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方法を決定する

この記事の内容 :

  • 基本的なカスタマイズ方法

  • 中級のカスタマイズ方法

  • 高度なカスタマイズ方法

Microsoft Office SharePoint Server 2007 に基づいたカスタム Web サイトの開発にはさまざまな方法があります。選択する方法は、次のような多くの要因によって決まります。

  • 目的 : Web サイトの目的は、方法を決定する場合の重要な要因です。サイトの目的に応じて、基本的なカスタマイズ方法や高度なカスタマイズ方法を選択します。たとえば、1 つのプロジェクトで小規模なチームとグループ作業をするためのサイトは短期的なものであり、特定のタスクを実行する少人数のユーザーのみがこのサイトを使用します。したがって、外観を大幅にカスタマイズする必要はありません。一方、企業のイントラネット ポータルとして使用するサイトの場合は、毎日数千人のユーザーがサイトを閲覧し、労力とリソースを費やしてサイトをブランド化し、別の方法でサイトの外観を魅力的にしなければならないことがあります。同じように、Office SharePoint Server 2007 で使用できない機能を必要とする企業レベルのサイトの場合、必要な機能を提供するカスタム ソフトウェア ソリューションの開発が必要なことがあります。Office SharePoint Server 2007 を使用して実装できる Web サイトとポータルの種類については、「サイトおよび機能を計画する」を参照してください。

  • リソース : カスタム ソリューションの開発に使用できるリソースには、ソフトウェア製品 (Microsoft Office SharePoint Designer 2007、Microsoft Visual Studio 2005 など)、ハードウェア リソース (コードをテストおよび統合するための開発者ワークステーション、Web サーバーなど) があります。基本的なカスタマイズ方法では、追加のリソースはほとんどまたはまったく必要ありません。たとえば、Web ブラウザで直接、ページへの Web パーツの追加、カスタム リスト ビューの作成、サイトのホーム ページでのイメージ変更ができます。Office SharePoint Designer 2007 を追加すると、マスタ ページとレイアウト ページのデザインなど、より複雑なカスタマイズを実行できます。企業のインターネット プレゼンス サイトなど、完全にカスタマイズされた企業レベル Web サイトの場合は、サイトの開発、テスト、およびパイロット版提供のための複数の Web ファームと共にコード開発と構成管理用の専用ソフトウェアが必要なことがあります。カスタム ソリューション開発に必要なリソースの説明については、「ツールとプロセスのレビュー」を参照してください。

  • 人員 : カスタマイズ要件が複雑になるにつれ、多様な専門分野のスキルを持つ専門家で構成されたより大きなチームが必要になります。たとえば、完全にカスタマイズされた企業ポータルやインターネット プレゼンス サイトをデザインし、実装する場合は、システム アーキテクト、デザイナ、開発者、テスト担当者、インフラストラクチャ スペシャリスト、および他のスペシャリストが必要になり、数か月間共同で作業します。より複雑なサイト開発プロジェクトに必要なスキルの詳細については、「開発チームの役割について」を参照してください。

以下のセクションでは、サイト アーキテクトとデザイナが使用できるさまざまなカスタマイズ方法の概要および各方法の利点について説明します。

基本的なカスタマイズ方法

基本的な方法では、Web ブラウザで直接サイトをカスタマイズします。たとえば、中規模のチームのグループ作業用 Web サイトには、予定表、共有ドキュメント、お知らせ、および共有連絡先が含まれ、次のようなカスタマイズを行うと有益です。

  • チームのロゴをサイトに追加する。

  • 新しいテーマを適用してサイトの外観を魅力的にする。

  • サイトのナビゲーション要素をカスタマイズして操作性を向上させる。

  • Web パーツをホーム ページに追加して機能を追加する。

Office SharePoint Server 2007 ユーザー インターフェイスを使用すると、Web ブラウザでこれらの各カスタマイズ タスクを実行できます。したがって、このガイドを使用する必要はありません。基本的なカスタマイズ方法を計画し、実装する場合に役立つ情報については、Office SharePoint Server 2007 オンライン ヘルプと共に、Office Online (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=104991&clcid=0x411) で SharePoint 製品とテクノロジの記事を参照してください。

中級のカスタマイズ方法

中級のカスタマイズ方法では、サイトの一部の要素は基本的な方法の場合と同様に Web ブラウザでカスタマイズします。より高度なカスタマイズを実行するには、Office SharePoint Server 2007 Web サイトを作成およびカスタマイズするための製品、Office SharePoint Designer 2007 も使用します。たとえば、中規模企業のイントラネット ポータル サイトで組織全体のニュースと情報を共有するためのホーム ページ、および人事情報、各種ワークプレース サービス、ビジネス関連データを表示するためのサブサイトが含まれている場合、次のようなカスタマイズを行うと有益です。

  • ポータルのマスタ ページをカスタマイズして独自のブランド化されたサイト フレームワークを作成する。

  • カスタム レイアウトを作成してポータルにさまざまな種類のページを表示する。

  • 企業の配色パターンとフォントを実装するカスケード スタイル シートを作成する。

  • 給与データと福利厚生データの個人用表示など、バックエンド システムに保存された情報を表示するためのデータ ビューを作成する。

Office SharePoint Designer 2007 を使用すると、これらの各カスタマイズ タスクを実行できます。ナビゲーションの構成、ページへの Web パーツの追加など、他のカスタマイズも、Office SharePoint Server 2007 ユーザー インターフェイスを使用すると、Web ブラウザで実行できます。

このガイドの内容には、中級のカスタマイズを実行する場合に役立つものがあります。特に「機能の手引きページ」には、ワークフロー、ページ デザイン、ドキュメント管理、ビジネス インテリジェンスなど、Office SharePoint Server 2007 機能に関連するコンテンツとリソースへのリンクがあります。Office SharePoint Designer 2007 とブラウザベース カスタマイズを使用して Web サイトを実装する方法の詳細については、Office Online (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=104991&clcid=0x411) で Office SharePoint Designer 2007 製品のドキュメントおよび SharePoint 製品とテクノロジの記事を参照してください。

高度なカスタマイズ方法

このガイドの主な対象読者はサイトのアーキテクト、開発者、およびデザイナです。このような人たちは、カスタム ワークフロー、Web パーツ、ドキュメント コンバータ、iFilter など、開発済みのサイト要素を、マスタ ページ、カスケード スタイル シート、レイアウト ページなど、作成してカスタマイズされたサイト要素と組み合わせて実装して、サイトをカスタマイズします。通常、高度なカスタマイズ方法は企業によって使用され、企業のインターネット プレゼンス サイト、企業全体のポータル サイト、独自のビジネス機能を備えたサイト (例 : 金融サービス会社のダッシュボード サイト) など、広範なユーザーに使用されるサイトまたはミッションクリティカルなサイトの開発を目的としています。

高度なカスタマイズ方法では、サイトに対して、開発したカスタム サイト要素と機能を、作成したカスタム サイト要素と機能と組み合わせる必要があります。したがって、高度なカスタマイズ方法では、このガイドで説明する綿密な方法を実行する必要があります。このようなサイトの開発では、コーディング要素とコンテンツを開発して統合し、試験的に実行して、ある環境から別の環境に展開するために、複数の環境をセットアップすると共に、サイトの企画、デザイン、実装、およびテストを担当する大規模なチームの作業を手配します。

このガイドでは、以下の 2 つのカスタマイズ方法について説明します。

  • 作成者向けの方法。この方法では、作成されたサイト要素 (マスタ ページ、レイアウト ページなど、加工物を含む) が、開発されたサイト要素とは異なる方法で管理、展開されます。このため、作成したコンテンツがすばやく配布されます。

  • 開発者向けの方法。この方法では、開発されたサイト要素 (Web パーツ、ワークフローなど) とサイト加工物 (マスタ ページ、レイアウト ページ、カスケード スタイル シートなど) が同じ方法で管理、展開されます。この方法では、ソフトウェア開発と通常関連付けられるサイト加工物の管理方法がより綿密です。

作成者向けの方法

作成者向けの方法では、作成サイト要素を作成、管理、展開する方法と開発サイト要素を作成、管理、展開する方法が異なります。

  • 作成サイト要素 : 作成サイト加工物 (マスタ ページ、レイアウト、Web およびカスケード スタイル シート) とコンテンツ ページ、グラフィックス、およびその他のファイルを作成するには、Web ブラウザで Office SharePoint Designer 2007 または Office Word 2007、Office SharePoint Server 2007 などのクライアント アプリケーションを実行します。バージョン管理、チェックイン/チェックアウト、コンテンツの承認など、コンテンツ管理は、既定で Office SharePoint Server 2007 に提供されているドキュメント管理機能に含まれています。コンテンツ展開、サイト バリエーションなど、Office SharePoint Server 2007 の Web 発行機能を使用して、加工物とコンテンツ ページの両方を含むすべての作成サイト要素を展開します。

  • 開発サイト要素 : 通常、サイトのカスタム開発サイト要素を作成するには、Microsoft Visual Studio 2005 を Microsoft .NET Framework Version 3.0 と共に使用します。ソース管理と構成管理は、Visual Studio 2005 Team System などのプログラムによって処理されます。Office SharePoint Server 2007 ソリューションのパッケージ化と展開の機能を使用して、カスタム開発要素を各機能にパッケージ化し、展開します。

作成者向けの方法には、次のような利点があります。

  • Office SharePoint Server 2007 のコンテンツ展開機能を使用して、マスタ ページ、レイアウトなど、カスタム加工物を展開できます。

  • コンテンツが、個別の構成管理システムによらず、すべて Office SharePoint Server 2007 によって直接管理されるため、コンテンツがすばやく配布されます。

  • Office SharePoint Server 2007 に組み込まれているコンテンツ バージョン管理機能、チェックイン/チェックアウト機能、および承認機能を活用できます。

  • 開発環境のカスタマイズが少なくて済むため、構成と展開が通常容易になります。

使用される各種環境の図を含む、作成者向けの方法を使用するシナリオの説明については、「カスタマイズ シナリオ」を参照してください。

開発者向けの方法

開発者向けの方法では、作成サイト要素の作成方法と開発サイト要素の作成方法が異なりますが、開発済みのアイテムと作成した加工物は両方とも 1 つの構成管理システムで管理し、同様の方法で展開します。

  • 作成サイト要素 : 作成サイト要素には、サイトのコンテンツが表示されるフレームワークを作成する加工物 (マスタ ページ、レイアウトなど)、および Web コンテンツ (サイトの Web ページとイメージ) という 2 つのカテゴリがあります。開発者向けの方法では、加工物は開発環境で開発され、コーディングされたサイト要素が管理されているのと同じ構成管理システムで管理されます。加工物はコーディング要素と一緒にソリューション パッケージにパッケージ化され、ソリューション パッケージは運用ファーム、作成ファーム、およびパイロット ファームに展開されます。Web コンテンツは、既定で Office SharePoint Server 2007 に用意されているドキュメント管理機能を使用して作成ファームで管理されます。加工物と Web コンテンツは、コンテンツ展開機能を使用して作成ファームから運用ファームとパイロット ファームに展開されます。

  • 開発サイト要素 : サイトのカスタム開発サイト要素は、作成者向けの方法の場合と同様に、通常は Microsoft Visual Studio 2005 を Microsoft .NET Framework Version 3.0 と共に使用して作成します。ソース コード、バイナリ ファイル、およびソリューション ファイルの管理には、Visual Studio 2005 Team System または同等の構成管理システムを使用します。Office SharePoint Server 2007 ソリューションのパッケージ化と展開機能を使用して、カスタム開発要素を各機能にパッケージ化、展開します。

開発者向けの方法には次のような利点があります。

  • 加工物とコードは、同じ構成管理システムで管理されます。

  • 構成管理システムからサイトのすべてのカスタム要素を再構築し、展開できます。これは地理的に分散しているサイトや障害復旧に便利です。

  • 障害復旧やバグからのロールバック用にベースライン環境を保持できます。

  • 運用レベルの加工物を使用して、テスト環境または統合環境とパイロット環境を展開できます。

  • 開発要素と作成要素は、同じツールとプロセスを使用して管理されます。

この方法で使用される各種環境の図を含む、開発者向けの方法を使用するシナリオの説明については、「カスタマイズ シナリオ」を参照してください。

実装を加速し、運用リスクを軽減することを目的とする、カスタム コードとコンテンツを組み合わせるための他の開発者中心のアプローチについて詳しくは、ホワイト ペーパー「Implementing Microsoft Office SharePoint Server 2007 and Windows SharePoint Services 3.0 Solutions (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=108059&clcid=0x411) を参照してください。

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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なドキュメントに収められています。

入手可能なドキュメントの詳細な一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。

関連項目

概念

カスタマイズ シナリオ
カスタマイズを展開する