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SRID (Spatial Reference Identifier)

各空間インスタンスには SRID (spatial reference identifier) があります。SRID は、平面地球マッピングまたは球体地球マッピングに使用される特定の楕円体に基づく空間参照系に対応します。空間列には異なる SRID を持つオブジェクトを格納できますが、SQL Server の空間データ メソッドを使用してデータの操作を実行する際に使用できるのは、同じ SRID を持つ空間インスタンスだけです。2 つの空間データ インスタンスから引き出される空間メソッドの結果は、それらのインスタンスが同じ SRID を持つ (同じ測定単位、データ、および投影を使用してインスタンスの座標が決定されている) 場合にのみ有効になります。SRID の最も一般的な測定単位はメートルまたは平方メートルです。

2 つの空間インスタンスの SRID が同じでない場合に、それらのインスタンスに対して geometry データ型や geography データ型のメソッドを使用すると、NULL が返されます。たとえば、次の述語で NULL 以外の結果が返されるためには、geometry1 および geometry2 の 2 つの geometry インスタンスの SRID が同じである必要があります。

geometry1.STIntersects(geometry2) = 1

注意

空間参照識別系は、地図制作、測量、および測地のデータの格納のために開発された一連の標準である European Petroleum Survey Group (EPSG) 標準によって定義されています。この標準は、Oil and Gas Producers (OGP) Surveying and Positioning Committee が所有しています。

geometry インスタンスの既定の SRID は 0

SQL Server の geometry インスタンスの既定の SRID は 0 です。geometry 空間データでは、空間インスタンスに特定の SRID がなくても計算を実行できます。したがって、インスタンスは未定義の平面空間に存在することができます。SQL Server データベース エンジンでは、geometry データ型のメソッドの計算で未定義の平面空間を表すために SRID 0 が使用されます。

geography インスタンスでは必ずサポート対象の SRID を使用

SQL Server は、EPSG 標準に基づく SRID をサポートしています。地理空間データを使用して計算を実行したりメソッドを使用したりする際には、SQL Server でサポートされている SRID を geography インスタンスで使用する必要があります (その SRID が、sys.spatial_reference_systems カタログ ビューに表示される SRID のいずれかに一致する必要があります)。既に説明したように、geography データ型を使用して空間データの計算を実行する場合、計算結果は、データの作成に使用された楕円体によって異なります。これは、各楕円体に特定の SRID (spatial reference identifier) が割り当てられているからです。

SQL Server で使用される既定の SRID は 4326 です。SRID 4326 は、geography インスタンスのメソッドを使用する際に WGS 84 空間参照系にマップされます。WGS 84 (SRID 4326) 以外の空間参照系のデータを使用する場合は、その地理空間データの SRID を確認する必要があります。