リファレンス SQL Server 2000 システム管理ガイド : 第 7 章 ‐ タスクの管理

第 7 章 ‐ タスクの管理

リファレンス SQL Server 2000システム管理ガイド」 (発行 : 株式会社リックテレコム) より抜粋

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図 7-1: スケジューリングされた動作

特定の時間に起動するバッチ処理や、定期的に実行されるジョブのスケジューリング、およびそれらタスクの管理をおこなうために、今までは、サードベンダー製のツールを使用したり、わざわざ自動実行を管理するプログラムをユーザー側で作成したりしていました。 SQL Server を導入した場合、すべてのタスクの自動実行が管理可能となり、ユーザーが抱えるすべての自動運用の問題を解決することができるようになります。データベース内部の処理はもちろんのこと、データベース外部の処理も管理することが可能です (図 7-1)。

目次

7-1 ジョブおよび警告の概要
7-2 メールの設定
7-3 ジョブとオペレータの管理
7-4 警告の管理
7-5 マスタサーバーと対象サーバー
7-6 自動化のための便利なツール

7-1 ジョブおよび警告の概要

7-1-1 ジョブについて

SQL Server では、個々の動作をおこなうプログラムやバッチ処理を「ステップ」といい、複数のステップがまとまって一連の「処理 (ジョブ)」をおこないます。それらを総称して「タスク」といいます (図 7-2)。

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図 7-2: ジョブとタスクの定義

あるジョブでは、毎日夜中にデータベースの売上テーブルを集計し、本部のサーバーへ集計結果を転送しています。ここでは、売上テーブルの集計処理と、本部へのデータ転送処理という 2 つのステップがあります。この 2 つのステップは、まとまった一連のジョブということになります。

定期的にスケジューリングするような自動実行が可能なジョブの個々のステップには、どのような種類があるでしょうか?

Windows 2000/NT 上のコマンド
*.CMD、*.BAT、*.EXE ファイルの実行や、SQL Server の DOS プロンプトで動作する各ユーティリティなどの実行が可能です。

注意
自動的に終了するジョブ以外はスケジューリングしないようにします。
例えば、「メモ帳をある時間に起動させる」ようなジョブステップです。メモ帳はオペレータがそのプロセスを終了させない限り、終了することができません。このような、自動的に終了することができないコマンドは、ジョブステップとしてスケジューリングしないようにしてください。

T-SQL スクリプト
T-SQL スクリプト、ストアドプロシージャの実行が可能です。データベース内部に対する操作、およびデータベース外部に対する操作を実行できます。拡張ストアドプロシージャを実行することによって、データベース外部のDLLをコールすることができます。

レプリケーションで使用する各動作
レプリケーション関連の各動作を実行します。

ActiveX スクリプト
VBScript、JScript、その他です。

上記の個々のステップをまとめて、指定時間、定期的、CPU のアイドル時、SQL Server エージェント起動時に、自動的に実行するジョブとして設定することができます。

7-1-2 警告について

SQL Server から発せられるイベント (エラー等) に対して、警告を設定することができます。SQL Server からのイベントに警告が設定された場合、その警告は何をおこなえるでしょうか?

ジョブの実行
イベントに対して警告が設定されていた場合、その警告によって自動的にジョブを実行することができます。

警告内容の通知
Net Send、ポケットベル、電子メールを使用して、オペレータに対して警告の内容を通知します。

7-1-3 通知 (オペレータ) について

イベント (SQL Server が発行するシステムエラーや、ユーザーが作成したエラーなど) が発生した場合に、イベントが発生したことを通知する (電子メール、ポケットベル、Net Send 等による) オペレータを設定することができます。

例えば、自動拡張の設定がされていないデータベースのトランザクションログがいっぱいになってしまった場合、SQL Server はイベント (エラー) を発生させます。そのエラーに対して警告が設定されていた場合、その警告に設定されているジョブ (トランザクションログを NO_LOG で切り捨てる) を実行するとともに、設定されたオペレータへ通知をおこないます。

7-1-4 SQL Server Agent Service による自動化

通知 (オペレータ)、ジョブ、警告、レプリケーションを統括管理するのが、SQL Server Agent Service (SQL Server エージェント) です (図 7-3)。

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図 7-3: SQL Server Agent Service の役割

各サービスの動作は、以下のとおりです (図 7-4)。

SQL Server Service
発生したイベントをイベントビューア内のアプリケーションログに書き込みます。

Windows 2000/NT イベントログサービス
イベントログサービスに書き込まれるエラーには、イベントログに書き込むように設定したイベント、SQL Server 重大度レベル 19~25 のエラー、RAISERROR ステートメントによる書き込み、xp_logevent による書き込みがあります。

SQL Server Agent Service
スケジューリングされた動作を実行したり、Windows 2000/NT のアプリケーションログを監視し、発生したイベントに警告が設定されていたりした場合には、指定の動作をおこないます。

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図 7-4: 各サービスの動作

7-2 メールの設定

SQL Server 内から動作するすべての自動運用処理の実行結果を知るために、欠かすことのできないサービスが「メールサービス」です。

メールを使用することで、より幅広い自動運用が可能になります。例えば、データベースバックアップを夜間におこなう場合、その結果が成功したのか、失敗したのかを知る必要があります。SQL Server では、夜間におこなわれた実行結果を、メールを使用してシステム管理者へ通知することができます。これによりシステム管理者は、朝に前日の結果を知ることができるのです。

7-2-1 メールで何ができるのか?

メールを使用することで、SQL Server は以下のような処理をおこなうことが可能です。

(1) 定期的な自動運用の処理結果の通知
自動運用ジョブを実行した場合の結果を通知します。

(2) SQL Server からメールを送信
xp_sendmailを使用して、データベース内のデータをメールで送信します。トリガ内から使用することで、テーブルデータの変更時にメールを送信することが可能です。

(3) メールサーバーからメールを受信
xp_readmail を使用して、メールクライアントからのメッセージを受信します。

(2)、(3) の 2 つの処理を組み合わせ、メールクライアントが SQL Server にデータの要求をおこない、結果をメールクライアントに返信することが可能です (sp_processmail を使用)。

(4) 緊急時のポケットベルのコール ( ポケットベルへのサービスがあった場合 )

7-2-2 メールを使用するには

SQL Server からメールを利用できるようにするには、いくつかの条件と設定が必要です。

SQL Server から使用する条件

  • MAPI (Messaging Application Programming Interface) 仕様のメールサーバーが存在している (Exchange 2000 Server やサードベンダー製メールサーバーなど)。

  • SQL Server Agent Service が使用するアカウント (インストール時に設定) がドメインユーザーアカウントを使用している。

  • メールサーバーと接続するためのプロファイル (プロファイル名またはユーザー名とパスワード) を設定する。

この設定をおこなうには、メールクライアント用のツール (Outlook 2000 等のクライアントツール) が必要です。

注意
SQL Server Service と SQL Server Agent Service が、それぞれ別々のアカウントを使用している場合には、それぞれのアカウントに対してメールプロファイルを設定しなければなりません。なるべく SQL Server Service と SQL Server Agent Service には同一のアカウントを使用することをお勧めします。

メールプロファイルの設定によって、SQL Server が、あたかも 1 人 (SQL Server Service と SQL Server Agent Service がそれぞれ別々のアカウントを使用している場合は 2 人) のメールクライアントのように動作します。

SQL Server Service の使用するアカウントは、SQL Server Enterprise Manager から、設定対象のSQL Server で右クリック→**[** プロパティ ] を選択し、[ セキュリティ ] タブを選択して設定できます (図 7-5)。

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図 7-5: SQL Server Service の使用するアカウント

SQL Server Agent Service の使用するアカウントは、SQL Server Enterprise Manager から、設定対象の SQL Server を展開して「管理」を展開し、「SQL Server エージェント」で右クリック→**[** プロパティ ] を選択して、[ 全般 ] タブで設定できます (図 7-6)。

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図 7-6: SQL Server Agent Service の使用するアカウント

ワンポイント
SQL Server エージェントは自動起動するように設定しておくと便利です。
SQL Server エージェントを自動起動するには、Microsoft SQL Server フォルダ内のサービスマネージャで、[ サービス ] で「SQL Server Agent」を選択し、[OS 起動時にサービスを自動的に開始 ] をチェックしておくと、マシン起動時に自動的に SQL Server エージェントが起動します (図 7-7)。

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図 7-7: OS の起動時にサービスを自動的に開始

7-2-3 メールの設定

ここでは、すでにメールサーバーおよびメールクライアントはインストール済みであることを前提に、メールサーバーと接続するためのプロファイルの設定をおこないます ( 2-1 **「マシン環境」**を参照してください。本書では、ドメインコントローラの「ALPHA」に Exchange 2000 Server をインストール、各クライアントに Outlook 2000 を使用します)。

以下の手順でメールの設定をおこないます。

  1. メールサーバーのインストール

  2. メールクライアントのインストール

  3. メールクライアントの設定

  4. メールプロファイルの確認

  5. メールプロファイルの使用の設定

メールサーバーのインストール
メールサーバーのインストール、およびメールサーバーを使用するユーザーの設定が、メールサーバーで完了しているものとします (インストールされていない場合は、ここでインストールしてください)。

メールクライアントのインストール
メールクライアントのインストールが各マシンで完了しているものとします (インストールされていない場合は、ここでインストールしてください)。

メールクライアントの設定
SQL Server Service、SQL Server Agent Service 用アカウントとマシン管理用アカウントのメールクライアントを設定します。もし、SQL Server Service、SQL Server Agent Service 用に割り当てたアカウントが別々であった場合は、それぞれのアカウントでログオンして設定し、かつマシン管理用のアカウントでもログインして設定します (マシン管理用のアカウントは SQL Server からメールを受け取る際に使用します)。

  1. 各マシンに SQL Server Service、SQL Server Agent Service 用アカウント、およびマシン管理用のアカウントでログオンします (ここでは、各マシンとも「sqladmin」と「sql0x」、ドメインは「ALPHA」)。

  2. デスクトップ上にある [Microsoft Outlook] アイコンをダブルクリックし、Outlook 2000 を設定します (すでに同じマシンで Outlook 2000 を設定してある場合には、表示されない項目もあります)。

  3. Microsoft Outlook 2000 スタートアップウィザードにて、[ 企業 / ワークグループ ] を選択します。

  4. ユーザー名の指定でログオンした [ 名前 ][ 頭文字 ] を設定し、ボタンをクリックします (図 7-8)。

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  5. [ 次のインフォメーションサービスを使用する ] をチェックし、[Microsoft Exchange Server] をチェックします (図 7-9)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

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  6. [Microsoft Exchange Server] に Exchange 2000 Server の存在するコンピュータ名を入力します (ここでは「ALPHA」)。[ メールボックス ] にメールユーザー名を入力します (sqladmin でログオンしている場合は「sqladmin」、あるいは sql0x でログオンしている場合は「sql0x」) (図 7-10)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

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  7. [ 外出先でこのコンピュータを使用しますか? ] では、[ いいえ ] をチェックして、[ 次へ ]ボタンをクリックします (図 7-11)。

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  8. セットアップが完了しました (図 7-12)。[ 終了 ]ボタンをクリックします。

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  9. 通常に使用するマネージャとして設定します。[ はい ]ボタンをクリックします (図 7-13)。

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  10. [Outlook へようこそ! ] では、[ 今すぐ Microsoft Outlook を使ってみる ] を選択し、ユーザー登録をします。

  11. Outlook 2000 を終了します。

以上の手順 1.~11. の設定を、それぞれのマシン管理用のアカウント (ここでは「sql0x」)、ドメイン (ここでは「ALPHA」) を指定し、再度ログオンして設定をしてください。

メールプロファイルの確認
SQL Server Agent Service 用のアカウントに設定したメールプロファイルの確認をします。

  1. 各マシンに SQL Server Agent Service 用に割り当てたアカウントでログオンします (ここでは、アカウントは「sqladmin」、ドメインは「ALPHA」)。

  2. デスクトップ上の [Microsoft Outlook] アイコンを右クリックし、[ プロパティ ] を選択します。[MS Exchange の設定のプロパティ ] 画面が表示されるので、[プロファイルの表示]ボタンをクリックします (図 7-14)。

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    図 7-14: SQL Server エージェント用のプロファイル名

  3. [Microsoft Outlook の起動時に使用するプロファイル ] の内容をメモしておきます (ここでは「MS Exchange の設定」)。

  4. Outlook 2000 を終了します。

  5. マシンからログオフします。

メールプロファイルの使用の設定
SQL Server Agent Service 用のアカウントに設定したメールプロファイルの使用を設定します。

  1. 各マシンにマシン管理用のアカウントでログオンします (ここでは、アカウントは「sql0x」、ドメインは「ALPHA」)。

  2. SQL Server Enterprise Manager を起動して、対象の SQL Server を展開し、「管理」を展開します。

  3. 「SQL Server エージェント」を右クリックし、[ プロパティ ] を選択します。

  4. [ 全般 ] タブで、[ メールセッション ][ メールプロファイル ] 内に、前項の「メールプロファイルの確認」の手順 3. で確認したプロファイル名を、プルダウンの下矢印をクリックして選択します (図 7-15)。

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    図 7-15: SQL Server エージェントのメールプロファイル割り当て

    注意
    いったん SQL Server エージェントを再起動しないと、プルダウンしてもプロファイル名が表示されませんので、出力されなかった場合には、再起動してください。

  5. [ テスト ]ボタンをクリックし、正常にメールセッションが開始および停止できるかを確認します (図 7-16)。 ボタンをクリックします。

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    図 7-16: メールセッションのテスト

  6. 再度、[ OK ]ボタンをクリックします。再起動を促すメッセージが表示されますので、[ はい ]ボタンをクリックします。

  7. 再開されたことを確認し、SQL Server Enterprise Manager を終了して設定を終えます。

7-3 ジョブとオペレータの管理

7-3-1 ステップとジョブ

ステップは個々の動作をおこない、個々のステップがまとまって 1 つのジョブとなります。

それぞれのステップは、動作が終了したリターンステータスをもとに次の動作をおこなうことが可能ですので、決められた動作を直線的におこなうのではなく、複数に分岐させておこなうことが可能になります (図 7-17)。

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図 7-17: ジョブステップフロー

7-3-2 オペレータの作成

新規にオペレータ (メールのオペレータ) を作成するには、7-2-3「メールの設定」の設定をおこなっていることが前提となります。

  1. SQL Server Enterprise Manager を起動します。

  2. 「Microsoft SQL Servers」フォルダの plus を展開→「SQL Server グループ」フォルダの を展開→対象のサーバーの を展開します。

  3. 「管理」フォルダの plus を展開します。

  4. 「SQL Server エージェント」フォルダの plus を展開します。

  5. 「オペレータ」フォルダを右クリックし、[ 新規オペレータ ] を選択します。

  6. [ 新規オペレータのプロパティ ] 画面が表示されます (図 7-18)。

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    図 7-18: 新規オペレータの作成

  7. [ 名前 ] ボックスに、新規に作成するオペレータの名前を任意 (分かりやすい名前) に入力します (ここでは、「SQL01 オペレータ」)。

  8. [ メールのログイン名 ] ボックスの右側のボタンをクリックします。

  9. [ アドレス帳 ] 画面が表示され、通知をおこなうオペレータを選択します (図 7-19)。通知をおこなうオペレータは、複数のユーザーを指定することも可能です (ここでは、「sql01」)。[ OK ]ボタンをクリックします。

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    図 7-19: 通知をおこなうメールユーザーの選択

  10. [ テスト ]ボタンがグレーアウト状態からクリック可能になりましたので、クリックします。

  11. 「警告テスト通知なので無視してください」とのメッセージが表示されます。[ OK ]ボタンをクリックします。

  12. メッセージが正常に送信されたことを伝えるメッセージが表示されますので、[ OK ]ボタンをクリックします。

    もし、正常に送信されないのであれば、メールの設定、SQL Server エージェントに割り当てたアカウント、SQL Server エージェントが動作しているかの確認など、設定を見直してください。

  13. [ 名前 ] ボックスに、新規に作成するオペレータの名前に対して、さらに Net Send アドレス、ポケットベル (ポケットベルをコールするサービスがあれば) を設定することが可能です。 [Net Send アドレス ] にはコンピュータ名を入力します。指定したコンピュータの画面にポップアップで通知をすることができます。 ポケットベルを指定した場合には、[ ポケットベルの受信スケジュール ] でポケットベルをコールする時間帯や曜日を指定することが可能です。

  14. [ 通知 ] タブを選択します (図 7-20)。

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    図 7-20: 重大度レベルでの通知

  15. ここでは、SQL Server 内で発生するエラーを重大度レベルで区分して、そのエラーレベルが発生した場合の通知方法を設定します (ここでは、特に設定はしません)。

  16. [ 全般 ] タブに戻り、[ OK ]ボタンをクリックします。新規にオペレータが作成されました。

オペレータの設定を変更したい場合には、画面右側の詳細ペインのオペレータ名をダブルクリックしてください。

手順 10. でテストしたメッセージがメールユーザーに届いているかを確認するには、手順 9. のアドレス帳で指定したユーザーで Windows 2000 へログオンして、Outlook で受信を確認してください (図 7-21)。

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図 7-21: テストメールの確認

7-3-3 ジョブの作成

マルチステップジョブの作成

  1. SQL Server Enterprise Manager を起動します。

  2. 「Microsoft SQL Servers」フォルダの plus を展開→「SQL Server グループ」フォルダの を展開→対象のサーバーの を展開します。

  3. 「管理」フォルダの plus を展開します。

  4. 「SQL Server エージェント」フォルダの plus を展開します。

  5. 「ジョブ」を右クリックし、[ 新規ジョブ ] を選択します。

  6. [ 新規ジョブのプロパティ ] 画面が表示されます (図 7-22)。

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    図 7-22: 新規ジョブの作成

    1. [ 名前 ] ボックスにジョブ名を任意に入力します (ジョブ名からどのような処理をおこなうのか容易に判断できる名前にします)。

    2. [ カテゴリ ] を選択してジョブをカテゴリ化 (グループ化) し、管理しやすくすることが可能です。

    3. [ 所有者 ] では、このジョブの所有者のアカウントを選択します。システム管理者の場合にのみ選択できます。

    4. [ ローカルサーバーを対象とする ] がチェックされています。[ 複数のサーバーを対象とする ] はグレーアウトされて選択できません。選択できるようにするには、7-5「マスタサーバーと対象サーバー」を参照してください。ここでは、作成したジョブを実行するマシンを選択することが可能です。

  7. [ ステップ ] タブを選択します。ここでは、ジョブ内で実行する個々のステップを登録します (図 7-23)。

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    図 7-23: ステップの作成

  8. [ 新規 ]ボタンをクリックし、1 つ目のステップを作成します。

  9. [ 新規ジョブステップ ] の作成画面が表示されます。

    1. [ ステップ名 ] に任意のステップ名を入力します (ここでは、「売上集計」)。

    2. [ 種類 ] には、実行するステップの種類を選択します。「Transact-SQL スクリプト (TSQL)」を選択した場合には、[ 種類 ] の下側に [ データベース ] を選択するボックスが表示されますので、T-SQL を実行するデータベースを選択し、[ コマンド ] に T-SQL を記述します (図 7-24)。

      [ 解析 ]ボタンをクリックすることで、T-SQL の解析を実行してくれます。アクティブスクリプトやオペレーティングシステムコマンドを選択することもできます。入力結果を表示しますので、参照してください。

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      図 7-24: 新規ジョブステップ1

    3. [ 詳細設定 ] タブを選択します。

    4. [ 成功時の動作 ] を指定します (ここでは、「次のステップへ移動」) (図 7-25)。

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      図 7-25: 成功時の動作

    5. [ 再試行回数 ] では、失敗時に何回リトライするかを指定します。

    6. [ 再試行間隔 ] では、失敗後のリトライをおこなうまでの間隔 (分) を指定します。

    7. [ 失敗時の動作 ] では、失敗した後どのように動作するかを指定します (ここでは、「失敗をレポートしてジョブを終了する」)。

    8. [ 出力ファイル ] には、T-SQL または CmdExec 実行結果を出力するファイルを指定することができます。

    9. [ 出力にステップヒストリを追加 ] をチェックした場合には、T-SQL コマンド結果がステップの結果となります。

    10. [ 実行時のユーザー ] では、選択したデータベースのユーザー名を選択することができます。当ステップを実行するユーザーになりますので、ステップに登録したコマンドを実行できる権限をもったユーザーでなければなりません。(ここでは、「使用中のユーザー」を指定します。手順 6. の III. で指定したアカウントの権限で実行されます) (図 7-26)。

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      図 7-26: ジョブステップの入力後 1

    11. 個々の設定が終了したら、[ OK ]ボタンをクリックします。

  10. 図 7-23 の画面に戻りました。再度、[ 新規 ]ボタンをクリックし、2 つ目のステップを作成します。

  11. [ 新規ジョブステップ ] の作成画面が表示されます。

    1. [ ステップ名 ] に任意のステップ名を入力します (ここでは、「売上出力」)

    2. [ 種類 ] には、実行するステップの種類を選択します (ここでは、オペレーティングシステムコマンド「CmdExec」)。

    3. [ コマンド ] にオペレーティングシステムコマンドをフルパスで記述します。 図 7-27 に入力結果を表示しますので参照してください。

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      図 7-27: 新規ジョブステップ2

      登録したコマンド「c:\bcpout.cmd」の内容は、以下のとおりです。

BCP pubs..sales out c:\sales.txt -c -Salpha01 -Usa -Ppassword

4.  **\[** **詳細設定** **\]** タブを選択します。

5.  **\[** **成功時の動作** **\]** を指定します (ここでは、「成功をレポートしジョブを終了する」)。

6.  その他の設定は、図 7-28 を参照してください。
    
    ![sysad0728](images/Cc748754.sysad0728(ja-jp,TechNet.10).gif "sysad0728")
    
    **図 7-28: ジョブステップの入力後 2**

7.  個々の設定が終了したら、 ボタンをクリックします。

**ワンポイント**  
ここでは、BCP ユーティリティでデータのインポート/エクスポートをおこないましたが、T-SQL ステートメントの BULK INSERT を使用することも可能です。
  1. ステップの作成画面に戻り、最初に作成した「売上集計」ステップをダブルクリックします。

  2. [ 詳細設定 ] タブを選択して、成功時の動作に「以下のステップに移動 :[2] 売上出力 (BCP)」を選択します (図 7-29)。

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    図 7-29: ステップの動作指定

  3. [ OK ]ボタンをクリックします。

  4. ステップの作成画面に戻りました。ステップの順番を変更したい場合には、ステップ移動の矢印ボタンをクリックして順番を変更してください。もちろん [ 成功時の動作 ] 等の設定は変更し直すことが必要になります。

  5. [ スケジュール ] タブを選択し、スケジュール設定の画面を表示します (図 7-30)。

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    図 7-30: スケジュール設定

    1. [新規スケジュール]ボタンをクリックします (図 7-31)。

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      図 7-31: ジョブのスケジューリング

    2. [ 名前 ] に任意の名前を入力します (ここでは、「売上げバックアップスケジュール」)。

    3. [ 定期的 ] をチェックして、[ 変更 ]ボタンをクリックします。

    4. スケジュールを毎日 1 回、0:00:00 に、終了日なしで設定します。[ OK ]ボタンをクリックします。再度、[ OK ]ボタンをクリックします。 [CPU のアイドル時に常に起動する ] をチェックした場合には、アイドルの設定を確認してください (図 3-27「[ 詳細設定 ] タブ」を参照)。

  6. [ 通知 ] タブを選択します。通知するオペレータを選択し、どのような状態のときに通知をおこなうか選択します (ここでは、「ジョブ完了時」) (図 7-32)。

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    図 7-32: 通知設定

  7. [ OK ]ボタンをクリックして、ジョブを登録します。

ジョブに対する変更作業をおこなう場合には、ジョブ名をダブルクリックして、設定を変更することができます。

ジョブ作成ウィザードによるシングルステップジョブの作成

  1. SQL Server Enterprise Manager を起動します。

  2. 「Microsoft SQL Servers」フォルダの plus を展開→「SQL Server グループ」フォルダの を展開→対象のサーバーを選択します。

  3. [ ツール ] メニュー→ [ ウィザード ] を選択します。

  4. [ ウィザードの選択 ] 画面が表示されます (図 7-33)。

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    図 7-33: ウィザードの選択

  5. 「管理」を展開し、「ジョブ作成ウィザード」をダブルクリックします。

  6. ジョブ作成ウィザードが起動します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  7. [ ジョブコマンドの種類の選択 ] 画面が表示されます (図 7-34)。[Transact-SQL コマンド ] をチェックします。

    その他、バッチスクリプトやアクティブスクリプトを選択することもできます。

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    図 7-34: ジョブコマンドの種類選択

  8. [Transact-SQL ステートメントの入力 ] 画面が表示されますので、データベースとステートメントを入力します (図 7-35)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

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    図 7-35: Transact-SQL ステートメント入力

  9. [ ジョブスケジュールの指定 ] 画面が表示されます (図 7-36)。[ 指定日時 ] をチェックして (時間は任意)、[ 次へ ]ボタンをクリックします。 [ コンピュータがアイドルになったとき ] をチェックした場合には、アイドルの設定を確認してください (図 3-27「[ 詳細設定 ] タブ」を参照)。

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    図 7-36: スケジュール設定

  10. [ ジョブの通知 ] 画面では、通知方法とオペレータを指定します (図 7-37)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

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    図 7-37: ジョブの通知

  11. [ ジョブ作成ウィザードの完了 ] 画面が表示されます (図 7-38)。 指定した内容に変更がある場合には、[ 戻る ]ボタンをクリックします。 [ ジョブ名 ] にはシステムがつけた名前が自動的に入力されているので、変更したい場合には、任意の名前を入力してください。

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    図 7-38: ジョブ作成ウィザード完了

  12. [ 完了 ]ボタンをクリックします。ジョブが正常に作成されたことを伝えるメッセージが表示されるので、 ボタンをクリックします。

7-3-4 ジョブの変更、削除、履歴確認

変更、削除
作成したジョブに対する変更作業をおこなう場合には、SQL Server Enterprise Manager で、対象の SQL Server を展開→「管理」→「SQL Server エージェント」→「ジョブ」を選択し、詳細ペインでジョブ名をダブルクリックして設定を変更することができます。

ジョブ名をダブルクリックして表示されたジョブの [ 全般 ] タブに、[ 有効 ] のチェックがついています。これはこのジョブが実行されることを意味します。チェックをはずすと、ジョブの設定はありますが、ジョブは実行されなくなります。ある期間だけ、そのジョブを動作させないようにチェックをはずしておき、その後、再び動作させたい場合にはチェックをつけることで動作が再開します。

ジョブ名で右クリックし、[ 削除 ] を選択することで削除できます。ジョブを今後一切使用しない場合には削除をします。今は使用しないが後で使用する場合には、[ 有効 ] のチェックをはずすようにしてください。

履歴の確認
履歴を確認するには、詳細ペインで確認したいジョブを右クリックし、[ ジョブヒストリの表示 ] を選択します (図 7-39)。

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図 7-39: ジョブヒストリ

[ 詳細ステップを表示 ] をチェックすると、ステップごとの履歴を確認することができます (図 7-40)。

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図 7-40: 各ステップのジョブヒストリ

注意
まだジョブが一度も動作していない場合には、履歴を確認することはできません。対象のジョブで右クリックし、[ジョブの開始] を選択して起動することもできます。

7-4 警告の管理

SQL Server から発生するエラー (イベント) や、オブジェクトとカウンタを指定することにより、しきい値に一致、超過、未満の場合の条件に対して、それぞれ警告を設定することができます。

設定された警告が割り当てられているイベントが発生すると、警告内で設定した動作をおこなうことができます。

7-4-1 警告の作成

  1. SQL Server Enterprise Manager を起動します。

  2. 「Microsoft SQL Servers」フォルダの plus を展開→「SQL Server グループ」フォルダの を展開→対象のサーバーの を展開します。

  3. 「管理」フォルダのを展開します。

  4. 「SQL Server エージェント」フォルダの plus を展開します。

  5. 「警告」を右クリックし、[ 新規警告 ] を選択します。

  6. [ 新規警告のプロパティ ] 画面が表示されます (図 7-41)。

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    図 7-41: 新規警告の作成

  7. [ 名前 ] ボックスに、新規に作成する警告名を任意に入力します (ここでは、「トランザクションログ フル」)。

  8. [ 種類 ] に「SQL Server イベント警告」を選択します。

  9. [ イベント警告定義 ] では、警告を割り当てるエラーを指定します。

    [ エラー番号 ]
    指定のエラー番号に警告を割り当てます。エラー番号を指定するために、目的のエラー番号を検索することができます。

    1. エラー番号をチェックして、[ エラー番号 ] の右側の [...]ボタンをクリックします。

    2. [SQL server メッセージの管理 ] 画面が表示されます (図 7-42)。

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      図 7-42: エラー番号検索

    3. [ メッセージの内容 ] に「いっぱい」と入力し、[ 検索 ]ボタンをクリックします。

    4. エラー「9002」にログがいっぱいになった場合に発生するエラーがありましたので、その行を選択し、[ OK ]ボタンをクリックします (図 7-43)。

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      図 7-43: エラー番号の表示

    ワンポイント
    ユーザー定義のカスタムエラーメッセージを作成することもできます。この場合には、図 7-41 の [ エラー番号 ] の右側の [...]ボタンをクリックし、 [ 新規 ]ボタンをクリックします。もしくは、SQL Server Enterprise Manager で対象のサーバーを選択し、 [ ツール ] メニュー→ [SQL Serve メッセージの管理 ] を選択します (図 7-44)。

    sysad0744

    図 7-44: 新規ユーザー定義エラーメッセージ

    ユーザー定義のエラーメッセージは 50001 番以降の番号を使用して作成します。言語に「English」を選択して作成した場合において、その後、同じ番号で「Japanese」を指定して作成することができます。
    作成したエラーを RAISERROR ステートメント、xp_logevent にて、自ら発行することができます。

    [ レベル ] では、エラー重大度レベルで警告を割り当てます。指定したレベルの範囲のエラーであれば警告が動作します。

  10. 図 7-41 で、[ データベース名 ] には、エラー対象となるデータベースを選択します (ここでは、「NEWDB2」)。

  11. [ 次の文字列を含むエラーメッセージ ] には、入力した文字列を含むエラーメッセージに対して、警告を割り当てます。

  12. [回数リセット]ボタンをクリックすると、警告が発生していた場合には、発生した回数がリセットされます。

  13. [ 応答 ] タブを選択します (図 7-45)。

    sysad0745

    図 7-45: 応答設定

    • ジョブの実行 指定のエラーが発生した場合にジョブを起動します。ジョブの実行をチェックして、プルダウンメニューから既存のジョブを動作させることもできますし、ここで新規にジョブを作成することもできます。自動的に対処可能なエラーの場合にはジョブを登録するとよいでしょう。例えば、ログがいっぱいになったときに発生するエラー番号に対して警告を作成して、

BACKUP LOG データベース名 WITH NO_LOG

    等のジョブを実行します。

  - **通知先のオペレータ**  
    エラー発生時に通知するオペレータと方法を選択します (ここでは、「SQL01 オペレータ」へメールで通知するようにします)。 \[新規オペレータ\]ボタンをクリックし、ここで新規にオペレータを作成することも可能です。

  - **送信する付加通知メッセージ**  
    エラーメッセージを通知する際に、同時に付加するメッセージがあった場合には記述します。

  - **応答の遅延**  
    エラーが立て続けに発生した場合には、指定した時間内では 1 度しか通知をおこないません。
  1. [ OK ]ボタンをクリックします。

7-4-2 パフォーマンス条件警告

パフォーマンス条件警告を設定することで、エラー発生前にアクションを起こすことが可能になります。例えば、ログが完全にいっぱいになってしまう前に警告を動作させることで、問題が発生する前に、その予防措置をとることができるのです。

  1. SQL Server Enterprise Manager を起動します。

  2. 「Microsoft SQL Servers」フォルダの plus を展開→「SQL Server グループ」フォルダのを展開→対象のサーバーの を展開します。

  3. 「管理」フォルダの plus を展開します。

  4. 「SQL Server エージェント」フォルダの plus を展開します。

  5. 「警告」を右クリックし、[ 新規警告 ] を選択します。

  6. [ 新規警告のプロパティ ] が表示されます (図 7-41「新規警告の作成」を参照)。

  7. [ 名前 ] ボックスに新規に作成する警告名を任意に入力します (ここでは、「ログの使用」)。

  8. [ 種類 ] に「SQL Server パフォーマンス条件警告」を選択します。画面が変化して、パフォーマンス条件を入力できるようになります (図 7-46)。

    sysad0746

    図 7-46: パフォーマンス条件警告

  9. [ オブジェクト ][ カウンタ ][ インスタンス ] (もしあれば) を選択します。

  10. [ 警告カウンタ ] では、どのような状態のときに警告を発生させるかを決定します (ここでは、70% 指定します)。

  11. [ 応答 ] タブを選択します (この設定は、7-4-1「警告の作成」の手順 13. を参照して、ログをバックアップするジョブを実行するようにしてください)。

  12. [ OK ]ボタンをクリックします。

7-4-3 警告作成ウィザード

  1. SQL Server Enterprise Managerを起動します。

  2. 「Microsoft SQL Server s」フォルダの plus を展開→「SQL Server グループ」フォルダの を展開→対象のサーバーを選択します。

  3. [ ツール ] メニュー→ [ ウィザード ] を選択します。

  4. [ ウィザードの選択 ] 画面が表示されます (図 7-33「ウィザードの選択」を参照)。

  5. 「管理」を展開し、「警告作成ウィザード」をダブルクリックします。

  6. 警告作成ウィザードが起動します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  7. [ 警告の定義 ] 画面が表示されます (図 7-47)。

    sysad0747

    図 7-47: 警告の定義

    • このエラーが発生時のみ
      エラー番号を指定します。[...]ボタンをクリックして、エラー番号を検索することができます (図 7-42「エラー番号検索」を参照)。

    • このレベルのエラーすべて
      エラー重大度レベルを指定して、そのレベルすべてで警告が動作します (ここでは、「013 - ユーザートランザクションの構文エラー」を選択)。

  8. [ 次へ ]ボタンをクリックします。

  9. [ データベースまたはエラーキーワードの指定 ] 画面が表示されます (図 7-48)。[ データベース名 ] の選択をします (ここでは、「すべてのデータベース」)。また、[ 次の文字列を含むエラーメッセージ ] では、発生するエラーメッセージ内に指定した文字列が含まれるものを指定します。

    sysad0748

    図 7-48: データベースまたはエラーキーワードの指定

  10. [ 次へ ]ボタンをクリックします。

  11. [ 警告応答の定義 ] 画面が表示されます (図 7-49)。メールをチェックします。ここでは、ジョブは指定しません。

    382

    sysad0749

    図 7-49: 警告応答の定義

  12. [ 次へ ]ボタンをクリックします。

  13. [ 警告通知メッセージの定義 ] 画面が表示されます (図 7-50)。エラーメッセージとともに追加で通知されるメッセージを入力します。

    sysad0750

    図 7-50: 警告通知メッセージの定義

  14. [ 次へ ]ボタンをクリックします。

  15. [ 警告ウィザードの完了 ] 画面が表示されます (図 7-51)。 設定に変更がある場合には、[ 戻る ]ボタンをクリックします。警告名も変更できます。[ 完了 ]ボタンをクリックします。

    sysad0751

    図 7-51: 警告ウィザードの完了

  16. 正常に作成されたことを伝えるメッセージが表示されますので、[ OK ]ボタンをクリックします。

7-4-4 緊急時のオペレータの登録

緊急時のオペレータを登録した場合、設定したオペレータに通知がおこなえなかった際 (このオペレータのポケットベルの設定時間外) には、その緊急時のオペレータに連絡されます。

緊急時のオペレータの情報はキャッシュに格納されるので、SQL Server エージェントサービスが停止したとしても、緊急時のオペレータには通常どおり連絡されます。

  1. SQL Server Enterprise Manager を起動します。

  2. 「Microsoft SQL Servers」フォルダの plus を展開→「SQL Server グループ」フォルダの を展開→対象のサーバーの を展開します。

  3. 「管理」フォルダの plus を展開します。

  4. 「SQL Server エージェント」を右クリックし、[ プロパティ ] を選択します。

  5. [ 警告システム ] タブを選択します。[ 緊急時のオペレータ ] に指定するオペレータを選択し、通知方法をチェックしてください (ここでは、新規に「SQL02」オペレータを作成しています) (図 7-52)。

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    図 7-52: 緊急時のオペレータ

  6. [ OK ]ボタンをクリックします。

7-4-5 警告の変更、削除、スクリプトの作成

変更、削除
作成した警告に対する変更作業をおこなう場合には、SQL Server Enterprise Manager で、対象の SQL Server を展開→「管理」→「SQL Server エージェント」→「警告」を選択し、詳細ペインで警告名をダブルクリックして、設定を変更することができます。

緊急時のオペレータを設定した場合には (7-4-4 **「緊急時のオペレータの登録」**を参照)、警告のプロパティの [ 応答 ] タブに、フェールセーフオペレータが追加されます (図 7-53)。

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図 7-53: 追加されたオペレータ

警告のプロパティ [ 全般 ] タブに [ 有効 ] のチェックがついています。これは、この警告が実行されることを意味します。チェックをはずすと、警告の設定はありますが、警告は実行されなくなります。ある期間だけその警告を動作させないようにして、その後、再び動作させることができます。

警告名で右クリックし、[ 削除 ] を選択することにより削除することができます。警告を今後一切使用しない場合には削除をします。今は使用しないが、後で使用する場合には [ 有効 ] のチェックをはずすようにしてください。

警告スクリプトの作成
設定した警告をスクリプトとして保存することができます。スクリプト化した警告を別のサーバーで実行して、警告を作成することなどに利用できます。

  1. SQL Server Enterprise Manager で対象の SQL Server を展開します。

  2. 「管理」→「SQL Server エージェント」を展開します。

  3. 「警告」→詳細ペインの警告名を右クリックし、[ すべてのタスク ][SQL スクリプト生成 ] を選択します (図 7-54)。

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    図 7-54: スクリプトの生成選択

  4. [SQL スクリプトの生成 ] 画面が表示されます (図 7-55)。

    sysad0755

    図 7-55: 警告スクリプトの作成

    1. [ ファイル名 ] の右側にあるボタンをクリックし、スクリプトを保存したいディレクトリとファイル名を入力します (拡張子は指定しなくても結構です)。

    2. [ ファイルフォーマット ] には、出力ファイルのフォーマットを指定します (ここでは、[ インターナショナルテキスト ] をチェック)。

    3. [SQL 生成オプション ] では、SQL スクリプトにしたい設定を選択します (ここでは、全部選択)。

  5. [プレビュー]ボタンをクリックして、作成されるスクリプトの内容を確認します (図 7-56)。

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    図 7-56: 警告スクリプトの確認

  6. 確認後、[ 閉じる ]ボタンをクリックして、[ OK ]ボタンをクリックします。

7-5 マスタサーバーと対象サーバー

1 つのマスタサーバーと複数の対象 (ターゲット) サーバーを設定することによって、ジョブの作成作業をマスタサーバーで集中的におこない、複数のターゲットサーバーでジョブを動作させるような、管理を一本化した構成にすることが可能になります (図 7-57)。

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図 7-57: マスタサーバーと対象サーバー

  1. 対象サーバーは定期的にマスタサーバーに接続して、自分用に定義されたタスクが存在するかを確認します。確認後、いったん切断してジョブを実行します。

  2. ジョブが完了した際に、再接続して完了ステータスを報告します。

マスタサーバーと対象 ( ターゲット ) サーバーの設定
この計画に参加する SQL Server すべてを SQL Server Enterprise Manager に登録してから、以下の設定をおこなってください。

  1. SQL Server Enterprise Manager から、マスタサーバーに設定したい「SQL Server エージェント」を右クリックし、[ マルチサーバーの管理 ][ マスタサーバーの設定 ] を選択します (図 7-58)。

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    図 7-58: マスタサーバーの設定

  2. MSX 設定ウィザードが起動します (図 7-59)。

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    図 7-59: MSX 設定ウィザード

  3. [ 次へ ]ボタンをクリックします。

  4. ['MSXOperator' を作成します ] 画面が表示されます (図 7-60)。ジョブ実行時に通知するオペレータを設定します。マルチサーバー環境下では、このオペレータのみに通知が可能です。

    sysad0760

    図 7-60: MSXOperator の作成

  5. [ 次へ ]ボタンをクリックします。

  6. [ 参加するサーバーの選択 ] 画面が表示されますので、対象サーバーを選択します (図 7-61)。

    [プロパティ]ボタンをクリックし、接続の認証方法を選択できます。
    [サーバーの登録]ボタンをクリックし、SQL Server Enterprise Manager に登録されていない、新たなサーバー登録をすることも可能です。

    sysad0761

    図 7-61: ターゲット (対象) サーバーの選択

  7. [ 次へ ]ボタンをクリックします。

  8. [ 対象サーバーの説明の指定 ] 画面が表示されますので、説明欄に対象サーバーの役割等を記述してください。

  9. [ 次へ ]ボタンをクリックします。

  10. [MSX 設定ウィザードの完了 ] 画面が表示されます。設定に変更がなければ、[ 完了 ]ボタンをクリックします。

  11. 実行の状態が表示されます (図 7-62)。

    sysad0762

    図 7-62: 実行の状態

  12. 指定のサーバーが MSX (マスタサーバー) になったことを伝えるメッセージが表示されますので、[ OK ]ボタンをクリックします。

SQL Server Enterprise Manager では、マスタサーバーと対象サーバーに設定されたそれぞれのサーバーの SQL Server エージェントの右側に、「(MSX)」あるいは「(TSX)」が表示されます。マスタサーバーとなったサーバーでは、マルチサーバージョブの作成が可能になります (図 7-63)。

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図 7-63: マスタサーバーと対象サーバーの確認

7-6 自動化のための便利なツール

7-6-1 バックアップウィザード

バックアップウィザードを使用することで、データベースのバックアップの各設定を簡単に実行することができます。

  1. SQL Server Enterprise Manager を起動します。

  2. 「Microsoft SQL Servers」フォルダの plus を展開→「SQL Server グループ」フォルダの を展開→対象のサーバーを選択します。

  3. [ ツール ] メニュー→ [ ウィザード ] を選択します。

  4. [ ウィザードの選択 ] 画面が表示されます (図 7-33「ウィザードの選択」を参照)。

  5. 「管理」を展開し、「バックアップウィザード」をダブルクリックします。

  6. バックアップウィザードが起動します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  7. バックアップするデータベースを選択します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  8. バックアップの名前と説明を入力します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  9. バックアップの種類 (フル、差分、ログ) を選択します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  10. バックアップデバイスの選択をします (テープ、テンポラリファイル、パーマネントバックアップデバイス)。追加するのか上書きするのかを選択します。バックアップの整合性のチェックもできます。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  11. バックアップセットの確認、有効期限の設定、スケジュールを設定します (SQL Server エージェント起動時、CPU アイドル時、指定日時、定期的のいずれかを選択)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  12. [ 完了 ]ボタンをクリックして設定終了です。

  13. ジョブが作成されたことを伝えるメッセージが表示されますので、 [ OK ]ボタンをクリックします。

設定後の変更は、SQL Server Enterprise Manager のジョブ (マスタサーバー、対象サーバーの設定をした場合には、さらにローカルサーバージョブ内) に登録されますので、設定した名前をダブルクリックして設定を変更してください。

7-6-2 データベース保守計画ウィザード

バックアップウィザードがバックアップのみを設定するのに対して、データベース保守計画ウィザードでは、データベースの領域、配置、およびバックアップに関しての設定をおこなうことが可能です。

  1. SQL Server Enterprise Managerを起動します。

  2. 「Microsoft SQL Servers」フォルダの plus を展開→「SQL Server グループ」フォルダの を展開→対象のサーバーを選択します。

  3. [ ツール ] メニュー→ [ ウィザード ] を選択します。

  4. [ ウィザードの選択 ] 画面が表示されます (図 7-33「ウィザードの選択」を参照)。

  5. 「管理」を展開し、「データベース保守計画ウィザード」をダブルクリックします。

  6. データベース保守計画ウィザードが起動します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  7. ローカルサーバーに対して設定するのか、他のサーバーに対して設定するのかを選択します (マルチサーバー環境の場合)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  8. 設定するデータベース (全データベース、全システムデータベース、全ユーザーデータベース、指定データベース) を選択します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  9. インデックスページの再構成、統計情報の更新、データベース内における未使用領域の削除の実行を指定します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  10. データベースの整合性のチェックを実行するかを指定します。バックアップ前に実行する指定もできます。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  11. データベースのバックアップスケジュールを設定します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  12. データベースのバックアップ場所と、有効期限 (日にちを過ぎた場合には削除) の指定をします。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  13. トランザクションログをバックアップするかを指定します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  14. トランザクションログのバックアップ場所と、有効期限 (日にちを過ぎた場合には削除) の指定をします。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  15. 保守計画の結果内容をレポートとして出力します。オペレータへも通知できます。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  16. 保守計画の実行された履歴の保存場所と大きさを指定します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

  17. [ 完了 ]ボタンをクリックして設定終了です。

  18. 保守計画が作成されたことを伝えるメッセージが表示されますので、 [ OK ]ボタンをクリックします。

設定後の変更は、SQL Server Enterprise Manager のジョブ (マスタサーバー、対象サーバーの設定をした場合には、さらにローカルサーバージョブ内) に登録されますので、設定した名前をダブルクリックして設定を変更してください。

7-6-3 Web アシスタントウィザード

Web アシスタントウィザードを使用することで、簡単にデータベース内のデータを HTML 文書として作成することができます。HTML文書の作成のタイミングは、「1 回のみ」、「定期的」、「データ変更時」がありますので、絶えず最新のHTML文書をWeb上へ提供することが可能となります (図 7-64)。

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図 7-64: Web アシスタントウィザードによるHTML作成

  1. SQL Server Enterprise Manager を起動します。

  2. 「Microsoft SQL Servers」フォルダの plus を展開→「SQL Server グループ」フォルダの を展開→対象のサーバーを選択します。

  3. [ ツール ] メニュー→ [ ウィザード ] を選択します。

  4. [ ウィザードの選択 ] 画面が表示されます (図 7-33「ウィザードの選択」を参照)。

  5. 「管理」を展開→「Web Assistant ウィザード」をダブルクリックします。

  6. Web Assistant ウィザードが起動します (図 7-65)。 ボタンをクリックします。

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    図 7-65: Webアシスタントウィザード

  7. HTML 文書のもととなるデータベースの選択をします (図 7-66)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

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    図 7-66: データベースの選択

  8. ジョブの名前と、公開するデータの選択方法を指定します (図 7-67)。 [ 次へ ]ボタンをクリックします。

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    図 7-67: データの選択方法

  9. 手順 8. で指定した方法で、テーブルと列の選択をします (図 7-68)。 [ 次へ ]ボタンをクリックします。

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    図 7-68: データの選択

  10. 行の選択をします。すべての行、条件に一致する行を指定します。条件に一致する行の場合には、Where 句を記述して選択することもできます (図 7-69)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

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    図 7-69: 条件の指定

  11. スケジュールを指定します (図 7-70)。 [SQL Server のデータ変更時 ] を指定した場合には、次の画面では、どのデータが変更された場合に Web ページを作成するのかを指定します。

    [ 定期的な間隔を指定 ] した場合には、次の画面では、スケジュール設定の画面になります。
    ここでは、定期的な間隔を指定します。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

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    図 7-70: Web ページの作成手段

  12. Web ページ作成のスケジュールをします (図 7-71)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

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    図 7-71: Web ページ作成のスケジュール

  13. Web ページのファイル名を設定します (図 7-72)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。 このページをIISのホームページからハイパーリンクしておけば、SQL Server のテーブルデータを参照することができます。

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    図 7-72: Web ページのファイル名

  14. Web ページの書式の設定をします (図 7-73)。テンプレートを使用して、より見栄えのするページを作成することも可能です。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

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    図 7-73: Web ページの書式設定

  15. タイトルの設定をします (図 7-74)。 ボタンをクリックします。

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    図 7-74: Web ページのタイトル

  16. 表の書式を設定します (図 7-75)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

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    図 7-75: Web ページの表の書式

  17. 作成する Web ページ内にハイパーリンクを追加します (図 7-76)。 [ 次へ ]ボタンをクリックします。URL に IIS のホームページアドレスを指定して、ホームページに戻る設定ができます。

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    図 7-76: Web ページ上のハイパーリンク

  18. データ内の行が多すぎると、縦に延々と長いページができてしまうので、行数を制限することができます (図 7-77)。[ 次へ ]ボタンをクリックします。

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    図 7-77: 行の制限

  19. [Web Assistant ウィザード完了 ] 画面が表示されます (図 7-78)。T-SQL (Transact-SQL) として設定を保存したい場合には、[Transact-SQL をファイルに書き込む]ボタンをクリックして書き込むファイル名を指定します。変更がなければ、[ 完了 ]ボタンをクリックします。

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    図 7-78: Web Assistant ウィザード完了

  20. 作業が完了したことを伝えるメッセージが表示されるので、[ OK ]ボタンをクリックします。

設定後の変更は、SQL Server Enterprise Manager のジョブ (マスタサーバー、対象サーバーの設定をした場合には、さらにローカルサーバージョブ内) に登録されますので、設定した名前をダブルクリックして、設定を変更してください。
[Transact-SQL をファイルに書き込む]ボタンをクリックして設定を T-SQL で保存した場合には、他のサーバーで実行し、設定を作成することができます。
スケジュールによって実行された後、もしくは自分で実行した後、HTML ファイルを参照します (図 7-79)。

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図 7-79: Web ページの確認