ツールボックスIT プロのための新製品

Greg Steen

ファイルおよびディレクトリの同期

Allway Sync

allwaysync.com

どの IT 関連の仕事でも、ファイルやディレクトリをある場所から別の場所に移動する作業には時間がかかる場合があります。これは、デスクトップから USB キーに移動する場合でも、ネットワークを経由してサーバーからサーバーに移動する場合でも同様です。多くの場合、それらのディレクトリの同期を維持することにより、重複した不要なファイルを削除したり、ファイルを最新版にしたりすることが重要です。複数の Web サーバーに静的な XML ファイルや HTML ファイルを展開するときなど、複数のコンピュータ間でファイルやディレクトリを同期する必要が生じる場合があります。Usov Lab の Allway Sync は、このような作業に役立つツールです。

Allway Sync は、ファイルおよびディレクトリの一方向のレプリケーションから、複数ディレクトリや双方向のオプションまで、真の多方向の同期を提供します。**このアプリケーションは、ローカル ドライブとネットワーク リソースの同期を維持するだけでなく、USB キーや書き換え可能な光学式ドライブなど、リムーバブル デバイスとの自動同期もサポートします。これらのデバイスがコンピュータに接続されたら自動的に同期を開始するように、Allway Sync を構成することができます。

他にも、ファイルの変更が検出されたとき、ログインまたはログアウトしたとき、Allway Sync が起動したとき、指定した時間が経過したときなどに、同期を自動的に開始できます。また、アプリケーションの GUI を使用して、スケジュールされたタスクの実行時に同期を取るように設定することもできます。

Allway Sync を使用したファイルおよびフォルダの同期

Allway Sync を使用したファイルおよびフォルダの同期(画像を拡大するには、ここをクリックします)

すべてのファイルの変更および削除は、アプリケーションのローカル データベースに記録されます。Allway Sync では、ファイルの完全な削除、ごみ箱や指定したフォルダへのファイルの移動など、変更されたファイルのバージョン管理と競合したファイルの削除を行うための多数のオプションが提供されます。

作業ごとに、複数の包含フィルタまたは除外フィルタを指定することにより、必要なファイルを取得して不要なファイルを無視できます。また、警告やエラーが発生したときの Allway Sync の動作をカスタマイズして、警告やエラーの種類に応じて異なる動作を構成することができます。たとえば、エラーが発生したときに自動的にコピーを再試行したり、自動再試行の回数や再試行間隔を構成することによってネットワークの待ち時間や一時的な接続の問題に対応したりすることができます。

アプリケーションのログ記録の詳細度を構成し、作業に応じた適切な情報を得ることができます。アプリケーションの設定は、XML 形式でインポートおよびエクスポートできるため、継続的なバックアップや別のコンピュータへの転送を容易に実行できます。また、好奇心の強いユーザーにとっては面白い機能だと思いますが、このアプリケーションでは使用状況の統計を表示する簡単なウィンドウ (ヘルプ メニューから使用できます) も提供されます。この便利なツールによって、ファイルの同期が容易になります。さらに、このツールは非常に手頃な価格で利用できます。

価格 : 無料 (個人使用)、29.99 ドル (商用使用)

ネットワークのマップ作成および監視を実行する

LANState Pro

10-strike.com/lanstate

ネットワーク リソースの状態および可用性をすばやく把握することは、事前対応型の IT 運用環境にとってきわめて重要です。問題の発生時には、他のだれよりも先にその問題を把握する必要があります。10-Strike Software の LANState Pro は、便利なネットワーク マップ作成および監視のためのツールであり、Windows® ベースのネットワークに関して、状態をすばやく表示したり、LAN を管理したりするのに役立ちます。

ネットワークを監視するためにこのアプリケーションを起動すると、Network Mapping Wizard (ネットワーク マップ ウィザード) を選択できます。このウィザードを使用すると、特定のネットワークや IP アドレス範囲内をスキャンしてホストを検出できます。必要に応じて、手動でホストを追加できます。一度ネットワーク マップを作成した後は、LANState が、TCP ポートや ICMP ping のチェックなどの構成された状態チェックを自動的に開始します。応答があったホストは色分けされ、応答がなかったホストは灰色で表示されます。その後、マップ内のホストを構成に適した論理グループに分類し、表示要素を変更したり、説明を追加したりすることができます。

LANState Pro を使用した論理ネットワーク グループの作成

LANState Pro を使用した論理ネットワーク グループの作成(画像を拡大するには、ここをクリックします)

描画ツールと編集ツールは多少使い勝手が悪いですが、一度マップが完成すれば、それをファイルに保存できるため、マップを再作成する必要はありません。TCP ポートと ICMP ping のチェックに加え、フォルダやファイルが存在するかどうかのチェックや、ファイルのサイズ、リモート ホストのディスクの空き領域などのチェックを、指定した間隔およびタイムアウトに基づいて実行するように LANState Pro を構成できます。ホストを右クリックしたときに表示されるコンテキスト メニューを使用すると、リモート ホストのシステム情報を収集できます。また、経路の追跡を実行したり、ping を送信したり、既定のチェックを実行したり、ネットワーク メッセージを送信したりすることもできます。

表示されるシステム情報には、NIC の MAC アドレスやその MAC アドレスがバインドされた IP アドレスから、ネットワーク共有、サービス、およびローカル アカウントまで、あらゆる情報が含まれています。OS レベルの大部分の情報を取得するには、参照先のリモート システムに対する適切なアクセス許可が与えられていて、そのシステム用のポートが開かれている必要があります。ただし、RPC 呼び出しからでも多くのデータを取得することができます。また、適切なアクセス許可が与えられている場合、リモート ホストの電源をオンにしたりシャットダウンしたりするためのシグナルを送信できます。

価格 : 249.95 ドル (1 ユーザー ライセンスごと)

コマンド ライン スクリプト

ブック レビュー

www.syngress.com

対話型のウィザードと構成用の GUI を使用すると、複雑な作業を大幅に簡略化できます。ただし IT プロフェッショナルは、これらのインターフェイスを使用するとかえって作業時間がかかる場合があり、必ずしも目下の作業に対して十分なきめ細かさや制御が提供されるとは限りません。幸いにも、そのようなきめ細かさが必要なほとんどの制御は、コマンド ライン インターフェイス (CLI) から実行できます。Windows に含まれているツールの使い方に慣れ、コマンド プロンプトをカスタマイズして管理作業を効率化する方法を理解することにより、時間の節約、効率の向上、および制御の正確性の向上を実現できます。Pawan K. Bhardwaj の『How to Cheat at Windows System Administration Using Command Line Scripts』 (Syngress Publishing、2006) は、CLI および OS のユーティリティの習得に役立ちます。**

この書籍には、コマンド シェルのカスタマイズ、バッチ ファイルを使用して自動化とバッチ処理を行う方法、およびスケジュールされたタスクを CLI から管理する方法が記載されています。これらのセクションの後、ディスク、ファイル、およびディレクトリを管理するのに役立つ Windows OS のユーティリティに関する説明が続きます。また、DSQuery や DSMod などのディレクトリ サービス コマンドの概要についても記載されています。これらを前の章で学習したバッチ処理のスキルと組み合わせて使用することにより、より大きなディレクトリ構造の管理にかかる時間を大幅に短縮できます。

さらに、Netstat から Pathping まで必要に応じて使用できる Windows ネットワーク コマンドや、TFTP、RSH、RCP などのリモート接続ツールの概要についても説明します。これらのツールも、最初のセクションで学習した、自動化とスケジュールされたタスクに関するスキルと組み合わせて使用すると、生産性を確実に向上させることができます。全体として見ると、この書籍は Windows ユーティリティに関する総合的な参考資料ではありませんが、1 冊持っておくと役立ちます。

価格 : 39.95 ドル (直販)

ハードウェアの信頼性テスト

BurnInTest

passmark.com/products/bit.htm

カスタム PC の運用、クライアント ベースでのハードウェア コンポーネントの更新、高度な管理機能を持つデスクトップの構築などのいずれの作業に関わっている場合でも、新しいコンポーネントをユーザーに提供する前に、それらのコンポーネントの実行時に問題が発生しないかどうかを確認することがきわめて重要です。PassMark Software の BurnInTest を使用すると、指定したコンポーネントに対してさまざまなストレス テストを実行することで、問題が発生しないことを確認してからそれらのコンポーネントを提供できます。

あらゆるソフトウェアのバーンイン テストと同様に、このアプリケーションは、短時間で長時間の動作サイクルのシミュレーションを行うために、選択されたシステム コンポーネントに負荷をかけることでハードウェアを "使い込み" ます。その目的は、システムやデバイスを使い始める前に、隠れたエラーを発見することです。バーンイン テストにより、CPU やグラフィック カード メモリから、ハード ドライブや CD 書き込みソフトウェアまで、あらゆる側面をテストできます。

このアプリケーションは非常に簡単に使用および構成できるため、特定の構成における各コンポーネントの単体テスト用に、負荷サイクルと設定を変更したりすることができます。テスト構成を設定した後、今後の使用のためにその設定を保存できるため、数か月後に同じテストを再度行う必要がある場合、そのテストにかかる時間を短縮できます。

テストごとに負荷サイクルを構成できるため、テストする各コンポーネントに対して 1 ~ 100 の負荷値を設定できます。たとえば、CPU の演算操作を 75% の負荷でテストし、同時にシステム メモリを 90% の負荷でテストできます。また、BurnInTest を分単位または運用サイクル単位で停止するように設定できます。

このアプリケーションでは、ハード ドライブ、フロッピー ドライブ、および光学式ドライブを 20 台まで同時にテストできるため、クライアント環境に展開する前にドライブの一括テストを実行できます。これにより、各システムを個別にテストする必要なく、それぞれの新しいコンポーネントを一度にテストできるため、システム コンポーネントをアップグレードするための時間を大幅に短縮できます。私が気に入っているのは、このプログラムが SMART パラメータを使用したチェックを実行するという点です。

Professional Edition では、USB 2.0、パラレル ポート、およびシリアル ポート用のさまざまなループバック テストがサポートされます (ハードウェア ループバック デバイスは PassMark から購入できます)。このバージョンの BurnInTest は CD または USB キー ドライブから実行できるため、テストするシステムにアプリケーションが与える影響が小さくなり、実行するテストの信頼性が向上します。

価格 : 49 ドル (Professional Edition)、24 ドル (Standard Edition)

Greg Steen技術者、起業家、熱狂的 IT ファン。より簡単な操作、開発に役立つ IT プロフェッショナルのためのツールと方法を日夜追い求めています。

© 2008 Microsoft Corporation and CMP Media, LLC. All rights reserved; 許可なしに一部または全体を複製することは禁止されています.