モバイル PC ユーザーの支援 : Windows XP Professional および Office XP の財務面での利益

2002 年 12 月

概要

このレポートは、29 の組織において、Microsoft Windows XP Professional および Microsoft Office XP を使用することにより、モバイル ワーカーの生産性を向上させ、IT 部門の管理効率を向上させる、費用対効果の高いモバイル コンピューティングをどのように実現したかについて説明しています。主な結論として、組織において次のようなことを実現できます。

  • モバイル PC ユーザーを支援し、仕事をする場所に関係なく作業の生産性を向上させることができます。

  • IT 部門は、信頼性が高く、安全なモバイル クライアント環境を提供および運用するコストを削減できます。

  • Windows XP Tablet PC Edition オペレーティング システムを実行する Tablet PC を使用することによって、機動性が高く、特別な目的を持つインフォメーション ワーカーの効率性および生産性をさらに向上させることができます。

このレポートで使用されている証拠は、マイクロソフトが実施したビジネス面での価値に関する調査の結果と、これらの製品を実際に使用した顧客のケーススタディの結果に基づいています。このレポートに示されている調査結果は BearingPoint, Inc. によるものです。

このレポートは、組織の IT 投資に関係し、その意思決定を行い、組織の労働力の生産性向上に関心を持つ業種、財務、および IT 部門の責任者を対象として作成されました。

トピック

要旨
はじめに
モバイル ユーザーの生産性向上の支援
より効率的なコラボレーションとコミュニケーションの実現
安全で信頼性の高いモバイル IT サービスの提供を支援
結論
詳細情報
著者
付録 A : このレポートについて
付録 B : Windows XP Tablet PC Edition の財務面での価値

要旨

このレポートは、Microsoft Windows XP Professional と Microsoft Office XP の機能によって、組織が組織内のモバイル PC ユーザーの生産性を向上させ、ノートパソコンの運用コストを削減できることを示しています。

マイクロソフトの 9 つの企業顧客を対象に、マイクロソフトが実施し、BearingPoint, Inc. が評価したビジネス面での価値に関する主な研究結果によると、ノートパソコンにWindows XP Professional および Office XP を展開している組織では次のような利点があることが確認されました。

  • デスクトップの稼動時間の増加、ネットワークリソースへの迅速なアクセス、同僚や顧客とのより効率的なコラボレーションとコミュニケーションによって、ユーザー 1 人あたり年間平均 259 ドルに相当するエンドユーザーの生産性向上が実現されます。[1]

  • 運用や管理の支出が減少したことにより、IT コストにおいて、ノートパソコン1 台あたり平均 387 ドルの節約が達成されます。[1]

  • モバイル PC 1 台あたり、平均 355 ドルの展開コストによって、投資回収期間が 8 か月にまで短縮されます。[1]

表 1 は、機動性やコラボレーション、およびコミュニケーションの利点に関連する主な調査結果と、ユーザーまたは PC ごとに節約できる時間と費用をまとめたものです。

Benefit Scenarios

ビジネスまたは IT 面での利点

価値

モバイルユーザーの稼動時間を増加させることにより、ユーザーの生産性が向上します。
Windows XP Professional のセキュリティや信頼性、および電源管理機能の強化によって、モバイルワーカーが外出中に遭遇しやすいコンピュータ関連の遅延や作業の中断による時間の喪失を削減できます。

ホットドッキングによって、ノートパソコンのドッキングやドッキング解除の後の再起動を待つ時間がなくなります。

ユーザー 1 人あたり年間457 ドル [1]

高い信頼性と安定性によってシステムの可用性が向上し、ユーザーの稼動時間が増加します。

ユーザー 1 人あたり年間46 ドル [1]

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ワイヤレス接続サポートの向上により、医療従事者が患者の看護データの検索や入力にかける時間が短縮されます。

ユーザー 1 人あたり年間800 ドル

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インフォメーションワーカーの効率的なコラボレーションを可能にし、面談や長距離の出張の必要性がなくなります。
Microsoft SharePoint" Team Services、Office XP オーサリングツール、および Tablet PC を使用することによって、コラボレーションとコミュニケーションを効率化できます。

Office XP オーサリングツールを活用したチームコラボレーションによって、ドキュメントの編集や検索にかかる時間が 50% 短縮されます。

ユーザー 1 人あたり年間410 ドル

航空宇宙関連のメーカーは、2,500 人のモバイル技術者が出張および社外での会議にかける時間の 10% を削減することができ、ユーザー 1 人あたり年間およそ 30 時間を節約できました。

ユーザー 1 人あたり年間1,950 ドル

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モバイル IT サービスの TCO を削減します。
Windows XP Professional と Office XP で強化で得たセキュリティや信頼性、およびヘルプサービスを使用して、モバイルおよびリモートユーザーに、これまでよりも少ない時間と作業で IT サービスを提供できます。

IntelliMirror やグループポリシーなどの運用および管理ツールの向上によって、TCO が削減されます。

ノートパソコン1 台あたり387 ドル [1]

Zero Configuration Wireless は、モバイルユーザーからのヘルプデスクへの問い合わせを減らし、IT サポートコストの削減に役立ちます。

ユーザー 1 人あたり年間68 ドル [1]

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オペレーティングシステムの信頼性の向上により、IT サポート部門への問い合わせとコストが削減されます。

PC 1 台あたり年間46 ドル [1]

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1 Windows XP Professional Office XP によるモバイルコンピューティングの利点

これらの利点は、以前のバージョンの Windows クライアントオペレーティングシステムを実行するモバイル PC で Windows XP Professional および Office XP にアップグレードした場合の生産性の向上を表しています。Windows 9x および Windows NTョ Workstation バージョン4.0 がインストールされたモバイル PC を使用している組織では、Windows 2000 Professional を実行するモバイル PC を使用していた組織よりも大きな利益が得られます。[1]

また、Microsoft Tablet PC Rapid Adoption Program (RAP) に参加していた 5 つの企業を対象にマイクロソフトが実施し、Gartner Measurement が評価したビジネス面での価値に関する研究結果は、Windows XP Tablet PC Edition オペレーティングシステムと Office XP Pack for Tablet PC を実行する Tablet PC が、新しい状況で、新しい方法で PC を使用することによる財務面での新しい価値を実現したことを裏付けています。

Tablet PC の軽量でポータブルなフォームファクタおよびユーザーを支援するユニークなデジタルペンとインクベースのコンピューティング機能の利点を活用しているこれらの組織では、紙に手書きされたメモや図に含まれる情報を転記、検索、および共有するためにかかる時間を、年間で平均 147 時間節約できます。この時間の節約は、ユーザー 1 人あたり年間 9,525 ドルにも相当します。 [2]

推奨事項

どのような組織でも、インフォメーションワーカーの機動性とコラボレーションに関連する IT サービスを向上させることによって、インフォメーションワーカーの生産性を最適化することができます。

  • モバイルインフォメーションワーカーの外出時間が長い場合は、その主要なモバイル PC プラットフォームを、 Windows XP Professional Office XP にアップグレードします。

    Windows XP Professional のセキュリティ機能やモバイルサポート、および接続機能によって、IT 技術者が費用対効果の高いソリューションを提供できるようになるという大きな利点をもたらします。実現される生産性の利益および IT コストの削減の効果は、Windows 9x および Windows NT 4.0 のユーザーについてより明確になります。

  • ワイヤレス接続やリアルタイムコミュニケーション、エンドユーザーのコラボレーションが重要であり、モバイルインフォメーションワーカーのノートパソコンが Windows 2000 Professional の場合は、 Windows XP Professional にアップグレードします。

    このような組織では、新しいハードウェアに Windows XP Professional を搭載していくことによってクライアント管理プロセスが現在使用しているものと同じであるため、機動性やアプリケーションとの互換性およびサポート性が向上し、その恩恵が大きくなっていきます。

  • インフォメーションワーカーがコラボレーション作業に多くの時間を費やしている場合は、 Windows XP Professional へのアップグレードと同時に、現在の個人用の生産性業種ソフトウェアを Office XP にアップグレードします。

  • 外出の多いユーザーや社内で席を離れていることが多いユーザーなど、典型的なモバイルインフォメーションワーカーには、ハードウェアの更新サイクルを早めて Tablet PC を展開します。

  • 特化された業界または企業独自の業種アプリケーションのユーザーには、ハードウェア更新サイクルの状態には関係なく、次に可能な機会に Tablet PC にアップグレードするか、 Tablet PC を供与します。

はじめに

このレポートは、Microsoft Windows XP Professional および Microsoft Office XP がインストールされたノートパソコンまたはWindows XP Tablet PC Edition および Office XP Pack for Tablet PCを実行する Tablet PC を展開するビジネス事例を、組織で検証できるようにすることを目的としています。

このレポートでは、作業する場所に関係なく、モバイル PC ユーザーの生産性が向上することによる財務面での利益が示されています。これらの利益は、信頼性と費用対効果の高いモバイル接続と、効果的なコラボレーションおよびコミュニケーションツールによって実現されます。

このレポートに示されているビジネス面での価値は、以前のバージョンの Windows クライアントオペレーティングシステムから Windows XP Professional に、また以前のバージョンの Office アプリケーションから Office XP に移行した場合の利益を示しています。Windows 2000 Professional 以前の Windows クライアントオペレーティングシステムおよび Office 2000 以前の Office アプリケーションを使用していた組織では、さらに利益が大きくなります。

これらの利益は、マイクロソフトの 9 つの企業顧客の事業所で、マイクロソフトが実施したビジネス面での価値に関する分析で明らかになったものです。これらの調査は、Microsoft Rapid Economic Justification (REJ) フレームワークに基づいています。BearingPoint, Inc. [3] は、このレポートに示されているビジネス面での価値の分析結果を評価しました。このレポートで使用されている評価方法の詳細については、付録 A「このレポートについて」を参照してください。

Tablet PC RAP 参加企業が得た財務面での価値の詳細な内容については、「モバイルユーザーの生産性向上の支援」および付録B「Windows XP Tablet PC Edition の財務面での価値」を参照してください。Tablet PC の機動性やコラボレーションによる利益、Tablet PC RAP の詳細については、マイクロソフトのホワイトペーパー 『Empowering Information Workers : The Financial Benefits of Windows XP Tablet PC Edition』 を参照してください。このホワイトペーパーは https://www.microsoft.com/japan/windowsxp/tabletpc/default.mspx で入手できます。

このレポートに示されている顧客の声やエンドユーザーの導入の結果はすべて、完全なケーススタディとして参照できます。これらのケーススタディは https://www.microsoft.com/resources/casestudies/ (英語) で入手できます。

モバイル ユーザーの生産性向上の支援

モバイル IT サービスは、多くの組織において、競争上の優位性を保つための重要な要素となりつつあります。このサービスが重要になるにつれて、モバイルユーザーの生産性向上を支援することの財務面での価値も増してきました。

この章では、Windows XP Professional と Office XP が、29 の企業、官公庁、および教育機関において、ユーザーが席から離れていたり、外出しているときの作業の生産性向上にどのように役立っているかを説明します。ビジネス面での価値の調査は、これらの 29 の組織のうちの 9 つの組織で実施されました。

モバイル PC ユーザーは均質なグループではありません。4 つの異なるモバイル PC ユーザーグループでは、ノートパソコンの使用パターンが異なり、個人および組織の生産性を向上させるための方法も異なってきます。

  • 外出の多いユーザー

    営業マネージャやコンサルタントなど、外出が多く、生産性を維持するために企業ネットワークリソースや電子メールへのアクセスを必要とするユーザーです。

  • 社内を移動することが多いユーザー

    組織の施設内で作業しますが、1 日の大半を席から離れて過ごすユーザーです。

  • 在宅勤務者

    パートタイムまたはフルタイムで自宅から仕事をするユーザーで、直接ネットワークリソースにアクセスするか、インターネット経由の仮想プライベートネットワーク (VPN) を使用します。

  • 垂直型アプリケーションユーザー

    職務が企業や業界に固有のビジネスプロセスの一部である機能タスクを伴うユーザーです。

このレポートで紹介している組織では、モバイルユーザーの生産性を向上させるために、次のような IT 戦略を使用しています。

  • 強力で、セキュリティで保護され、信頼性の高いモバイルクライアントを提供する。

  • ネットワークリソースへの継続的なアクセスを提供する。

  • 個人データおよびコンピュータの設定への簡単なアクセスを実現する。

  • 新しい状況にモバイル PC の使用を拡大する。

表 2 は、Windows XP Professional と Office XP を使用することによってモバイルユーザーが達成できる生産性向上の利益をまとめたものです。

ビジネスの目標

実現するための技術

モバイルコンピューティングとコラボレーションの利益

パワフルかつセキュリティで保護され、信頼性の高いモバイルクライアントを提供する。

32 ビットアーキテクチャ、アプリケーションとデバイスの互換性、およびバージョンサポート

17 の組織において、デスクトップの信頼性の向上により、エンドユーザーの生産性が向上し、IT サポートコストが削減されました。その結果、モバイルノートパソコン1 台あたり年間平均 92 ドルの利益が得られました。 [1]

Windows ファイル保護、デバイスドライバのロールバック、システムの復元、およびDLL の保護

ある金融サービス会社では、DLL の競合やプリンタドライバの非互換性による遅延、アプリケーションの停止からの回復にかかる時間を削減できました。その結果、ユーザー 1 人あたり年間 68 時間が節約され、PC 1 台あたりにすると年間 637 ドル、ユーザー 1 人あたりにすると年間 2,024 ドルに相当する利益が得られました

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ホットドッキング

6 つの組織において、ドッキングおよびドッキング解除後のノートパソコンの再起動による遅延がなくなりました。その結果、ユーザー 1 人あたり平均 457 ドルの利益が得られました。 [1]

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休止/スタンバイモード

ある世界的な製薬会社では、モバイルインフォメーションワーカーがドッキングおよびドッキング解除後に PC を再起動することによる遅延がなくなりました。その結果、ユーザー 1 人あたり年間 34 時間が削減され、ユーザー 1 人あたり 2,356 ドルに相当する利益が得られました

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ネットワークリソースへの継続的なアクセスを提供する。

ワイヤレス接続のサポート

医療従事者が患者の看護データを検索および入力する時間が少なくなりました。その結果、ユーザー 1 人あたり年間 800 ドルに相当する利益が得られました

Zero Configuration Wireless

あるハイテク製造企業では、営業担当者は時間のかかる構成作業をする必要がなくなりました。その結果、ユーザー 1 人あたり年間 14 時間の非生産的な時間が削減され、ユーザー 1 人あたり 966 ドルに相当する利益が得られました。さらに、営業以外のインフォメーションワーカーについては、ワイヤレスの構成作業が不要になることにより、ユーザー 1 人あたり年間 3,243 ドルが節約されました

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ネットワークデータおよびリソースへのリモートアクセスを容易にする。

同期マネージャおよびオフラインファイルとオフラインフォルダ

ある世界的な製薬会社では、データやファイルをリモートから同期することにより、モバイルユーザー 1 人あたり年間 2,356 ドルに相当する時間が節約されました

新しい作業環境や新しい垂直型使用へのモバイル PC の使用を拡大する。

Windows XP Tablet PC Edition と Office XP Pack for Tablet PCを実行するTablet PC

5 つの企業において、情報のキャプチャや整理、検索の効率性が向上し、ドキュメントへの注釈の付加や校正が迅速に行えるようになりました。その結果、インフォメーションワーカー 1 人あたり年間平均 147 時間が節約され、インフォメーションワーカー 1 人あたり平均 9,526 ドルに相当する利益が得られました。 [2]

ワイヤレス作業環境で特定の垂直型業種アプリケーションと共にデジタルインクを使用している 2 つの企業では、監視、調査、および管理にかかる時間をユーザー 1 人あたり年間平均 68 時間節約され、ユーザー 1 人あたり年間 4,278 ドルに相当する利益が得られました。 [2]

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2 Windows XP Office XP の生産性向上による利益

強力で、セキュリティで保護され、信頼性の高いモバイル クライアント

上で紹介した組織では、Windows XP Professional を使用して、PC ユーザーが外出先でノートパソコンを使用する際に作業が中断する原因の多くを除去または削減しました。Windows XP Professional は、以前のバージョンの Windows クライアントに比べて、セキュリティが強化され、信頼性の高いデスクトップであると共に、ノートパソコンの管理が容易になり、個人データやコンピュータの設定に容易にアクセスでき、またアプリケーションおよびデバイスの互換性が向上しています。たとえば、ホットドッキング機能だけでも、6 つの企業において、ユーザー 1 人あたり年間平均 457 ドルの節約につながっています。 [1]

信頼性向上によるユーザーの稼動時間の増加

全国規模のある金融サービス会社では、Windows XP Professional へのアップグレードによって、毎年、信頼性に関連するサービスの中断から回復するための時間を削減することができました。DLL の競合、プリンタドライバの非互換性による遅延、アプリケーションの停止を事実上回避することによって、モバイルインフォメーションワーカーがデスクトップの信頼性の問題によって失う時間は、ユーザー 1 人あたり年間 75 時間から 7 時間に削減されました。この91% の削減は、PC 1 台あたり年間 637 ドル、ユーザー 1 人あたり年間 2,024 ドルに相当します。

ホットドッキングによる継続的な作業の実現

Windows XP Professional には、コンピュータの再起動や再構成によるモバイル PC ユーザーの作業の中断を回避する機能がいくつか用意されています。ホットドッキングによって、モバイル PC ユーザーがハードウェア構成を変更したり、モバイル PC を再起動したりするときの時間を節約できます。ノートパソコンユーザーは、ノートパソコンのシャットダウンや再起動を行わずに、ノートパソコンをドッキングステーションに挿入したり、取り外したりすることができます。

6 つの組織では、ホットドッキングを使用することによって、ノートパソコンの再起動による遅延がなくなり、ノートパソコンユーザー 1 人あたり年間平均 457 ドルが節約されました。ある大手メーカーでは、40,000 台のノートパソコンをWindows NT Workstation バージョン 4.0 から Windows XP Professional にアップグレードすることによって、ユーザー 1 人あたり年間 36 時間が節約され、ノートパソコンユーザー 1 人あたり年間およそ 600 ドルが節約されました。

強化された電源管理による作業可能時間の延長

多くの組織で、ノートパソコンのバッテリ寿命を長くすることが、モバイルユーザーの作業効率の向上に不可欠であると考えられていました。Windows XP Professional には、バッテリ寿命を延長し、一般的にノートパソコンの稼動状態を向上させる多くの電源管理機能が用意されています。

たとえば、高度な電源管理機能は、CPU の状態を細かく監視し、PC の電源消費を抑えることによって、有効なバッテリ寿命を伸ばします。休止モードとサスペンドモードによって、ユーザーは移動時にはノートパソコンをスリープモードにし、再起動せずに作業を再開できます。休止モードでは、設定した間隔でメモリの内容をディスクに保存し、電源をシャットダウンすることによって、バッテリ寿命が最適化され、ユーザーは PC が休止モードから復帰したらすぐに作業を再開できます。

ある世界的な製薬会社では、約 20,000 人のモバイルユーザーがこの機能を使用して、移動中や会議中に再起動の待ち時間によって失われていた生産性を回復することができました。シャットダウンが不要なドッキングとドッキング解除を有効にすることによって、休止/スタンバイモードは再起動に関連する遅延による作業の中断が少なくなりました。その結果、この企業の各インフォメーションワーカーは、1 週間に平均 45 分、つまり、ユーザー 1 人あたり年間 34.5 時間の時間を節約でき、これはユーザー 1 人あたり年間 2,356 ドルに相当します。

別の例として、航空宇宙および防衛関連企業 Rockwell Collins のプログラムマネージャである Mike Heater 氏は、次のように述べています。「ノートパソコンユーザーについては、電源管理が大幅に向上しており、Windows XP Professional は Windows 95 よりもずっと安定しているので、停止時間が短縮され、生産性が向上し、ユーザーが快適に作業できるようになりました。個人的には、ダイヤルアップ環境でのパフォーマンスと信頼性が Windows 95 に比べると大きく向上しており、マルチタスク機能が向上したことにより、同時に複数のアプリケーションを実行してシームレスに作業できるようになったと感じています。」

ネットワーク リソースへのユビキタスアクセスによる生産性の向上

モバイルコンピューティングに対する投資の回収を拡大しようとする組織では、モバイル接続のユーザー数と接続時間を増やす新しい方法を摸索することに大きな関心を示しています。802.1x ワイヤレスのサポートによって接続オプションを拡大することと、必要なときにネットワーク情報およびコミュニケーションへのリモートアクセスを提供することの 2 つは、前述の組織が Windows XP Professional を使用してモバイル PC ユーザーにネットワークの情報およびリソースへの継続的なアクセスを提供するために使用した方法です。

EDS の最高情報責任者であるTerry Milholland 氏は、Windows XP Professional の追加および強化されたモバイル機能によって企業内の価値が向上したと考えています。Terry Milholland 氏は次のようにコメントしています。「Windows XP Professional はモバイルユーザーのニーズに合わせて設計されており、有線ネットワークやワイヤレスネットワーク経由で接続している場合にも、ダイヤルアップ、DSL、またはブロードバンドリンク経由で接続している場合にも対応しています。EDS にとってこのことは、ユーザーがホテル、自宅、またはオフィスのどこにいる場合でも、接続エクスペリエンスが変わらない標準的なサービスを構築できることを意味します。アプリケーションやデータに、いつでも、どこからでもアクセスできるようにすることによって、Windows XP Professional は行わなければならない作業の時間を増やし、接続する場所に関係する作業の時間を短縮します。」

簡素化されたワイヤレス接続によるユーザーの作業効率の向上

このレポートで紹介している組織の多くは、それぞれの施設においてワイヤレスローカルエリアネットワーク (WLAN) を既に設置しているか、または計画中です。このような組織では、いくつかの方法でワイヤレス接続を使用しています。

  • 席を離れていることが多いユーザーは、ネットワークリソースに接続したまま、社内のある場所から別の場所に移動できます。

  • 外出の多いユーザーは、企業ネットワークへの容易なアクセス、および空港、コンファレンスセンター、喫茶店などのオフィス以外の公共の場所でのワイヤレスローミングによって、常にインターネットや電子メールに接続できます。

  • 垂直型アプリケーションユーザーは、ワイヤレスサポートを搭載した Tablet PC を使用して、職場を自由に動き回ることができます。

Gartner Inc. および Sage Research Inc. では、モバイルユーザーはワイヤレスネットワークによる生産性の向上により、1 週間あたり 8 ~ 12.5 時間を節約できると予測しています。Sage Research Inc. が実施した 2001 年の調査では、それぞれの組織のモバイルユーザーは、社内環境でワイヤレスネットワークを使用した場合、組織のモバイルユーザーの生産的な時間が 1 週間あたり最大 8 時間増えると予測していました。時給が 50 ドルで、年間の稼動週数が 49 週であるとすると、この戦略は、ワイヤレスノートパソコンユーザー 1 人あたり、年間 19,600 ドルの潜在的な利益に相当します。

Gartner Inc. による 2001 年の調査は、ワイヤレスネットワークによる利益はさらに大きいことを示しています。Gartner では、モバイルワイヤレスユーザーの生産性向上による時間の節約は、1 週間あたり 12.5 時間であり、年間では 24,960 ドルに相当すると予測しています。

Zero Configuration Wireless -Zero Configuration Wireless (ZCW) は Windows XP Professional の自動構成機能であり、ノートパソコンユーザーは、場所を移動してもノートパソコンや Tablet PC を再構成したり、ワイヤレス構成を設定するためにヘルプデスクのサポートを探したりすることなく、ワイヤレスネットワーク間を移動することができます。2 つの企業の IT 部門のメンバへの聞き取り調査によると、ZCW を使用する組織では、ノートパソコン1 台あたりの年間の IT サポートコストの節約は平均 68 ドル、ユーザーの生産性の向上によるユーザー 1 人あたりの節約は年間 830 ドルになると予測しています。7 ZCW の使いやすさと低コストにより、企業環境でのワイヤレスコンピューティングは実用的なものになります。

全国的な家庭医療サービス提供企業は、特にワイヤレス技術の恩恵を受けやすい企業でした。この企業では、1 日のうちの平均 3 ~ 4 時間を患者の看護記録の記入に費やしているモバイルホームヘルパーが、Windows XP Professional を実行するワイヤレスノートパソコンを使用できると考えました。データをモバイル PC 上の電子フォームに直接入力することによって、ヘルパーは患者の看護データを紙の用紙から電子フォーマットに転記する必要がなくなります。この結果、この企業では、ヘルパーが管理作業にかける時間を短縮し、平均的な訪問看護において、1 日あたり 30 分多く患者を看護できると見込んでいます。ワイヤレス接続によって、患者記録を直ちにダウンロードしたり、患者の看護データを迅速にアップロードしたりできます。各ヘルパーがこの管理作業について節約された時間の 20% しか使用していないと仮定して、この企業では、各ノートパソコンユーザーの利益は、ユーザー 1 人あたり年間 800 ドルに達すると予測しています。

この医療サービス会社の技術サービス部門のディレクタは次のように述べています。「看護師が事務作業をしていたり、クリップボードに書き込んだり、後でメールまたはファックス送信する必要がある用紙に記入しているのを見れば、その看護師がモバイルワイヤレスデジタルデバイスを活用しているところを想像するのはとても簡単です。Windows XP Professional は、現在、そのビジョンを実現するための最善の戦略を提供してくれます。Windows XP Professional によって、ワイヤレスアプローチを採用することができます。」

また、Zero Configuration Wireless によって、あるハイテクメーカーの 1,900 人の営業担当者は、外出中の仕事の生産性を向上させることができました。この企業では、ZCW によって移動するユーザーがノード間を移動したときに時間のかかる構成作業を行わずに済むようにすることと、空港やホテルなど、通常 WLAN 接続ができない場所でモバイルユーザーにネットワークアクセスを提供することによって、各営業担当者は年間で最大 14 時間の労働時間を節約することができます。これは、約 2% の効率の向上であり、営業担当者 1 人あたり年間 966 ドルの利益に相当します。

この企業は、また、3 年間で、新しく 16,000 人の営業以外の従業員がワイヤレスサポートを手に入れるだろうと予測しています。そのときには、外出時や会議室でのミーティングにZCW を使用することによって、ユーザーは時間のかかる構成作業を回避できるようになるだろうと、この企業は予測しています。その結果として節約される作業時間は、ユーザー 1 人あたり年間 47 時間で、ユーザー 1 人あたり年間 3,243 ドルに相当します。

個人データやコンピュータの設定への容易なアクセス

外出の多いユーザーが顧客を訪問したり、企業のオフィス間を移動しているときに、企業ネットワークから切断されると、コンピュータの個人用設定を設定し直す必要があり、最新情報をネットワーク共有に残しておかなければならない場合があります。新しい場所でモバイル PC を再接続する作業では、時間のかかる手動データ検索、およびネットワーク同期の作業が必要になる場合があります。Windows XP Professional は、ネットワークリソースやカスタマイズしたデスクトップ設定へのアクセスをユーザー自身と同様にモバイルにする機能を提供することによって、外出の多いユーザーがこれらの手作業を行わずに済むようにします。

同期マネージャ

更新された情報の最新バージョンを入手することは、モバイルコンピューティングの重要な部分です。同期マネージャを使用することによって、外出の多いユーザーは、一刻をあらそう重要な情報を検索して手動でノートパソコンのハードディスクドライブにコピーするという時間のかかる作業を回避できます。この自動更新サービスによって、ユーザーは必要なときに企業ネットワークやインターネットから最新情報を入手することができ、ユーザーが個人用設定を再構成するために費やす時間が短縮されます。

ポリシーベースの管理は、同期マネージャのユーザーに、オフラインで利用できるようにしたすべての共有ファイルを同期できる単一の管理ツールを提供します。このツールは、ファイルの種類や、ファイルをオフラインで利用できるようにするために使用したプログラムに関係なく使用できます。

Windows XP Professional のオフラインファイルとオフラインフォルダ機能は、ノートパソコンユーザーが企業ネットワークから切断されているときでも、常に自分のデータにアクセスできるようにすることによって、同期マネージャと共に機能します。

たとえば、ある世界的な製薬会社では、約 20,000 人のモバイルユーザーが、オフラインでのドキュメントの作成および校正のために、1 週間に平均 3 時間を費やしています。この作業を行うために、モバイルユーザーはオフライン時に自分のファイルやフォルダにアクセスする必要があります。更新されたドキュメントを検索し、自分のモバイル PC 上のファイルに複製することは、時間がかかり、ユーザーの生産性を低下させます。

同期マネージャ、およびオフラインファイルとオフラインフォルダを使用することによって、モバイルユーザーは自分のすべてのドキュメントに対する変更を、自動的にネットワークに複製することができます。その結果、重要な情報を入手し、ネットワークから切断されているときも作業を続けることができます。これらの機能を使用することによって、この企業のモバイルインフォメーションワーカーは、ファイルの同期に費やす時間を 1 週間あたり 3 時間から 2.25 時間に短縮でき、1 週間あたり 45 分、つまり年間では 34.5 時間を節約できます。この時間の節約は、この作業の効率が 25% 向上したことを示し、インフォメーションワーカー 1 人あたり年間 2,356 ドルの価値に相当すると見込まれています。この利益は、正社員 1 人当たりの時給が 68 ドルで、年間 46 週従事する場合に基づいています。

Tablet PC によるモバイルユーザーの生産性の向上

Tablet PC は、高度なモバイルインフォメーションワーカーや、特化した業種アプリケーションのユーザーが、さらに生産性を向上させるための新しい方法です。Windows XP Professional オペレーティングシステムに基づく軽量で携帯性に優れたノートパソコンと、ユニークなデジタルペンとデジタルインクベースのコンピューティング機能を組み合わせることによって、Tablet PC はユーザーが新しい状況において、新しい方法で PC を使用できるようにします。

Tablet PC RAP に参加した 16 の組織では、Windows XP Tablet PC Edition、Office XP、およびOffice XP Pack for Tablet PC を実行する Tablet PC を使用して、ビジネスプロセスと個々のインフォメーションワーカーの作業を効率化することができました。ビジネス面での価値に関する調査は、マイクロソフトがこれらの組織のうちの 5 つで実施しました。調査の結果は、Gartner Inc. の 1 事業部門であるGartner Measurement が評価し、REJ の標準に準拠していることが確認されました。

この調査で明らかになった事実については、マイクロソフトのホワイトペーパー『Empowering Information Workers: The Financial Benefits of Windows XP Tablet PC Edition』を参照してください。[2] この調査結果は、Windows XP Tablet PC Edition を実行している Tablet PC を使用するインフォメーションワーカーは、情報のキャプチャ、整理、検索の効率が向上し、ドキュメントへの注釈の付加や校正を迅速に行うことができるので、インフォメーションワーカー 1 人あたり年間平均 147 時間を節約できることを裏付けています。この時間の節約は、インフォメーションワーカー 1 人あたり年間平均 9,525 ドルに相当します。WLAN 環境で Tablet PC を使用している組織では、インフォメーションワーカー 1 人あたり年間平均 66 時間の生産性の向上が見込まれ、これは 4,278 ドルに相当します。Tablet PC によって得られる利益には、次のようなものがあります。

  • Tablet PC のデジタルインク機能によって、5 つの組織において、インフォメーションワーカーは会議中や顧客との面談中にとった手書きのメモを転記する必要がなくなりました。これによって、ユーザー 1 人あたり年間平均 30 時間の時間が節約され、これはユーザー 1 人あたり年間 1,951 ドルの価値に相当します。

  • Tablet PC のデジタルインク機能によって、4 つの組織において、インフォメーションワーカーの手書きのメモを検索する時間が短縮されました。デジタルインクで書かれ、単一の場所に保存された手書きのメモを検索する機能によって、ユーザー 1 人あたり年間平均 59 時間が節約され、これはユーザー 1 人あたり年間で 3,815 ドルの価値に相当します。

  • Office XP Pack for Tablet PC によって、ある組織では、デジタルインク機能をOffice XP ドキュメントにも拡張することができました。Office XP ドキュメントに注釈を付け、任意の PC ユーザーに送信する機能によって、ユーザー 1 人あたり年間平均 58 時間が節約され、ユーザー 1 人あたり年間で3,759 ドルの価値に相当します。

  • 2 つの組織では、WLAN 環境で Tablet PC を使用することによって、垂直型アプリケーションユーザーが職場を自由に動き回り、迅速に管理者の承認を受け、データを企業データベースにアップロードできるようになりました。このようなプロセスの向上によって、定型のメッセージングおよびスケジュール管理業務にかける時間が少なくなり、ユーザー 1 人あたり年間で平均 66 時間が節約されました。これはユーザー 1 人あたり年間 4,278 ドルに相当します。

顧客の反応も、このビジネス面での価値に関する調査の結果を裏付けています。たとえば、Leo Burnett Advertising の子会社であり、Tablet PC RAP の参加企業であった LB Works では、Tablet PC による利益は、即効性があり、規模も大きいと説明しています。LB Works の社長兼 CEO であるJeffrey J. Jones II 氏は、「私たちは、現在経験している効率性の向上に非常に満足しています。LB Works では、付加価値のある請求可能な活動時間が増加したことによって、年間の純利益が 110 万ドル増加しました。」と述べています。

また、世界的なエンジニアリングおよび建設会社Black & Veatch の IT資産部門のマネージャである Jeff Phillips 氏は、Tablet PC の試験的な導入プログラムによって、会社の業務によい効果が現れたことを次のようにまとめています。「Tablet PC は、本当の意味で技術と労働者を結びつける機能を持った最初の製品だと思います。Tablet PC はもう 1 つの新しい「デバイス」ではなく、私のコンピュータなのです。外出時に携帯するデバイスの数が減ることによって、資産コスト、サポートコスト、および労働者の不稼働時間が削減されます。Tablet PC を購入することは、購入の必要がある在庫管理品目のリストに新しい項目が増えるだけではないとわかって感激しています。Tablet PC はノートパソコンに取って代わるものなのです。」

Tablet PC のビジネス面での価値の詳細情報については、付録 B 「インフォメーションワーカーの支援: Windows XP Tablet PC Edition の財務面での価値」を参照してください。

より効率的なコラボレーションとコミュニケーションの実現

モバイル PC ユーザーの生産性が競争上の優位性を確保する上でますます重要な要素になるにつれて、モバイル PC ユーザーの効率的なコラボレーションとコミュニケーションを実現することのビジネス面での価値も大きくなっています。

モバイル PC ユーザーが仕事をする場所に関係なく、常に生産的でネットワークに接続された環境を提供することを目指す組織では、モバイル PC ユーザーが迅速で適切な意思決定を行い、同僚、顧客、パートナーとより強固で効果的な関係を構築できるようにするソリューションに重点を置いています。このドキュメントで紹介する組織は、次のような戦略を使用していました。

  • 共同作業によるプロジェクト計画、スケジュール管理、およびドキュメント作成作業を調整するための集中管理されたワークスペースを作成する。

  • 高度なドキュメント作成および校正機能によって、ドキュメントの作製や校正を迅速化する。

  • リアルタイムコミュニケーションを使用して、出張や対面での会議の費用を削減する。

表 3 は、ここで紹介した企業において、インフォメーションワーカーが Office XP と Windows XP Professional を使用することによって達成されたコラボレーションとコミュニケーションの利益をまとめたものです。

ビジネスの目標

実現するための技術

コラボレーションの利益

コラボレーション作業を効率化する。

SharePoint Team Services

金融サービス会社では、プロジェクトおよびチームの作業を集中管理することによって、エンドユーザーの生産性が 16% 向上し、ソリューションの展開コストが 50% 削減され、ソリューションの開発コストが 9% 削減されました

ドキュメントの作成、改訂、校正にかかる時間を短縮する。

SharePoint Team Services

米国を本拠地とする化学メーカーでは、集中管理されたワークスペースを使用して情報の管理およびアクセスを行うことによって、重複した作業や時間のかかるデータ検索を回避し、ユーザー 1 人あたり年間 50 時間が節約されました。これはユーザー 1 人あたり年間 2,450 ドルに相当します

作業ウィンドウ、スマートタグ、および校閲者へ送信

製薬会社では、Office XP のオーサリング環境を使用して、ドキュメントの書式設定やデータ検索を 50% 削減しました。この時間の節約はユーザー 1 人あたり年間 501 ドルに相当します

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校閲者へ送信、変更履歴の記録、および比較と反映

航空宇宙関連メーカーでは、統合されたドキュメント改訂および校正ツールを使用することによって、1 ドキュメントあたりの改訂時間が 6.5 時間から 3.25 時間に短縮されました。この時間の節約は 1 ドキュメントあたり 162 ドルに相当します

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Office XP Pack for Tablet PC

2 つの組織では、デジタルインクおよび注釈機能を Office XP ドキュメントに拡張することによって、ユーザー 1 人あたり年間平均 58 時間が節約されました。これはユーザー 1 人あたり年間平均 3,759 ドルに相当します

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出張や会議のコストを削減する。

Office XP のメッセージングおよびスケジュール管理ツール、Windows Messenger、および Windows XP Professional のオーディオ機能とビデオ機能

航空宇宙関連メーカーでは、インスタントメッセージ、アプリケーション共有、およびリアルタイムのオーディオおよびビデオコミュニケーションを実装することによって、2,500 人のモバイル技術担当者の出張や社外でのミーティングにかかる時間が 10% 節約され、ユーザー 1 人あたり年間 30 時間、金額にしてユーザー 1 人あたり年間 1,950 ドルが節約されました。

3 Office XP Windows XP Professional によるコラボレーションの利益

集中管理されたコラボレーション ワークスペースによる生産性の向上

Microsoft SharePoint Team Services は、社内のイントラネット上にチームまたはプロジェクトベースの Web サイトを作成できるようにすることによって、チームのメンバがどこにいても、コラボレーションやプロジェクトドキュメントの交換を可能にします。このサービスは、集中管理されたワークスペースを組織に提供し、このワークスペースを介してメンバはプロジェクトの情報を迅速かつ容易に作成および共有することができます。

非効率的なドキュメント作成プロセスに直面していた米国の大手化学メーカーは、インフォメーションワーカーがドキュメントを作成および改訂する際のデータ検索や重複した作業にかける時間を短縮できるようにしたいと考えていました。SharePoint Team Services を使用することによって、関連するすべての情報を投稿、交換、および容易に検索できる集中管理された場所が提供され、この企業はドキュメント管理プロセスを改善することができました。SharePoint Team Services により、ユーザーが情報の共有やデータの検索にかける時間を短縮できるようにすることで、この企業はユーザー 1 人あたり年間 50 時間を節約できました。この時間の節約はユーザー 1 人あたり年間2,450 ドルに相当します。

世界中の信頼できる金融データやニュース、分析および意思決定ツールを提供するBridge Information Services [4] , の技術最高責任者であるJoe Ratterman 氏は、同社でSharePoint Team Services を使用することによって、どのようにして金融情報商品の市場投入までの期間を短縮することができたかを説明しています。「一刻を争う金融情報を世界中に配信する場合、どんなに迅速でも速すぎるということはありません。Office XP は、当社のドキュメント作成および共有の方法を改善することによって、当社の商品開発および更新サイクルの短縮に直接役立ちました。これにより、ドキュメントの構造ではなくコンテンツの開発により多くの時間をかけることができるようになり、効率性と士気の向上につながりました。」

ドキュメントの作成と校正の迅速化

Office XP のスマートタグおよび校閲者へ送信機能、およびOffice XP Pack for Tablet PC のデジタルインク機能によって、インフォメーションワーカーはドキュメントの作成、改訂、および校正にかける時間を短縮できます。

スマートタグによる情報検索の促進

このレポートで紹介されている組織では、スマートタグを使用することによって、ドキュメント作成および情報検索作業を迅速に行うことができるようになりました。スマートタグは、Word、Excel、および Microsoft Outlookョ メッセージングおよびコラボレーションクライアントから、状況に応じた情報への 1 クリックのリンクを提供します。このショートカットによって、情報へのアクセスが簡素化され、Office XP アプリケーションの機能を細かく制御できるようになると共に、カスタムソリューションを構築するための拡張性のあるプラットフォームを提供できます。

Bridge Information Systems の事例は、Office XP を使用した情報の作成および共有のビジネス面での価値をさらに裏付けます。Bridge では、市場データや分析ツールを、Excel 2002、Word 2002、およびOutlook 2002 などの既に使い慣れた Office アプリケーションに組み込んで提供する業種アプリケーションを顧客に提供したいと考えていました。Office アプリケーションから Bridge の情報資産にリンクするカスタマイズされたスマートタグ、Excel 2002 のストリーミングリアルタイムデータ機能、およびデータを分析するための Excel などの使い慣れたフロントエンドを使用することによって、Bridge のエンドユーザーはデスクトップ上で最新の情報にアクセスできるようになりました。

Bridge のインターネットプロダクト担当ディレクタであるJeffrey Woodruff 氏は、スマートタグによてデータの取得および管理のプロセスが迅速化されたことを次のように説明しています。「新しい営業に必要な企業データへのアクセスの改善と、新商品の効率的な開発に加えて、Bridge では費用対効果の高い方法で、適切な情報を適切な時期に、すべての顧客に配信する必要がありました。当社では、クライアントのサイトにサーバーまたはワークステーションソフトウェアを展開することは避けたいと考えていました。現在は、顧客の主要なデスクトップ生産性ツールである Microsoft Office を利用できるようになりました。スマートタグを使うと、容易にデータにアクセスできるので、データを検索して、使用可能なフォームに配置するプロセスよりも、アプリケーションおよび最終的な結果の達成に重点を置くことができます。以前は、ユーザーが何度も切り取りと貼り付けを行って金融ニュースや見積もりを検索し、それを Word や Excel に挿入する必要がありました。BridgeInsight では、データアクセスの一連の作業から複数の手順を省略し、カスタマソリューションの開発をスピードアップしています。」

ドキュメントの改訂および校正の迅速化

多くの企業において、ドキュメントに関するコラボレーションは、時間とコストがかかるプロセスであり、よくてもドキュメント作成プロセスの速度が低下し、最悪の場合には、重要な情報が適切な時期に利用できないことから、企業の重要な意思決定が遅れます。

世界的な航空宇宙関連メーカーでは、技術的なドキュメントの作成プロセスにおいて、6 人の従業員がそれぞれ 1 時間かけて校正し、1 人の従業員が 30 分かけて各ドキュメントの校正のコメントを反映させていました。1 月あたり 500 ものドキュメントの膨大な作業が発生するため、同社では、社内の標準として統合オーサリングツールを使用することによって、ドキュメント校正プロセスの効率を向上させることができることに気がつきました。Office XP では、複数の場所にいる複数のユーザーからのコメントや校正を迅速に反映できるようにするオーサリングツールが提供され、各ドキュメントの校正および改訂にかかる合計時間を 6.5 時間から 3.25 時間に短縮することができ、50% もの時間の節約になります。Office XP の統合オーサリングツールの使用によって節約された校閲者の生産的な作業時間は、1 ドキュメントあたり 162 ドルに相当します。

Enterasys Networksの最高情報責任者であるLen Couture 氏は、Windows XP Professional と Office XP が同社のビジネス面での価値に貢献していることを次のように説明しています。「Office XP の高度なドキュメント編集および校正機能、スケジュール管理およびメッセージングの強化、および Web ベースの SharePoint Team Services によって、Office XP は Enterasys のスタッフの共同作業の方法を変えつつあります。同時に、Windows XP Professional は、このコラボレーションをリアルタイムに行うことを可能にします。数年後に、この Windows XP Professional への移行を振り返って見たときに、これが最大の改革であったと考えるでしょう。私たちはこの技術の将来に大きな関心を寄せています。Windows XP Professional によって、コミュニケーションとコラボレーションの価値を実感しています。」

Tablet PC の手書きのデジタルインクによるドキュメント校正の迅速化

Office XP Pack for Tablet PC は、まったく新しい方法で Office XP ドキュメントの校正や注釈の付加を実現します。

Tablet PC のデジタルペンとデジタルインクの機能を、Office XP アプリケーションに統合することによって、Office XP Pack for Tablet PC は、ドキュメント校正者がMicrosoft Word 2002 や Excel 2002 のドキュメント、およびPowerPointョ 2002 のプレゼンテーションのグラフィックスに直接手書きのコメントを追加できるようにします。

Tablet PC ユーザーは、拡張されたデジタルインク機能を使用して、電子メールメッセージに手書きのコメントを付けたり、他のユーザーが Tablet PC を使用しているかどうかに関係なく手書きのドキュメントを他の PC ユーザーと共有したりすることもできます。

Tablet PC RAP に参加した 2 つの組織では、インフォメーションワーカーは、Office XP Pack for Tablet PC によって、デジタルインクを使って、Word 2002 でドキュメントを作成したり、PowerPoint 2002 のプレゼンテーションに注釈を付けたり、Outlook 2002 で手書きのデジタルインク電子メールを作成したりできるようになりました。

手書きの校正コメントを転記することなく直接ドキュメントに注釈を付ける機能や、デジタルインクでマークを付けたドキュメントを他の PC ユーザーに送信する機能によって、これらの組織のインフォメーションワーカーは、必要な作業時間を 1 年間に平均で 211 時間から 153 時間に短縮することができます。これは 27% の作業効率の向上であり、インフォメーションワーカー 1 人あたり年間で 3,759 ドルに相当します。

遠隔地への出張に代わるリアルタイム コミュニケーション

効果的なコラボレーションでは、すべてのチームメンバがタイムリーに共有情報にアクセスし、直接コミュニケーションを取ることができる必要があります。このレポートで紹介している組織では、Windows Messenger、ホワイトボード、およびビデオ会議などの機能によってチームのコミュニケーションや作業セッションを円滑化し、これらの機能を遠隔地への出張や会議の代わりに使用することができました。

2,500 人のモバイル技術者を擁し、全米に事業を展開している大手の航空宇宙関連メーカーでは、実際に会って会議をするために、毎年、750,000 時間もの時間が出張に費やされています。この企業では、Windows XP Professional のWindows Messenger のアプリケーション共有機能と、Office XP のコラボレーション用のホワイトボード環境によって、地理的に分散しているチームの作業効率が向上し、面談のための出張にかける時間の 10% が置き換えられ、出張によって失われていた生産性がインフォメーションワーカー 1 人あたり年間 30 時間節約されます。これは、インフォメーションワーカー 1 人あたり年間 1,950 ドルの利益に相当します。

ビデオ会議機能は、チームメンバが口頭で入力する内容を伝えたり、提案のメリットについて意見を交わしたり、合意事項を直ちに記録できるようにすることで、リアルタイムのドキュメント校正セッションが促進されます。Critical Domain LLC の技術責任者であるJoseph Jones 氏は、Windows Messenger のアプリケーション共有機能によって、ドキュメントの改訂回数が 5 分の 1 になったと報告しています。 [5] 同じ提案、スプレッドシート、またはプロジェクトスケジュールに対して同時に作業することによって、チームはより生産的になります。

Joseph Jones 氏は、「Windows XP Professional は、当社の小人数の分散したチームが、これまでは不可能であったレベルの生産性と効率性で作業できる次世代のコンピューティング環境を提供しています。」と述べています。

安全で信頼性の高いモバイル IT サービスの提供を支援

PC の技術が成熟するにつれて、モバイル関連の IT サービスの管理は、IT マネージャの役割の重要な部分を占めるようになってきました。また、モバイル PC ユーザーが自主的になるにつれて、これらのサービスの管理はさらに複雑になってきました。

IT マネージャは、オフィス内のユーザーが利用可能な安全で信頼性の高いデスクトップとネットワークリソースへのユビキタスアクセスを、モバイル PC ユーザーにも拡大する必要があります。このような管理の問題に直面している IT 技術者は、モバイル PC サービスを少ない時間と労力で展開、管理、運用できるようにし、結果として IT サポートの効率性を向上させ、企業のコスト削減につながるソリューションに大きな関心を示しています。

このレポートで紹介している組織では、Windows XP Professional と Office XP の高度なセキュリティ、信頼性、および互換性の機能を使用することによって、信頼できるモバイル IT サービスを提供しています。一般的な使用パターンは次のとおりです。

  • 重要で機密性の高いビジネス情報を保護する。

  • 問題を迅速に解決するモバイル IT サービスを提供する。

  • より少ない時間と労力でモバイル IT サービスを展開および管理する。

表 4 は、IT 部門のスタッフが Windows XP Professional を使用することによって達成できる展開および管理機能の向上による利益をまとめたものです。

ビジネスの目標

実現するための技術

IT の利益

重要で機密性の高いビジネス情報を保護する。

ポリシーベースの管理、暗号化ファイルシステム、スマートカード技術、ウィルス対策

世界的な製薬会社では、ウィルスによる作業の中断によって失われた生産性がユーザー 1 人あたり年間 27 ドル回復され、サードパーティのアンチウィルスソフトウェアのコストを排除することによって、さらにユーザー 1 人あたり年間 147 ドルが節約されました

モバイルユーザーの IT の問題を迅速に解決する。

リモートデスクトップおよびターミナルサービス

世界的な航空宇宙関連メーカーでは、従業員同士の支援によって、サポート技術者がリモートユーザーの支援にかける時間が年間 60,000 時間から 30,000 時間に短縮され、サポートコストはユーザー 1 人あたり年間 264 ドル節約されました

地域電力会社では、1 回の問い合わせについてデスクトップのある場所まで出向く時間が平均 45 分から 20 分に短縮され、デスクトップのサポートコストは 1 回の問い合わせについて 13 ドル削減されました

リモートアシスタンス

いくつかの組織において、IT スタッフのリモートユーザーのサポートにかける時間が短縮されたことによって、PC 1 台あたり年間平均 27 ドルが節約されました

金融サービス会社では、修理施設に送られる PC の台数が 1 月あたり 20 台から 10 台になり、50% 削減されました

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アプリケーションの回復、ドキュメントの回復、自動回復、およびアプリケーションエラー報告

世界的な航空宇宙関連メーカーでは、古くなったソフトウェアによるサービスの中断が減少しました。自動更新によって、IT サポートの件数が 75% 削減され、サポート時間は年間1920 時間から 480 時間に短縮されました。

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少ない時間と労力でモバイル IT サービスを展開および管理する。

グループポリシーおよび IntelliMirror

地域電力会社では、クライアント側でのソフトウェアの配布を有効にすることで、アプリケーション展開コストが 20% 削減され、ネットワーク管理者の作業時間が年間 2,000 時間節約されました。これは77,826 ドルに相当します

Zero Configuration Wireless

6 つの組織では、複雑なワイヤレス構成作業が不要になったため、ヘルプデスクへの問い合わせの件数が減少し、IT サポートコストが、ノートパソコン1 台あたり年間 68 ドル削減されました。 [1]

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4 Windows XP Professional IT の利益

重要なビジネス情報の保護による競争上の優位性の確保

情報資産の価値が高まるにつれて、それらの資産をウィルス攻撃や無許可のネットワークアクセスから保護することの価値も高まっています。

このレポートで紹介している組織の多くは、モバイルユーザーのデータの整合性をハッカーやウィルスの攻撃から保護したり、インターネットおよびイントラネットの通信をセキュリティで保護したり、企業の情報資産への無許可のアクセスやその使用を防止したりするために、Windows XP Professional と Office XP に期待しています。情報のセキュリティ問題に頭を悩ませているIT マネージャは、業界の先進的なセキュリティ機能を提供し、企業情報へのユーザーごとのアクセス制御を可能にするソリューションを求めています。

より安全なネットワークアクセスと認証

Windows XP Professional には、企業のデータ資産の損失またはデータ資産への無許可のアクセスの危険性を減少させるための多くの機能が用意されています。ノートパソコンの盗難およびファイアウォールの外側でのデータの保護は、すべての組織において最も重要な関心事のうちの 2 つです。

ノートパソコンの盗難 - eTesting Labs Inc. [6] が実施した調査では、Windows オペレーティングシステムと Office 生産性向上スイートソフトウェアの次の組み合わせについて、セキュリティ関連のパフォーマンスを比較しています。

  • Windows XP Professional と Office XP SP1

  • Windows 98 Second Edition と Office 2000 SP2

  • Windows 98 Second Edition と Office 97 SR2B

  • Windows 95 OSR2.5 と Office 97 SR2B

その結果、Windows XP Professional を使用したテストシステムは、コンピュータの盗難をシミュレートした状況において、Windows 95 や Windows 98 のテストシステムに比べて、保護のレベルが格段に向上していました。Windows XP のテストシステムでは、実験者がユーザーのログイン画面を省略することはできませんでした。「盗まれた」コンピュータからハードディスクドライブを取り外して、管理者権限で Windows 2000 Server システムにインストールした場合でも、実験者は NTFS ドライブ上で EFS を使って暗号化されたファイルを読み取ることができませんでした。

企業のファイアウォールの外側でのデータ保護 - 世界的な製薬会社では、サードパーティのアンチウィルスソフトウェアだけを使用して、インターネット接続時の 20,000 人のモバイルノートパソコンユーザーを保護していました。このデータセキュリティに対する簡単なアプローチでは、企業のデータが危険にさらされ、結果として、ユーザーの生産性が失われたり、セキュリティ関連の IT サポートコストが発生したりします。この企業では、Windows XP Professional に組み込まれたセキュリティ機能によって、ウィルスに関連する作業の中断を防止し、この企業のモバイル PC ユーザー 1 人あたり年間 27 ドルの節約になると見込んでいます。さらに、サードパーティのセキュリティアドオンアプリケーションを購入する必要がなくなるため、モバイル PC ユーザー 1 人あたり年間 147 ドルが節約されると見込んでいます。

リモート サポートによるエンドユーザーの生産的な作業時間の回復

IT 業務が適切に実施されている場合でも、モバイル PC ユーザーがサポートを必要としているときには問題が発生します。ユーザーのすぐそばでサポートする場合とは異なり、比較的簡単な問題でも作業が長時間にわたって中断されたり、生産的な作業時間が大幅に失われたりする可能性があります。Windows XP Professional には、リモートアシスタンスやリモートサポートサービスなど、モバイル PC ユーザーが最小限の時間で作業に戻ることができるようにする、組み込みの自助ツールが用意されています。

リモートアシスタンスサービスによって、サポートスタッフや同僚は、クライアントデスクトップをリモート制御し、モバイル PC ユーザーの技術的な問題をより簡単に、より迅速に解決できます。この機能によって、複数の組織でユーザーの不稼働時間が減少し、ユーザーが必要なときに、必要な場所で支援を受けることができるようにするためのコストが削減されました。

たとえば、世界的な航空宇宙関連メーカーのヘルプデスクの技術者は、1 年間に、5,000 人のエンドユーザーのモバイル PC の問題解決を支援するために 60,000 時間を費やしています。各Windows XP Professional クライアントに組み込まれたターミナルサービスとリモートデスクトップ機能を使用することによって、インフォメーションワーカーは遠くのヘルプデスクの技術者に口頭で問題を説明する代わりに、近くにいる同僚に問題を見せることができます。これらの機能により、シンクライアントを含むあらゆる種類の PC ユーザーの同僚間での支援が実現したことによって、サポート技術者がリモートユーザーの支援に費やす時間が年間 60,000 時間から 30,000 時間に短縮され、IT サポート技術者の効率性が 50% 向上し、同社のサポートコストはユーザー 1 人あたり年間 264 ドル節約されました。

この Windows XP Professional の機能を使用することによって、地域電力会社では約 70 の事業所で 10,000 人のユーザーのサポートコストを削減しました。遠隔地の施設の訪問に時間をかける代わりに、リモートアシスタンスサービスを使用することによって、同社はデスクトップの訪問 1 回にかける合計時間を平均 45 分から 20 分に短縮し、44% も効率性が向上しました。ヘルプデスクの平均的なサポートコストは、問い合わせ 1 件あたり 29 ドルから 16 ドルへと 13 ドル削減され、年間では 130,500 ドルの節約になります。

Orbital Sciences の労働力も分散的な性格を持っているため、リモートアシスタンスが同社のモバイルコンピューティング戦略の中核となっています。

Orbital Sciences のネットワーク管理者であるSean Stecker 氏は、次のように説明しています。「通信衛星を打ち上げている遠隔地の一部の施設には、IS サポートが最小限のものであるか、または存在していません。このため、これらの施設で働くエンジニアは、自分たちのコンピュータの問題を診断して解決できる人にすばやく、簡単にアクセスできる必要があります。リモートアシスタンスを使用すると、バージニアまたはアリゾナの大規模な施設にいるサポートの専門家がコンピュータにアクセスし、問題を診断して、リモートユーザーに解決策を提供できます。ユーザーは、画面を見ていることも、見ないで済ませることもできます。これによって、サポート技術者を施設に派遣する膨大なコストは言うまでもなく、リモートユーザーの時間が節約され、悩みの種も解消されます。」

GMAC Commercial Mortgage (GMACCM) では、出張の多い役員やリモートユーザーもリモートアシスタンスの恩恵を受けています。GMACCM のビジネスユーザーの 40% が遠隔地に出張したり、遠隔地での作業に従事しているので、このことは特に重要です。

GMACCM のインターネット業務、IT 部門の補佐副社長であるSusan Rogers 氏は、リモートアシスタンスのもう 1 つの利点を次のように説明しています。「これまでは、このようなユーザーは、問題を解決するために自分のコンピュータをサポート部門に送る必要がありました。しかし、リモートアシスタンスによって、もうこの必要はなくなりました。この結果、当社ではコンピュータをある場所から別の場所に発送するためのコストや、ユーザーに一時的な代替マシンを提供するためのコストが削減されました。」

少ない時間と労力でのモバイル IT サービスの展開と管理

Windows XP Professional によって、IT 技術者は IT スタッフの時間と労力を節約してモバイル PC サービスを提供できます。モバイル PC ユーザーに低コストのサポートサービスを提供することを目指している組織では、ネットワークとデスクトップの可用性を拡大し、モバイル IT サービスの展開と管理を効率化するソリューションを探していました。

デスクトップとネットワークの可用性の拡大

いくつかの企業では、優れた顧客サービスによって競争上の優位性を維持するには、モバイル PC ユーザーが積極的なスケジュールや納期を作成し、それらを遵守する必要があります。このような環境において、デスクトップやアプリケーションのクラッシュは、時間、データ、およびビジネスチャンスの損失を意味します。このレポートで紹介している組織では、サービスの中断から迅速に回復し、エンドユーザーの稼動時間の延長に貢献できる信頼性の高いデスクトップ環境を必要としていました。

ここで紹介している組織では、Windows XP Professional の 32 ビットアーキテクチャ、Windows ファイル保護、システムの復元、および自動更新機能を使用して、以前のバージョンの Windows よりも信頼性の高いモバイル IT サービスを提供しています。

Windows XP Professional の優れた信頼性は、IT ヘルプデスクのコストを PC 1 台あたり平均 46 ドル削減し、6 つの組織に大きな利益をもたらしました。 [1]

世界的な航空宇宙関連メーカーでは、同社のグローバルネットワークにおいて、古くなったソフトウェアに問題が起こりやすく、サービス中断の原因になっていることがわかりました。この企業は Windows XP Professional の自動更新機能を使用して、重要な Windows XP コンポーネントの更新を全世界の事業所に自動的に配布する予定です。その結果、自動更新によってシステムの問題の 75% が回避され、IT スタッフがこれらの問題に対応する時間が年間 1,920 時間から 480 時間に短縮され、年間 59,040 ドルの節約につながると予測しています。

クライアント側でのソフトウェアの配布

IntelliMirror とグループポリシーの機能を組み合わせることによって、地域電力会社は適切なソフトウェアアプリケーションを 2,000 人のユーザーに適切な時期に配布することができます。

グループポリシーでは、ロールベースの情報管理を使用して、ソフトウェアのインストールを特定のユーザーグループのメンバに割り当てます。IntelliMirror は、承認されたすべてのユーザーにソフトウェアのコピーを提供します。このアプローチによって、同社はソフトウェアを自動的にインストールするか、またはモバイルユーザーが都合のよいときにクライアント側から手動でインストールできるようになりました。

クライアント側でのソフトウェアの配布を使用することによって、この企業はクライアント PC 1 台あたりの展開時間を 2 時間から 1 時間に短縮し、アプリケーションの展開コストを 20% 削減し、ネットワーク管理者の作業時間を年間 2,000 時間節約できると見込んでいます。これは、年間 77,826 ドルに相当します。

結論

9 つの組織におけるビジネス面での価値に関する調査結果とその他の 20 の組織におけるエンドユーザーの調査結果は、Windows XP Professional と Office XP が、モバイル PC ユーザーの個人的な生産性向上および IT サポートコストの削減に役立つモバイルコンピューティングおよびコラボレーションのプラットフォームを提供していることを裏付けています。企業は次のような利益を得ることができます。

  • Windows XP Professional のモバイルサポートおよび接続機能によって、外出中のエンドユーザーの生産性が向上します。

  • Windows XP プラットフォームのセキュリティおよび信頼性機能によって、IT に関連する大きな利益がもたらされ、IT 部門では費用対効果の高いソリューションを提供し、モバイルコンピューティングサービスの運用、管理、およびサポートに必要な時間と労力を削減できます。

  • Office XP の高度なコラボレーションおよびコミュニケーション機能によって、迅速に適切な意思決定を行うことができ、同僚、顧客、およびビジネスパートナーとのよりよい関係を確立および維持できます。

  • Tablet PC の携帯性に優れたフォームファクタとペンベースのコンピューティング機能は、特に、業界または企業に固有の特化された業種アプリケーションが必要なモバイルユーザーに有用です。

推奨事項

どのような組織でも、インフォメーションワーカーの機動性とコラボレーションに関連する IT サービスを向上させることによって、インフォメーションワーカーの生産性を最適化することができます。

  • モバイルインフォメーションワーカーの外出している時間が長い場合は、その主要なモバイル PC プラットフォームを、Windows XP Professional と Office XP にアップグレードします。Windows XP Professional のセキュリティ機能、モバイルサポート、および接続機能によって、IT 技術者が費用対効果の高いソリューションを提供できるようになるという大きな利点がもたらされます。実現される生産性の利益および IT コストの削減の効果は、Windows 9x および Windows NT Workstation バージョン 4.0 のユーザーについてより明確になります。

  • ワイヤレス接続、リアルタイムコミュニケーション、およびエンドユーザーのコラボレーションが重要であり、モバイルインフォメーションワーカーのノートパソコンで Windows 2000 Professional を実行している場合は、Windows XP Professional にアップグレードします。このような組織では、新しいハードウェアに Windows XP Professional を搭載していくことによって、クライアント管理プロセスが現在使用しているものと同じであるため、機動性、アプリケーションとの互換性、およびサポート性が向上し、その恩恵が大きくなっていきます。

  • インフォメーションワーカーがコラボレーション作業に多くの時間を費やしている場合は、Windows XP Professional へのアップグレードと同時に、現在個人的に使用している生産性スイートソフトウェアを Office XP にアップグレードします。

  • 外出の多いユーザーや社内で席を離れていることが多いユーザーなど、典型的なモバイルインフォメーションワーカーには、ハードウェアの更新サイクルを早めて Tablet PC を展開します。

  • 特化した業界または企業独自の業種アプリケーションのユーザーには、ハードウェア更新サイクルの状態には関係なく、次に可能な機会に Tablet PC にアップグレードするか、Tablet PC を供与します。

詳細情報

Windows XP Professional および Windows XP Tablet PC Edition の詳細については、次の Web サイトを参照してください。

Microsoft Office XP の詳細については、https://www.microsoft.com/japan/office/ を参照してください。

Windows XP Professional、Office XP、およびWindows XP Tablet PC Edition のケーススタディについては、https://www.microsoft.com/resources/casestudies/ (英語) を参照してください。

次のホワイトペーパーに記載されている Windows XP Professional の総合的なビジネス面での価値の詳細については、https://www.microsoft.com/windowsxp/default.mspx (英語) を参照してください。

  • 『Higher Yields: The Financial Benefits of Windows XP Professional』

  • 『Security and Reliability: Pillars of Value for Customers of Windows Professional and Office XP』

  • 『Windows XP Professional and Office XP: Realizing Financial Value Through Lower Deployment and Operational Costs』

  • 『Empowering Information Workers: The Business Value of Windows XP Tablet PC Edition』

マイクロソフトのビジネス面での価値に関するグループおよび IT 投資の評価に対する Rapid Economic Justification アプローチの詳細については、https://www.microsoft.com/business/enterprise/value.mspx (英語) を参照してください。

BearingPoint, Inc. については、http://www.bearingpoint.net/leave-ms (英語) を参照してください。

Gartner Measurement については、http://www4.gartner.com/Initleave-ms (英語) を参照してください。

著者

Jon Schmitz、B.S. (理学士)、は、Microsoft Consulting Services の Senior Strategy Consultant です。この職務では、広範な技術的な知識とビジネスの専門知識を組み合わせて、企業クライアントが、売上の増加、市場シェアの拡大、ビジネスまたは IT 運用コストの削減によって、投資収益率を上げることができるようにする情報技術ソリューションの特定および実装を支援しています。

Schmitz は過去 11 年間にわたって情報技術業界に身を置き、そのうちの 4 年間はマイクロソフトに勤務していました。マイクロソフトに転職する以前は、全国的な IT サービス組織で働いていました。Schmitz は、米国、オーストラリア、ヨーロッパ、南アフリカを飛び回り、情報技術ソリューションの実装に奔走してきました。また、Microsoft Business Value Portfolio および Rapid Economic Justification (REJ) フレームワークに基づくビジネス面での価値の分析を実施し、IT 専門家に対してこの分析プロセスのトレーニングを行っています。現在、Schmitz はデンバーの University of Phoenix において技術管理分野での M.B.A. (経営学修士) の取得を目指しています。

Marc Strauch、B.S. (理学士)、M.A. (文学修士)、は、Creative Intelligence Corporation (http://www.cre-ative.com/leave-ms) (英語) の Business Value Evangelist です。この職務では、ソフトウェア企業およびハードウェア企業と共同で、技術製品のビジネス上の価値を、技術が専門ではない企業幹部に伝え、情報技術の定量的な ROI ベースのビジネス事例を実現できるように IT 専門家をトレーニングします。

1995 年以降、Strauch はマイクロソフトの主なサーバー、デスクトップの生産性、および Web サービスの製品およびイニシアティブのビジネス面での価値を説いてきました。Creative Intelligence Corporation で働く以前は、フォーチュン誌500 の消費者向け企業やテクノロジ企業の広告、ブランド開発、マーケティングコミュニケーション、および直接反応マーケティングなどを手がけてきました。

付録 A : このレポートについて

このレポートは、2001 年から 2002 年にかけて、29 の企業顧客においてMicrosoft Consulting Services が実施した、Rapid Economic Justification (REJ) および総所有コスト (TCO) 分析を含むビジネス面での価値の調査結果をまとめたものです。このレポートに示されているこれらの結果は、BearingPoint, Inc. が評価したものです。

ビジネス面での価値に関する調査は、2002 年 5 月から 2002 年 10 月にかけて、Microsoft Windows XP Tablet PC Edition RAP に参加した 5 つの企業顧客でも実施されました。Gartner Inc. の 1 事業部門である Gartner Measurement が、これらの組織の個々のビジネス面での価値に関するデータを評価し、調査結果の精度を検証しています。

また、このレポートでは、マイクロソフトが公開しているケーススタディから抜粋した定性的な顧客の証言も示しています。これらのケーススタディは、Windows XP Professional および Office XP のエンドユーザーおよびWindows XP Tablet PC RAP の参加企業の体験を基にしています。

すべての財務的な価値は米ドルで示されています。

総所有コストと Rapid Economic Justification による IT 投資のビジネス面での価値の評価

10 年以上にわたって、グローバル企業組織は総所有コスト (TCO) モデルを使って IT コストの価値判断を行ってきました。TCO モデルでは、分散コンピューティング環境での IT インフラストラクチャのコストの評価に重点を置いています。TCO モデルでは、業界のデータベースから深く、幅広い IT コスト情報を入手できるので、組織に対して膨大な比較価値を提供できます。

Rapid Economic Justification (REJ) は、情報技術 (IT) 投資の組織に対する財務的な影響を評価するために使用されるフレームワークです。マイクロソフトでは、マイクロソフトの技術を実装することによる、ビジネスに対する財務的な価値を顧客が評価できるようにするために、REJ フレームワークを作成しました。TCO の調査ではコストに重点を置くのに対して、REJ の調査では主にビジネスの利益に重点を置きます。

REJ フレームワークでは、従来の会計手法と市販の分析ツールを使用して、ビジネス面での価値を測定します。TCO モデルは、REJ 調査において、通常、REJ キャッシュフロー分析で考慮される IT コスト構成要素を評価するために使用されます。REJ プロセスを完了するには、およそ 6 ~ 8 週間かかります。すべての REJ 測定基準は、企業とその特定の状況に合わせたリスクを考慮して調整されます。

REJ プロセスの詳細情報および CFO や業種リーダーが REJ の結果を使用して IT 投資を評価する方法については、https://www.microsoft.com/business/enterprise/value.mspx を参照してください。

REJ と TCO の手法を組み合わせて使用した場合、Windows XP Professional、Office XP、Windows XP Tablet PC Edition、および Office XP Pack for Tablet PC の追加または強化された機動性、コミュニケーション、およびコラボレーション機能によって財務的な価値を提供するマイクロソフトの約束に関連し、またその裏付けとなるビジネス面での価値のデータポイントが提供されます。

参加企業

ビジネス面での価値およびエンドユーザーの調査は、Windows XP Professional と Office XP を展開した企業組織および Tablet PC RAP に参加した組織において実施されました。これらの組織は、医療健康、小売り、エンジニアリングおよび建築、銀行および金融サービス、システムインテグレーション、法律および専門サービス、教育などのさまざまな業界の代表的な組織です。これらの組織には、2,000 人から 100,000 人を超えるインフォメーションワーカーがいます。いくつかの組織では、20 ~ 30 の個人または作業チームの小規模なパイロットグループが、組織内のさまざまな用途で Tablet PC をテストしました。

このレポートで使用されているデータは、REJ および TCO の調査に参加した企業の機密情報です。各企業の IT インフラストラクチャおよびそのビジネス戦略の微妙な性質上、これらの企業の多くについては詳細を公表していません。

特定のデータが特定の企業に関連する場合は、必ず許可を得た上でその情報を公開しています。その他の場合は、データソースを業界ごとにグループ化して機密性を保護しています。社名を伏せることを要求している企業については、一般的な業種の名称を使用しています。

ビジネス面での価値のデータのレビューおよび検証

このレポートに示されているデータおよび証言は、意味のある分析ができる範囲で最新のものです。このレポート内のすべてのビジネス面での価値および REJ データは、Windows XP Tablet PC Edition の実際の試験的な実装または Windows XP Professional および Office XP の部門単位または全社的な展開の財務的な評価を示しています。

このレポートに示されているビジネス面での価値の分析結果の正確性および信憑性を検証するために、Windows XP Professional および Office XP に関する各調査結果について、独立した第三者による客観的な分析およびレビューが、BearingPoint, Inc. によって行われています。Windows XP Tablet PC Edition のビジネス面での価値に関する調査についても、同様の評価が Gartner Measurement によって行われています。

エンドユーザーの調査および聞き取り調査は、上記以外の企業顧客でも実施され、マイクロソフトのケーススタディにおいて顧客の証言として示されています。BearingPoint, Inc. と Gartner Measurement はいずれも、この調査や定性的な評価のレビューも、ユーザー体験の評価も行っていません。

ビジネス面での価値のデータの確実性 - Windows XP Professional Office XP

Windows XP と Office XP の展開によって一部のクライアントが達成した機動性の利益を定量化してビジネス面での価値をまとめた、マイクロソフトが作成したホワイトペーパーについて、BearingPoint, Inc. がレビューを実施しました。このレビューの目的は次のとおりです。

  • 手順および分析が、Microsoft Rapid Economic Justification Framework に示されているマイクロソフトのRapid Economic Justification の方法に従って実施されたかどうかを判断する。

  • 合理的で適切なデータ収集および財務分析方法によって、価値のデータが収集および報告されているかどうかを判断する。

  • 調査の仮説に基づいて、レポートに示されている結論の合理性を検証する。

BearingPoint では、このホワイトペーパーと関連ドキュメントをレビューし、Windows XP と Office XP の機動性およびコラボレーション機能に関連する潜在的な利益を説明するために使用されている方法、手順、および仮説について検討しました。

このレビューに基づいて、BearingPoint では実施の方法と手順が合理的で適切なものであるという結論を示しています。マイクロソフトの結論は仮説に基づいて合理的であると考えられます。この見解はBearingPoint のアナリストの見解であり、マイクロソフトが実施した作業に関するいかなる種類の保証または表明でもありません。

ビジネス面での価値のデータの確実性 - Windows XP Tablet PC Edition

Windows XP Tablet PC Edition および Office XP Pack for Tablet PC のビジネス面での価値を裏付ける証拠として使用されている 5 つのビジネス面での価値の調査について、Gartner Measurement が評価を行いました。このレビューの目的は次のとおりです。

  • 方法、手順、および実施した分析が、Rapid Economic Justification (REJ) Framework に示されているマイクロソフトの REJ の方法に従っているかどうかを判断する。

  • 合理的で適切なデータ収集および財務分析方法によって、価値のデータが収集および報告されているかどうかを判断する。

  • 調査の仮説に基づく、結論の合理性を検証する。

  • 調査の回答者からの情報および仮説の有効性に関するフィードバックを要求する。

Gartner Measurement では、マイクロソフトの Tablet PC のモデルが REJ の手法に準拠しているかどうかを評価し、マイクロソフトのデータ、データの収集方法、および結論を調べました。その見解では、データ収集方法は Gartner Measurement の基準に準拠しており、マイクロソフトが導き出した結論はこのモデルで提供されたデータに照らして合理的です。この見解はGartner Measurement のアナリストの見解であり、マイクロソフトが実施した作業に関するいかなる種類の保証または表明でもありません。

付録 B : Windows XP Tablet PC Edition の財務面での価値

ホワイトペーパー『Empowering Information Workers: The Financial Benefits of Windows XP Tablet PC Edition』に示されている利益は、Windows XP Professional を実行するノートパソコンをWindows XP Tablet PC Edition および Office XP Pack for Tablet PCを実行する Tablet PC に置き換えることによって得られる生産性の向上を示しています。Windows 2000 Professional およびそれ以前のバージョンの Windows デスクトップオペレーティングシステムを使用している組織では、さらに利益が大きくなります。

表 5 は、Tablet PC RAP に参加した 5 つの企業において、マイクロソフトが実施し、Gartner Measurement が評価したビジネス面での価値に関する調査結果をまとめたものです。最初の 3 つの利益はすべての Tablet PC ユーザーに当てはまります。4 番目の利益はワイヤレス LAN 環境で Tablet PC を使用するインフォメーションワーカーに当てはまります。

Tablet PC によって実現されるモバイル コンピューティングの利益 [7]

作業ごとの平均時間(時間/ユーザ‐年)

向上した点時間 / 作業効率/ 金額

-

Tablet PC
の使用以前

Tablet PC
使用時

時間 /
ユーザー

作業効率の向上 (%)

相当金額 /
ユーザー ($)

情報の取得および整理の効率化。RAP に参加した 5 つの企業では、紙ベースの情報を転記する代わりに、デジタルインクと Windows Journal を使用して議事録を作成しました。

77

47

30

39%

$1,951

情報検索コストの削減。RAP 参加企業のうちの 4 社では、デジタルインクと Windows Journal を使用して、手書きの紙ベースの情報を検索するコストと時間を削減しました。

96

37

59

62%

$3,815

情報の校正および注釈プロセスの短縮。RAP 参加企業のうちの 1 社では、デジタルインクを使用して Office ドキュメントやサードパーティのアプリケーションに注釈を付けたり、図を追加したりしました。

211

153

58

27%

$3,759

インフォメーションワーカー 1 人あたりの平均的な作業の向上の合計

384

237

147

38%

$9,525

情報共有の向上およびコラボレーションの充実。RAP 参加企業のうちの 2 社では、ワイヤレス LAN 環境でデジタルペンとインクによるコンピューティングを使用して、電子メールや会議のスケジュールなどの、定型的なコミュニケーション業務を簡素化および円滑化しました。 [8]

294

228

66

22%

$4,278

インフォメーションワーカー 1 人あたりの平均的な作業の向上の合計 (WLAN)

678

465

213

31%

$13,803

5 Tablet PC によるモバイルコンピューティングの利益

Tablet PC RAP に参加した組織では、Tablet PC ベースの特化した業種アプリケーションを開発することによって、さらに生産性を向上させています。表 6 は、参加組織によって実現されたビジネスプロセスの向上のうち、代表的なものを示しています。

業種

Tablet PC によるビジネス プロセスの変更

医療健康

  • 紙に記入された患者の看護記録を転記する作業が省略されます。

  • 患者の看護記録および看護担当者のタイムカードから社内データベースにデータを転送する時間が短縮されます。

  • 患者の医療情報や請求情報のプライバシーが保護されます。

エンジニアリングおよび建築

  • セキュリティで保護された接続を使用することによって企業の機密情報が保護されます。

  • 契約処理において、契約の暫定的なバージョンの書類の改訂、署名、およびスキャンの作業が省略されます。

  • 不動産の現地データの転記作業が省略されます。

  • 安全性監査情報の転記作業が省略されます。

  • 書類の図面を改訂するコストをかけずに、図面に電子的に現地調査データを追加できます。

  • サードパーティのソリューションを購入する代わりに、特化された業種アプリケーションを社内で開発できます。

システムインテグレーション

  • 共同作業によるエンジニアリングプロジェクトをハンドオフプロセスからリアルタイムにアイデアを共有するプロセスに変更します。

  • アイデアの共有をシミュレートする複数のリアルタイムコミュニケーションの方法を提供し、関連するアイデアや情報の損失を防止します。

  • アイデアの識別、修正、および共有に必要な時間が短縮されます。

小売業

  • 紙に記入された店舗内の在庫データの転記作業が省略されます。

  • 在庫フォームから社内データベースにデータを転送する時間が短縮されます。

  • 棚卸しにかかる時間が短縮されます。

  • 店舗ベースの作業人員を集約できます。

  • 正確で、最新の店舗プロファイルが提供されます。

銀行および保険

  • 不動産の現地調査にかかる時間が短縮されます。

  • 最新の不動産の在庫情報が確立されます。

  • 現地調査データをその他の関連するグループにリンクします。

  • 現場担当者や電話担当者が収集した保険金請求情報の書類の収集やスキャンが省略されます。

  • 担当者から社内データベースへのデータの転送にかかる時間が短縮されます。

専門サービス

  • クライアントと面談するさまざまな状況においてコンピュータを携帯することができます。

  • 弁護士のメモを電子ドキュメントに変換する転記作業が省略されます。

  • 弁護士が手書きのメモの中から関連情報を検索する時間が短縮されます。

  • 法的サービスのドキュメント化に必要な時間が短縮されます。

  • 「一生涯」のドキュメント処理システムに保存される書類の量が削減されます。

教育

  • 立って使えるハンドヘルドデバイスが必要な共同作業環境でモバイルコンピュータを使用できます。

  • 共同作業による設計会議で作成した手書きのメモを転記する必要がなくなります。

  • エンジニアリング設計図面にデジタルインクでコメントを付けることができます。

6 Tablet PC RAP 参加組織が体験したビジネスプロセスの変更

[1] 以前のバージョンの Windows クライアントオペレーティングシステムから Windows XP Professional にアップグレードする利点の詳細については、マイクロソフトのホワイトペーパー 『Higher Yields: The Benefits of Windows XP Professional』 を参照してください。このホワイトペーパーは、2002 年 3 月に発行されたもので、https://www.microsoft.com/windowsxp/pro/evaluation/whyupgrade/bizval/ (英語) で入手できます。

[2] 2002 年 12 月に発行された、マイクロソフトのホワイトペーパー 『Empowering Information Workers: The Financial Benefits of Windows XP Tablet PC Edition』 を参照してください。このホワイトペーパーは https://www.microsoft.com/windowsxp/tabletpc/default.mspx (英語) で入手できます。

[3] BearingPoint は旧 KPMG です。

[4] Bridge Information Systems は、ビジネス面での価値に関する調査の実施後、Reuters に買収されました。

[5] このデータは Critical Domain LLC に関するマイクロソフトの事例研究に基づいています。この事例研究については、https://www.microsoft.com/resources/casestudies/ を参照してください。

[6] eTesting Labs の許可を得て使用しています。詳細については、http://www.veritest.com/clients/reports/microsoft/default.aspleave-ms (英語) を参照してください。

[7] 金銭的な数字は、年間労働時間を 2,000 時間、インフォメーションワーカー 1 人あたりの年間平均給与を 129,626 ドルとして計算しています。

[8] この利益はワイヤレスローカルエリアネットワーク (WLAN) が設置されている場所にのみ該当します。

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