ログをバックアップする (Windows SharePoint Services 3.0)

データ保護のためのシステム全体の戦略に、Windows SharePoint Services 3.0 に関連するデータが記録されているログのバックアップを含める必要があります。このデータは、パフォーマンス分析、トラブルシューティング、およびサービス レベル アグリーメントに準拠しているかどうかの監視に役立ちます。また、法律、規制、またはビジネス上の理由からも、このデータがあると便利です。そのため、日常的な保守の一部としてログをバックアップすることで、このデータを保護します。

以下に示す各種ログには、その種類のログのバックアップの重要性を示すラベルが付いています。そのラベルの意味を以下に示します。

  • [Essential][重要] は、環境に不可欠なデータがログに含まれていることを表します。ディスク エラーなどの問題が生じると、データが失われる可能性があります。

  • [Recommended][推奨] は、トラブルシューティング、運用、法律などに関する要件を満たすうえで、ほとんどの環境で役立つデータがログに含まれていることを表します。

  • [Optional][オプション] は、それぞれの IT ポリシーに応じて保管する必要のあるデータがログに含まれていることを表します。

[重要] トランザクション ログをバックアップする

Microsoft SQL Server 2005 のトランザクション ログには、最後のチェックポイントまたは完全バックアップの後にデータベースに加えられたすべての変更が記録されます。これらのログには、ファームの復元に必要なデータが含まれています。

これらのログは、5 ~ 10 分おきにバックアップし、切り捨てることをお勧めします。トランザクション ログのバックアップには、SQL Server 2005 ツールを使用できます。詳細については、SQL Server 2005 ドキュメントの「トランザクション ログ バックアップの作成」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=124881&clcid=0x411) を参照してください。

SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトまたは Stsadm コマンド ライン ツールのどちらかを使用してファーム、Web アプリケーション、またはデータベースをバックアップすると、トランジション ログも自動的にバックアップされます。Stsadm コマンド ライン ツールの詳細については、「Backup : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

トランザクション ログのサイズがファームのバックアップの所要時間に及ぼす影響

Windows SharePoint Services 3.0 をバックアップする場合、トランザクション ログのサイズによってバックアップ操作にかかる時間は異なります。トランザクション ログには前回のチェックポイントまたは完全バックアップ以降のデータベースに対するすべての変更が記録されるため、時間が経過するにつれてログが非常に大きくなることがあります。トランザクション ログが非常に大きいと、バックアップにかかる時間が非常に長くなることがあります。トランザクション ログが大きくなりすぎないようにする方法については、「SQL Server データベースのトランザクション ログが突然拡張されないようにする方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=111458&clcid=0x411) を参照してください。

完全復旧モデルを使用している場合は、トランザクション ログのバックアップを通じてログを切り捨てることをお勧めします。SQL Server 2005 では、トランザクション ログのバックアップの際に、ログの使用されていない部分が自動的に切り捨てられます。また、トランザクション ログが自動的に拡張されないように、ログのサイズをあらかじめ大きくしておくこともお勧めします。トランザクション ログのサイズ設定の詳細については、「トランザクション ログ ファイルのサイズの管理」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=124882&clcid=0x411) を参照してください。完全復旧モデルの使用の詳細については、「完全復旧モデルでのバックアップ」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=127985&clcid=0x411) を参照してください。単純復旧モデルの使用の詳細については、「単純復旧モデルでのバックアップ」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=127987&clcid=0x411) を参照してください。

トランザクション ログのサイズを手動で縮小したり、Truncate メソッドを使用してログを手動で切り捨てたりすることはお勧めしません。

[推奨] IIS ログをバックアップする

インターネット インフォメーション サービス (IIS) ログには、ユーザー アクティビティに関する情報 (サイトの閲覧者、閲覧者が閲覧したコンテンツ、情報が最後に閲覧された時刻など) が記録されます。このログを使用すると、コンテンツの人気の高さを評価したり、情報のボトルネックを発見したりできます。IIS ログ ファイルのバックアップ方法の詳細については、「ログ ファイルを保存する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=124883&clcid=0x411) を参照してください。

[推奨] SMTP 電子メール ログをバックアップする

簡易メール転送プロトコル (SMTP) の電子メール ログには、ファームに対する電子メールの送受信のトラフィックに関する情報が記録されます。Windows SharePoint Services 3.0 の電子メールの詳細については、「通信を計画する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

SMTP 電子メール ログは、テキスト ファイルとデータベース ログの 2 種類の形で記録できます。テキスト ファイルの場合は、ファイルをバックアップします。データベース ログの場合は、SQL Server 2005 ツールを使用してデータベースをバックアップします。形式と場所に関する情報は、インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャ スナップインで確認できます。SMTP 電子メール ログの詳細については、「プロトコル ログの記録を有効にする (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=124884&clcid=0x411).

注意

組織のセキュリティ ポリシーやその他のポリシーにより、DBA が、ログを含むデータベースをバックアップまたは復元しなければならない場合があります。

(オプション) 利用状況レポートをバックアップする

利用状況の分析を行うと、Web サイトの利用状況を追跡できます。ログ ファイルは、利用状況を追跡するために毎日作成されます。利用状況の分析の詳細については、「利用状況の分析処理を有効にする (Windows SharePoint Services サーバーの全体管理ヘルプ)」を参照してください。

ログ ディレクトリの場所はファームレベルの設定であり、この設定で指定されるディレクトリは、ファーム内のすべてのサーバーに存在する必要があります。

重要

次の手順を完了するには、SharePoint のファーム管理者グループのメンバである必要があります。

利用状況レポートをバックアップする

  1. SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトの [サーバー構成の管理] ページで、[ログおよびレポートの作成] セクションの [利用状況の分析処理] をクリックします。

  2. [利用状況の詳細な分析処理の構成] ページで、[ログ ファイルの場所] テキスト ボックスにファイルの場所を記録します。

  3. ファイルやディレクトリを安全な場所にコピーできます。

(オプション) 診断ログをバックアップする

診断ログには、ファームの運用に関する情報が詳細に記録されます。記録される詳細の度合いを構成できます。診断ログ設定の構成方法については、Windows SharePoint Services 3.0 サーバーの全体管理ヘルプの「診断ログ設定を構成する (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

診断ログをバックアップする

  1. SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトの [サーバー構成の管理] ページで、[ログおよびレポートの作成] セクションの [診断ログ] をクリックします。

  2. [診断ログ] ページの [トレース ログ] セクションで、[パス] テキスト ボックスにファイルの場所を記録します。

  3. ファイルやディレクトリを安全な場所にコピーできます。

(オプション) Windows イベント ログをバックアップする

Windows イベント ログは、システム、システム コンポーネント、およびアプリケーションがイベントを記録するために使用する一連のイベント ログを提供します。これらのログには、サーバーの運用、ファーム、および関連技術に関する詳細情報が含まれます。ログをアーカイブして、この情報を保存できます。これらのログをアーカイブする方法の詳細については、Windows Server 2003 ヘルプ コレクションの「イベント ログを保存する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=127989&clcid=0x411) を参照してください。

関連項目

概念

利用状況の分析処理を有効にする (Windows SharePoint Services サーバーの全体管理ヘルプ)
診断ログ設定を構成する (Windows SharePoint Services)
コンテンツの保護と復旧 (Windows SharePoint Services 3.0)