ルーティング ログ ビューアーの使用

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2012-07-23

ルーティング ログ ビューアー ツールは、ハブ トランスポート サーバーの役割またはエッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされた Microsoft Exchange Server 2010 を実行中のサーバーで機能します。このツールは、Exchange 管理コンソール (EMC) から起動します。

Exchange の以前のバージョンでは、WinRoute ツールを使用して、ポート 691 の Microsoft Exchange Routing Engine サービスに接続できました。Exchange 2010 にはルーティング エンジンはありませんが、ルーティング ログ ビューアーを使用してルーティング ログ ファイルを開くことができます。このファイルには、ルーティング トポロジがサーバーからどのように見えているかに関する情報が含まれます。また、2 つ目のルーティング ログ ファイルを開いて、2 つの時間の間にルーティング トポロジで発生した変更を特定できます。これは、ルーティングに関する問題がトラブルシューティングを開始する前に自己解決した場合、または時間と共にトポロジにどのような変更が発生したのかを判断するのに役立ちます。これらの状況において、ルーティング トポロジの変更によって問題が発生している場合、このツールを使用して変更を比較し、メール ルーティングの問題の解決に役立てることができます。

ルーティング ログ ビューアー ツールは、パーサーと、解析を行うコンポーネントへのパブリック グラフィカル ユーザー インターフェイスで構成されています。

ルーティング ログ ビューアーには、サーバー情報を表示する 4 つのタブがあります。

• Active Directory サイト & ルーティング グループ

• サーバー

• 送信コネクタ

• アドレス スペース

これらのタブについては、以降のセクションで詳細に説明します。

[Active Directory サイトおよびルーティング グループ] タブ

[Active Directory サイトおよびルーティング グループ] タブには、Exchange 組織の Active Directory サイトおよびルーティング グループの一覧が表示されます。Active Directory サイトでは、Exchange サーバーが含まれているサイトのみ表示されます。

サイトがハブ サイトとして有効かどうかは、このタブで検証できます。ルーティング テーブル ログが生成されたローカル サイトも表示されます。各サイトのすべてのサーバーが、ローカル サイトからそのサイトにメールを配信するための総コスト、およびメッセージの配信に問題がある場合に使用する [解放パス] と共に表示されます。

ルーティング グループは、すべての Exchange 2010 サーバーが独自のルーティング グループにインストールされますが、Exchange Server 2003 ルーティング グループのみが表示されます。Exchange 2010 サーバーは Active Directory サイトの下に表示されます。各ルーティング グループのサーバーごとに、そのルーティング グループに到達するために使用される最初のホップ ルーティング グループ コネクタが表示されます。

このページに表示されるすべてのサーバーとコネクタには、[サーバー] タブまたは [送信コネクタ] タブの該当するオブジェクトにリンクするハイパーリンクが設定されています。

次の図は、[Active Directory サイトおよびルーティング グループ] タブをダブルクリックしたときの表示例です。

[Active Directory サイトおよびルーティング グループ] タブ

[サーバー] タブ

[サーバー] タブには、Exchange 組織のすべての Exchange サーバー一覧が含まれます。ルーティング ログが生成されたローカル サーバーが最上位に表示されます。[サーバー] タブを使用すると、次の情報が生成されます。

• サーバーの識別名 (DN)

• ローカル サーバーの近さ

• サーバーが属している Active Directory サイトまたはルーティング グループ

• メールボックスまたはハブ トランスポートなどの、インストールされているサーバー役割

• 総コスト

• 利用可能なメッセージ データベース (MDB)

• 従来の DN

• Exchange 2007 またはそれ以降のバージョンを使用しているかどうか

一部のプロパティには関連タブへのハイパーリンクが設定されており、対応する内容にリンクしています。たとえば、Active Directory サイトとルーティング グループには [Active Directory サイトおよびルーティング グループ] タブへのハイパーリンクが設定されており、対応する内容にリンクしています。ルーティング グループ コネクタは、[送信コネクタ] タブへのハイパーリンクによって対応するコネクタにリンクしています。

[送信コネクタ] タブ

この [送信コネクタ] タブには、Exchange 組織で利用できる SMTP コネクタ、外部コネクタ、およびルーティング グループ コネクタの一覧が表示されます。従来のサーバーをホーム サーバーとする従来のゲートウェイ コネクタも表示されます。

各コネクタの種類の情報には、次の内容が含まれます。

• 名前

• GUID

• DN

• ローカル サーバーの近さ

• コネクタを通過するメッセージの最大メッセージ サイズ (既定値は無制限)

• コネクタに到達するための総サイト コスト

• これはスコープ コネクタかどうか

• アドレス スペース

• DNS ルーティングが有効かどうか

• 定義されているスマート ホスト

次の図は、SMTP 接続の [送信コネクタ] タブの例を示しています。

[送信コネクタ] タブ

接続されたルーティング グループがコネクタで使用される場合、この情報は [接続されたドメイン] プロパティに表示されます。[外部コネクタ] では、ドロップ ディレクトリで指定した値も表示されます。

[ルーティング グループ コネクタ] は、対象のルーティング グループを識別し、対象の Exchange サーバーをすべて表示します。ただし、Exchange 2010 を対象とするルーティング グループ コネクタは除きます。これらのコネクタでは、[対象ルーティング グループ] プロパティが空白になっています。

[アドレス スペース] タブ

[アドレス スペース] タブには、Exchange 組織内のアドレス スペースの一覧が、SMTP などのアドレスの種類別に表示されます。各アドレス スペースには、関連付けられたすべてのコネクタとそのコストが表示されます。コネクタの一覧は、その特定のアドレス スペースを使用するために、コネクタ選択のアルゴリズムに基づいた順序になっています。したがって、一覧の最初のコネクタは、そのアドレス スペースへの配信に Exchange 2010 が使用するコネクタです。

[アドレス スペース] タブに表示されるコネクタには、[送信コネクタ] タブのそれぞれのコネクタのプロパティにリンクするハイパーリンクが設定されています。

ルーティング テーブル ログのデータの使用例

以下に、ルーティング ログ ビューアー ツールを使用してルーティング データを調べる方法の例を示します。

サイトへのコストが最小のパスを調べる

ルーティング ログの XML ファイルが開かれ解析された後、ルーティング ログ ビューアーには、[ルーティング ログ ビューアー] 画面の [Active Directory サイトおよびルーティング グループ] タブに、各 Active Directory サイトに関するすべての情報が表示されます。ローカル サイトから別のサイトへのコストが最小のパスを調べるには、送信先のサイトを見つけて展開し、[前の Active Directory サイト] を見つけ、ローカル サイトに到達するチェーンを確認します。

特定のアドレスの優先コネクタを調べる

ルーティング ログ ファイルが開かれ解析された後、ルーティング ログ ビューアーは、ローカル サーバーによってルーティング可能な各アドレス スペースに関するすべての情報を表示します。特定のアドレス スペースについて、そのアドレス スペースが構成されているすべてのコネクタが、Exchange 2010 ルーティングによって使用されるアドレス選択アルゴリズムの優先順位に従って一覧表示されます。優先コネクタにサイズ制限がない場合、優先コネクタは先頭に太字で表示されます。また、そこに一覧表示されているアドレス スペースへのルーティングには、常にこのコネクタが使用されます。優先コネクタにサイズ制限がある場合は、サイズ制限を満たす次の適切なコネクタ、つまりアドレス スペースの合致条件の順位の低いコネクタが一覧から選択されます。

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