プロジェクトを作成する

提案を計画する

プロジェクト提案機能には、Project Server へのプロジェクトの入力を管理する機構が備わっています。これにより、提案データをプロジェクト データと共に保存することで、ビジネスの意思決定者にとって付加価値が生まれます。この機能を使用すると、レポート、モデル、およびパイプラインの分析が向上し、提案の管理プロセスの自動化に役立ちます。

提案は、実際には制限されたプロジェクトです。制限されているのは、Office Project Professional 2007 を使用するときに利用できるすべての機能は、提案の使用時に利用できないためです。プロジェクト提案はエンタープライズ プロジェクトではありません。この限定された軽量な種類のプロジェクトは、多くのユーザーにとって有益です。この提案により、ユーザーはプロジェクトおよびリソースを簡単に計画できる機能を使用してプロジェクト提案を提出でき、プロジェクトを Office Project Server 2007 に追加するための簡単なゲート メカニズムが提供されます。プロジェクト提案は、エンタープライズ プロジェクトに変換する前に確認の対象になります。プロジェクト提案には、ビジネスの意思決定者が提案を承認するか却下できるようにする、基本的な情報が含まれます。提案には、以下のような情報が含まれます。

• プロジェクト名

• プロジェクトの説明

• 提案された開始日と終了日

• 提案されたコスト

• リソースの要件

提案は Microsoft Office Project Web Access で作成されます。提案は、Office Project Web Access ホーム ページからアクセスします。[プロジェクト] の左側のメニューに、[提案と作業計画] というリンクがあります。このリンクを使用すると、[提案と作業計画] Web ページに移動します。このページから、ユーザーは提案を表示、作成、および管理できます。Office Project Web Access にアクセスできる任意のユーザーは、提案を表示できます。プロジェクト提案を作成するには、[新規メンテナンス プロジェクトの作成] のアクセス権を割り当てられている必要があります。[チーム メンバ] セキュリティ グループのメンバには、既定で新規メンテナンス プロジェクトの作成のアクセス権が割り当てられます。

プロジェクト提案には状態のフィールドがあります。このフィールドには、以下の値があります。

プロジェクトの状態のフィールドは、Office Project Web Access 内または Project Server インターフェイスを使用してのみ変更できます。プロジェクトの状態のフィールドは、提案を変更する適切なカテゴリ アクセス権を持っており、"プロジェクトの状態の変更" グローバル アクセス権を持っているユーザーが編集できます。プロジェクトの状態のフィールドは、ワークフローに対応しています。つまり、提案は Microsoft Office SharePoint Server 2007 で利用できるワークフローと連携するように構成できます。ワークフローを使用するには、Office Project Server 2007 および Microsoft Office SharePoint Server 2007 を同じファームにインストールし、プロジェクトの状態のフィールドの管理設定を指定する必要があります。"状態" のフィールドが外部ワークフローによって管理されている場合、"状態" のフィールドは常に Office Project Web Access では無効になります。このフィールドが外部ワークフローによって管理されていない場合、ユーザーに適切な権限があれば有効になります。プロジェクトの状態のフィールドが外部ワークフローによって管理されていない場合、ワークフローは手動で実行されます。

ワークフローを使用するようにプロジェクトの状態のフィールドを構成するには

1. 管理者セキュリティ グループのメンバであるユーザーとして、Office Project Web Access にログオンします。

2. ホーム ページの左側のメニューにある [サーバー設定] をクリックします。

3. [Project Server の管理] Web ページで、[運用ポリシー] メニューの [その他のサーバー設定] をクリックします。

4. [その他のサーバー設定] Web ページの [プロジェクトの状態のフィールド] で、[はい] をクリックします。

提案ワークフローが手動で実行されると、状態のフィールドが変化し、通知は自動で行われなくなるので、提案の作成者や確認者が通知を行う必要があります。たとえば、提案の所有者が提案を作成し、状態のフィールドを手動で "提案" に設定します。提案の所有者は次に提案確認者に連絡を取ります。提案確認者は、提案の内容を確認して承認または却下し、提案の所有者にその決定を通知する必要があります。

提案機能がワークフロー用に構成されている場合、作業の多くがワークフローによって自動的に行われます。提案が作成されると、ワークフローでは、提案が提案プロセスを進めるにつれて提案確認者と提案作成者用のタスク割り当てが生成されます。これらのタスクは、提案ワークフローのタスクの Web パーツを通じて所有者に表示されます。

Office SharePoint Server 2007 を Office Project Server 2007 の既存の展開にインストールする場合は、ワークフロー対応の提案機能を使用するために追加の構成手順を実行する必要があります。詳細については、「Project Server 2007 の既存の展開に Office SharePoint Server 2007 を展開する」を参照してください。

RBS を計画する

エンタープライズ リソース ユーザー設定フィールドは、組織内のすべてのプロジェクト、タスク、およびリソースにわたって標準化を適用するために使用します。Office Project Server 2007 では、必要な数だけエンタープライズ リソース ユーザー設定フィールドを定義できます。これらのユーザー設定フィールドは階層形式なので、共通の組織構造の詳細なレポートとモデルを行うために役立ちます。

アプリケーションのセキュリティにおける RBS の重要性と、Project Server のリソース管理の重要性を考慮すると、組織で正しく RBS コードを定義することは、Office Project Server 2007 を組織に対して構成する上で非常に重要です。組織で定義する RBS には、以下の 3 つの要素による影響があります。

• 組織内でリソース割り当てに使用するプロセス。プロジェクト管理者またはリソース管理者は、プロジェクトの人事に関する責任を持っていますか。プロジェクト管理者が組織内でプロジェクトの人事を決定している場合、多くはマトリックス スタイルのリソース管理を使用しています。リソース管理者がプロジェクトの人事を決定している場合、多くは階層スタイルを使用しています。

  
  

• プロジェクト管理環境をセキュリティで保護するための組織の目標。

• 割り当てに対してリソースが適切であるかどうかを判断するために組織で使用する方法。

[RBS] は、定義済みのエンタープライズ リソース ユーザー設定フィールドであり、他のエンタープライズ ユーザー設定フィールドと同じ方法で使用されます。RBS を使用すると、組織内のユーザーおよびリソース間の上下関係を定義できます。Office Project Server 2007 では、RBS で定義される関係を使って、ユーザーとグループのアクセス管理が簡略化されます。これはリソース管理およびアプリケーションのセキュリティにとって不可欠なコンポーネントです。

RBS を使用すると、Office Project Web Access でセキュリティのカテゴリを作成するときに、5 つのセキュリティ ルールを定義できます。RBS は、Office Project Professional 2007 のリソースの切り替えウィザード、ポートフォリオ分析、エンタープライズからチームを作成、Office Project Web Access のチームの作成、および 2 つの既定のセキュリティのカテゴリ ([自分の直接報告者] および [自分のリソース]) の各機能でも使用されます。これらの機能を使用し、エンタープライズ リソース共有元を使用する計画の場合は、RBS の使用を検討してください。

リソースを計画する

エンタープライズ リソースは、エンタープライズ プロジェクトでタスクを完了するために使用される人、機材、および材料です。エンタープライズ リソースは組織のリソース共有元の一部であり、Office Project Server 2007 データベースに集中的に保存されます。プロジェクトでタスクにリソースを割り当てるときは、プロジェクト管理者が使用するエンタープライズ リソース共有元を作成できます。そのためには、リソースをエンタープライズ リソース共有元に追加するか、リソースをインポートします。エンタープライズ リソース共有元にリソースを追加する前に、エンタープライズ グローバル テンプレートの内容を定義します。

Office Project Server 2007 をインストールする場合、Project Server データベース内には、1 つの Project Server ユーザー アカウントのみが保存されます。これは、セットアップ中にファームの管理者として設定された Windows ユーザー アカウントです。その他のすべてのユーザー アカウントは、Project Server データベースに追加する必要があります。

組織のエンタープライズ リソース共有元を正しく作成して管理できるようにする前に、エンタープライズ リソース ユーザー設定フィールドを慎重に定義して文書化し、作成する必要があります。さらに、大規模な組織では、エンタープライズ リソース共有元を最初に入力するプロセスは、エンタープライズ リソース共有元を正確かつ最新の状態に保つプロセスと同様に重要です。エンタープライズ リソース共有元に保存され、管理されるリソース情報への重要な変更の追跡は、フルタイムの活動となることがあります。

Office Project Server 2007 のエンタープライズ リソース共有元を作成する前に、開始ポイントを決定する必要があります。エンタープライズ リソース共有元へのリソースの追加プロセスは、以下のようにそれぞれ異なります。

• 新規プロジェクトで開始しているかどうか - このシナリオでは、準備は最小になります。1 つのドキュメントに必要なリソース情報をすべてまとめることができると、このプロセスは簡略化されます。用紙に一覧を作成します。次に、確認したリソースを Active Directory からインポートするか、フォーム認証を使用している場合はメンバシップ ストアからインポートします。または、Microsoft Office Excel 2007 を使用してこの情報を収集することもできます。次に、作成されたスプレッドシートを Office Project Professional 2007 にインポートし、Project Server データベースに保存します。

• アクティブなプロジェクトを移行するかどうか - このシナリオでは、複数のプロジェクトが現在 Microsoft Project 2000、Microsoft Project 2002、または Microsoft Project 2003 を使って管理されており、通常、プロジェクトはデータベースに保存されています。各プロジェクトでは、異なるリソース名、単価スケジュール、またはカレンダーが同じリソースに対して使用されることがあります。これらのプロジェクトの Office Project Server 2007 への移行を簡略化するため、組織でリソースの使用を標準化し、すべてのプロジェクトで一貫性のあるリソースの定義が使用されるようにすると役立ちます。

• エンタープライズ リソース共有元を作成するかどうか - このシナリオでは、Office Project Professional 2007 でエンタープライズ リソース共有元を作成します。Project Professional を使用して Office Project Server 2007 に接続し、エンタープライズ リソース共有元をチェックアウトします。リソースを入力し、エンタープライズ リソース共有元を保存します。

ユーザー設定フィールドを計画する

Office Project 2007 には、カスタマイズできる追加のフィールドが含まれています。フィールドは、タスク、リソース、または割り当てに関する特定の種類の情報を含む、シート、フォーム、またはグラフ内の場所です。たとえば、シートでは、各列がフィールドです。フォームでは、フィールドは名前付きボックスまたは列内の場所です。Office Project 2007 では、カスタマイズされたデータを含むことができるフィールドには、テキスト、フラグ、数値、日付、コスト、開始日と終了日、および期間があります。数式、特定の値の計算、または画像マークを使用してこれらのフィールドをカスタマイズし、必要な情報を得ることができます。

たとえば、他のフィールドへの参照を含む独自の数式を記述し、ユーザー設定フィールドで計算できます。ユーザー設定フィールドで値の一覧を作成すると、データを迅速かつ正確に入力できるようになります。ユーザー設定フィールドには、実際のデータの代わりに画像マークを表示できます。この方法を使用すると、そのフィールドのデータが特定の条件を満たすかどうかをすばやく確認できます。たとえば、データが指定した範囲を超えるかどうか、リソースが割り当て超過になっているかどうかなどです。プロジェクトで、参考のためにユーザー設定フィールドの階層構造を作成することもできます。たとえば、会社のコスト コードをプロジェクト データに関連付けたいとします。この構造を作成し、これらのユーザー設定フィールドをデータに適用すると、それらを使用してプロジェクト データを簡単に抽出、並べ替え、およびグループ化できます。

Office Project 2007 では、ローカルおよびエンタープライズの 2 種類のユーザー設定フィールドがあります。ローカル ユーザー設定フィールドは、特定のプロジェクトの範囲内でプロジェクト管理者によって使用されます。エンタープライズ ユーザー設定フィールドは、PMO (Project Management Office) によって使用され、組織全体にわたる重ね合わせレポートのデータが収集されます。エンタープライズ タスクおよびプロジェクトのユーザー設定フィールドについては、Office Project Server 2007 では特定のプログラムへのスコープ (プロジェクトのコレクション) という概念がサポートされます。この方法を使用すると、プロジェクトのサブセットに適用されるエンタープライズ ユーザー設定フィールドを定義できます。

カテゴリを計画する

カテゴリでは、データ アクセスのニーズの共通セットが定義され、通常は事業単位、部署、またはプロジェクトの他の境界と関連付けられます。カテゴリは、プロジェクト、リソース、割り当て、およびビューのコレクションです。カテゴリでは、アクセスされる情報の範囲が定義され、ユーザーのグループに対して複数の種類のデータ アクセスが提供されます。カテゴリは、セキュリティ オブジェクトのコレクションです。カテゴリは慎重に使用することをお勧めします。カテゴリを使用する場合は、セキュリティ ルールによってその使用を補強します。セキュリティ ルールは、カテゴリのメンバを定義するために使用します。これらのルールは、各カテゴリで有効にできます。有効にすると、ルールにより、カテゴリに対して各ユーザーに割り当てられたアクセス許可が検査され、そのユーザーに対するルールによって返されたすべてのプロジェクトにアクセス許可が適用されます。ルールによって、カテゴリとアクセス許可は動的になります。ユーザー設定カテゴリを作成すると、プロジェクトとリソースにアクセスし、データを表示するための新しい方法を提供できます。Project Web Access には以下の既定のカテゴリが用意されています。

• 自分のタスク - このカテゴリは、1 つ以上のエンタープライズ プロジェクトでタスクに割り当てられた個別のチーム メンバを対象としています。このカテゴリでは、ユーザーが割り当てられているプロジェクトの Microsoft Windows SharePoint™ Services ドキュメント、案件、リスク、タイムシート レポート、および進捗レポートを表示するアクセス権がユーザーに与えられます。

• 自分のプロジェクト - このカテゴリは、プロジェクト管理者を対象にしています。このカテゴリでは、プロジェクト管理者に対して、自分が作成したプロジェクト計画への読み取りおよび書き込みアクセス権が与えられます。既定では、プロジェクト管理者はすべてのエンタープライズ リソースを表示できます。

• 自分のリソース - このカテゴリは、リソース管理者を対象にしています。このカテゴリでは、RBS に基づくセキュリティ ルールを使用し、RBS が定義されているときのみ有効です。

• 自分の直接報告者 - このカテゴリは、タイムシートを承認できる必要があるリソース管理者を対象としています。

• 自分の所属組織内 - このカテゴリは、組織内のすべての情報へのアクセス権を与えるために使用されます。このカテゴリは、PMO (Project Management Office) のメンバ、組織内の役職者、および組織全体にわたってプロジェクトとリソースを表示する必要がある他の主要なユーザーを対象としています。

必要に応じてユーザー設定セキュリティ カテゴリを追加し、組織内のユーザーおよびグループの特定のニーズを満たす Office Project Server 2007 セキュリティ モデルを作成できます。ユーザー設定カテゴリが必要になる例としては、RBS の構成により、同じプロジェクトで作業を行う 2 人のユーザーが、2 人ともプロジェクトにアクセスできないような場合です。この状況が発生する可能性のあるのは、RBS を地域に基づいて整理し、ユーザーの場所が異なる場合です。ユーザー設定カテゴリを作成すると、場所の異なるユーザーがプロジェクトにアクセスできます。