TCP/IPv6 による Outlook Anywhere クライアントの接続の問題

適用対象 : Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

ここでは、Windows Server 2008 で実行されている Exchange 2007 SP1 環境にインターネット経由でクライアントが接続を試みた場合に発生する Outlook Anywhere の接続の問題、およびその解決方法について説明します。

注意

この問題は、Exchange Server 2007 Service Pack 1 用の更新プログラムのロールアップ 4 で解決されています。Exchange Server 2007 Service Pack 1 用の更新プログラムのロールアップ 4 以上をインストールしている場合は、このトピックで説明する手順は実行しないでください。

Outlook Anywhere を使用するクライアントが Windows Server 2008 を実行する Exchange 2007 SP1 への接続を試みても、このクライアントは接続できません。これは、Windows Server 2008 上で実行されている Client Access サーバーの RPCProxy コンポーネントが、ポート 6004 を介して Exchange メールボックス サーバー上の DSProxy コンポーネントに接続できないために発生する問題です。

Windows Server 2008 では、Microsoft Exchange を実行しているサーバーに接続しているクライアントによって行われる接続に対しては、TCP/IPv6 が既定の通信プロトコル スタックになっています。RPCProxy コンポーネントは、TCP/IPv6 を使用して、ポート 6004 経由で DSProxy コンポーネントに接続しようとします。しかし、DSProxy コンポーネントは TCP/IPv6 スタック上でリッスンしないため、RPCProxy コンポーネントからの接続要求が失敗します。

解決方法

Exchange 2007 SP1 では、クライアント アクセス サーバーが Windows Server 2008 で実行されている場合にクライアントが Outlook Anywhere を使用して接続するには、クライアント アクセス サーバーの役割がインストールされているすべての Exchange サーバーで TCP/IPv6 接続を手動で無効にする必要があります。

この問題を解決するには、クライアント アクセス サーバーで次のいずれかの手順を実行します。使用する手順は、お使いのトポロジでクライアント アクセス サーバーの役割とメールボックス サーバーの役割が同じ Exchange サーバーで実行されている場合、または異なる Exchange サーバーで実行されている場合によって異なります。

開始する前に

以下の手順を実行するには、使用するアカウントに Exchange 組織管理者の役割が委任されている必要があります。Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

手順

クライアント アクセス サーバーの役割がメールボックス サーバーの役割と同じ Exchange サーバーで実行されていない場合、複数サーバー トポロジの TCP/IPv6 を無効にするには、次の操作を行います。

  1. [ネットワーク接続] で、ネットワーク アダプタを選択し、[プロパティ] をクリックします。

  2. プロパティ ウィンドウで、[インターネット プロトコル バージョン 6 (TCP/IPv6)] チェック ボックスをオフにします。

    注意

    このチェック ボックスをオフにすると、クライアント アクセス サーバーの RPCProxy コンポーネントが、TCP/IPv4 を使用してメールボックス サーバーの DSProxy コンポーネントと対話するようになります。

  3. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。

  4. [名前] ボックスに「regedit」と入力します。

  5. レジストリ エディタを使用して、次のレジストリ キーを見つけます。

    HKEY_Local_Machine\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip6\Parameters

  6. Parameters キーを右クリックし、[新規] をポイントして、[DWORD (32 ビット) 値] をクリックします。このキーに、以下の値を追加します。

    名前 :DisabledComponents

    データ : 0xFFFFFFFF

  7. クライアント アクセス サーバーを再起動します。

前の手順は、クライアント アクセス サーバーの役割がメールボックス サーバーの役割と同じ Exchange で実行されている、単一サーバー トポロジでは動作しません。これは、ループバック インターフェイス (同じコンピュータのプロセスに対して TCP/IP 経由で通信している場合に使用されるインターフェイス) で引き続き TCP/IPv6 を使用しているためです。この場合、以下の手順を実行して TCP/IPv6 を無効にする必要があります。

クライアント アクセス サーバーの役割がメールボックス サーバーの役割と同じ Exchange サーバーで実行されている場合、単一サーバー トポロジの TCP/IPv6 を無効にするには、次の操作を行います。

  1. メモ帳などのテキスト エディタを使用して、%SystemRoot%\system32\drivers\etc\ にある hosts ファイルを開きます。

    注意

    この手順では、%SystemRoot% は Windows システム ファイルがあるローカル ハード ディスクを示します。

  2. Ctrl + F キーの組み合わせを使用して、用語 "localhost" を含む行を検索します。

  3. 行をコメントにするには、その行の先頭と末尾に番号記号 (#) を入力します。

  4. Enter キーを押し、次の行に以下の行を入力して、クライアント アクセス サーバーの役割とメールボックス サーバーの役割の両方が実行されている Exchange サーバーの TCP/IPv4 アドレス、ホスト名、および FQDN 名を指定します。

       <TCP/IPv4 アドレス>   <コンピュータのホスト名>

       <TCP/IPv4 アドレス>   <コンピュータの FQDN>

  5. [保存] をクリックしてファイルを閉じます。

詳細情報

TCP/IPv6 の詳細については、「Exchange 2007 SP1 および SP2 での IPv6 サポート」を参照してください。