Windows SharePoint Services 3.0 テクノロジのバックアップを準備する

準備は、障害発生に備えてデータを確実にバックアップし復元可能にするために重要です。

システムにバックアップを収容するための十分な領域があることを確認します。記憶容量の計画の詳細については、「Planning for Storage」を参照してください。

展開をバックアップする前に、バックアップと復元の計画を確認します。次の主な操作の実行を検討します。

  • Windows SharePoint Services 3.0 の展開時に、作成するアカウントのレコード、コンピュータ名、パスワード、選択したセットアップ オプションを保存します。この情報は安全な場所に保管します。

  • すべての復元に関する資料、ドキュメント、データベース、およびトランザクション ログのバックアップのコピーは、常にオフサイトの場所で保持します。

  • 定期的にデータ復元操作の試験を実行し、ファイルが適切にバックアップされることを確認します。試験的な復元では、ソフトウェアの検証では表面化しないハードウェアの問題を網羅できない場合があります。

  • 火災や地震などの災害発生時の損害から保護するため、サーバーとは別の場所にサーバー バックアップのコピーを常に複製しておきます。そうすることで、重要なデータの損失を防ぐことができます。最良の方法は、バックアップ メディアのコピーを 3 つ保持し、少なくとも 1 つを適切に管理された環境のオフサイトに保管することです。

バックアップの準備を行うときには、次の点に留意してください。

  • バックアップと復元では、次のものはバックアップおよび復元されません。

    • 構成データベースはバックアップできますが、復元できません。

    • 展開済みのカスタム ソリューション

    • 代替アクセス マッピング

    • SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトをホストする Web アプリケーション

    • サーバーの全体管理コンテンツ データベース

    • インターネット インフォメーション サービス メタベース

  • サイト コレクションのバックアップと復元は、サーバーの全体管理サイトの、サーバーの全体管理以外のサイトへの移行はサポートしていません。また、サーバーの全体管理以外のサイトをサーバーの全体管理サイトへ移行させることはできません。

  • Windows SharePoint Services VSS Writer サービスを適切に動作させるには、Microsoft SQL Server 2005 データベース ソフトウェアで使用可能な SQL Server VSS Writer サービスを開始する必要があります。既定では、Windows SharePoint Services VSS Writer サービスは自動的には開始しません。

  • SharePoint 製品とテクノロジを使用して作成されたバックアップを別の場所に移動する場合は、バックアップ フォルダ内の個々のバックアップ フォルダではなく、必ず親となるバックアップ フォルダ全体をコピーし移動してください。

  • バックアップをスケジュールする場合は、Stsadm コマンドライン ツールを使用して、Windows タスク スケジューラで実行できます。

    重要

    spbackup.xml ファイルは変更しないでください。変更すると、バックアップまたは復元したファームが破損し、復元不能となる場合があります。

  • あるバージョンで作成したバックアップを使用して別のバージョンに復元することはできません。これを行うには、アップグレード プロセスを使用します。アップグレードの詳細については、「Windows SharePoint Services 3.0 にアップグレードする」を参照してください。

  • サーバーの全体管理を使用してバックアップしている場合は、サーバーの全体管理または Stsadm コマンドライン ツールを使用して復元できます。ただし、Microsoft SQL Server ツールなどの他の復元方式は使用できません。

  • データベースを作成または削除するタスクの実行中にバックアップを実行する場合、これらの変更内容がバックアップに含まれないことがあります。

  • すべてのカスタム ソリューションの個々のバックアップを維持する必要があります。

  • バックアップを実行する前に、Windows SharePoint Services Administration サービスがすべてのファーム サーバー上で開始されていることを確認します。このサービスは、スタンドアロン インストールの既定では開始されません。

  • SQL Server 2005 はマップされたドライブへのバックアップの実行をサポートしません。リモート コンピュータで末尾が "$" となるもの、または IP アドレスを共有します。

  • バックアップするデータベース サーバーとファーム サーバーは互いに接続可能である必要があります。

  • サーバーの全体管理を使用してバックアップしている場合、データベース サーバの SQL アカウント、Timer サービス アカウント、およびサーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウントはバックアップする場所への書き込み権限を持っている必要があります。Stsadm コマンドライン ツールを使用している場合は、ログオンに使用したアカウントに、バックアップする場所への書き込み権限が必要です。

    注意

    Timer サービス アカウントとサーバーの全体管理プール アカウントは、通常は同一です。

  • バックアップする前に、ファーム アカウントを変更した場合は、新しいアカウントに、バックアップ データを含む共有フォルダへの適切な権限を付与する必要があります。

データをバックアップする前に、データが格納される共有フォルダを作成する必要があります。また、バックアップを実行するために必要なアカウントに共有フォルダへのアクセス権があることを確認してください。ここでは、データをバックアップする前の基本的な考慮事項と実行する必要のある手順について説明します。

タスクの要件

このタスクの手順を実行するには、次のコンポーネントが必要です。

  • Windows SharePoint Services 3.0 をインストールする必要があります。インストール方法の詳細については、「サーバー ファーム環境に Windows SharePoint Services 3.0 を展開する」を参照してください。

  • バックアップと復元を実行するため、次のアカウントを有効にする必要があります。

    アカウント 説明

    SQL Server サービス アカウント (MSSQLSERVER)

    このサービス アカウントとしてローカル システム アカウントが使用され、共有フォルダが別のコンピュータ上にある場合は、SQL Server を実行しているコンピュータに共有フォルダへの変更および読み取りの権限を付与する必要があります。別の方法として、ドメイン ユーザー アカウントを指定し、そのアカウントに共有フォルダへのアクセス許可を付与することもできます。

    ローカル管理者のアカウント

    Stsadm コマンドライン ツールを使用してバックアップと復元を実行するには、Stsadm コマンドライン ツールを保持するコンピュータ上の Administrators グループのメンバとしてログオンしている必要があります。

    インターネット インフォメーション サービス (IIS) における SharePoint サーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウント

    このアプリケーション プール ID アカウントは、サーバーの全体管理を使用している場合にバックアップと復元を実行するために必要となります。したがって、このアプリケーション プールのセキュリティ アカウントには、バックアップ データを格納する共有フォルダへの変更および読み取り権限が必要です。

バックアップと復元に使用する共有フォルダを作成する

重要

この手順を完了するには、最低限、共有フォルダが存在するコンピュータ上の Administrators グループのメンバシップが必要です。

ネットワーク上で共有フォルダを作成するには

この手順を使用して、ネットワーク ファイル共有を作成し、バックアップしたデータを受け取り、保持することができます。また、データの復元時にも、このネットワーク共有を使用できます。すでに、この目的を満たすネットワーク共有がある場合は、この手順を実行する必要はありません。これを実行する必要があるのは 1 回だけです。次の手順を実行すると、Microsoft SQL Server 2005 データベース ソフトウェアを実行するコンピュータ、および SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトをホストするコンピュータから共有フォルダに確実にアクセスできるようになります。

ネットワーク上で共有フォルダを作成する

  1. SQL Server を実行しているコンピュータ以外のコンピュータで共有フォルダを作成する場合、SQL Server のサービス アカウント (MSSQLSERVER) がドメイン ユーザー アカウントを使用していること、または SQL Server が共有フォルダへの権限を持っていることを確認してください。SQL Server のアカウントの詳細については、次のリソースを参照してください。

  2. バックアップ データを格納するサーバーで共有フォルダを作成します。

  3. [プロパティ] ダイアログ ボックスの [共有] タブで、[アクセス許可] をクリックし、次のアカウントを追加します。

    • SQL Server サービス アカウント (MSSQLSERVER)

    • SharePoint サーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウント

  4. [変更] および [読み取り] アクセス許可に対して [許可する] を選択し、[OK] をクリックします。

  5. [プロパティ] ダイアログ ボックスの [セキュリティ] タブで、[フル コントロール] を除くすべての権限を手順 3. で一覧表示したアカウントに付与し、[OK] をクリックします。

関連項目

その他のリソース

Planning for Storage