ツールボックス IT プロのための新製品

Greg Steen

HTTP トラフィックを分析する

HttpWatch Professional Edition

httpwatch.com

HTTP は、ブラウザを使用した Web サイト通信の基盤となる、非常に便利な第 7 層のプロトコルです。さらに、Web サービスの出現により、多くの Windows® フォーム アプリケーションは、プログラムの更新をダウンロードしたり、自宅に電話して検証を行ったりするために HTTP を使用するようになりました。アプリケーション間で HTTP を使用した通信を行う場合、それに関する問題の発見、パフォーマンス チューニング、セキュリティの検証などが困難になる場合がありますが、HttpWatch Professional Edition は、Web とブラウザとの間の通信に関する問題のトラブルシューティングを行う際に役立ちます。

HttpWatch によって表示される Web 要求の詳細

HttpWatch によって表示される Web 要求の詳細(画像を拡大するには、ここをクリックします)

HttpWatch Professional は Internet Explorer® 6.0 や Internet Explorer 7 と統合されており、ブラウザの一番下に表示されるか、スタンドアロン ツールとしてブラウザの横に表示されます。HttpWatch の [Record] (記録) ボタンをクリックすると、すぐにトラフィックのキャプチャと記録が始まり、Web 要求の詳細がすべて表示されます。未処理の HTTP ストリーム、ページ要求に対して発生したリダイレクト、要求に関連付けられたクエリ文字列のキーと値のペア、HTTP メソッド、HTTP 圧縮の情報、およびチャンクされたエンコード情報を表示できます。また、要求に関連付けられた Cookie の詳細情報 (Cookie のパス、ドメイン、有効期限、および値) も表示されます。このアプリケーションは

Internet Explorer のプラグインとして動作するので、復号化された HTTPS 要求の詳細もすべて表示することができます。

HttpWatch を使用すると、ミリ秒単位の応答時間、DNS 参照、TCP 接続、IP アドレス情報、ポート、およびブラウザで送受信されたバイト数が表示されるので、要求のパフォーマンスに関するネットワーク レベルの詳細なデータを確認できます。各要求を構成している要素はどれだけあると思いますか。1 つの HTML ページに対する 1 回の要求を構成する要素の多さには、いつも驚かされます。さいわい、HttpWatch では、コンテンツの種類、応答コード、URL、ヘッダー、またはコンテンツに含まれる特定の文字列でフィルタをかけることができます。これによって、照会範囲を限定し、目的の情報だけをすばやく表示できるようになります。

製品の Web サイトでは、顧客が抱える問題のトラブルシューティングを行う手段として、このツールを勧めています。このアプリケーションを使用すると、要求に関する情報を保存できるので、問題のある要求に関する情報を顧客から送信してもらうことができます。この情報は、トラブルシューティングに役立つ可能性があります。顧客は、数回のクリックだけで、専用の HWL 形式のファイルを電子メールで送信することができます。顧客からこのファイルを受け取ったら、インストール パッケージに含まれているスタンドアロンのログ ファイル ビューアを使用して表示することができます。また、要求に関するデータを CSV 形式や XML 形式のファイルにエクスポートして、他のアプリケーションで使用することもできます。

HttpWatch 用のオートメーション API も公開されているため、テスト中に HTTP レベルの情報を記録して、パフォーマンスのボトルネックの発見に役立てることができます。パッケージをインストールすると、この API の使用方法を示した 3 つのサンプル (C 言語で相互運用ライブラリを使用する 1 つのサンプルと、JavaScript と Ruby で COM を使用する 2 つのサンプル) がインストールされます。テストの目的で Ruby と Watir を併用する場合は、製品の Web サイトで、HttpWatch をテスト用プラットフォームに統合する方法に関するチュートリアルを参照してください。

価格 : 249 ドル (1 ユーザー ライセンスごと)

ブック レビュー

『Microsoft Solutions Framework Essentials』

microsoft.com/mspress

企業で優れたテクノロジ ソリューションを提供するには、効果的なプロセスと明確なコミュニケーション手段が必要です。Michael S. V. Turner の著書『Microsoft Solutions Framework Essentials』 (Microsoft Press、2006) には、Microsoft® Solutions Framework (MSF) Version 4.0 の基本要素に関する説明と、これらを使用して、テストされたプロセスやコミュニケーション プラクティスを開発および実装する方法が記載されています。**

Turner はこの書籍の冒頭で、現在のプロセスや組織構造に、MSF で提供されるガイドラインやプラクティスを一度にすべて適用するべきではないと述べています。彼は、MSF の一部を製品開発やプロジェクト開発に実装し、その成否を評価することを勧めています。評価が完了し、良い結果が出たら、プロジェクトに合った別の MSF のガイドラインやプラクティスを選択し、通常のプロジェクト サイクルに取り入れます。これにより、使用中の環境に MSF を適合させることができるだけでなく、変更によって予期しない問題が発生する可能性を低減することができます。

この書籍は、テクノロジ ソリューションの提供に関与するすべての人 (技術者であるかどうかを問わず) を対象としています。「MSF チームを構成する」という章では、優れたソリューションを提供するために、技術者とそれ以外のメンバの両方が行うことができる作業、および行うべき作業が記載されています。ただし、これは日常業務の変更を伴うため、MSF の中では実装が比較的難しい部分であることが警告されています。

構造の変更において重要なのは、各メンバが異なる視点を持つピア (対等な関係を持つメンバ) としての役割を担い、プロセス全体の利点を積み重ねていく、アドボカシー グループからチームを形成するという考え方です (もちろん、これは、権限のある意思決定者が必要ないという意味ではありません)。書籍の中で説明されているように、MSF のアドボカシー グループは、製品管理、プログラム管理、アーキテクチャ、開発、テスト、ユーザー エクスペリエンス、およびリリースと運用の 7 つに分かれており、それぞれに固有の構成および責任があります。この書籍では、大規模なグループを持つ組織向けに、アドボカシー グループの考え方を拡張して、大規模なチームやグループをサポートする方法に関するアドバイスが提供されています。

リスクはどんなプロジェクトにも常に存在します。この書籍には、プロジェクトの再編成に関する多くのヒントが記載されているので、効果的にリスクに対処できます。プロジェクトのリスクを最小限に抑えることは重要であり、これを実現するために、6 つの手順に分かれたリスク管理プロセスを実行します。6 つの手順とは、識別、分析と優先順位付け、計画とスケジュール設定、追跡とレポート、変更の管理、および過去の経験からの学習です。また、プロジェクト サイクル全体にわたって、リスクを評価し続ける必要があります。このセクションに記載されている説明は、プロジェクトが失敗する可能性を低減することに大きく役立ちます。

この書籍には、ソリューションの提供に関する基本事項が詳しく記載されています。たとえば、ソリューションの構想、計画、構築、安定化、および展開を行うと共に、これらの各段階でそれぞれのアドボカシー グループが担う役割を定義するために使用する遂行トラックが記載されています。この説明では、ソリューションの提供ライフサイクルの各トラックを詳細に表した MSF ガバナンス モデルが紹介されます。MSF ガバナンス モデルは、構想、計画、構築、安定化、展開、およびガバナンス (ソリューションの提供に関する指針を提供すること) というトラックから構成されます。

この書籍で説明されているツールやプロセスは、組織内で読者が担っている役割には必要ないと感じられる場合もあるかもしれませんが、この書籍を読むことにより、現在のプロセスに対して新たな理解を得ることができます。これは、担当している役割が運用、開発、プロジェクト管理のいずれの場合にも言えることです。担当している仕事がソフトウェア開発に関連していない場合でも、この書籍の内容を基にして、組織内で効率を向上させたり、コミュニケーション手段を強化したりすることができます。

価格 : 44.99 ドル

ファイルを編集する

UltraEdit

ultraedit.com

IT プロフェッショナルとして本格的な作業を行っている開発者は皆、強力なエディタを必要としています。私が考える必携エディタの 1 つは、IDM Computer Solutions の UltraEdit です。このエディタは、ASCII 文字の挿入、マクロ、正規表現による検索と置換、外部アプリケーションの起動、UTF のサポート、大量のテキスト ファイルの高速処理など、優れたテキスト エディタが標準的に備えている機能をすべてサポートしています。また、いくつかの特殊な機能が用意されており、それらも非常に役立ちます。

基本的な編集に関しては、複数の言語が統合された 100,000 語のスペル チェック、オートコンプリート、C# などの標準的な言語のコード構文の強調表示などの機能が用意されています。また、指定した列に強制改行を挿入し、自動的に右端で折り返されるように設定することができます。この機能は、テキストベースの電子メールの書式を、各行が特定の長さより短くなるように設定する場合に役立ちます。書式を設定した後、UltraEdit でマウスを数回クリックするだけで、その電子メールを送信できます。このアプリケーションはエクスプローラと統合されているので、編集用にファイルを開くには、右クリックの後に左クリックを行うだけで済みます。

UltraEdit でのコード構文の強調表示

UltraEdit でのコード構文の強調表示

UltraEdit で処理できるのはテキスト ファイルだけではありません。このエディタはバイナリ ファイルも適切に処理することができるので、16 進値、行の参照、一般的な ASCII 値などを、標準的な 16 進エディタと同じように表示できます。16 進編集モードでは、標準的な検索や置換だけでなく、値の切り取り、コピー、および貼り付けも行うことができます。UltraEdit には、FTP 接続と SFTP 接続の両方をサポートする FTP クライアントが組み込まれています。また、標準的な Secure Shell (SSH) 接続や Telnet 接続も開くことができます。

このアプリケーションには、Web 開発者向けに、Web ページをチェックするための HTML 検証ツールが組み込まれています。また、テキストベースのデータベース ファイルや区切り記号付きログ ファイルを処理するための列モードも用意されています。このモードを使用すると、データ間の移動、データの合計、およびデータの編集を簡単に行うことができます。UltraEdit では、複数のファイルを 1 つのプロジェクトやワークスペースにグループ化して、関連する一連のファイルを 1 回のクリックで開くこともできます。全体的に見て、UltraEdit には、IT に関する作業を簡略化および効率化できる多くの機能が用意されていると言えます。

価格 : 49.95 ドル (直販、1 ユーザー ライセンスごと)

モバイル構成を管理する

Net-Switch

net-switch.com

よくある問題に、ノートパソコンを持って、ある環境から別の環境に (たとえば、データセンターの建物から品質監査環境などに) 移動する際に、ノートパソコンの静的 IP アドレスと既定のプリンタを、そのたびに割り当て直さなければならないというものがあります。もし身に覚えがあるとしたら、Net-Switch を試してみることをお勧めします。この便利なユーティリティを使用すると、複数のネットワーク構成を設定および保存することができます。それぞれの構成に対して既定のプリンタを割り当てることができるので、ある環境から別の環境に移動するたびに、プリンタ番号を思い出したり入力したりする必要はありません。

ノートパソコンの設定を構成する Net-Switch

ノートパソコンの設定を構成する Net-Switch(画像を拡大するには、ここをクリックします)

これは非常に使いやすいアプリケーションです。必要な操作は、構成の名前を指定し、ネットワーク アダプタを選択し、静的 IP アドレスと関連するサブネット マスク、ゲートウェイ、および DNS サーバーを割り当て (または DHCP を選択し)、既定のプリンタを設定することだけです。費用をそれほどかけることなく、日常の面倒をなくすことができます。

価格 : 19.95 ドル (直販)

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ここで取り上げてほしいおすすめのツールやユーティリティがございましたら筆者 tntools@microsoft.com まで英語でご連絡ください。

Greg Steen技術者、起業家、熱狂的 IT ファン。より簡単な操作、開発に役立つ IT プロフェッショナルのためのツールと方法を日夜追い求めています。

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