Office 2010 のインストールで任意のコマンドを実行する

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2012-01-27

既定では、Microsoft Office 2010 のセットアップ プログラムは一度に 1 つの Office 製品をインストールします。チェーン機能を使用してセットアップをカスタマイズすると、この製品のインストール時に必要な任意のコマンドや軽量な実行可能ファイルを実行できます。任意のコマンドや軽量な実行可能ファイルを追加するには、Office カスタマイズ ツール (OCT) の [インストール環境の追加とプログラムの実行] 機能または Config.xml ファイルの Command 要素を使用します。[インストール環境の追加とプログラムの実行] および Command 要素の使用は、コンピューターに対する変更が発生しないか、ユーザーによる入力を必要としない軽量な実行可能ファイルや任意のコマンドの実行に制限することをお勧めします。たとえば、ログをコピーするユーティリティや、インストールの最後にウェルカム ページを表示するコマンドを実行します。

OCT の [インストール環境の追加とプログラムの実行] オプション ([プログラム エントリの追加] ダイアログ ボックスと [プログラム エントリの変更] ダイアログ ボックスで入力するコマンド ライン) と Config.xml ファイルの Command 要素は、製品の初回インストールおよびアンインストールでのみ使用できます。コマンドは、初回インストールおよびアンインストール時にのみ処理されます。

重要

チェーン機能は、各製品を個別にインストールする場合ほど信頼性が高くありません。たとえば、2 つのインストールのチェーン処理で、一方の製品のインストールが失敗したり、予期しないエラーが発生すると、主要なインストールおよびチェーン インストールが正常に完了しない可能性があります。このため、チェーン方式の使用は推奨されていません。複数の製品を同時にインストールする場合は、チェーン インストールではなく、Microsoft Systems Management Server、Microsoft System Center Configuration Manager 2007 などの展開管理プログラムや、サード パーティ製ツールを使用することをお勧めします。

以下の例では、OCT を使用して任意のプログラムをインストールに追加します。

主要なインストールをカスタマイズしてコマンドを実行するには

  1. インストールする製品を含むネットワーク インストール ポイントを作成します。詳細については、「Office 2010 のネットワーク インストール ポイントを作成する」を参照してください。

  2. ネットワーク インストール ポイントのルートから Setup.exe に /admin コマンド ライン オプションを付けて実行して、OCT を起動します。たとえば、「\\server\share\Office14\setup.exe /admin」を実行します。

  3. [製品の選択] ダイアログ ボックスで、主要なインストールの製品を選択します。

  4. OCT の左側のウィンドウで、[使用許諾契約とユーザー インターフェイス] をクリックします。右側のウィンドウで、[表示レベル] を [なし] に設定し、[プロダクト キー] を入力して、[「使用許諾契約書」の条項に同意します] をクリックします。

    使用許諾契約とユーザー インターフェイス」および [表示レベル] オプションの詳細については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。

  5. 左側のウィンドウで、[インストール環境の追加とプログラムの実行] をクリックします。右側のウィンドウで、[追加] をクリックします。

  6. [プログラム エントリの追加] ダイアログ ボックスで、チェーン インストールする実行可能ファイルに対して以下の手順を実行します。

    • [ターゲット] で、主要なインストールの後に実行する実行可能ファイルの絶対パスを入力します。たとえば、「\\server\share\Office14\copylogs.bat」のように入力します。

    • [引数] で、実行可能ファイルに渡す引数の文字列を入力します。たとえば、「QuietArg="/q" Wait="30000"」のように入力します。

      Command 要素およびサポートされる属性の詳細については、「Office 2010 の Config.xml ファイル」の「Command 要素」を参照してください。

      注意

      前に説明したように、[プログラム エントリの追加] ダイアログ ボックスおよび [プログラム エントリの変更] ダイアログ ボックスで入力するコマンド ラインは、初回インストールおよびアンインストールでのみ使用できます。コマンド ラインは、初回インストールおよびアンインストール時にのみ処理されます。

    • Office のインストールが完了した後に [ターゲット] ボックスに示されているプログラムを実行するには、[Office 製品のインストール後にこのプログラムを実行する] を選択します。これは推奨方法です。

      Office のインストールが開始する前に [ターゲット] ボックスに示されているプログラムを実行するには、[Office 製品のインストール前にこのプログラムを実行する] を選択することもできます。ただし、プログラムが正常に終了しなかったり、コンピューターが再起動されたりすると、Office はインストールされず、一覧の下の方にあるプログラムは実行されません。

    • [OK] をクリックします。

  7. 必要に応じて、OCT で他のカスタマイズを行います。

  8. セットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) に一意の名前を付けて、ネットワーク インストール ポイントの Updates フォルダーに保存します。

  9. OCT を終了します。

製品をインストールするには

  1. ネットワーク インストール ポイントのルートからセットアップを実行します。たとえば、主要な製品が Microsoft Office Professional Plus 2010 の場合は、「\\server\share\setup.exe」と入力します。

    または

    OCT セットアップ カスタマイズ .msp ファイルに加えて、Config.xml ファイルも使用してインストール オプションを構成している場合は、ネットワーク インストール ポイントのルートからセットアップを実行し、主要な製品用にカスタマイズした Config.xml ファイルを指定します。たとえば、主要な製品が Office Professional Plus 2010 の場合は、次のように入力します。

    \\server\share\setup.exe /config \\server\share\ProPlus.WW\config.xml

  2. [製品の選択] ダイアログ ボックスで、主要な製品を選択します。

セットアップは、主要な製品をインストールした後、OCT で指定した任意のコマンドまたは軽量な実行可能ファイルを実行します。

ヒント

作成したカスタマイズ ファイルは、Updates フォルダー以外の場所に保存できます。前の手順で、セットアップのコマンド ラインに /adminfile オプションを追加して、使用するカスタマイズ ファイルを指定します。セットアップのコマンド ライン オプションの使用方法の詳細については、「Office 2010 のセットアップのコマンド ライン オプション」を参照してください。

動作のしくみ

主要な製品のセットアップ プログラムは、標準的なインストール処理を実行します。このインストールが完了した後、セットアップは OCT で指定された追加の軽量な実行可能ファイルまたは任意のコマンドを実行します。セットアップは、各プログラムが終了するまで待機してから、次のプログラムを実行します。

主要なセットアップは自動モードで実行することが重要です。主要なセットアップ プログラムが対話形式で実行されている場合、チェーン処理されるセットアップ プログラムを実行できません。主要なセットアップ プログラムは、[表示レベル] を [なし] に設定して実行する必要があります。チェーン インストールも、[表示レベル] を [なし] に設定して実行することをお勧めします。また、自動モードでセットアップを実行するので、OCT で各製品のプロダクト キーを入力しておく必要があります。