Lotus Notes のクロール用に Office SharePoint Server Search を構成する (Office SharePoint Server 2007)

Microsoft Office SharePoint Server 2007 では、共有サービスの管理者が、Lotus Domino データベースに格納されている Lotus Notes ドキュメントと Lotus Domino サーバーでホストされている Lotus Notes ドキュメントをクロールできます。Office SharePoint Server 2007 では、共有サービスの管理者が特定の共有サービス プロバイダ (SSP) のインデックス サーバーを構成し、1 つの Domino サーバーで 1 つ以上の Lotus Domino データベースをクロールできます。

この記事では、「Lotus Notes のクロールを準備する (Office SharePoint Server 2007)」に示されている手順を完了するために必要な前提条件、決定する必要がある事項、および Domino 管理者から収集する必要がある情報を理解できるようにします。

この記事の内容 :

  • この記事について

  • 前提条件

  • OSearch サービスと Lotus Notes ユーザー ID

この記事について

この記事では、要所で記事の内容に関連する情報を「Configure Office SharePoint Server Search to crawl Lotus Notes worksheet (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=94461&clcid=0x411) に入力するように求められます。このワークシートに記録する情報は、この記事の手順を実行するときに使用します。

この記事では、以下のことを前提にしています。

  • 32 バージョンの Office SharePoint Server 2007 がインデックス サーバーにインストールされ、Office SharePoint Server Search サービスが実行中である。

    注意

    64 ビット バージョンの Office SharePoint Server 2007 を使用して Lotus Notes をクロールすることはできません。Lotus C++ API Toolkit は 32 ビットのみで提供されているためです。「Lotus Notes のクロールを準備する (Office SharePoint Server 2007)」に示されている手順を 64 ビット バージョンの Office SharePoint Server 2007 を使用して実行しようとすると、システムの構成時に Lotus Notes クライアント アプリケーションがクラッシュします。

  • クロールする Domino データベースを含む Domino サーバーが実行中である。

前提条件

ここでは、「Lotus Notes のクロールを準備する (Office SharePoint Server 2007)」に示されている手順を実行するために必要な項目や情報について示します。

インデックス サーバーを準備して、1 つ以上の Lotus Domino データベースによってホストされている Lotus Notes コンテンツをクロールできるようにするには、次の管理者の関与が必要になります。

  • クロールする Lotus Domino サーバーの管理者

  • Lotus Notes コンテンツをクロールするインデックス サーバーのサーバー管理者

  • 共有サービスの管理者

ソフトウェア要件

ソフトウェアの要件として、次のものが挙げられます。

  • Lotus Notes クライアント アプリケーション。IBM から購入できます。

    次の表は、サポートされる Lotus Notes クライアントと Domino サーバーのバージョンを示しています。

    サポートされる Domino サーバーのバージョン サポートされる Lotus Notes クライアントのバージョン

    5.5

    5.5

    6.0 または 5.5

    6.0

    6.5 または 6.0

    6.5

    7.0 または 6.5

    7.0

    7.5 または 7.0

    7.5

    8.0 または 7.5

    8.0

    重要

    執筆時点で 64 ビット バージョンの Lotus C++ API は IBM から発売されていないため、32 ビット バージョンの Lotus Notes クライアント アプリケーションを使用する必要があります。

  • Lotus C++ API Toolkit for Notes。「the IBM software downloads page (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=83371&clcid=0x411) から無料で入手することができます。詳細については、「Lotus Notes のクロールを準備する (Office SharePoint Server 2007)」の「Lotus C++ API Toolkit for Notes をダウンロードする」セクションを参照してください。

    注意

    Lotus Notes クライアント アプリケーションと Lotus C++ API Toolkit for Notes は、連動して Lotus Notes データベースにアクセスするためプロトコル ハンドラを有効にします。

    注意

    IBM のダウンロード Web サイトにサインインするには、IBM の ID とパスワードが必要になります。現在 IBM の ID をお持ちでない場合は、「the IBM software Web site (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=83370&clcid=0x411) から IBM の ID を入手することができます。

Lotus Domino データベースのクロールに必要なユーザー アカウント

Domino 管理者は、少なくとも、共有サービスの管理者がクロールする Lotus Domino データベースおよび個別のドキュメントに対する読み取り権限を、Lotus Notes ユーザー ID (Domino ユーザーを表す) に与える必要があります。また、Domino 管理者は、OSearch サービスに割り当てられる、この Lotus Notes ユーザー ID および Windows ドメイン アカウントを、クロールする Lotus Domino サーバーのマッピング データベースに追加する必要があります。

注意

OSearch サービスに割り当てられるアカウントのみが、Lotus Domino データベースのクロールに使用できます。既定のコンテンツ アクセス アカウントまたはクロール ルールを使用して、Lotus Domino データベースをクロールする別のアカウントを指定することはできません。

次の表は、Lotus Domino データベースのクロールに必要なアカウントを示しています。

必須のアカウント コメント

Windows ドメイン アカウント

OSearch サービスに割り当てるアカウントは、インデックス サーバーの Administrators グループのメンバである必要もあります。

Contoso\User1。Contoso はドメイン名で、User1 は Windows ドメイン アカウントの名前です。

Lotus Notes ユーザー ID

少なくとも、クロールする Lotus Domino データベースおよび個別のドキュメントに対する読み取り権限が必要です。Domino 認証には、この Lotus Notes ユーザー ID も含まれます。

User2

Note メモ
このアカウント名とパスワードは、Windows ドメイン アカウントと一致する必要はありません。後から「Lotus Notes のクロールを準備する (Office SharePoint Server 2007)」で、Windows ドメイン アカウントをこのユーザー ID にマップします。

このマッピング テーブルの詳細については、後で説明します。

OSearch サービスと Lotus Notes ユーザー ID

共有サービスの管理者は、OSearch サービスに割り当てられる Windows ドメイン ユーザー アカウントを、Lotus Domino 管理者に提供する必要があります。次に、Domino 管理者はマッピング データベースを使用して、この Windows ドメイン アカウントを Lotus Notes ユーザー ID にマップします。この Lotus Notes ユーザー ID は、クロールを実行するユーザーを Lotus Domino サーバーに対して認証するために使用される Domino 認証に追加されます。

注意

共有サービス管理者は、Lotus Domino データベースのクロールに別のコンテンツ アクセス アカウントを使用するためにクロール ルールを使用することはできません。OSearch サービスに割り当てられた Windows ドメイン アカウントのみを使用できます。このため、複数の Lotus Domino サーバーをクロールする場合も、同じ認証を使用する必要があります。

既に OSearch サービスに割り当てられているアカウントを使用することをお勧めします。この例外となるのは、OSearch サービスに割り当てられているアカウントが、Windows ドメイン アカウントではなくサービス アカウント (ローカル サービスなど) である場合です。この場合は、サービス アカウントを Windows ドメイン ユーザー アカウントに変更する必要があります。

次の手順を使用して、OSearch サービスに割り当てられたアカウントが Windows ドメイン アカウントであることを確認します。

重要

この手順を実行するには、ファーム管理者である必要があります。

OSearch サービス アカウントを確認する

  1. SharePoint のサーバーの全体管理の Web サイトの [サーバー構成の管理] タブで、[トポロジおよびサービス] セクションの [サーバーのサービス] をクリックします。

  2. [Office SharePoint Server Search] をクリックします。

  3. [Office SharePoint Server Search サービス設定の構成] ページの [ファームの Search サービス アカウント] で、[構成可能] が選択され、Windows ドメイン ユーザー アカウントが [ユーザー名] ボックスで選択されていることを確認します。ユーザー名は、domain\username形式である必要があります。

    重要

    Windows ドメイン名が既に選択されている場合は、変更しないでください。

  4. この Windows ドメイン アカウントを、ワークシートの表 1 の [Search Service] 行に記録します。

Lotus Domino の管理者は、インデックス サーバーのサーバー管理者にこの Domino 認証を提供する必要があります。この認証に関連付けられた Lotus Notes のユーザー ID には、次の項目に対して少なくとも読み取り権限が必要です。

  • Domino サーバー上で、クロールするすべての Lotus Domino データベース

  • クロールするデータベース内のすべての Lotus Notes ドキュメント

  • Lotus Notes ユーザー ID と Windows ドメイン ユーザー間のマッピングを保存する、各 Lotus Domino マッピング データベース

ワークシートでの作業

Domino 認証の名前を Domino 認証名の行に記録し、Domino 認証の場所を、ワークシートの表 3 の Domino 認証の場所の行に記録します。

Note メモ
Domino 認証には, .id ファイル拡張子が付きます。

Lotus Domino 管理者によって提供される情報

次の表では、クロールする Lotus Domino データベースをホストしている Lotus Domino サーバーの Domino 管理者が提供する必要のある情報について説明しています。この情報は、「Lotus Notes のクロールを準備する (Office SharePoint Server 2007)」で説明している手順を実行するために必要です。

アイテム 説明

ユーザー名

Domino 認証の Lotus Notes ユーザー ID のユーザー名です。

Note メモ
このユーザー名では、大文字と小文字が区別されます (ContosoUser など)。

パスワード

Domino 認証の Lotus Notes ユーザー ID に関連付けられたユーザー名のパスワードです。

Domino サーバー名

Lotus Domino サーバーの階層名 (Contoso/marketing/west など) です。

Note メモ
Domino サーバー名では、円記号 (\) ではなくスラッシュ (/) が使用されます。

Lotus Domino サーバーの NetBIOS 名または IP アドレス

Lotus Domino サーバーの IP アドレスまたは NetBIOS 名 (10.10.10.10、Contoso など) です。

Lotus Domino データベース名

クロールする Lotus Domino データベースの名前です。

Note メモ
Lotus Domino データベース名では、大文字と小文字が区別されます (EngineeringSpecs など)。
ワークシートでの作業

ここで説明している情報を、ワークシートの表 2 に記録します。

セキュリティの考慮事項

Lotus Domino のクロール用にインデックス サーバーを準備する場合に、Lotus Domino データベースのクロールとインデックス作成の間に Lotus Notes のセキュリティを無視するかどうかを選択する必要があります。その場合、SharePoint サイトのすべてのユーザーの検索結果ページに、インデックス作成済みの Lotus Notes のすべてのドキュメントが表示されます。

その反対に、個別の Lotus Notes ドキュメントで設定されているセキュリティに基づいて検索結果を絞り込む、Office SharePoint Server 2007 のセキュリティ トリミング機能を使用する場合は、コンテンツのインデックスを作成中に Lotus Domino のセキュリティを再編成するように選択する必要があります。さらに、Lotus Domino サーバーの管理者は、共有サービスの管理者が Lotus Domino データベースをクロールする前に、SharePoint ユーザーの Windows ドメイン アカウントを Domino ユーザーの Lotus Notes ユーザー ID にマップする必要があります。このマッピングが必要となるのは、Windows ドメイン アカウントが直接 Lotus Notes ドキュメントと関連付けられないためです。ただし、Lotus Domino サーバーには、"マッピング データベース" とも呼ばれる機構が用意されており、特定の Lotus Domino サーバーの管理者は、この機構を使用することによって Lotus Notes のユーザー ID を Windows ドメイン アカウントにマップすることができます。

注意

コンテンツをクロールする前に、マッピング データベースに必要なユーザー アカウントを設定しておく必要があります。Domino データベースのクロール後にユーザー アカウントをマッピング データベースに追加する場合は、インデックス サーバーで OSearch サービスを再起動し、影響を受ける Domino データベースのフル クロールを開始する必要があります。これにより、インデックス サーバーはマッピング データベースの更新されたコピーをキャッシュできます。

マッピング データベースを使用して Windows ドメイン アカウントを Lotus Notes のユーザー ID にマップする場合、検索結果をクリックして Lotus Notes ファイルを表示しようとするエンド ユーザーには、ログオン プロンプトが表示されます。この場合、ファイルにアクセスするには、Lotus Notes ユーザー ID とパスワードを入力する必要があります。

注意

空白のパスワードはサポートされていません。そのため、空白のパスワードを設定している Lotus Notes ユーザー ID を持っている Lotus Notes ユーザーは、検索結果ページから Lotus Notes ファイルを表示することはできません。

既定のセキュリティ マッピング

Domino ユーザーを Windows ユーザーにマップしない場合、Office SharePoint Server 2007 は、Domino データベース用に構成された既定のセキュリティ マッピングを使用して認証を試みます。Lotus Notes ドキュメントをクロールするには、既定のセキュリティ マッピングで、クロールするデータベースおよびドキュメントに対する読み取り権限が与えられている必要があります。

必須のセキュリティ マッピング

少なくとも、Lotus Domino 管理者は、ワークシートの表 1 の検索サービスの行に記録した Windows ドメイン アカウントに、Domino 認証の Lotus Notes ユーザー ID をマップするマッピング データベースを作成する必要があります。

Lotus Notes のクロールの準備を続行するには、「Lotus Notes のクロールを準備する (Office SharePoint Server 2007)」で説明している手順を実行します。

関連項目

その他のリソース

Configure Office SharePoint Server Search to crawl Lotus Notes worksheet (英語) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=94461&clcid=0x411)