中の Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーにインポートするためにトランスポート ルールをエクスポートできます。または、バックアップのためにトランスポート ルールをエクスポートできます。
エッジ トランスポート サーバーでは、別のエッジ トランスポート サーバーにトランスポート ルールを複製するため、またはそのエッジ トランスポート サーバーのトランスポート ルールをバックアップするために、トランスポート ルールをエクスポートできます。
この例では、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバー上のトランスポート ルールをエクスポートします。ルール データは変数 $file にエクスポートされ、C:\MyDocs フォルダーの Exchange2010TransportRules.xml ファイルに書き込まれます。
$file = Export-TransportRuleCollection
Set-Content -Path "C:\MyDocs\Exchange2010TransportRules.xml" -Value $file.FileData -Encoding Byte
構文およびパラメーターの詳細については、「Export-TransportRuleCollection」を参照してください。
シェルを使用して Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーから Exchange 2007 トランスポート ルールをエクスポートする
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メッセージングのポリシーと準拠のアクセス許可」の「トランスポート ルール」。
注意
EMC を使用して Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーから Exchange 2007 トランスポート ルールをエクスポートすることはできません。
組織に Exchange の両方のバージョンが含まれている場合、共存中に Exchange 2007 トランスポート ルールをエクスポートして、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーにインポートする必要がある場合があります。Exchange 2007 組織で最初の Exchange 2010 サーバーをセットアップすると、Exchange セットアップによって、Exchange 2007 トランスポート ルール コンテナーから Exchange 2010 コンテナーにルールがコピーされます。この手順は、Exchange 2007 サーバー上のトランスポート ルールを変更した場合にのみ実行する必要があります。Exchange 2010 サーバーに同じ変更を行うことで、両方のサーバーが同じトランスポート ルールを持つようにする必要があります。
この例では、Exchange 2007 で作成された従来のトランスポート ルールをエクスポートします。Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーからコマンドを実行します。
$ file = Export-TransportRuleCollection -ExportLegacyRules
Set-Content -Path "C:\MyDocs\LegacyRules.xml" -Value $file.FileData -Encoding Byte
構文およびパラメーターの詳細については、「Export-TransportRuleCollection」を参照してください。
シェルを使用して Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーのトランスポート ルールをインポートする
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メッセージングのポリシーと準拠のアクセス許可」の「トランスポート ルール」。
注意
EMC を使用して Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーのトランスポート ルールをインポートすることはできません。
この手順を使用して Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーの Exchange 2010 または Exchange 2007 トランスポート ルールをインポートします。両方のサーバーのルールは同じ手順とコマンドレットを使用してトランスポート ルールをインポートします。
注意
トランスポート ルール コレクションを .xml ファイルからインポートすると、トランスポート ルール エージェントに定義された既存のトランスポート ルールがすべて削除または上書きされます。現在のトランスポート ルールをインポートすることで上書きされる前に、現在のトランスポート ルール コレクションを必ずバックアップしてください。
ハブ トランスポート サーバーでは、Import-TransportRuleCollection コマンドレットは、Exchange 2010 組織で構成されているトランスポート ルールのうち、エッジ トランスポート サーバーのトランスポート ルールを除くすべてのトランスポート ルールを上書きします。エッジ トランスポート サーバーでは、このコマンドによってローカル コンピューターで構成されているトランスポート ルールのみが上書きされます。
重要
概念および実装において類似していますが、ハブ トランスポート サーバーの役割とエッジ トランスポート サーバーの役割は、それぞれの要件に合わせて設計された異なるトランスポート ルールの述語とアクションを使用します。Exchange のいずれかのバージョンのエッジ トランスポート サーバーからエクスポートされたトランスポート ルールを、いずれかのバージョンのハブ トランスポート サーバーにインポートしないでください。同様に、Exchange のいずれかのバージョンのハブ トランスポート サーバーからエクスポートされたトランスポート ルールを、いずれかのバージョンのエッジ トランスポート サーバーにインポートしないでください。
この例では、ExportedRules.xml ファイルからトランスポート ルールをインポートします。
[Byte[]]$Data = Get-Content -Path "C:\MyDocs\ExportedRules.xml" -Encoding Byte -ReadCount 0
Import-TransportRuleCollection -FileData $Data
構文およびパラメーターの詳細については、「Import-TransportRuleCollection」を参照してください。
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