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Project 2010 の変更

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-29

Microsoft Office Project 2007 から Microsoft Project 2010 にアップグレードする場合は、この記事で説明されている変更点と移行時の考慮事項を確認してください。

この記事の内容


  • 新機能


  • 変更された機能


  • 削除された機能


  • 移行時の検討事項

新機能

ここでは、Project 2010 での新機能を中心に説明します。

Fluent UI

Project 2010 のユーザー インターフェイスは再設計されて、Microsoft Office Fluent ユーザー インターフェイス (UI) を使用するようになりました。2007 Microsoft Office system で導入された Fluent UI は、Office アプリケーションが提供する一連の機能をユーザーが容易に探し出して使用できるようにすること、そして一貫性のある作業環境を提供することを目的として設計されています。Fluent UI の詳細については、「Microsoft Office Fluent User Interface Resource Center (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=111045\&clcid=0x411) (英語) のリソースを参照してください。

Backstage ビュー

Microsoft Office Backstage ビューは Fluent UI の一部であり、リボンと連携する機能です。Backstage ビューは [ファイル] タブから使用でき、よく使用する Microsoft Project のファイル管理機能を探すのに役立ちます ([ファイル] タブは、以前のリリースの Microsoft Office で使用されていた Microsoft Office ボタンおよび [ファイル] メニューに代わる機能です)。Backstage ビューは、Microsoft Project Server の接続の管理およびプロジェクトのチェックアウトと発行に使用します。

チーム プランナー

Project Professional 2010 にはチーム プランナーが含まれています。これは、ユーザーがチーム メンバーのタスクを一覧表示したり、タスクの担当者を変更したりできるリソース スケジュール ビューです。ユーザーは、未割り当てタスクの割り当て、割り当て超過やタスク名とリソース名の確認もできます。

SharePoint リストとの同期

Project Professional 2010 では、ユーザーは、プロジェクト ファイルを Microsoft SharePoint Server 2010 または Microsoft SharePoint Foundation 2010 のリストにエクスポートできます。これによって、プロジェクト マネージャーは、状況の共有や組織全体で確認できるレポートの作成をすばやく簡単に行うことができます。SharePoint リストとの同期に Microsoft Project Web Access は必要ありません。

詳細については、以下を参照してください。

手動スケジュール

Project 2010 のプロジェクト スケジュール方法が変更されました。タスクを手動でスケジュールすると、タスクの依存関係、プロジェクト カレンダーなどの要因による、タスクの日付の自動調整は行われません。この機能は、計画の初期段階でタスクの期間が未定のときに特に便利です。ユーザーは、手動でスケジュールされたタスクをスケジュール内の任意の位置に配置でき、そのタスクは Project 2010 によって移動されません。以前のバージョンの Project の自動スケジュール機能に慣れているプロジェクト マネージャーは、この新しい手動スケジュール機能を特定のタスクまたはプロジェクト全体についてオフにすることもできます。プロジェクトによっては、スケジュール操作に Project の強力なスケジュール エンジンが必要な場合もあります。

プレースホルダー​タスク

プレースホルダー タスクでは、ユーザーはタスク名のみを使用して計画を作成できます。ユーザーは、任意の組み合わせの開始日、終了日、および期間を入力でき、それ以外の入力を後で行うことができます。

無効なタスク

ユーザーは、タスクをプロジェクトに含めたまま無効にできます。この機能の主な利点は、ユーザー設定フィールド情報、リソース割り当て、その他すべてのデータがタスクに維持される点です (ただし、これらの要素は重ね合わせの対象にはなりません)。無効なタスクには重要な情報 (コスト情報など) が含まれることも多く、記録保管や仮定の計画に役立つことがあります。

トップダウンのサマリー

サブタスクを作成してサマリー タスクに重ね合わせる処理の制約がなくなりました。Project 2010 では、ユーザーは、事前にサマリー タスクを作成でき、サマリー タスクには、サブタスクを重ね合わせた日付と厳密には一致しない日付を含めることができます。計画段階の初期には、主要成果物、主要マイルストーンなど、プロジェクトの高レベル情報しか決まっていない場合があります。Project 2010 では、ユーザーは、全体的なタイムラインと予算に基づいてプロジェクトを各高レベル段階に分割できます。この場合、個別の作業アイテムの日付と高レベル段階の日付の整合性が厳密である必要はありません。

プロジェクトのバージョン比較

Project 2010 のプロジェクトのバージョン比較機能にガント バーも含まれるようになり、ユーザーはプロジェクトのバージョン間の相違点をより明確に確認できるようになりました。

タイムライン

Project 2010 にタイムライン ビューが追加されました。新しいファイルでは、他の多くのビューより上にタイムライン ビューが自動的に表示されます。ここには全体的なスケジュールの概要が表示されます。それ以外の場合は、ユーザーは手動でタイムライン ビューをオンにできます。ユーザーは、タイムラインにタスクを追加したり、タイムラインを印刷したり、プロジェクトの概要をわかりやすく示すために電子メール メッセージにタイムラインを貼り付けたりできます。

コピーと貼り付けの機能強化

この機能によって、ユーザーは、Microsoft Office の各プログラムと Project 2010 の間で、書式、アウトライン レベル、および列見出しを維持したままコンテンツをコピーして貼り付けることができます。

Excel と同様の機能

Microsoft Excel と同様の機能を Project 2010 でも使用できるようになりました。これには次の機能があります。

  • 新しい列を簡単に追加できます。シート ビューでは、[新しい列の追加] 見出しをクリックし、新しい列または既存の列の名前を入力または選択できます。既存の列も、タイトルをクリックして別の列名を入力することによって簡単に名前変更できます。

  • フィルター UI の向上によって、タスクとリソースを探しやすくなりました。

  • 32 ビット カラー サポートおよび文字列の折り返しによって、Excel レポートと類似の外観を作成できます。

よく使用されるコマンドへの迅速なアクセス

最もよく使用されるコマンドに簡単にアクセスできるようになりました。バー、テーブル セル、チャートなど、ビュー内のアイテムを右クリックすると、よく使用されるコマンドのリストがミニ ツール バーに表示されます。

ビュー スライダー

Project 2010 では、ユーザーはステータス バーにあるスライダーを使用して、ビューの時間単位セクションをすばやく拡大表示および縮小表示できます。ビュー スライダーを右に動かすとスケジュールが拡大表示され、左に動かすと縮小表示されます。ビュー スライダーは、ガント チャート、ネットワーク ダイアグラム、およびすべてのグラフ ビューで使用できます。

下位互換性

Project 2010 は、以前のバージョンの Microsoft Project と互換性があります。

ユーザーは、Microsoft Project 2007 またはそれ以前で作成したファイルを Project 2010 で開いて編集できます。ただし、Project 2010 の一部の機能は使用できません。以前のバージョンのファイルを Project 2010 形式で保存すると、Project 2010 のすべての機能を使用できるようになります。

また、Project 2010 で作成したファイルを Project 2007、Project 2003、および Project 2000 のファイル形式に変換することもできます。

変更された機能

ここでは、Project 2010 で変更された機能について説明します。

ダイアログ ボックス

次のダイアログ ボックスの機能が変更されました。

  • スペル チェック オプション

  • ユーザー設定

  • サービス オプション

  • オプション

VBA オブジェクト モデル

Project Standard 2010 および Project Professional 2010 の Microsoft Visual Basic for Applications (VBA) オブジェクト モデルには、Project 2010 の新しい機能をサポートする新しいクラス、メソッド、プロパティ、および列挙が含まれています。詳細については、「VBA オブジェクト モデルの変更点の一覧表」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=216929\&clcid=0x411) と「Working with VBA in Office 2010 (32-bit) and Office 2010 (64-bit) (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=216930\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。

削除された機能

ここでは、Project 2010 で削除された機能について説明します。

ユーザー設定フォーム

ユーザー インターフェイス ([ツール] | [ユーザー設定] | [フォーム]) からユーザー設定フォームを作成および使用する機能は、Project 2010 で削除されました。ユーザーがアプリケーションで作成したユーザー設定フォームは、使用できなくなります。

この機能は使用されることの少なくなった古い機能であり、この機能の維持に要する労力 (たとえば、Project 2010 との互換性のためのコントロールの更新など) は妥当なものではなくなっています。作成済みのユーザー設定フォームに代わるフォームの作成には、Microsoft Visual Basic for Applications (VBA) を使用してください。一般に、同様の作業には、VBA、Visual Studio Tools for Office (VSTO) などが使用されています。

OWC のリソースの利用可能時間グラフ

Microsoft Office 2010 で OWC が削除されたので、Project 2010 ではリソースの利用可能時間グラフが変更され、選択したタスクに一時的にリソースを割り当てることなく、そのタスクに提案されている利用可能時間を表示することはできなくなりました。また、グラフを表示する場合には分割が失われ、複数のリソースを一緒にグラフ表示できなくなり (1 リソースずつ表示する必要があります)、グラフの横にバーの高さを示す数値が表示されなくなりました。チーム ビルダー機能もリソース割り当て機能と異なっています。チーム ビルダーでは PWA が起動され、割り当て済みリソースに Project 2010 のリソース グラフが使用されます。この新しいグラフはカスタマイズでき、印刷もできるようになりました。

アドイン、サンプル マクロ、およびプロジェクト ガイド

アドイン、サンプル マクロ、およびプロジェクト ガイドは、Project 2010 には含まれていません。

以下のアドインは、Project 2010 に統合されました。

  • プロジェクトのバージョン比較

  • 日付の調整

以下のアドインは削除されました。

  • PERT 分析

  • 図のコピー (Office ドキュメントの自動作成と JPG 形式へのエクスポートはなくなりました)

  • Format_Duration

  • ResMgmt_TaskEntry

  • Rollup_Formatting

  • Toggle_Read_only

  • Update_File

Excel ピボットテーブルとして保存

[Excel ピボットテーブルとして保存] は、Project 2010 Professional と Standard のデスクトップ レポートに置き換えられました。

ピボットテーブルに直接保存する機能は削除されました。

[ファイル] | [名前を付けて保存] メニューには以下のものがありました。

  • XLS として保存

  • XLS ピボットテーブルとして保存

現在の [ファイル] | [名前を付けて保存] メニューには以下のものがあります。

  • XLS として保存

  • XLSX として保存

  • XLSB として保存

Project 2010 では、Microsoft Excel 2010 の新しいファイル形式がサポートされます。Excel 2013 で正規化されたタスクを生成するには、ユーザーはデスクトップ レポートを使用する必要があります。

移行時の検討事項

Project 2010 への移行を計画するときは、Project 2010 で新しく追加された機能、変更された機能、および削除された機能を確認してください。

Project 2003 から Project 2010 への移行

Microsoft Office Project 2003 から Project 2010 へ移行するには、最初に Project 2003 データを Microsoft Project 2007 ファイル形式に変換する必要があります。変換する場合は、Project 2007 インストール ディスクに格納されているコマンドライン ユーティリティの移行ツールを使用します。

注意

Project 2003 を Office Project 2007 データへ移行するもう 1 つの方法は、Project Server 2010 仮想移行環境 (VME) を使用する方法です。VME は、Project 2007 の仮想環境であり、Project 2003 データを Project 2007 に移行するために必要なすべてのアプリケーションとユーティリティを含んでいます。詳細については、「Project Server 2010 の仮想移行環境 (VME) ガイド」を参照してください。

ネットワークでさまざまなバージョンのプロジェクトを実行する

Project 2010 では、ユーザーは Project 2007 ファイル形式でファイルを保存できます。そのため、両方のバージョンは、同じネットワーク上でデータを簡単に共有し実行できます。両方を同じコンピューターにインストールすることもできます。ただし 1 度に実行できるのは 1 つのバージョンのみです。詳細については、「以前のバージョンと共に Project 2010 を使用する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=216931\&clcid=0x411) を参照してください。

ただし 64 ビット版と 32 ビット版の Project は、同じコンピューターにインストールできません。詳細については、「64 ビット版の Office 2010」を参照してください。

VBA の設定の移行

Office 2010 では、Visual Basic for Applications (VBA) 6.0 から VBA 7.0 に更新されました。VBA 7.0 の設定は、移行後には既定の設定にリセットされ、元の設定は自動的には再設定されません。このようになるのは、以下の表に示すように、VBA 用のレジストリ設定が Office 2010 では異なるハイブにあるからです。

バージョン レジストリ サブキー

Microsoft Office 2000 から Office 2007

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\VBA\6.0\Common

Office 2010

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\VBA\7.0\Common

この問題を解決するには、VBA 6.0 のレジストリ キーを 6.0 のハイブから 7.0 のハイブにコピーします。

詳細については、「Office 2010 に移行するユーザー レジストリ設定」および「Office 2010 の 32 ビット バージョンと 64 ビット バージョンとの互換性」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=185841\&clcid=0x411) を参照してください。