アップグレード方法を決定する (Windows SharePoint Services)

この記事の内容 :

  • アップグレード方法を選択する

  • 特殊なケース

アップグレード プロセスを実行する前に、実行するアップグレード方法を決定する必要があります。この記事の内容を参考にそれぞれの方式の利点と欠点を比較し、それぞれの方式に影響を与える可能性のある特殊ケースについての情報を確認してください。

アップグレード方法を選択する

以下の表にアップグレード方法を挙げ、それぞれを比較します。

方法 説明 利点 欠点 最適なアップグレード対象

一括アップグレード

コンテンツおよび構成データを一度に一括してアップグレードします。

最も簡単な方法です。サイトは元の URL を維持します。既存のハードウェアを使用して既存のデータベースおよびサーバーを更新します。

実行中の環境はオフラインになります。元のサイトに戻すことはできません。

単一のサーバーまたは小規模なサーバー ファーム。

段階的なアップグレード

前のバージョンを残したまま新しいバージョンをインストールします。サーバー管理者は、どのサイト コレクションをアップグレードするか、およびアップグレードする時期を決定します。

きめ細かい処理が可能で、サイト コレクション レベルでアップグレードできます。ユーザーに影響を与える時間を短縮できます。サイトは元の URL を維持します。元のサイトに戻すことができます。既存のハードウェアを使用します。

より複雑で、大量のリソースを必要とします。アップグレード プロセス中に URL をリダイレクトしなくてはならないので、Microsoft Office などの一部のクライアント アプリケーションでは問題が発生します。SQL Server で追加の記憶域が必要です。Windows SharePoint Services 2.0 の拡張ホスト モードはサポートされていません。

ダウンタイムを制限する必要のあるサイトが多い、共有サービスのない中規模または大規模のサーバー ファーム。環境を大きくカスタマイズしている場合に適しています。

(上級) データベースの移行

サーバー管理者は、別のファームまたは別のハードウェアに新しいバージョンをインストールして、新しい環境に手動でデータベースを移行する必要があります。

新しいファームまたは新しいハードウェアに移行できます。Windows SharePoint Services 2.0 環境を使用することができ、アップグレードによる影響を受けません。

多くの手順を手動で行う必要がある、エラーのリスクが高い複雑なプロセスです。サイトの元の URL を維持するには、追加の手順を手動で行う必要があります。新しいサーバー ファームと SQL Server の 2 倍の記憶域が必要です。

新しいハードウェアまたは新しいアーキテクチャに移行するユーザー。アップグレードのスループットを最大限にする必要がある顧客。この方法は、拡張ホスト モードまたは Active Directory ディレクトリ サービスのアカウント作成モードを使用している Microsoft Windows SharePoint Services 2.0 環境で必要です。

一括アップグレードおよび段階的なアップグレードの動作の詳細については、「アップグレード プロセスのしくみ (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

特殊なケース

アップグレードを実行するときに、別の要件や達成するべき他の目標がある場合があります。以下の表に、特殊ケースと、それぞれのケースに適切なアップグレード方法を示します。

ケース 実行するアップグレード方法

言語を変更する場合

単一のサイトで言語を変更するのか、環境全体で言語を変更するのかに応じて、以下の 2 つの方法のどちらかを使用できます。

  • 特定のサイトで言語を変更するには、同じ言語でアップグレードしてから、新しい言語パックをインストールしてその言語に変更します。

    Caution注意
    ローカライズされたサイト定義に基づいて任意のサイトをアップグレードするには、適切な言語パックをインストールしておく必要があります。新しい言語パックがない場合は、サイトにアクセスできなくなります。新しい言語パックがリリースされるのを待ってから、それらのサイトをアップグレードしてください。
  • サーバーのインストール言語を変更するには、データベース移行方式を採用して、データを古いバージョンおよび古い言語から、新しいバージョンおよび新しい言語に移行します。

Windows Server 2008 に移行する場合

まず、一括アップグレードまたは段階的なアップグレードを使用して Windows SharePoint Services 3.0 にアップグレードしてから、Windows Server 2008 にアップグレードします。

SharePoint Team Services からアップグレードする場合

Windows SharePoint Services 2.0 にアップグレードしてから、Windows SharePoint Services 3.0 にアップグレードします。SharePoint Team Services から直接アップグレードするのはサポートされていません。

Office 2003 アドイン : Office Web Components (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=71517&clcid=0x411) を含む環境からアップグレードする場合

一括アップグレードまたは段階的なアップグレードを使用してアップグレードする場合、これらのコンポーネントは新しいバージョンでも引き続き機能します。ただし、これらのコンポートは Windows SharePoint Services 2.0 環境にのみインストールできるため、これらのコンポーネントに対してデータベース移行の方法は使用できません。

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使用できるすべてのブックの一覧については、「Windows SharePoint Services のダウンロード可能なブック」を参照してください。