個人用サイト ホストの場所を管理する
個人用サイト ホストの場所は、共有サービス プロバイダ (SSP) の作成時に自動的に作成されます。ホストの場所は、既定の Web アプリケーション上のそれぞれ独自のサイト コレクションに作成され、すべての個人用サイトがその場所に保存されます。ほとんどのシナリオでは、この場所が Microsoft Office SharePoint Server 2007 の展開システム全体で唯一の個人用サイト ホストの場所になります。ユーザーが個人用サイトを表示できるのは、個人用サイト ホストの場所の SSP でディレクトリ サービスからユーザー プロファイル情報がインポートされ、ユーザーが "個人用サイトの作成" 権限を保有している場合のみです。それぞれの個人用サイトは、各ユーザーがサイトのトップ リンク バーで [個人用サイト] リンクをクリックしたときに作成されます。
SSP の個人用サイト ホストの場所は、パフォーマンス、記憶容量、セキュリティなどの理由で変更することができます。以前に作成された個人用サイトは、新しい場所に移行されるまで元の場所に残ります。ただし、新しい個人用サイトは、新しいホストの場所に作成されます。今までのホストの場所へは、管理者がその場所を信頼できる個人用サイト ホストの場所の一覧に追加し、特定のユーザーまたはグループにその場所へのリンクを配信しない限り、アクセスできなくなります。
複数の SSP を使用するシナリオでは、個人用サイト ホストの場所は SSP ごとに異なります。ほとんどのユーザーは、1 つの SSP にのみアクセスできます。この場合、ユーザーが個人用サイトを表示できるのは、ユーザー プロファイルがその SSP にインポートされ、"個人用サイトの作成" 権限を保有している場合に限られます。ただし、一部のユーザーは、2 つ以上の SSP 上のホストの場所にある個人用サイトにアクセスできる場合があります。これらのユーザーには、管理者が信頼できる個人用サイト ホストの場所を、すべての SSP で同一の場所を使用するように構成しない限り、SSP ごとに異なる個人用サイトが表示されます。
個人用サイトの設定は、ホストの場所ごとに構成されます。
この記事の内容 :
個人用サイト ホストの場所を変更する
複数の SSP にわたる複数の個人用サイト ホストの場所を管理する
個人用サイト ホストの場所を変更する
パフォーマンス、記憶容量、セキュリティなどの理由で、個人用サイト ホストの場所の変更が必要になることがあります。個人用サイト ホストの場所の移行シナリオを以下に示します。
SSP 間での個人用サイトの移動 : 別の部門のユーザー グループが新しい 1 つの部門に統合されたり、1 つの組織から別の組織または部門が設置されたりした場合など、組織の構造が変わったときに当てはまる一般的なシナリオです。個人用に設定された情報の共有ニーズに基づいて、少なくとも一部のユーザーについて、個人用サイトのホストの場所が変更されます。
同じ SSP 内の別のホストの場所への移動 : 新しいサーバーに移動することで、パフォーマンスまたは記憶容量を改善する一般的なシナリオです。
新しい個人用サイト ホストの場所を作成するには、ファーム管理者は以下の手順を実行します。
新しい個人用サイト ホストの場所に対応する新しい Web アプリケーションを作成します。ほとんどの場合、新しい Web アプリケーションには既定の設定をそのまま使用できます。
個人用サイト用のサイト コレクションを作成し、[個人用サイトのホスト] サイト テンプレートと [個人用サイト] クォータ テンプレートを選択します。
サイト コレクションを参照し、サイト コレクションを個人用サイト ホストの場所として設定するためのオプションをクリックします。
各 SSP の作成時に個人用サイト ホストの場所がそれぞれ 1 つ作成されるため、SSP 間で移行するときに新しい Web アプリケーションとサイト コレクションを作成したり、個人用サイト ホストとして設定したりする必要はありません。
個人用サイトを SSP 間で移動するか、同じ SSP 内の別の場所に移動するかにかかわらず、個人用設定コンテンツが正しく表示されるように、移行期間中は信頼できる個人用サイト ホストの場所が使用されます。移行期間が終了すると、新しい個人用サイト ホストの場所へのアクセスは特定のユーザーに制限されます。今までの場所が不要になった場合、これらのサイトおよびこれらのサイトへのリンクは削除してもかまいません。
複数の SSP にわたる複数の個人用サイト ホストの場所を管理する
場合によっては、ユーザーは、異なる SSP および異なる個人用サイト ホストの場所を使用する 2 つ以上のサイトのメンバになることができます。このような場合、ユーザーは、現在のサイトの SSP で使用されているホストの場所にある個人用サイトを表示できます。他のホストの場所にある個人用サイトは表示できず、これらのサイトの個人用設定機能も使用できません。この構成では、個人用サイトの操作性を予測できなくなります。各ユーザーの個人用サイトはサイトに応じて変わり、各サイトで他のユーザーの個人用サイトを信用して使用することができません。
このような状況を避けるため、通常は、各ユーザーを 1 つの SSP に制限することをお勧めします。ただし、特定のシナリオでは、この制限を適用できません。これらのシナリオには、以下のものがあります。
地理的に分散している展開 : ユーザーは異なる地域で作業し、それぞれの地域で異なる SSP が使用されます。一部のユーザーは地域間で共同作業を行う必要があり、複数の SSP にアクセスできる必要があります。このシナリオは、グローバル展開の従業員が地理的な場所を移動する場合に特に当てはまります。
複数のフォレスト シナリオ : 企業では、フォレストごとに分離されたユーザー グループで複数のフォレストを使用することがあり、一部のユーザーはフォレストをまたいで作業する必要があります。1 つの SSP を使用してフォレスト間でユーザー データをインポートするように構成することはできますが、その SSP への移行中に、一部のユーザーは複数の SSP で作業する必要があります。他に考えられる複数のフォレスト シナリオでは、複数のフォレストを使用する決定要因となるサービスの分離またはサービスの自律性に関する同じ考慮事項として、複数の SSP の使用も推奨されています。これらの決定が別々に行われたり、理由が異なっていても同様のことが言えます。
ホストされた展開のシナリオ : ホストされた各展開で異なる SSP を使用するシナリオでは、複数の SSP が使用されることがよくあります。これらのシナリオでは、分離は通常完了しており、ユーザーは複数の SSP にアクセスできません。ただし、一部の内部ホスティング シナリオでは、一部のユーザーで SSP 間のアクセスが必要になることがあります。たとえば、各種部門の内部展開をホストする IT 部門のメンバは、ホストされた各展開を確認して、それぞれのユーザーと共同作業を行う必要があることがあります。
これらのシナリオでは、複数の SSP を使用する理由を検討して、個人用サイトと個人用設定コンテンツについて、予測できる操作性が得られるようにすることをお勧めします。
ユーザーが個人用サイトを表示して、複数のホストの場所で個人用機能を使用できるようにするには、[個人用サイトの設定] ページで、それぞれのホストの場所でのグローバル展開のサポートを有効にする必要があります。これにより、それぞれのホストの場所にある個人用設定コンテンツが複数の SSP で使用できるようになります。ただし、ホストの場所が SSP で信頼されている場合に限ります。各 SSP には、信頼できる個人用サイト ホストの場所へのリンクの一覧が含まれます。選択した対象ユーザー内のユーザーのみが特定のホストの場所にある個人用サイトを表示できるように、各リンクを配信できます。すべての対象ユーザーのプロファイル情報は各 SSP に複製され、SSP 上のすべてのサイトで使用できるようになります。個人用サイト ホストの場所は、信頼できる個人用サイト ホストの場所の一覧の順序に基づいて、各 SSP で使用されます。ユーザーが特定のホストの場所へのリンクの対象ユーザーのメンバである場合、個人用サイト ホストの場所はその SSP で使用され、後の場所は無視されます。その結果、各ユーザーの個人用設定コンテンツの 1 セットが各 SSP のすべての対象ユーザーで使用できるようになります。その後、信頼できる個人用サイト ホストの場所へのリンクを使用して、SSP 全体で一貫した操作性が得られるよう、SSP 全体を通して一貫した順序で個人用サイトをランク付けできます。または、異なる SSP の一部のユーザーについては個人専用の操作性を維持するよう、異なる順序でランク付けすることもできます。これにより、管理者は以下のシナリオに対応できるようなります。
管理者は、ある SSP から別の SSP に移動するグループまたは個々のユーザーを含む対象ユーザーに配信される信頼できる個人用サイト ホストの場所へのリンクを追加できます。移行期間中でも、グループまたはユーザーは、既存の個人用サイト、新しい SSP 上の個人用サイト、古いグループ内の他のユーザーの個人用サイト (古い SSP を使用するサイトを表示したとき)、および新しいグループ内のユーザーの個人用サイト (新しい SSP を使用するサイトを表示したとき) を引き続き表示できます。その後、管理者は、新しいサイト上の信頼できる個人用サイト ホストの場所の順序を変更して、移行期間中に各ユーザーが両方の個人用サイトにアクセスできるようにすることができます。これにより、各ユーザーは個人用サイト間で情報を移動できるようになります。
移行が完了したら、古いサイト上の信頼できる個人用サイト ホストの場所の順序を変更して、ユーザーが古い SSP を使用するサイトを表示したときも含め、常に新しいホストの場所の個人用サイトが表示されるようにすることができます。ユーザーは、信頼できる個人用サイト ホストの場所の対象ユーザーから除外されるか、信頼できる個人用サイト ホストの場所へのリンク自体が削除されるまで、両方の個人用サイト ホストの場所にある他のユーザーの個人用サイトを引き続き表示できます。
次の例について考えてみます。
企業では、3 つの地域区分および 5 つのユーザー グループで 3 つの SSP を使用しています。グループ A は SSP 1 を使用して、アジア地域を担当しています。グループ B は SSP 2 を使用して、ヨーロッパ地域を担当しています。グループ C は SSP 3 を使用して、北米地域を担当しています。グループ D と E には、アジアとヨーロッパから北米に移動するユーザーがそれぞれ含まれています。
SSP 全体でユーザー プロファイルの個人用サイト ホストの場所を管理するユーザー プロファイル マネージャは、次の 3 つの対象ユーザーを構成します。
"北米" には、既に北米地域にいるか、別の地域から北米に移行中のユーザーが含まれます。この対象ユーザーには、グループ C、D、および E が含まれます。
"アジア" には、アジア地域にいるか、別の地域に移行中のユーザーが含まれます。この対象ユーザーには、グループ A および D が含まれます。
"ヨーロッパ" には、ヨーロッパ地域にいるか、別の地域に移行中のユーザーが含まれます。この対象ユーザーには、グループ B および E が含まれます。
SSP 1 (アジア) における信頼できる個人用サイト ホストの場所へのリンクの一覧は次のとおりです。
ホストの場所 1 (アジア) - 対象ユーザー "アジア"
ホストの場所 2 (ヨーロッパ) - 対象ユーザー "ヨーロッパ"
ホストの場所 3 (北米) - 対象ユーザー "北米"
グループ A および D は最初のリンクの対象となるため、これらのグループ内のユーザーはアジアの SSP に個人用サイトを持ち、グループ内のすべてのユーザーの個人用設定情報を表示できます。アジアの現在のメンバと移行中のメンバはすべて、アジアの SSP を使用して情報を共有します。
グループ B および E は 2 つ目のリンクの対象となるため、これらのグループ内のユーザーはヨーロッパの SSP に個人用サイトを持ち、グループ内のすべてのユーザーの個人用設定情報を表示できます。ヨーロッパの現在のメンバと移行中のメンバはすべて、アジアの SSP を使用して情報を共有します。
グループ C、D、および E は 3 つ目のリンクの対象となります。ただし、グループ C および D は、上記の対象ユーザーに既に含まれています。グループ E 内のユーザーのみが北米の SSP で個人用サイトを使用します。
SSP 2 (ヨーロッパ) における信頼できる個人用サイト ホストの場所へのリンクの一覧は次のとおりです。
ホストの場所 2 (ヨーロッパ) - 対象ユーザー "ヨーロッパ"
ホストの場所 1 (アジア) - 対象ユーザー "アジア"
ホストの場所 3 (北米) - 対象ユーザー "北米"
この場合、ヨーロッパとアジアの現在のグループと移行中のグループがそれぞれのホストの場所の個人用サイトを使用し、北米グループが北米のホストの場所の個人用サイトを使用します。
注意
同じグループが、最初の SSP のときと同じセットの個人用サイトを使用します。このように SSP 全体で一貫した操作性を得るには、信頼できる個人用サイト ホストの場所の一覧に含まれる最初の 2 つの場所の順序を変更する必要がありました。
SSP 3 (北米) における信頼できる個人用サイト ホストの場所へのリンクの一覧は次のとおりです。
ホストの場所 3 (北米) - 対象ユーザー "北米"
ホストの場所 1 (アジア) - 対象ユーザー "アジア"
ホストの場所 2 (ヨーロッパ) - 対象ユーザー "ヨーロッパ"
"北米" 対象ユーザには、現在のグループとユーザーおよび移行中のグループとユーザーの両方が含まれているため、グループ C、D、および E は北米の個人用サイトを使用し、北米の SSP を使用するサイトを表示したときこれらのグループ内のすべてのユーザーの個人用設定情報を表示できます。
移行中でないアジアのユーザーで構成されるグループ A は、アジアの SSP で個人用サイトを使用し、そのグループ内の他のユーザーの個人用設定情報のみを表示できます。同様に、グループ B は、ヨーロッパの SSP で個人用サイトを使用し、そのグループ内のユーザーの個人用設定情報のみを表示できます。
移行期間中、グループ D および E は、表示される SSP に応じて、別々の個人用サイト ホストの場所を使用します。ただし、3 番目の地域 (グループ D の場合はヨーロッパ、グループ E の場合はアジア) からの個人用設定情報を表示することはできません。北米への移行が完了したら、他の SSP の "アジア" 対象ユーザーおよび "ヨーロッパ" 対象ユーザーからこれらのグループを削除できます (これらの地域のメンバではなくなるため)。または、将来の移動を計画または想定していない場合、これらのホストの場所を一覧から削除できます。どちらの場合も、これらのグループ内のユーザーは、個人用サイトへのアクセス時にどの SSP を使用するかにかかわらず、常に北米の個人用サイト ホストの場所を使用します。
このシナリオは、信頼できる個人用サイト ホストの場所の最も一般的な使用例です。ただし、これ以外のシナリオもあります。個人用サイトの重複や破損は、複数の SSP を使用するどのシナリオでも発生する可能性があります。このような場合、信頼できる個人用サイト ホストの場所へのリンクを追加または削除したり、各 SSP でランク付けされている順序を変更したり、各リンクの対象ユーザーを編集したりして、問題を修正できます。
タスク要件
このタスクの手順を実行するには、以下の要件を満たしている必要があります。
管理者が共有サービス プロバイダ (SSP) 管理サイトへのアクセス権に加え、"個人用機能の使用" 権限を保有している。
管理者が他の信頼できる個人用サイト ホストの場所を把握している。
信頼できる個人用サイト ホストの場所を管理するには、以下の手順を 1 つ以上実行します。