Windows Server 2008 の CCR 環境にアクティブ クラスタ化メールボックスの役割をインストールする方法
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1
トピックの最終更新日: 2007-10-31
ここでは、Windows Server 2008 オペレーティング システムで実行しているクラスタ連続レプリケーション (CCR) 環境内のアクティブ ノードに、Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) クラスタ化メールボックス サーバー (CMS) をインストールする方法について説明します。Windows Server 2003 で CCR をインストールする手順の詳細については、「クラスタ連続レプリケーションのインストール」を参照してください。
コマンド ライン バージョンのセットアップ (Setup.com) または Exchange Server 2007 SP1 セットアップ ウィザード (Setup.exe) を使用して、メールボックス サーバーの役割を Windows Server 2008 にインストールし、CMS を作成できます。
開始する前に
この手順を実行する前に、Windows Server 2008 フェールオーバー クラスタが形成され、正しく構成されている必要があります。Windows Server 2008 の CCR でフェールオーバー クラスタを作成および構成する方法の詳細については、「クラスタ連続レプリケーション用の Windows Server 2008 フェールオーバー クラスタを作成する方法」を参照してください。
セットアップの前提条件の確認段階で、既定の最初のストレージ グループとデータベースの代替パスを指定せずに、既定のパス %ProgramFiles%\Microsoft\Exchange Server\Mailbox を使用すると、このパスを作成する必要があるという警告が結果に表示されることがあります。セットアップでは既定のパスは自動的に作成されるため、この警告は無視して問題ありません。ただし、既定のパスを使用しない場合、使用するパスを作成してからセットアップを実行する必要があります。
この手順を実行するには、使用するアカウントに Exchange サーバー管理者の役割が委任されている必要があります。Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
クラスタ IP アドレスを CMS の IP アドレスとして誤って指定した場合、またはクラスタ名を CMS の名前として誤って指定した場合は、正しい IP アドレスおよび名前を使用して最初の手順の手順 2. を実行することにより、インストールを完了できます。
後のコマンドライン (Setup.com) の手順を実行する前に、以下の点を考慮してください。
最初のストレージ グループに既定以外の場所を選択するには、コマンドに
/CMSDataPath:<
PathToTheDatabase>
を追加します。データベースを既定の場所 (%ProgramFiles%\Microsoft\Exchange Server\Mailbox) に置く場合には、/CMSDataPath:<
PathToTheDatabase>
パラメータを省略できます。指定したパスに文字列 "最初のストレージ グループ" が追加されます。代替パスを指定する場合、Exchange をインストールする前にパスを手動で作成する必要があります。コマンドラインの手順では、/CMSIPAddress オプションを使用して、静的インターネット プロトコル Version 4 (IPv4) アドレスを指定します。単一サブネットのインストールでは、次のオプションを使用して、CMS に対して動的ホスト構成プロトコル (DHCP) IPv4 アドレスまたは IPv6 アドレスを構成できます。
/CMSIPV4Networks:<PublicClusterNetworkName> /CMSIPV6Networks:<PublicClusterNetworkName>
複数サブネット環境では、/CMSIPV4Addresses を使用して CMS を構成したり、/CMSIPV4Networks を使用してパブリック クラスタ ネットワークで動的に割り当てられた IPv4 アドレスによる CMS を構成したり、/CMSIPV6Networks を使用してパブリック クラスタ ネットワークで動的に割り当てられた IPv6 アドレスによる CMS を構成したりすることができます。
手順
Windows Server 2008 上の CCR 環境で、セットアップ プログラムを使用してアクティブ クラスタ化メールボックスの役割をインストールするには、次の操作を行います。
Windows Firewall サービスが実行されていることを確認します。Windows Firewall が有効である必要はありませんが、Windows Firewall サービスが実行されている必要があります。
コマンド プロンプト ウィンドウを開き、インストール ファイルの場所まで移動して、次のコマンドを実行します。
Setup.com /roles:Mailbox /newcms /CMSname:<NameofClusteredMailboxServer> /CMSIPAddress:<ClusteredMailboxServerIPAddress>
注 : プログラム ファイルを別の場所に置く必要がある場合は、コマンドに /targetdir:<
パス>
を追加して、場所を指定します。パスを指定する場合、パッシブ ノードで使用するパスと一致している必要があります。注 : CMS の名前は 15 文字以内にする必要があります。 注 : パッシブ クラスタ化メールボックスの役割が既にインストールされている場合、アクティブ ノードがクラスタ内にまだ存在していないことを条件として、次のコマンドを使用してパッシブ ノードをアクティブ ノードに変更できます。 Setup.com /newcms /cmsname:<NameofClusteredMailboxServer> /cmsipaddress:<IPAddressofClusteredMailboxServer>
正常にセットアップが完了したら、再起動を要求するメッセージが表示されます。ノードを再起動する前に、CMS を停止します。CMS を停止するには、[スタート] ボタン ([Microsoft Exchange Server 2007] プログラム グループ内の) から Exchange 管理シェルを開き、次のコマンドを実行します。
Stop-ClusteredMailboxServer <CMSName> -StopReason Setup -Confirm:$false
CMS が停止 (オフライン) したら、Exchange 管理シェルを閉じて、ノードを再起動します。再起動中に、CMS および再起動しているノードが所有するその他のクラスタ グループは、利用可能な場合、Exchange がインストールされていないノードを含めクラスタ内の別のノードに移動されます。CMS グループが別のノードに移動された場合、再起動後にアクティブ ノードに戻す必要があります。再起動中に CMS の所有権を引き継いだノードに同じバージョンの Exchange がインストールされていない場合、Exchange 管理シェルで次のコマンドを使用して CMS を再起動されたノードに移動して戻す必要があります。
Move-ClusteredMailboxServer <CMSName> -TargetMachine <NodeName> -MoveComment Setup -Confirm:$false
再起動中に CMS の所有権を引き継いだノードに同じバージョンの Exchange がインストールされていない (または Exchange がまったくインストールされていない) 場合、クラスタ管理ツール (フェールオーバー クラスタ管理ツールまたは Cluster.exe) を使用して CMS グループを再起動されたノードに移動して戻す必要があります。このことは、次のコマンドを使用して行うことができます。
Cluster group <CMSName> /move:<NodeName>
CMS がアクティブ ノードに戻された後、そのノードで Exchange 管理ツールを使用して、CMS を起動します。アクティブ ノードの Exchange 管理シェルで次のコマンドを実行して、CMS を起動できます。
Start-ClusteredMailboxServer <CMSName>
Exchange 管理コンソールのクラスタ化メールボックス サーバーの管理ウィザードを使用して CMS を起動することもできます。CMS を起動する方法の詳細については、「クラスタ化メールボックス サーバーを起動する方法」を参照してください。
CMS が開始し、すべてのリソースがオンラインになったら、パッシブなメールボックス サーバーの役割をフェールオーバー クラスタ内の 2 番目のノードにインストールできます (まだインストールされていない場合)。フェールオーバー クラスタにパッシブなメールボックス サーバーの役割をインストールする方法の詳細については、「Windows Server 2008 で CCR 環境にパッシブ クラスタ化メールボックスの役割をインストールする方法」を参照してください。
Windows Server 2008 上の CCR 環境で、Exchange Server 2007 SP1 セットアップ ウィザードを使用してアクティブ クラスタ化メールボックスの役割をインストールするには、次の操作を行います。
Windows エクスプローラを開き、Exchange インストール ファイルの場所に移動して、次のコマンドを実行します。
Setup.exe
注 : 必要な前提条件パッケージがインストールされている場合は、[ステップ 4: Microsoft Exchange Server 2007 SP1 のインストール] をクリックして、インストールを続行します。 [概要] ページで、情報を確認し、[次へ] をクリックします。
[使用許諾契約書] ページで、使用許諾契約書を確認します。条件に同意する場合は、[使用許諾契約書に同意します] をクリックし、[次へ] をクリックします。
[エラー報告] ページで、情報を確認して選択を行い、次に [次へ] をクリックします。
[インストールの種類] ページで、[Exchange Server のカスタム インストール] を選択します。必要に応じて、Exchange プログラム ファイルの場所を変更します。パスを指定する場合、パッシブ ノードで使用するパスと一致している必要があります。[次へ] をクリックします。
[サーバーの役割の選択] ページで、[アクティブ クラスタ化メールボックスの役割] を選択します。これにより、[管理ツール] の役割が自動的に選択され、その他の役割は利用できなくなります。必要に応じて、Exchange プログラム ファイルの場所を変更します。パスを指定する場合、パッシブ ノードで使用するパスと一致している必要があります。[次へ] をクリックします。
[クラスタの設定] ページで、[クラスタ連続レプリケーション] を選択し、[クラスタ化メールボックス サーバーの名前] に CMS の名前を入力します。必要に応じて、CMS ストレージ グループおよびデータベース ファイルの最初の場所を変更し、[次へ] をクリックします。
注 : CMS の名前は 15 文字以内にする必要があります。 [クラスタ IP アドレスの構成] ページで、[最初のサブネット] の次のオプションから選択します。
- [IPv4 ネットワーク] クラスタ内のすべてのパブリック ネットワーク インターフェイスで IPv4 アドレスを使用する場合は、このオプションを選択します。このオプションを選択した後で、静的 IPv4 アドレスを選択するか、DHCP を使用する必要があります。
CMS で静的 IPv4 アドレスを使用する場合は、[次の静的 IPv4 アドレスを使用する] を選択し、フィールドにドットで区切られた 10 進数形式で IP アドレスを入力します。
CMS に対して動的に割り当てられる IP アドレスを使用する場合は、[次のネットワークについて、動的に割り当てられた (DHCP) IPv4 アドレスを使用する] を選択します。次に、[参照] をクリックし、パブリック クラスタ ネットワークを選択します。 - [IPv6 ネットワーク] クラスタ内のすべてのパブリック ネットワーク インターフェイスで IPv6 アドレスも使用する場合は、このオプションを選択します。次に、[参照] をクリックし、パブリック クラスタ ネットワークを選択します。
- [IPv4 ネットワーク] クラスタ内のすべてのパブリック ネットワーク インターフェイスで IPv4 アドレスを使用する場合は、このオプションを選択します。このオプションを選択した後で、静的 IPv4 アドレスを選択するか、DHCP を使用する必要があります。
複数サブネットの環境に CCR をインストールする場合は、[2 番目のサブネット] チェック ボックスをオンにし、2 番目のサブネットのネットワーク設定を構成します。複数サブネットの環境に CCR をインストールしない場合は、[2 番目のサブネット] チェック ボックスをオフのままにします。
[次へ] をクリックして、確認とインストールを開始します。[インストールの前提条件の確認] ページには、確認が行われるたびに状態が表示されます。確認が正常に完了したら、[インストール] をクリックします。エラーが発生して確認に失敗した場合は、特定された問題を修正する必要があります。その後でインストールを再開できます。
[進行状況] ページに、セットアップ プログラムの実行手順が表示されます。すべての手順が完了したら、[Exchange 管理コンソールを使用してインストールを終了する] チェック ボックスをオフにして、[完了] をクリックします。
運用環境にサーバーを配置する前に、再起動を要求するメッセージが表示されます。[OK] をクリックして、このメッセージを確認します。
インストールおよび構成が完了した後は、最初のセットアップのページに戻るので、Exchange 更新プログラムをダウンロードして、このノードのセットアップを完了します。必要に応じて、[ステップ 5: Microsoft Exchange の重要な更新プログラムのダウンロード] をクリックして、利用可能な更新プログラムをダウンロードします。更新プログラム、および再起動が必要な更新プログラムをインストールした場合、ノードを再起動しないでください。代わりに、この手順を続行します。
Setup.exe を終了するには、[閉じる] をクリックします。メッセージが表示された場合には、[はい] をクリックして確認します。
セットアップが完了したら、ノードが再起動される前に CMS を停止します。CMS を停止するには、[スタート] ボタン ([Microsoft Exchange Server 2007] プログラム グループ内の) から Exchange 管理シェルを開き、次のコマンドを実行します。
Stop-ClusteredMailboxServer <CMSName> -StopReason Setup -Confirm:$false
CMS が停止 (オフライン) したら、Exchange 管理シェルを閉じて、ノードを再起動します。再起動中に、CMS および再起動しているノードが所有するその他のクラスタ グループは、利用可能な場合、Exchange がインストールされていないノードを含めクラスタ内の別のノードに移動されます。CMS グループが別のノードに移動された場合、再起動後にアクティブ ノードに戻す必要があります。再起動中に CMS の所有権を引き継いだノードに同じバージョンの Exchange がインストールされていない場合、Exchange 管理シェルで次のコマンドを使用して CMS を再起動されたノードに移動して戻す必要があります。
Move-ClusteredMailboxServer <CMSName> -TargetMachine <NodeName> -MoveComment Setup -Confirm:$false
再起動中に CMS の所有権を引き継いだノードに同じバージョンの Exchange がインストールされていない (または Exchange がまったくインストールされていない) 場合、クラスタ管理ツール (フェールオーバー クラスタ管理ツールまたは Cluster.exe) を使用して CMS グループを再起動されたノードに移動して戻す必要があります。このことは、次のコマンドを使用して行うことができます。
Cluster group <CMSName> /move:<NodeName>
CMS がアクティブ ノードに戻された後、そのノードで Exchange 管理ツールを使用して、CMS を起動します。アクティブ ノードの Exchange 管理シェルで次のコマンドを実行して、CMS を起動できます。
Start-ClusteredMailboxServer <CMSName>
Exchange 管理コンソールのクラスタ化メールボックス サーバーの管理ウィザードを使用して CMS を起動することもできます。CMS を起動する方法の詳細については、「クラスタ化メールボックス サーバーを起動する方法」を参照してください。
CMS が開始し、すべてのリソースがオンラインになったら、パッシブなメールボックスの役割をフェールオーバー クラスタ内の 2 番目のノードにインストールできます (インストールされていない場合)。フェールオーバー クラスタにパッシブ メールボックスの役割をインストールする方法の詳細については、「Windows Server 2008 で CCR 環境にパッシブ クラスタ化メールボックスの役割をインストールする方法」を参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。