Subsystem for Unix Application (SUA)

UNIX ベース アプリケーション用サブシステム (SUA) は、Microsoft® Windows® のサーバー クラスのオペレーティング システムを実行しているコンピュータで、カスタム UNIX ベース アプリケーションをコンパイルおよび実行するためのソース互換性サブシステムです。元のソース コードをほとんど変更することなく (あるいはまったく変更することなく)、UNIX アプリケーションを SUA で Windows と完全に相互運用可能です。

UNIX ベース アプリケーション用サブシステムは、POSIX (Portable Operating System Interface) プロセス用のオペレーティング システムを提供します。SUA は、こちらからダウンロードできるサポート ユーティリティ (シェルや Telnet クライアントなど) のパッケージと共に使用することで、完全な UNIX 環境を提供します。ダウンロード パッケージには、包括的なスクリプト ユーティリティのセットと、ソフトウェア開発キット (SDK) が含まれます。この SDK は、SUA の開発機能を完全にサポートし、UNIX ベース アプリケーションの完全な開発環境を提供するように設計されています。

SUA では、大文字と小文字を区別したファイル名、ジョブ制御、コンパイル ツール、および 300 を超える UNIX コマンド、ユーティリティ、シェル スクリプトの使用もサポートされています。サブシステムは Windows カーネルとは別にインストールされるため、エミュレーションではなく本当の UNIX の機能を提供します。

本サイトでは本リリースの Subsystem for Unix Application の新機能、およびインストールの方法を紹介します。より詳細をお求めの場合はこちらのサイト、またはヘルプとサポートをご確認ください。

トピック

SUA の機能
UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのインストール
UNIX ベース アプリケーション用サブシステムを使用したコンピューティング環境
UNIX ベース アプリケーション用サブシステムを使用したアプリケーションのポート
その他の関連情報

SUA の機能

本 UNIX ベース アプリケーション用サブシステムには、次のような新機能があります。

  • データベース (OCI/ODBC) ライブラリの接続性 SUA は、OCI (Oracle 呼び出しインターフェイス) および ODBC (Open Database Connectivity) 標準を使用して、データベース アプリケーションから Oracle および SQL Server への接続をサポートします。

  • POSIX アプリケーションをデバッグするための Microsoft Visual Studio® デバッガ拡張機能 SUA には、Visual Studio 統合開発環境 (IDE) を使用した POSIX プロセスのデバッグのサポートが含まれています。

  • SVR-5 および BSD UNIX 環境に基づくユーティリティ SUA ダウンロード パッケージは、SVR-5 と BSD の 2 つの異なる UNIX 環境をサポートしています。

  • 64 ビット アプリケーションのサ ポート SUA は、サンクと呼ばれるプロセスを使用して、64 ビット オペレーティング システムでの 64 ビット アプリケーションの実行だけでなく、64 ビット オペレーティング システムでの 32 ビット バイナリの実行も既定でサポートしています。

詳細およびスクリプト ユーティリティと SDK のダウンロードについては、こちらを参照してください。

UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのインストール

UNIX ベース アプリケーション用サブシステム (SUA) は、Microsoft® Windows Server® コード名 "Longhorn" および Windows Vista™ に含まれる機能の 1 つです。以下の手順は Windows Vista のみに適用されます。

※ UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティとソフトウェア開発キット (SUA のユーティリティと SDK) のダウンロード パッケージがコンピュータにインストールされていないと、UNIX ベースのスクリプトや UNIX ベースのカスタム アプリケーションを実行したり変更したりすることはできません。SUA のユーティリティと SDK のパッケージは、こちらからダウンロードできます。

UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのインストール方法

UNIX ベース アプリケーション用サブシステムは、Windows Vista インターフェイスまたはコマンド プロンプトのいずれかを使用してインストールできます。コンピュータに SUA をインストールするには、次の手順を実行します。

  • Windows のインターフェイスを使用する

    1. [スタート] ボタン、[コントロール パネル] の順にクリックします。

    2. [コントロール パネル] ウィンドウで、[プログラム] をクリックします。

    3. [プログラムと機能] の [Windows の機能を有効または無効にします] をクリックします。

    4. [ユーザー アカウント制御] ダイアログ ボックスが表示されたら、[続行] をクリックします。表示されない場合は、次の手順に進みます。

    5. [Windows の機能] ダイアログ ボックスで、[UNIX ベース アプリケーション用サブシステム] チェック ボックスをオンにします。[OK] をクリックします。

    6. 機能の追加ウィザードの [機能の選択] ページで、[UNIX ベース アプリケーション用サブシステム] チェック ボックスをオンにします。

    インストールの完了には数分かかる場合があります。

  • コマンド ラインを使用する

    1. コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。コマンド プロンプト ウィンドウを開くには、[スタート] ボタンをクリックし、[検索の開始] ボックスをクリックして「cmd」と入力し、Enter キーを押します。

      [スタート] メニューに [コマンド プロンプト] ショートカットがある場合もあります。

    2. %windir%\system32 ディレクトリに移動します。

      例 : 現在のディレクトリが **C:\Documents and Settings\**user_name の場合、
      cd ..\..\Windows」と入力して C:\Windows ディレクトリに移動します。

    3. 次のコマンドを入力します。

      start /w pkgmgr /iu:SUA

    4. [ユーザー アカウント制御] ダイアログ ボックスが表示されたら、[続行] をクリックします。

      コマンド ウィンドウの新しい行に %windir%\system32 プロンプトが表示されたら、インストールは完了です。

UNIX ベース アプリケーション用サブシステムを使用したコンピューティング環境

SUA を実行しているコンピュータには、2 つの異なるコマンド ライン環境があります。UNIX 環境と Windows 環境です。アプリケーションは特定のサブシステムの特定の環境で実行されます。SUA をロードする場合は UNIX 環境を使用し、Windows サブシステムでアプリケーションを実行する場合は Windows 環境を使用します。

たとえば、SUA のユーティリティと SDK のダウンロード パッケージに付属している Korn シェルや C シェル、または SUA で実行されるようにコンパイルされたその他のアプリケーションを使用する場合は、UNIX 環境を使用します。UNIX 環境の特徴の 1 つに、ファイル名の大文字小文字が区別され、パス名に /usr/examples という形式が使用されることがあります。SUA で利用できるコマンドおよびユーティリティの詳細については、SUA のユーティリティと SDK のダウンロード パッケージに付属しているヘルプ ファイルを参照してください。このダウンロード パッケージは、こちらから入手できます。

コマンド プロセッサ cmd.exe を使用する場合は、Windows 環境を使用します。この環境では、ファイル名の大文字小文字が区別されず、パス名には C:\SUA\usr\examples のようにドライブ文字が含まれます。SUA および Windows でのパス名の詳細については、SUA のユーティリティと SDK のダウンロード パッケージに付属しているヘルプ ファイルを参照してください。

UNIX ベース アプリケーション用サブシステムを使用したアプリケーションのポート

UNIX ベース アプリケーション用サブシステムでは、Windows ベースのコンピュータで実行するアプリケーションをポートするためのツールおよびアプリケーション プログラミング インターフェイス (API) ライブラリの両方が提供されます。Microsoft Visual C++® 開発システムのフロント エンドを提供するソフトウェア開発キット (SDK) を使用すると、開発用の UNIX 環境が得られると共に Windows 用のネイティブ コンパイラも利用できます。SUA および Windows でのパス名の詳細については、SUA のユーティリティと SDK のダウンロード パッケージに付属しているヘルプ ファイルを参照してください。

その他の関連情報

SUA 関するその他の情報をお求めの場合は、こちらのサイト、またはヘルプとサポートをご確認ください。