Windows RE とは

適用対象: Windows Vista

Windows 回復環境 (Windows RE) は、Windows プレインストール環境 (Windows PE) に基づく拡張可能な回復プラットフォームです。コンピュータの起動に失敗した場合、Windows は自動的にこの環境にフェールオーバーします。次に、Windows RE のスタートアップ修復ツールによって、起動できない Windows Vista® インストールの診断および修復が自動的に行われます。また、各種ツールで手動によるシステム回復を行う場合、Windows RE から開始することができます。このテクノロジの主な対象者は、相手先ブランド供給の製造元 (OEM)、相手先ブランド設計の製造元 (ODM)、および企業の IT 担当者です。

このトピックの内容

  • Windows RE の利点

  • 一般的なシナリオ

  • Windows RE からのイメージ ベースの回復

  • セキュリティに関する考慮事項

  • Windows RE に関連する技術

Windows RE の利点

Windows RE には次のような利点があります。

  • オペレーティング システム インストールが起動しない原因となっている一般的なエラーを自動的に修復することで、最大 80% のサポート コストを削減することができます。

  • カスタマイズされた回復ツールを Windows RE に追加することができます。

  • イメージ回復のためのプラットフォームとして使用できます。

  • Windows PE のツールを通じて大容量記憶装置ドライバと言語パックをサポートします。

  • 自動または手動で実行できます。

  • 診断ログおよび修復ログを提供します。

一般的なシナリオ

エンド ユーザーのシナリオ

ホーム ユーザーが Fabrikam からビデオ カードのドライバをインストールし、コンピュータを再起動します。Windows Vista の再起動中に、そのドライバが原因でコンピュータが予期せず停止し、エラー メッセージがブルー スクリーンに表示されます。コンピュータは自動的に再起動します。コンピュータが起動に失敗したこと、および Windows が修復を試みることを示すメッセージが表示されます。Windows RE で、スタートアップ修復ウィザードによってコンピュータが診断され、システムの復元で問題のあるビデオ カード ドライバを修復する必要があることが決定されます。ユーザーがビデオ カード ドライバの修復を選択すると、コンピュータは修復後に再起動されます。これでコンピュータは再起動され、Windows のログオン画面が表示されます。

システム管理者のシナリオ

エンタープライズのシステム管理者が、起動できないクライアント コンピュータを修復しようとしています。管理者は起動中に F8 キーを押し、コンピュータを Windows RE で起動するように回復環境エントリを選択します。管理者はローカル管理者アカウントを使用してログオンし、使用可能なツールの一覧からボリューム全体の復元アプリケーションを選択します。復元が完了すると、管理者が Windows RE の [リセット] ボタンをクリックし、コンピュータが再起動されます。

サポートされていないシナリオ

ユーザーが、自身のパスワードを入力して Windows ユーザー アカウントでログオンを試みます。しかし、コンピュータに問題が発生してクラッシュし、再起動することになりました。コンピュータは、Windows RE にフェールオーバーせずに Windows Vista を再起動します。ユーザーはログオン画面に戻りますが、Windows Vista のエラーは自動的には修復されません。

Windows RE からのイメージ ベースの回復

Windows インストールをスタートアップ修復またはその他の手動の修復手順で修復できない場合は、Windows RE を使用してイメージ ベースの回復ツールを起動できます。

ユーザー作成の回復イメージ

Windows Vista には、エンド ユーザー向けに、オペレーティング システム全体のバックアップ イメージを作成する機能が用意されています。エンド ユーザーは、バックアップ ツールを使用してこれを実行できます。システム イメージは、外部ハード ディスク、イメージ作成対象以外のハード ディスク パーティション、DVD のいずれかに格納することができます。このシステム イメージを使用してコンピュータを復元するには、Windows RE の手動ツールの一覧から復元インターフェイスを起動する必要があります。

出荷時に作成された回復イメージ

コンピュータを出荷時の状態へ復元しやすくするには、回復イメージを Windows RE パーティションに配置します。これにより、ほとんどの場合は個別のリカバリ メディアが必要なくなります。

Windows イメージ形式が製造工程で使用されている場合は、同じオペレーティング システムのイメージを回復にも使用できます。コンピュータの製造元は、Windows 用のイメージング API および Windows イメージを使用してオペレーティング システム ボリュームを復元することで、アプリケーションを開発することができます。このアプリケーションは、ODM によって提供されるカスタマイズを使用することにより Windows RE のユーザー インターフェイス (UI) から起動できます。

セキュリティに関する考慮事項

Windows RE を操作するときは、次のセキュリティに関する考慮事項に注意してください。

  • Windows RE を、F8 キーを押すことで表示される詳細ブート オプション画面を使用してハード ディスクから起動するときは、ユーザーは認証のためにローカル ユーザー名およびパスワードを入力する必要があります。コマンド プロンプト ウィンドウにアクセスするには、組み込みの管理者アカウントを使用する必要があります。ローカル ユーザーは、システムの復元などのツールや、手動ツールの一覧にあるカスタマイズされた回復アプリケーションにアクセスできます。

  • 既定では、ネットワークは Windows RE ではオフになっています。必要な場合はアプリケーションで動的にネットワークをオンにできますが、ネットワーク接続が必要ないときは無効にすることをお勧めします。

  • Windows RE には、Windows Vista オペレーティング システムにあるセキュリティ インフラストラクチャが含まれていません。このため、製造元やシステム管理者は、Windows Vista が実行されている公共のキオスク コンピュータなど、セキュリティ上の危険が大きいコンピュータのハード ディスクに Windows RE をインストールしないでください。

Windows RE に関連する技術

Windows RE は、次のテクノロジに関連しています。

Windows プレインストール環境 (Windows PE)

Windows プレインストール環境 (Windows PE) は、限られたサービスを提供する最小限の Win32 オペレーティング システムです。Windows RE は Windows PE で構成されます。

ImageX

ImageX は、ファイル ベースの Windows イメージのキャプチャ、変更、および適用を可能にし、すばやい展開を実現するためのコマンド ライン ツールです。Windows RE は、カスタマイズされた Windows PE イメージ (.wim) ファイルです。これを変更するには ImageX を使用します。Windows RE スクリプトも、Windows RE イメージをインストールするために ImageX を使用しなければなりません。

関連項目

コミュニティの追加

追加
表示: