容量に制限のあるネットワークに Office 2010 を展開する

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2011-10-12

ネットワーク リソースに制限のある環境で Microsoft Office 2010 を展開する場合、Office 2010 のセットアップ アーキテクチャでは、ネットワークへの要求を最小限に抑えながら、ユーザー全員が新しいバージョンを同時にインストールできます。

たとえば、制限があったりコストが高かったりするワイド エリア ネットワーク (WAN) を介して企業ネットワークに接続する遠距離の支店があるとします。または、数千人のユーザーをサポートする処理能力の高い企業ネットワークがあるとします。通常のログオン スクリプトを使用して Office 2010 を配布し、10,000 人のユーザーが同時にネットワークにアクセスする場合、500 MB のインストール ファイルではネットワーク上の伝送に時間がかかりすぎることがあります。

このような環境では、Office 2010 ソース ファイルをユーザーに段階的に配布します。対象のユーザー グループのコンピューターにローカル インストール ソースが展開されたら、企業ネットワークに過剰な負荷をかけることなく、Office の同時インストールをスケジュールできます。

Office 2010 クライアントのカスタマイズについては、インストールをカスタマイズする前に、「Office 2010 のカスタマイズの概要」および「Office 2010 のボリューム ライセンス認証の概要」を参照してください。

この記事の内容

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  • このソリューションのしくみ

このソリューションのしくみ

この展開方法が機能するのは、Office 2010 製品が必ず 2 つの段階でインストールされるためです。最初に、セットアップは必要なすべてのインストール ファイルをネットワーク インストール ポイントからローカル コンピューターの非表示のフォルダーにコピーします。次に、セットアップは Windows インストーラーを呼び出して、各ユーザーのローカル インストール ソースからインストールを実行します。このようにプロセスを 2 つの段階に分けることで、ネットワークへの負荷をより効率的に管理できます。

ローカル インストール ソースを配布する前に Office 2010 を構成します。ほとんどのユーザー構成オプションを指定するには、Office カスタマイズ ツール (OCT) を実行してセットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) を生成します。最初のインストール用のカスタマイズ ファイルは、ネットワーク インストール ポイントのルートにある Updates フォルダーに格納することをお勧めします。OCT を使用してインストールをカスタマイズする方法については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。

注意

複数のセットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) を展開する場合でも、最初のインストール用に Updates フォルダーに配置できるカスタマイズ .msp ファイルは 1 つだけです。残りのカスタマイズ .msp ファイルは、Office 2010 のインストールが完了した後で展開する必要があります。Updates フォルダーでは 1 つのセットアップ カスタマイズ ファイルのみがサポートされます。Updates フォルダーに配置したカスタマイズ .msp ファイルが最初に展開されます。したがって、このファイルにはインストール後に変更できないセットアップ カスタマイズ (インストール先など) を含める必要があります。

追加の言語を指定するなど、カスタマイズの内容によっては、インストールする製品の Config.xml ファイルを編集する必要があります。また、セットアップでローカル ソースのみを展開することを指定する場合も Config.xml ファイルを編集します。追加の言語を指定する方法、および Config.xml ファイルを使用する方法については、「Office 2010 の言語のセットアップと設定をカスタマイズする」および「Office 2010 の Config.xml ファイル」を参照してください。

カスタマイズが完了したら、セットアップを実行して、ローカル インストール ソースを一度に 1 つのユーザー グループに配布します。ログオン スクリプト、バッチ ファイル、エンタープライズ ソフトウェア展開ツール (たとえば、Microsoft Systems Management Server、Microsoft System Center Configuration Manager 2007、またはサード パーティ製のツール) など、任意の配布方法を使用できます。プリキャッシュのシナリオに限り、Updates フォルダーがネットワーク インストール ポイントからローカル ソースにコピーされます。カスタマイズはすべてローカル ソースに含まれます。

セットアップ プログラム自体のコピーもローカル インストール ソースに含まれます。対象のユーザーのコンピューターにローカル インストール ソースが展開されたら、ローカル ソースからセットアップを起動し、スケジュールした時間にインストールを完了できます。カスタマイズおよびソフトウェア更新プログラムの適用を含むインストールは、ファイル転送やネットワーク経由のその他の処理を必要とせずにローカルで実行されます。

注意

ローカル インストール ソースから Office 2010 がインストールされるときに、セットアップが元のネットワーク インストール ポイントに戻って新しいカスタマイズ ファイルやソフトウェア更新プログラムを探すことはありません。ユーザーのコンピューターのローカル インストール ソースにキャッシュされたファイルのみが適用されます。ローカル ソースをプリキャッシュした後に、ネットワーク インストール ポイントに追加のカスタマイズを行う場合や、新しいソフトウェア更新プログラムを追加する場合は、Office のインストール後にそれらを別途配布する必要があります。