Windows SharePoint Services 3.0 テクノロジのバックアップと復旧を管理する
このドキュメント セットでは、エンタープライズ、企業、または支社の環境におけるバックアップと復旧のソリューションの計画、設計、展開、および運用を担当する情報技術 (IT) 担当者の要件を満たすように説明されています。このドキュメント セットの閲覧者は、その技術的な詳細を理解することが求められます。しかし、サービスレベルの専門知識は、エンタープライズレベルのディスカッションを理解し、行われる決定を理解するためには必要ありません。
バックアップとは、システム障害後のデータを復元し、復旧するために使用されるデータのコピーのことです。適切にバックアップを行うことで、以下を含む多くの障害を解決できます。
メディア障害
ユーザー エラー (誤ったファイルの削除など)
ハードウェア障害 (破損したディスク ドライブ、サーバーの完全な切断など)
自然災害
さらに、バックアップ データの維持は、あるサーバーから別のサーバーへのデータベースのコピー、データベース ミラーリングのセットアップ、行政目的のアーカイブ、障害復旧など、ルーチン目的として役立ちます。
バックアップと復旧のための次のタスクが、データベース上、またはサイト、サブサイト、およびファイル上で実行されます。
サーバー ファーム、Web アプリケーション、およびデータベースのバックアップ
組み込みツールを使用してファームをバックアップする (Windows SharePoint Services 3.0)
SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトまたは Stsadm コマンドライン ツールを使用できます。
サーバーの全体管理を使用した Windows SharePoint Services 3.0 のバックアップ
サーバーの全体管理を使用して、Windows SharePoint Services 3.0 のバックアップと復元を行うことができます。同様に、サーバーの全体管理を使用して、バックアップと復旧の履歴も表示でき、バックアップと復旧のジョブ状態も表示できます。この方法を使用すると、サーバー ファーム内の構成データベース、Web アプリケーション、およびコンテンツ データベースのいずれかまたはすべてをバックアップできます。
注意
構成データベースのバックアップはできますが、復元はできません。
Stsadm コマンドライン ツール (Windows SharePoint Services)
Stsadm コマンドライン ツールでバックアップと復元の操作を使用して、サイト コレクション全体の忠実で完全なバックアップを取得できます。単一のコンテンツ データベースまたは複数のコンテンツ データベースを復元することもできます。この方法でのデータのバックアップと復元は、SQL Server 2000 ツールまたは SQL Server 2005 ツールを必要としません。ただし、この方法でのバックアップと復元を実行するためには、Windows SharePoint Services 3.0 がインストールされたサーバー コンピュータの管理者であるか、Office 2007 リリースのサーバー製品のいずれかの管理者である必要があります。
SQL Server ツールによる Windows SharePoint Services 3.0 のバックアップ
SQL Server 2000 または SQL Server 2005 に付属するバックアップ ツールを使用して、サーバー ファーム内の Windows SharePoint Services 3.0 で使用されるデータベースの忠実で完全なバックアップを取得できます。この方法を使用して、コンテンツ データベースのいずれかまたはすべてのバックアップと復元を行うことができます。このバックアップ方法を使用するには、Microsoft SQL Server 2005 Express Edition や Microsoft Internal Database ではなく、SQL Server 2000 または SQL Server 2005 を実行している必要があり、SQL Server が実行されているローカル サーバー コンピュータの管理者である必要があります。
さらに、SQL Server ツールを使用すると、SQL ミラーリングまたはログ配布のような方法を使用できます。
ボリュームのシャドウ コピー サービス (VSS)
ボリュームのシャドウ コピー サービス (VSS) は、Windows XP と Windows Server 2003 で導入されました。基本的に VSS は、記憶域データの特定の時点のコピーを定義、存続、および使用するために、アプリケーション、記憶域サブシステム、および記憶域管理アプリケーション (バックアップ アプリケーションなど) 間での通信を容易にするフレームワークです。Windows SharePoint Services VSS Writer は、Windows SharePoint Services 3.0 での新しいサービスです。このライタ サービスにより、requestor (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=90911&clcid=0x409) がフロントエンド Web サーバーに VSS バックアップ (完全または差分) を行うように要求することができるようになり、Windows SharePoint Services が requestor に VSS を使用してバックアップすべき SQL データベースと検索インデックスを示します。VSS については、MSDN 記事 「Volume Shadow Copy Service (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=90912&clcid=0x409) を参照してください。Volume Shadow Copy Service SDK 7.2 (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=90914&clcid=0x409) は、Microsoft ダウンロード センターから入手できます。
サイト、サブサイト、およびファイルのバックアップ
次の機構を使用して、Windows SharePoint Services に関連する特定のデータのバックアップと復元を行うことができます。
Web サイトの削除イベント
SharePoint 製品とテクノロジのオブジェクト モデルでは、"Web サイトの削除" イベントに応答するカスタムビルドのバックアップ ソリューションを作成できます。これは、削除時にバックアップを自動化できることを意味します。詳細については、Microsoft SDK のマニュアルの「SPWebEventReceiver.WebDeleting メソッド」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=85704) を参照してください。
Stsadm コマンドライン ツール
Stsadm コマンドライン ツールでインポートおよびエクスポート操作を使用して、プロジェクト ワークスペース サイトのようなサイトまたはサブサイトのバックアップと復旧を行うことができます。これらの操作については、「Stsadm コマンドライン ツール (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
バージョン管理
Windows SharePoint Services 一覧のアイテムと Windows SharePoint Services ライブラリのファイルが変更されたときに、バージョン管理によりそれらの保存、追跡、および復元を行うことができます。Windows SharePoint Services 3.0 でのバージョン管理については、Office オンライン ヘルプ記事「Maintaining versions of files and items (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=90915&clcid=0x409) を参照してください。
ごみ箱
ごみ箱は、Windows SharePoint Services 3.0 からか、または 2007 Office リリースのサーバー製品のいずれかからドキュメント、リスト アイテム、リスト、フォルダ、およびファイルが削除された場合のセーフティ ネットを提供します。自分またはサイトの利用者が Web サイトからこれらのアイテムのいずれかを削除すると、そのアイテムがごみ箱に置かれます。ごみ箱には 2 段階のバックアップ保護があります。
段階 説明 1 : ユーザーがファイルを削除します。
ファイルは、エンド ユーザーとサイト コレクションのごみ箱に保持されます。
ユーザーまたはサイト コレクション管理者がファイルを復元できます。
2 : ユーザーがごみ箱を空にします。
ファイルは、サイト コレクションのごみ箱に保持されます。
サイト コレクション管理者がファイルを復元できます。
Windows SharePoint Services 3.0 でのごみ箱の使用については、「View, restore, or delete items in the Recycle Bin (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=90917&clcid=0x409) を参照してください。
サーバー ファーム、Web アプリケーション、およびデータベースの復元
組み込みツールを使用した Windows SharePoint Services 3.0 の復元
移行
サーバーとサーバー ファームを移動および移行する (Windows SharePoint Services 3.0)