エージェント ログ出力を管理する方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-08-22

ここでは、EdgeTransport.exe.config ファイルを構成してスパム対策エージェント ログ ファイルを管理する方法について説明します。既定では、Microsoft Exchange Server 2007 はすべてのスパム対策エージェント活動のログを %programfiles%\Microsoft\Exchange Server\TransportRoles\Logs\AgentLog ディレクトリに記録します。スパム対策エージェントのログをフィルタ処理するには、Get-AgentLog コマンドレットを使用します。詳細については、「Get-AgentLog」を参照してください。

エージェント ログ ファイルの既定構成は次のとおりです。

  • エージェント ログ ディレクトリの最大サイズ : 250 MB
  • エージェント ログ ファイルの最大サイズ : 10 MB
  • ログ ファイルの最大保存期間 : 30 日
important重要 :
Exchange 2007 Service Pack 1 (SP1) には、EdgeTransport.exe.config アプリケーション構成ファイルでこれらの既定値を変更できるキーが含まれています。Exchange 2007 の RTM (Release To Manufacturing) 版では、ここで説明するキーを読み取ることができません。

EdgeTransport.exe.config ファイルの変更

エージェント ログ出力を管理する構成オプションの変更はすべて、%programfiles%\Microsoft\Exchange Server\Bin ディレクトリに格納されている EdgeTransport.exe.config ファイルに書き込まれます。EdgeTransport.exe.config ファイルは、EdgeTransport.exe ファイルと関連付けられた、XML アプリケーション構成ファイルです。EdgeTransport.exe と MSExchangeTransport.exe は、Microsoft Exchange Transport サービスによって使用される実行可能ファイルです。このサービスは、すべてのハブ トランスポート サーバーとエッジ トランスポート サーバーで実行されます。EdgeTransport.exe.config ファイルに保存された変更内容は、Microsoft Exchange Transport サービスが再起動した後で適用されます。以下の条件のいずれかに当てはまる場合は、既定値が適用されます。

  • 構成オプションが見つからない。
  • 構成オプションが存在し、そこに既定値が含まれている。

次の例は、EdgeTransport.exe.config ファイルの標準的な構造を示しています。

<configuration> 
<runtime> 
<gcServer enabled="true" /> 
</runtime> 
<appSettings> 
<add key=" Configuration Option " value=" Value " /> 

</appSettings> 
</configuration> 

<appSettings> セクションでは、新しい構成オプションを追加したり、既存の構成オプションを変更したりすることができます。利用可能な構成オプションの多くは、エージェント ログ出力とは無関係です。エージェント ログ出力とは関係のない構成オプションは、ここでは扱いません。

エージェント ログ出力キー

エージェント ログ出力は、EdgeTransport.exe.config ファイル内の以下のキーによって管理されます。

<add key="AgentLogEnabled" value="system.boolean" />
<add key="AgentLogMaxDirectorySize" value="system.int32" />
<add key="AgentLogMaxFileSize" value="system.int32" />
<add key="AgentLogMaxAge" value="system.timespan" />

既定では、EdgeTransport.exe.config ファイルには AgentLogEnabled キーのみが表示されています。その他のすべてのキーは追加する必要があります。次の表で、それぞれのキーを詳しく説明します。

キー 値の型 説明

AgentLogEnabled

System.Boolean

既定では、このキーは EdgeTransport.exe.config 内に存在します。このキーの有効な値は true または false です。既定値は true です。

AgentLogMaxDirectorySize

System.Int32

既定では、このキーは EdgeTransport.exe.config 内に存在しません。このキーの値は、AgentLog ディレクトリの最大サイズをバイト単位で指定します。この値を超過すると、ディレクトリ内の最も古いログ ファイルが削除され、新しいログ ファイルが作成されます。

このキーを指定しない場合、Exchange 2007 RTM および Exchange 2007 SP1 での既定値は 250 MB、つまり 262144000 バイト (250 × 1024 × 1024) です。

AgentLogMaxFileSize

System.Int32

既定では、このキーは EdgeTransport.exe.config 内に存在しません。このキーの値は、AgentLog ディレクトリ内の各ログ ファイルの最大サイズをバイト単位で指定します。ログ ファイルが指定サイズに達すると、新しいログ ファイルが作成されます。

このキーを指定しない場合、Exchange 2007 RTM および Exchange 2007 SP1 での既定値は 10 MB、つまり 10485760 バイト (10 × 1024 × 1024) です。

AgentLogMaxAge

System.TimeSpan

既定では、このキーは EdgeTransport.exe.config 内に存在しません。このキーの値は、ログ ファイルの最大保存期間を指定します。保存期間を過ぎると、ログ ファイルは削除されます。

このキーは、システム型の TimeSpan. です。このキーの値は、d.hh:mm:ss.ff という形式の文字列として表現できます。d は日数、hh は時間数、mm は分数、ss は秒数、および ff はミリ秒数です。

このキーを指定しない場合、Exchange 2007 RTM および Exchange 2007 SP1 での既定値は 30 日間、つまり 30.00:00:00.00 です。

開始する前に

この手順を実行するには、使用するアカウントに以下が委任されている必要があります。

  • コンピュータのローカルの Administrators グループのメンバ

アクセス許可、役割の委任、および Exchange 2007 を管理するために必要な権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

手順

EdgeTransport.exe.config ファイルでエージェント ログ出力キーを追加および構成するには、以下の手順を実行します。

  1. エージェント ログ出力を管理するハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーで、メモ帳などの ASCII テキスト エディタを使用して EdgeTransport.exe.config を開きます。EdgeTransport.exe.config ファイルは、%programfiles%\Microsoft\Exchange Server\Bin ディレクトリにあります。

  2. AgentLogEnabled キーを探します。既定では、キーは <appsettings> の下にアルファベット順で並んでいます。

  3. 次のキーをコピーして AgentLogEnabled キーの下に貼り付けます。

    <add key="AgentLogMaxDirectorySize" value="system.int32" />
    <add key="AgentLogMaxFileSize" value="system.int32" />
    <add key="AgentLogMaxAge" value="system.timespan" />
    
  4. AgentLogEnabled キーが true に設定されていることを確認し、他のキーの値を追加します。

  5. EdgeTransport.exe.config ファイルの更新を終えたら、ファイルを保存して閉じます。

  6. 構成の変更を有効にするには、Microsoft Exchange Transport サービスを再起動する必要があります。

詳細情報

詳細については、「Get-AgentLog」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。