SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードのコマンド ライン リファレンス (Windows SharePoint Services)

SharePoint 製品とテクノロジでは、コマンド ライン ツールの psconfig.exe を代替インターフェイスとして使用して、SharePoint 製品とテクノロジの構成方法を制御するさまざまな操作を実行できます。これらの操作を実行するには、ローカル コンピュータの Administrators グループのメンバである必要があります。

この記事の内容

  • psconfig.exe コマンドの使い方

  • 使用できるコマンドとパラメータ

psconfig.exe コマンドの使い方

psconfig.exe をコマンド ラインから実行する際に、ツールの実行方法を制御するコマンドを指定できます。psconfig.exe をコマンド ラインから実行するには、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\web server extensions\12\bin フォルダに移動し、次の構文を使用したコマンドを入力します。

Psconfig.exe -cmd <command> [optional parameters]

次のセクションのリファレンス表で、いくつかの例を示しています。また、コマンド ライン インターフェイスからヘルプを表示することもできます。ヘルプを表示するには、コマンド ラインに次のように入力します。

psconfig.exe -?

特定のコマンドに関するヘルプを表示するには、次のように入力します。

psconfig.exe -help <command name>

psconfig.exe のコマンドを正常に実行するには、特定の順序で実行する必要があります。SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを使用してインストールを構成する場合、コマンド (構成タスクとも呼ばれます) は正しい順序で呼び出されます。ただし、コマンド ラインを使用して psconfig.exe を実行する場合、ユーザー自身がタスクを正しい順序で実行する必要があります。psconfig.exe コマンドは次の順序で実行する必要があります。

  1. configdb

  2. helpcollections

  3. secureresources

  4. services

  5. installfeatures

  6. adminvs

  7. evalprovision (スタンドアロン インストールのみ)

  8. applicationcontent

  9. upgrade

重要

psconfig.exe によって、サーバー ファームのアップグレードが必要であることが検出されると、実行時にアップグレードが自動的に開始されます (アップグレード コマンドを選択しなかった場合でも開始されます)。

単一のコマンド ライン文字列にすべてのコマンドを指定して実行することができます。そうした場合、psconfig.exe によって、すべてのコマンドが正しい順序で実行されます。たとえば、コマンド ラインで次のようなコマンドを実行できます。

psconfig.exe –cmd configdb <parameters>
–cmd helpcollections <parameters>
–cmd secureresources <parameters>
–cmd services <parameters>
–cmd installfeatures <parameters>
–cmd adminvs <parameters>
–cmd evalprovision <parameters>
–cmd applicationcontent <parameters>

サーバーまたはサーバー ファームをコマンド ラインから構成する方法の詳細については、Windows SharePoint Services TechCenter を参照してください。

使用できるコマンドとパラメータ

SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードでは、次のコマンド ライン オプションが認識されます。

コマンド 説明、パラメータ、および例

?

psconfig.exe と共に使用できるコマンドを表示します。

psconfig.exe -?

help <command name>

psconfig.exe と共に使用できるコマンドを表示します。コマンド名が指定されている場合は、そのコマンドのヘルプを表示します。

psconfig.exe -help adminvs

adminvs

ローカル コンピュータ上で、SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションを管理します。以下のオプションのパラメータを受け取ります。

[-provision]

このサーバー上に、SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションを準備します。この準備によって、サーバー ファーム管理者のアカウントで実行される新規の SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションとアプリケーション プールが作成されます。

[-unprovision]

このサーバーにおける SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションの準備を解除します。準備の解除によって、SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションとそのアプリケーション プールが削除されます。

[-port <port number>]

SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションのポートは、サーバー ファームに対してグローバル設定です。ポートを変更すると、SharePoint Timer Service ジョブがディスパッチされ、サーバー ファーム内のすべての SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションのポートが同期されます。ポートを指定しない場合、サーバー ファーム内の既存の SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションで使用されているポートが使用されます。サーバー ファーム内で SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションが準備されていない場合にポートが指定されていないときは、既定のポートがランダムに選択されます。

[-windowsauthprovider <enablekerberos | onlyusentlm>]

SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションの認証プロバイダは、サーバー ファームに対してグローバル設定です。認証プロバイダを変更すると、SharePoint Timer Service ジョブがディスパッチされ、サーバー ファーム内のすべての SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションのプロバイダが同期されます。onlyusentlm を指定すると、すべての SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションで NTLM が専用の認証プロバイダになります。他のすべての認証プロバイダは無効になり、NTLM だけが、許可された唯一の認証プロバイダになります。enablekerberos を指定すると、すべての SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションで Kerberos 認証が有効になります。認証プロバイダを指定しない場合、サーバー ファーム内の既存の SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションで使用されているプロバイダが使用されます。サーバー ファーム内で SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションが準備されていない場合に、認証プロバイダが指定されていないときは、Kerberos 認証プロバイダが有効になります。

psconfig.exe -cmd adminvs -provision -port 8080 -windowsauthprovider onlyusentlm

psconfig.exe -cmd adminvs -unprovision

applicationcontent

共有アプリケーション コンテンツを管理します。以下の必須のパラメータを受け取ります。

-install

共有アプリケーション データ (リソース ファイル、Web アプリケーション バイナリなど) を既存の Web アプリケーションの仮想ディレクトリにコピーします。

psconfig.exe -cmd applicationcontent -install

configdb

このサーバーを作成し、サーバー ファームに接続するか、サーバー ファームから切断します。以下のオプションのパラメータを受け取ります。

[-create]

新しい構成データベースを作成します。これにより、新しいサーバー ファームが構築されます。このサーバーが既に構成データベースに接続されている場合、最初にサーバーが切断され、その後、新しい構成データベースが作成されます。

[-disconnect]

構成データベースからこのサーバーを切断します。これにより、このサーバーはサーバー ファームから切断されます。

[-connect]

既存の構成データベースに接続します。これにより、このサーバーは既存のサーバー ファームに参加します。このサーバーが既に構成データベースに接続されている場合、最初にサーバーが切断され、その後、既存の構成データベースに接続されます。

[-server <SQLServerName>]

構成データベースが格納されている SQL Server を実行しているコンピュータです。

[-database <SQLDatabaseName>]

構成データベース名です。

[-dbuser <value>]

SQL 認証で使用するユーザー名です。

[-dbpassword <value>]

SQL 認証で使用するパスワードです。

[-user <Domain\User>]

サーバー ファーム管理者のユーザー アカウントです。

[-password <Password>]

サーバー ファーム管理者のユーザー アカウント パスワードです。

[-addomain <value>]

サーバー ファームで使用する Active Directory ドメイン名です。

[-adorgunit <value>]

サーバー ファームで使用する Active Directory 組織単位名です。

[-admincontentdatabase <SQLAdminContentDatabaseName>]

サーバーの全体管理 Web アプリケーションのコンテンツ データベース名です。

psconfig.exe -cmd configdb -create -server <Server_name> -database <Database_name>

-dbuser <DOMAIN\username> -dbpassword <password>

-user <DOMAIN\username> -password <password>

-addomain <domain_name> -adorgunit <org_unit>

-admincontentdatabase <Database_name>

psconfig.exe -cmd configdb -disconnect

psconfig.exe -cmd configdb -connect -server <Server_name> -database <Database_name>

-dbuser <DOMAIN\username> -dbpassword <password>

evalprovision

このサーバーをスタンドアロン (評価モード) サーバーとして準備します。以下の必須およびオプションのパラメータを受け取ります。

-provision

このサーバーでスタンドアロン モードの準備を実行します。

[-port <port number>]

既定の SharePoint Web アプリケーションに割り当てられるポート番号です。指定しない場合、ポート 80 が使用されます。このポートを使用している SharePoint Web アプリケーションが既に存在する場合は、既存のサイトが上書きされます。このポートを使用している既存サイトが SharePoint Web アプリケーションではない場合、そのサイトは無効になり、このポートを使用して新しい SharePoint Web アプリケーションが作成されます。

[-overwrite]

インストール中に既存の Microsoft Windows SharePoint Services 3.0 Web サイトを上書きするかどうかを指定します。指定しない場合、サイトは削除されません。

psconfig.exe -cmd evalprovision -provision -port 1100

helpcollections

ヘルプ コレクションを管理します。以下の必須のパラメータを受け取ります。

-installall

使用できるヘルプ コレクションをすべてインストールします。

psconfig.exe -cmd helpcollections -installall

installfeatures

このサーバーのファイル システム上にある SharePoint 製品とテクノロジの機能をすべてサーバー ファームに登録します。

psconfig.exe -cmd installfeatures

quiet

SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを自動モードで実行します。出力は PSCONFIG.EXE_MM_DD_YY_HH_MM_SS_MS.log という名前のログ ファイルに書き込まれます。"_MM_DD_YY_HH_MM_SS_MS" はユーティリティを実行した完全な日時です。ログ ファイルは、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\web server extensions\12\LOGS ディレクトリに格納されます。

psconfig.exe -cmd quiet

secureresources

サーバー上で、SharePoint 製品とテクノロジのリソース セキュリティの適用を実行します。たとえば、セキュリティはファイル、フォルダ、およびレジストリ キーに適用されます。

psconfig.exe -cmd secureresources

services

SharePoint 製品とテクノロジ サービスを管理します。以下のオプションのパラメータを受け取ります。

[-install]

このサーバー上にあるサーバー ファームにサービスを登録します。

[-provision]

このサーバー上にあるサービスを準備し、SharePoint 製品とテクノロジがスタンドアロン モードでインストールされている場合はこのサービスをオンラインに設定します。 サービスを準備すると、サービスが確実に登録されるようにもなります。

psconfig.exe -cmd services -install

psconfig.exe -cmd services -provision

setup

インストール モードに基づいて SharePoint 製品とテクノロジの構成を実行します。また、構成の修復も行います。製品またはテクノロジがスタンドアロン モードでインストールされている場合、スタンドアロン構成が完了します。製品またはテクノロジがスタンドアロン モードでない場合、psconfig.exe コマンド ライン ユーティリティではなく、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを使用して、初期構成を完了する必要があります。このウィザードを実行するには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[管理ツール] の順にポイントして、[SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザード] をクリックします。

スタンドアロン インストールを修復する場合は、最初に setup /repair を実行します (詳細については、セットアップ ヘルプ システムを参照してください)。次に、psconfig.exe -setup を実行します。サーバー ファーム インストールの場合は、setup /repair を実行した後、psconfig.exe コマンド ライン ユーティリティではなく、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを使用します。

以下のオプションのパラメータを受け取ります。

[-lcid <1033>]

インストール言語を指定するロケール ID (LCID) です。

psconfig.exe -cmd setup

standaloneconfig

SharePoint 製品とテクノロジのスタンドアロン構成を実行します。以下のオプションのパラメータを受け取ります。

[-lcid <1033>]

インストール言語を指定するロケール ID (LCID) です。

psconfig.exe -cmd standaloneconfig

upgrade

SharePoint 製品とテクノロジのアップグレードを実行します。製品またはテクノロジのアップグレードが必要な場合は、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行すると、自動的にこのコマンドが実行されます。以下のオプションのパラメータを受け取ります。

[-wait]

指定した場合、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードはアップグレードが完了するまで応答しません。指定しない場合、アップグレードを実行するための SharePoint Timer Service ジョブをディスパッチした後にウィザードに戻ります。アップグレード ジョブの状態を表示するには、Web ブラウザを使用して SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションにアクセスします。

[-force]

指定した場合、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードで現在実行しているアップグレード処理が停止され、アップグレードが再実行されます。

[-reghostonupgrade]

指定した場合、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードによって、アップグレード中にすべてのコンテンツがサイト定義バージョンにリセットされます。

[-finalize]

指定した場合、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードで現在のアップグレードを終了します。この処理は、すべてのサイトのアップグレードが正常に完了し、前のバージョンに接続する必要がなくなった場合にのみ実行します。この処理は元に戻せません。

[-inplace <v2v|b2b>]

指定した場合、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードによって、一括アップグレードが実行されます。v2v を指定すると、バージョンからバージョンへの一括アップグレードが実行されます。b2b を指定すると、ビルドからビルドへの一括アップグレードが実行されます。

[-sidebyside]

指定した場合、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードによって、段階的なアップグレードが実行されます。

psconfig.exe -cmd upgrade -inplace v2v -wait
psconfig.exe -cmd upgrade -sidebyside -reghostonupgrade
psconfig.exe -cmd upgrade -finalize

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入手可能なブックの一覧については、「Windows SharePoint Services のダウンロード可能なブック」を参照してください。