モバイル ビジネス ユーザーにとっての Windows XP と Office XP

Jerry Honeycutt

発行 : 2002 年 11 月

概要

Microsoft Windows XP Professional と Microsoft Office XP は共にあらゆるタイプのモバイル ユーザーに対してすばらしい新機能と拡張機能を提供します。このホワイト ペーパーでは、これらの機能によって IT プロフェッショナルがどのようにしてモバイル ユーザーのコンピューティング エクスペリエンスを向上し、モバイル ユーザーの移動時および社内での生産性を向上できるかについて説明します。

トピック

はじめに
モビリティのシナリオ
モビリティのデバイス
モバイルの信頼性
モバイルの接続性
モバイルの生産性
まとめ
詳細情報
参考資料

はじめに

ラップトップへのビジネスユーザーの人気は高まる一方です。携帯性を重視して、従来のデスクトップ PC を敬遠するようになったためです。この傾向は、経験豊富なビジネスユーザーがモバイルテクノロジの採用にこれまで以上に積極的になっていることを示しています。マイクロソフトは、Windows XP と Office XP にモビリティ機能を組み込み、この要求に応えています。社内および移動中のユーザーが情報にアクセスし、IT プロフェッショナルがモバイルユーザーを簡単にサポートできるように設計しています。

従来のモバイルコンピューティングは最近の進歩により時代遅れとなりつつあります。基本的なラップトップコンピュータは依然として、ほとんどのモバイルユーザーの移動用機器として不可欠ですが、Tablet PC や Smartphone などが新しい形態として、さまざまなシナリオでモバイルユーザーの要求に応えてくれます。マイクロソフトはこれらの新形態に対応するために、Windows XP と Office XP のビジネス機能を拡張しています。

IT プロフェッショナルの多くは、Windows XP と Office XP がユーザーの生産性に与える影響についてまず関心を持ちます。ホワイトペーパー 『収益の向上:Windows XP Professional の財務利益』 によると、Windows XP のモバイル機能が直接的な要因となり、コンピュータ 1 台あたり、年間 259 ドルもモバイルユーザーの生産性が増加します。さらに、コンピュータ 1 台あたりのユーザーの生産性は年間約 46 ドル増加します。この生産性向上は、主に信頼性の向上と起動の高速化によりもたらされています。これらの機能と、"Higher Yields: The Financial Benefits of Windows XP Professional” では触れられていないOffice XP の機能が、このホワイトペーパーのテーマです。このホワイトペーパーでは、モバイルユーザーをサポートする IT プロフェッショナルのための機能についても説明します。

このペーパーには、以下のセクションがあります。

セクション

説明

モビリティのシナリオ

モバイルユーザーの基本 4 タイプ

モビリティのデバイス

モバイルデバイスの基本 4 タイプ

モバイルの信頼性

Windows XP と Office XP の安全性と信頼性が向上した理由

モバイルの接続性

Windows XP が接続性とコラボレーションを強化するしくみ

モバイルの生産性

Windows XP と Office XP がユーザーの生産性を向上するしくみ

モビリティのシナリオ

このセクションでは、モバイルユーザーの基本 4 タイプについて説明します。表 1 はそれをまとめたものです。

  • **外出して飛び回る人々。**外出が多く、リモートアクセスを必要とするプロフェッショナル。

  • **社内を飛び回る人々。**会議に多くの時間を費やすナレッジワーカー

  • **在宅勤務者。**自宅でも業務を行うナレッジワーカー

  • **データを収集する人々。**常に社外で業務を行うためにリモートアクセスを必要とするフィールドサービスワーカー。

1 モビリティのシナリオ

外出して飛び回る人々

社内を飛び回る人々

在宅勤務者

データを収集する人々

特徴

  • 顧客と同僚に接続する

  • 大半の時間は机から離れている

  • 同僚とコラボレーションを行う

  • 不定期に企業ネットワークにアクセスする

  • データを収集/処理する

  • クライアントに幅広いサービスを提供する

外出

  • 80 % 以上

  • 20 % 未満

  • すべて会議

  • 自宅またはホームオフィスからネットワークにアクセスするに

  • 80% 以上

要件

  • 企業ネットワークリソースと LOB アプリケーションへのアクセス

  • 机以外からの情報とアプリケーションへのアクセス

  • ホームオフィスからの情報とアプリケーションへのアクセス

  • 企業ネットワークリソースと LOB アプリケーションへのアクセス

モバイルアクセス

  • ダイヤルアップ

  • VPN

  • 公衆ワイヤレス

  • ダイヤルアップ

  • VPN

  • 企業ワイヤレス

  • リモートデスクトップ

  • ダイヤルアップ

  • ケーブル、DSL

  • VPN

  • リモートデスクトップ

  • ダイヤルアップ

  • VPN

  • 公衆ワイヤレス

  • 企業の幹部

  • コンサルタント

  • 営業担当者

  • 企業の幹部

  • ナレッジワーカー

  • 学生

  • ナレッジワーカー

  • さまざまな産業のフィールドサービスワーカー

外出して飛び回る人々

外出して飛び回る人々の典型は、勤務時間の 8 割くらいまで、頻繁に外出するプロフェッショナルです。この人たちには、顧客や同僚との接続を常に保って、いつでもどこでも業務を行うことができるテクノロジが必要です。たとえば、一般に、以下のタイプのユーザーは、外出して飛び回っている人たちです。

  • 企業の幹部

  • コンサルタント

  • 営業担当者

  • 保険外交員

  • 医薬情報担当者 (MR)

外出して飛び回る人々が選択できるモバイルデバイスはたくさんあります。従来型のラップトップコンピュータまたはTablet PC を使って、それに有線無線両方のネットワーク接続を備えることができます。いずれの場合でも、ダイヤルアップ接続、仮想プライベートネットワーク (VPN)、または公衆ワイヤレスアクセスを通して、企業ネットワークリソースと業務 (LOB) アプリケーションにアクセスできる必要があります。主として使っているモバイル PC の補助として、Pocket PC または Smartphone を使い、ワイヤレスネットワークに接続することもできます。こうした人たちは、予定表、電子メール、および出張計画には、ハンドヘルドデバイスを使用する傾向があります。

社内を飛び回る人々

*社内を飛び回る人々は、*一般的にモバイルプロフェッショナルであり、企業の幹部やナレッジワーカー、および大学内のモバイルな学生がこれに含まれます。一日のうち、外出時間は 20 % 未満であり、多くは、会議が頻繁にあるため、忙しく動き回っています。社内を飛び回る人々には、席を外しているときの情報とアプリケーションへのアクセス、同僚との一時的なコラボレーション、およびペーパーレス環境が必要です。

社内を飛び回る人々が選択できるモバイルデバイスは、外出して飛び回る人たちと同様、たくさんあります。従来型のラップトップコンピュータまたはTablet PC を使って、それに有線無線両方のネットワーク接続を備えることができます。あるいは、従来型のデスクトップコンピュータと、その補助としてPocket PC を使うこともできます。いずれにしても、安全なワイヤレスネットワークによって企業ネットワークリソースへアクセスできるので、一日中、その場所の中で動き回っていても、生産性を保つことができます。リモートデスクトップを使えば、デスクトップへのリモートアクセスによる利点も得られます。

在宅勤務者

在宅勤務者は、少なくとも週に 1 日は自宅で業務を行います。こうしたユーザーのタイプに延長勤務者 (work extenders) も入りますが、この人たちが自宅で仕事をするのはごく時々だけです。いずれにしても、在宅勤務者は、一日のうち、25 % 以下の時間は、自宅あるいはオフィスの外で業務を行います。

在宅勤務者は一般に、オフィスでは従来型のデスクトップまたはラップトップコンピュータを使用し、自宅では別のコンピュータを使用します。ダイヤルアップ接続、ケーブル、または DSL による VPN を通じた、企業ネットワークリソースへのリモートアクセスが必要です。また、リモートデスクトップを使用して、主として使っているデスクトップコンピュータにも接続します。

データを収集する人々

*データを収集する人々は、*さまざまな垂直産業のフィールドサービスワーカーです。データの収集、処理を行い、クライアントへ幅広いサービスをよりよく提供してするために活動していることが多く、一日の 80 % 以上はオフィスの外にいます。たとえば、データを収集している人々がよくいるのは、以下の業界です。

  • 医療

  • 金融

  • 保険

  • 小売

  • 製造

  • 政府

  • 運輸

  • 配送

  • エンジニアリング

  • 建設

  • 公共サービス

  • 救急、救助

データを収集する人々はワイヤレスネットワーク接続を備えたラップトップコンピュータとTablet PC を使用します。あるいは、PC などのハンドヘルドデバイス、またはSmartphone などのデータ処理機能付き電話を使用します。データを収集する人々は、ダイヤルアップ接続、VPN、およびワイヤレスネットワーク接続によって、LOB アプリケーションにアクセスできる必要があります。データを収集する人々は、ワイヤレスホットスポット (公衆ワイヤレスネットワーク) のヘビーユーザーである可能性があります。

モビリティのデバイス

このセクションでは、以下のモバイルデバイスの基本 4 タイプについて説明します。

  • ノートブックPC

  • Tablet PC

  • Pocket PC

  • Smartphone

図 1 は、それぞれのタイプのモバイルユーザーの環境に最も適したモバイルデバイスを示しています。この図の各枠は生産性とモビリティの水準を示しており、右上の枠が両方の水準が最も高いことを示します。

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1: モビリティの利用シナリオ

ノートブック PC

ノートブックPCは (ラップトップ、ポータブルなど)、ほとんどの出張者にとって安定性のあるコンピュータです。現在のモデルは薄型ですが、数年前には従来のデスクトップコンピュータにしかなかった処理能力と利便性を備えています。たとえば、現在のハイエンドラップトップは、ほとんどWindows XP 用に設計されており、以下と同等の機能セットを備えます。

  • Pentium 4 モバイルプロセッサ

  • 256 MB のメモリ

  • 40 GB のハードディスク容量

  • 拡張されたバッテリ駆動時間とバッテリ管理

  • 高解像度ディスプレイアダプタ (1280 X 1024 など)

  • Universal Serial Bus (USB) ポート

  • FireWire (IEEE 1394) ポート

  • Wi-Fi ネットワーク接続サポート (802.11b ワイヤレスネットワーク接続)

  • Bluetooth ワイヤレス

これらの機能によって、デスクトップコンピュータを今日のラップトップコンピュータに置き換えることが可能になり、ラップトップコンピュータは外出して飛び回る人々にとって必須アイテムになりました。両方のタイプのPCを持つ必要がなくなりました。

Tablet PC

Tablet PC と Windows XP Tablet PC Edition は、ラップトップコンピュータとWindows XP の機能を拡張しており、外出して飛び回る人々、社内を飛び回る人々、およびデータを収集する人々の多くにとって、ベストチョイスになります。移動中の営業担当者、世界中で経営を見渡す幹部役員、あるいは製造現場で業務を行っている管理職など、どの人も、毎週、オフィス以外の場所での業務に多くの時間を費やします。

Tablet PC はモバイルワーカーに強力で汎用性のあるコンピューティングエクスペリエンスをもたらします。Tablet PC は、Windows XP Tablet PC Edition を実行する全機能搭載のラップトップです。Windows XP Tablet PC Edition は、すでに豊富な機能セットにペンコンピューティングを追加するために設計されたWindows XP Professional のスーパーセットであり、必要最低限というだけのオペレーティングシステムではありません。Windows XP Tablet PC Edition は、新しく拡張された手書き認識および音声認識機能を備えています。これは驚くほど正確で、手書きメモや音声データの作成、保存、および転送が可能です。

Windows XP Tablet PC Edition は従来のラップトップ PC に以下の機能を追加します。

  • Tablet PC は、タブレットコンピュータ専用の機能を備えたWindows XP Professional を実行します。タブレットという形態において、ユーザーは、マイクロソフトの最新のオペレーティングシステムの全機能、信頼性、性能と同時に、手書き認識と音声認識を使用することができます。

  • Tablet PC は、Windows XP と互換性のあるアプリケーションを実行することができます。デスクトップコンピュータよりも用途の広いタブレットコンピュータで、デスクトップと同じツールにアクセスできます。

  • Tablet PC には、ピュアタブレットとコンバーチブルという 2 つの形態があります。ユーザーは必要に応じて、最適なモデルを選択できます。ピュアタブレットにはキーボードがなく、ペンが主な入力デバイスです。コンバーチブルタブレットにはキーボードとマウスがありますが、画面を回転させてタブレットのように使用することができます。

  • Tablet PC は、ドッキングステーションや、さまざまな共通アクセサリをサポートします。フルサイズモニタ、キーボード、マウス、プリンタ、および外付けドライブなど、周辺機器を最大限に活用できます。

  • Tablet PC では、急なホットドッキングならびに高速スタンバイと高速再開が可能です。急なホットドッキングが可能なので、ドッキングステーションからTablet PC を外して、そのまま急いで移動できます。また、Tablet PC は約5秒でスタンバイモードから再開します。この機能により、コンピュータを使用しないときは電力を節約でき、再びコンピュータを使おうというときには時間を無駄にすることがありません。

さらに、無償のOffice XP Pack for Tablet PC をインストールすると、Office XPが拡張され、ペンとインク機能が加わります。Office XP の各プログラムにインク機能が追加されるので、タブレットペンを使用してOutlookョ 2002、Word 2002、PowerPointョ 2002、および Excel 2002 でテキストを手書きで入力することができます。

Pocket PC

Windows-powered Pocket PC を使用すると、ユーザーは外出中も自由に業務の管理が行えます。また、オフィスにいないときに、会社の情報へどのように接続し、その接続をどのように維持するか、その方法を選ぶことができます。Pocket PC には、Pocket Outlook、Word、Excel、およびInternet Explorer などの使い慣れたマイクロソフトソフトウェアが含まれます。さらにPocket PC はユーザーのデスクトップコンピュータと統合されるため、ユーザーは新しいソフトウェアを習得することなく、ファイルを扱うことができます。

以下は、自分のPocket PC に合った形態で利用できる、Pocket PC の活用例です。

  • ワイヤレスで電子メールを交換して Web を参照する

  • MSNョ Messenger を使用してワイヤレスでメッセージを交換する

  • 電子メールの添付ファイルを開き、Pocket Word および Excel を使用して編集する

  • 現地の天候、飛行機の運行状況、および地図など、移動に関する情報にアクセスする

  • タクシー、ホテル、飛行機、および夕食などのための移動手段の予約を行う

Smartphone

Windows-powered Smartphone は、携帯電話とPocket PCの長所を組み合わせて、携帯電話のテクノロジを拡張しています。Smartphone は、豊富なアプリケーションセット、高度に統合された電話機能、およびオープン開発プラットフォームを提供します。Smartphone プラットフォームを使って構築した携帯電話は、使いやすいデバイス 1 台に音声とテキスト両方の通信機能と豊富なワイヤレスデータアプリケーションを備えており、まさに強力なパーソナル業務用携帯電話です。

Pocket PC と Smartphone の違いは何でしょうか。Smartphone で、マイクロソフトは、電話に対してまったく新しいエクスペリエンスをもたらしています。モバイルユーザーが仕事に使っている、PDA タイプの機能と、最近、携帯電話で人気のあるタイプと同じくらいのサイズの受話器を一体化しているのです。Smartphone は、片手でボタンを押して音声やデータ機能を操作できるように設計されています。音声とテキストによる通信、Outlook の情報へのワイヤレスアクセス、および企業ネットワークとインターネットへのセキュリティ保護された接続のために最適化されています。Windows-powered Smartphone を使えば、情報とサービスにアクセスできるだけでなく、音声、テキストのどちらを選んでも通信できるので、外出しているときも連絡を保つことができます。

モバイルの信頼性

「モビリティのシナリオ」セクションで取り上げたモバイルユーザーの 4 つのタイプには、特別な要件があります。「モビリティのデバイス」セクションで説明したポータブルデバイスをただ単に使用すればよいのではありません。要件には、高信頼性、接続性、および生産性が含まれます。これを提供するのがWindows XP と Office XP です。このセクションで説明するWindows XP と Office XP の機能は、マイクロソフトのこれまでの製品のうち、この 2 つの組み合わせをもっとも信頼性の高い製品としている部分です。

信頼性の高さは、次の 2 つの理由でモバイルユーザーにとって重要です。

  • ラップトップコンピュータではデータの損失および盗難が発生することが多々あります。このシナリオは、多くの時間を移動に費やす外出して飛び回る人々とデータを収集する人々に適用されます。

  • 頻繁に移動するモバイルユーザーは、IT リソースおよびヘルプデスクの技術者と物理的に離れているため、サポートするのが困難です。このシナリオは外出して飛び回る人々、在宅勤務者、データを収集する人々に適用されます。社内を飛び回る人々は、地理的には社内あるいは学内にいるので、このケースには該当しません。

Windows XP と Office XP は、いずれの旧バージョン製品よりも信頼性の高いデスクトップを提供します。まず、Windows XP と Office XP はモバイルユーザーのラップトップコンピュータのセキュリティと接続するネットワークを強化します。KPMG によると、Windows XP のセキュリティ拡張機能はユーザー単位で年間約 106 ドルの価値があります。

また、Windows XP と Office XP は、ダウンタイムを短縮し、モバイルユーザーがヘルプデスクに電話しなくても実行できる一般的な問題へのソリューションを提供するので、モバイルユーザーが自分で問題に対処できるようになります。NerveWire によると、Windows XP はWindows 98 に比べて障害の発生率が少なくとも 10 分の 1 に減少しており、これはたとえば、ユーザー単位で年間 46 ドルの節約になります。 [1] Office XP のドキュメントの回復は、ユーザーの生産性を向上させます。Office XP アプリケーションに障害が発生しても、ドキュメントが復旧不能にならないからです。もう 1 つの例はリモートアシスタンスです。これを使用すると、ヘルプデスクの技術者はモバイルユーザーをリモートでサポートできます。

信頼性の向上は、IT プロフェッショナルにとって最も重要なWindows XP と Office XP の特性です。ユーザーの生産性と接続性の向上は大きな利点であり、IT プロフェッショナルは確実にこの恩恵を得ますが、それと同時に、信頼性の向上によって、IT プロフェッショナルの作業効率は向上し、業務が容易になります。マイクロソフトの最新デスクトップを用いると、IT プロフェッショナルはモバイルユーザーに対してラップトップコンピュータを容易に展開、サポート、および管理できます。さらに、Windows XP が提供する高い信頼性と接続性のおかげで、モバイルユーザーの生産性が大幅に向上します。

このセクションでは、Windows XP と Office XP の組み合わせが従来に比べ、最も安全で信頼性の高い製品バージョンである元となっている機能について説明します。

  • **ツールを使用して問題をすばやく解決する。**Windows XP と Office XP は、すべてのタイプのモバイルユーザーが自分で問題に対処できるようになるツールを提供するため、ヘルプデスクへの電話が減り、コンピューティング環境が向上します。それでも IT プロフェッショナルが対処する必要がある場合は、Windows XP と Office XP のツールによって、移動中またはホームオフィスで作業中のユーザーに具体的な支援をより簡単に実施することができます。

  • **機密情報をより安全に保つ。**外出して飛び回る人々とデータを収集する人々は、Windows XP のセキュリティ機能を使用して、移動中でも重要な情報を守ることができます。たとえば、暗号化ファイルシステム (EFS) を使用して、情報を盗難から防ぎます。これらのセキュリティ設定は、旧バージョンのWindows と Office に比べて、IT プロフェッショナルが簡単に構成、展開できるようになっています。

  • **悪意のある侵入者からネットワークを保護する。**すべてのタイプのモバイルユーザーは、侵入者と有害なコードからコンピュータを保護するWindows XP と Office XP の機能を活用できます。たとえば、インターネット接続ファイアウォールを使用すると、インターネット接続時にコンピュータに侵入されるのを防ぎます。また、Outlook 2002 を利用すると、電子メールで運ばれる有害なウイルスに、モバイルユーザーと IT プロフェッショナルが対抗するのに役立ちます。これらの機能も IT プロフェッショナルが簡単に構成および展開できます。

ツールを使用して問題をすばやく解決する

以下は、Windows XP と Office XP によって、サポートを簡素化して問題を迅速に修正する方法です。

  • アプリケーションまたはデバイスドライバをインストールした後にコンピュータが不安定になった場合、モバイルユーザーはラップトップコンピュータを迅速に以前の作業状態に復元することができます。

    システムの復元によって、ユーザーと管理者はデータを失うことなく、コンピュータを以前の状態に復元できます。システムの復元では、見分けやすい復元ポイントが作成されるため、ユーザーは構成を以前の状態に復元できます。障害または重大な問題が発生すると、セーフモードまたは通常モードでシステムの復元を使用して、以前の構成に戻し、最適なシステム機能を復元できます。システムの復元は特定のユーザーデータやドキュメントファイルに影響しないので、復元によってユーザーが作業内容やメールを失ったり、履歴とお気に入りを参照できなくなったりすることはありません。

    旧バージョンのWindows では、このような復元にはサードパーティの製品が必要になるか、さもなければ復元は不可能でした。IT プロフェッショナルはディスクイメージを再び適用してバックアップを復元するか、ユーザーのコンピュータのトラブルシューティングに膨大な時間を費やす必要がありました。IT プロフェッショナルがこの機能をサポートの電話応対時に使用すると、特にそのトラブルが最近の構成の変更から生じている場合は、モバイルユーザーはすぐに元通り利用できるようになるため、トラブルシューティング時間を大幅に短縮できます。また、システムの復元に対して WMI スクリプトを作成して、復元ポイントを作成したり、ユーザーが介入することなく以前の状態に復元することさえも可能です。

  • Windows XP は、アプリケーションの誤動作によってユーザーのラップトップコンピュータが不安定になることを防ぎます。

    Windows ファイル保護は、アプリケーションのインストールによってコアシステムファイルが上書きされるのを防ぎます。ファイルが上書きされると、Windows ファイル保護は正しいバージョンを復元します。システムファイルが保護されるので、旧バージョンのWindows で最も頻繁に発生していたこの種の障害は、Windows XP ではほとんど起きません。

    IT プロフェッショナルは誰でも、アプリケーションのインストール中にシステムファイルが変更されて、その結果、動作が不安定になったという、いやな経験があります。また、これらの問題のトラブルシューティングは厄介で時間のかかる作業であることもわかっています。Windows ファイル保護は、変更の必要がないものは変更しないように、モバイルユーザーが行う構成を監視し、この種の問題自体が発生しないようにします。

  • Windows XP は、互換性のないデバイスドライバのインストールを防ぎ、最近インストールしたデバイスドライバがコンピュータを不安定にした場合は、ユーザーは以前のドライバに復元できます。

    新しいデバイスドライバがインストールされると、Windows XP は以前にインストールされたドライバのコピーを保持して、問題の発生時にこれを再インストールすることができます。新しいデバイスドライバがWindows XP の動作不良を引き起こした場合、管理者は以前のドライバを簡単に再インストールできます。

    IT プロフェッショナルにとって、デバイスドライバのロールバックの利点は、システムの復元の利点とよく似ています。動かなくなったデバイスを再び動作させるのに多くの時間を費やす必要はありません。代わりに、以前に動作していたデバイスドライバを復元するだけです。図2はデバイスドライバのロールバック機能です。

    また、Windows 2000 のデバイスドライバの検証機能をベースにして、Windows XP ではデバイスドライバのストレステストが大幅に強化されています。これらのテストに合格したデバイスドライバは、現在利用できる最も堅牢なドライバであり、システムの安定性がもっとも保証されています。

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    2: デバイス ドライバのロール バック

  • Windows XP のリモートアシスタンスは、ヘルプデスクの技術者がモバイルユーザーのコンピュータにリモートで接続して、問題を解決するための効率のよい方法です。

    リモートアシスタンスを使用すると、ユーザーはコンピュータの制御をヘルプデスクの技術者と共有することができます。技術者はユーザーの画面を表示してポインタとキーボードを制御して技術的な問題を解決できます。IT 部門は、HTML を使用してリモートアシスタンスを仕様に合わせてカスタマイズし、発行された API の上にカスタムソリューションを構築できます。さらに、リモートアシスタンスは集中的に有効または無効に変更できます。ここの要点は、IT プロフェッショナルがユーザーのところへ出向いて費やす時間が大幅に短縮されるということです。

  • Windows XP のヘルプとサポートセンターとトラブルシューティングウィザードによって、問題を迅速に解決し、モバイルユーザーが、なるべくヘルプデスク技術者に依存しないですむようにします。

    Windows XP のヘルプとサポートセンターは、オンラインヘルプ、サポート、ツール、ハウツー記事、およびその他のリソースを一か所で集中的に提供する、重要なところです。オンラインヘルプは非常に幅広く、検索、索引、または目次から開くことができます。さらに、マイクロソフトのオンラインサポート担当者から支援を受けたり、Windows ニュースグループで他のWindows XP ユーザーと質問や回答をやり取りしたり、またはリモートアシスタンスを使用して組織のヘルプデスクに支援を依頼することが簡単にできます。

    トラブルシューティングは、ユーザーと IT プロフェッショナルによるWindows XP の多くの機能の構成、最適化、およびトラブルシューティングを支援します。ユーザーは自分で問題に対処できるようになり、結果として生産性が向上し、ヘルプデスクへの電話が減り、顧客サービスが向上します。

  • Office XP アプリケーションの障害発生時にモバイルユーザーが簡単にドキュメントを回復できます。

    Office XP は応答しないアプリケーションをより安全にシャットダウンする方法を提供します。ユーザーは、ドキュメントの回復を始めると同時に、応答しないアプリケーションをシャットダウンできます。また、そのときに、この問題をマイクロソフトまたは社内の IT 部門に報告できます。Word 2002 と Excel 2002 では、エラーまたは障害の発生時に自動的にこの破損ドキュメントの修復と回復機能を呼び出してファイルを読み込むことができます。この機能は、[ファイルを開く] ダイアログボックスから [開いて修復] を選択すると利用できます。回復は自動的に行われるので、ドキュメントの回復のためにヘルプデスクへ電話する必要はありません。

  • Office XP アプリケーションの動作に伴う一般的な問題のためにヘルプデスクに電話する必要がなくなりました。

    Office XP は、アプリケーションの起動に伴ってよく発生する問題を認識し、自動的に適切な回避策を実行できます。この機能により、アプリケーションの起動に伴ってエラーが万が一発生しても、そのまま起動できるので、不要なダウンタイムがなくなります。

機密情報をより安全に保つ

以下は、Windows XP と Office XP が組織の機密を保護するしくみについて説明したものです。

  • Windows XP は、機密情報を安全に保ち、ラップトップコンピュータと Tablet PCのデータ盗難の危険を軽減します。

    EFS はマルチユーザーをサポートし、ハッカーとデータ盗難を強力に防ぎます。EFS は、任意に生成されたキーでファイルを暗号化します。暗号化と復号化のプロセスはユーザーにとって明快です。Windows XP では、EFS は暗号化された文書への複数のユーザーアクセスを許可することができます。ユーザーの移動時には、ラップトップコンピュータが盗まれる危険があります。ラップトップがWindows XP を実行しており、すべての機密ドキュメントが暗号化されていれば、この情報にはアクセスできません。EFS は IT プロフェッショナルがグループポリシーを使って完全に管理できるので、モバイルユーザーが機密情報をネットワークから持ち出すときに特別に何か行わなくても、機密情報を守れるようにします。

  • Windows XP は最新のセキュリティテクノロジを含み、組織の機密情報をセキュリティで保護し、ラップトップコンピュータへの不要なアクセスを回避できます。

    Windows XP の公開キーインフラストラクチャ (PKI) は、定評のあるマイクロソフトの手法に基づいており、堅牢な PKI コンポーネントを提供します。PKI に対応したWindows XP の機能とOffice XP アプリケーションには、EFS、Microsoft Internet Explorer、リモートアクセス、Outlook 2002 などがあります。さまざまなサードパーティアプリケーションがWindows XP PKI に対応しています。

  • モバイルユーザーは機密ドキュメントを個々に暗号化して、これらを安全に保つことができます。

    Word 2002 と Excel 2002 ではパスワードの暗号化オプションが改良され、PowerPoint 2002 ではパスワードの暗号化がはじめて採用されました。これらのアプリケーションでは、これまでのバージョンよりも強力な暗号化アルゴリズムである標準CryptoAPI を選択できます。強力な暗号化を選択できる一方で、既定の暗号化では依然として下位互換性が保たれています。

悪意のある侵入者からネットワークを保護する

以下は、Windows XP と Office XP が悪意のある侵入者からモバイルユーザーを保護するしくみについて説明したものです。

  • Windows XP はシステムを最新の状態に保つことで、ウイルスと侵入によるダウンタイムを回避します。

    Windows XP では、動的な更新、Windows Update、および自動更新が、最新のセキュリティ修正プログラムでモバイルユーザーのコンピュータを最新の状態に保ち、コンピュータの整合性を維持します。これによって、IT プロフェッショナルがホットフィックスを展開してウイルス関連のインシデントにトラブルシューティングを実施する時間が大幅に減少します。

  • Windows XP は、組み込みファイアウォールを用いて、許可されていないアクセスと一般的なインターネットベースの攻撃からラップトップコンピュータを保護します。

    インターネット接続ファイアウォールは、Windows XP の組み込みファイアウォールクライアントであり、一般的なインターネットの攻撃からモバイルユーザーを保護します。モバイルユーザーは移動中にラップトップコンピュータをインターネットに安全に接続できます。インターネット接続ファイアウォールは、図3に示すように容易に構成できます。これによって、IT プロフェッショナルが攻撃に対処するのに費やす時間が大幅に短縮されます。

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    3: インターネット接続ファイアウォール

  • Windows XP はスマートカードを使用して、安全な認証、ログオン、および電子メールによって機密情報を守ります。その結果、ラップトップコンピュータとネットワークは侵入から守られます。

    Windows XP は、ユーザーがスマートカードを装備するオプションを組織に提供するため、多角的なセキュリティシステムが可能になり、モバイルコンピュータの攻撃に対する安全性がさらに向上します。PC カードのスマートカード読み取り装置はさまざまな製造元から入手できます。

  • Office XP は、ユーザーレベルのアクセス制御とデジタル署名によって、モバイルユーザーの機密情報保護を支援します。

    Office XP では、ユーザーがドキュメント全体をデジタルで署名できます。この機能によって、ユーザーはドキュメントが信頼されている送信元からのものであるか、およびドキュメントが元の状態から変更されているかということを知ることができます。また、[オプション]ダイアログボックスの単一のタブからアプリケーションごとのセキュリティオプションが使用でき、ユーザーがこれらの機能を使いこなすことができるようになっています。

  • IT プロフェッショナルはマクロウイルスの危険を大幅に軽減できます。

    IT プロフェッショナルは高いセキュリティレベルで各Office XP プログラムを構成できるため、ユーザーが信頼されている送信元によって署名されていないマクロを実行してしまうのを防ぎます。この機能や関連するセキュリティ機能は、Office XP リソースキットのカスタムインストールウィザードを使用して、展開時に簡単に構成できます。また、このリソースキットは、Office XP のセキュリティポリシーを簡単に構成するためのポリシーテンプレートを提供します。

    IT プロフェッショナルは、ユーザー、グループ、または組織全体で、Office インストールからVisual Basicョ for Applications (VBA) を削除することができます。ただし、VBA がなければマクロは機能しないので、ユーザーはAccess 2002 をインストールできません。これはマクロウイルスからモバイルユーザーを守る最後の手段です。

  • IT プロフェッショナルは、 Outlook 2002 のアンチウイルス機能を使用して、電子メールで運ばれるウイルスの侵入を防ぎます。

    IT プロフェッショナルはOutlook 2002 を構成して、電子メールで運ばれるほとんどのウイルスからモバイルユーザーを守ることができます。まず、Outlook 2002 は安全でない添付ファイルの受信を既定で拒否します。たとえば、メールクライアントは .exe 拡張子ならびにリストにある他の拡張子を持つ添付ファイルを自動的に削除します。この機能はメールサーバー(Microsoft Exchange) の IT プロフェッショナルによって、またはグループポリシーの使用によって完全に構成できます。また、Outlook 2002 では、Outlook 2002 が通知した後でユーザーが承認しない限りは、プログラムからユーザーのアドレス帳にアクセスしたり、ユーザーの代わりに電子メールを送信したりできないようにします。

  • Windows XP は、 802.1x セキュリティ標準によるワイヤレスネットワーク接続をサポートします。

    802.1x セキュリティ標準のサポートにより、Windows XP ではユーザーが各アクセスポイントにログオンせずに、企業ネットワーク内のアクセスポイント、または公衆ワイヤレスネットワークのホットスポットのローミングを実行できます。Windows XP はユーザー単位およびポート単位でアクセスを制御するため、将来的に広範なサービスを可能にする詳細なアクセス制御と識別を実現します。

モバイルの接続性

Windows XP と Office XP の信頼性のほかに、モバイルユーザーにとっては、接続性が重要な特性です。最近のバージョンのWindows はすべて、リモートネットワークリソースに接続する手段を提供していますが、Windows XP と Office XP では接続がより簡単になり、IT からのサポートも少なくて済みます。このセクションでは、Windows XP と Office XP が企業ネットワークリソースと LOB アプリケーションへの接続を簡素化し、すべてのタイプのモバイルユーザーの生産性を向上する方法について説明します。

  • **高速で安価なネットワークアクセスを提供する。**モバイルユーザーの 4 つのタイプ (外出して飛び回る人々、社内を飛び回る人々、在宅勤務者、およびデータを収集する人々) は、Windows XP のリモートアクセス機能を利用して、企業ネットワークリソース、LOB アプリケーション、および自分のデスクトップコンピュータにアクセスできます。外出して飛び回る人たちと社内を飛び回る人たちは、Windows XP のWi-Fi ネットワーク接続の組み込みサポートの恩恵を受けます。

    自動ワイヤレス構成は、これらのユーザーにとってこれまで以上に実用的なワイヤレスネットワーク接続を実現します。Gartner Dataquest によると、Windows XP のワイヤレスネットワーク接続によって、ユーザーの生産性が 41 % 向上し、週単位で 7.5 時間の生産的な業務が増えたことになります。Windows XP では、ネットワーク接続の構成が旧バージョンのWindows よりもはるかに簡単になりました。これによって、すべてのタイプのモバイルユーザーが簡単に接続を作成できます。見積もりでは、ネットワーク接続の簡素化によって、組織はラップトップ単位で年間 68 ドル節約できます。 [1]

    ワイヤレスネットワーク接続とネットワーク接続の簡素化は、IT プロフェッショナルにとってWindows XP の最大の利点の 1 つです。ユーザーは独自のネットワーク接続を構成できるため、自分で問題に対処できるようになります。IT プロフェッショナルは、モバイルユーザーにオペレーティングシステムを展開するときに、すべての接続を計画および構成する必要がなくなりました。モバイルユーザーが環境を変更して新しいネットワーク接続を構成する必要がある場合も、ヘルプデスクへの問い合わせの電話はこれまでより少なくなります。

  • **より効果的にコラボレーションを実行できる。**モバイルユーザーにとって、特に、外出して飛び回る人たちや社内を飛び回る人たちにとっては、机から離れている間の、顧客や同僚とのコラボレーションは、ますます重要なタスクとなりつつあります。Office XP には、ドキュメントのレビューのためのプロセスの大幅な改良など、コラボレーションの生産性を向上する機能が含まれます。

  • **よりよいコミュニケーションや調整を可能にする。**4 つのタイプのモバイルユーザーはすべて顧客、パートナー、および同僚とのコミュニケーションやコラボレーションが向上し、恩恵を受けます。Windows XP は、テキスト、オーディオ、およびビデオのメッセージング用にWindows Messenger を提供します。Office XP では、SharePoint" Team Services のコラボレーション機能が追加されるので、チームは迅速にチーム指向のコラボレーション Web サイトを構築でき、Outlook 2002 ではスケジュールや連絡先の調整が非常に簡単になります。

高速で安価なネットワーク アクセスを提供する

以下は、Windows XP によって企業ネットワークリソースへの接続を簡素化する方法です。

  • モバイルユーザーが企業ネットワークリソースにリモートで接続します。

    Windows XP では、ダイヤルアップネットワーク接続、赤外線、およびケーブル接続により、VPNを含むネットワークにリモートで簡単に接続できます。新しい接続ウィザードによって、ユーザーはさまざまなネットワークへの接続を設定でき、IT プロフェッショナルが展開時に接続を構成する設定や要件を手動で構成する必要がなくなります。新しい接続ウィザードでは、いろいろな種類の新しい接続を単一のユーザーインターフェイスを使って作成できます。自動的に接続を設定できるようになったため、追加のサービスをインストールする必要がなくなりました。リモート接続には、以下の選択肢があります。

    • **プライベートネットワークへのダイヤルアップ。**電話回線でプライベートネットワークに接続する際に、ダイヤルのプロパティ構成で使用できるオプションが増えています。たとえば、通話カードを利用するときや暗証番号 (PIN)、あるいはその他、接続に固有の情報などを指定できます。

    • **インターネットへのダイヤルアップ。**インターネットに接続するときに、これまでより簡単に、プロキシの設定および他のインターネット固有の情報を設定できるようになりました。

    • **着信呼の受け付け。**ユーザーはモデム、IrDA、またはケーブル接続から接続を受け付けるときに、アクセス許可を設定できます。

    • **他のコンピュータへの直接接続。**ウィザードでケーブル接続を作成して、2 台のコンピュータを非常に簡単に接続できます。

    • **インターネットから仮想プライベートネットワークへの接続。**図 4に示すように、どのユーザーでも簡単に VPN へ接続できます。ウィザードと自動 VPN コンポーネント構成オプションによって再起動する必要がなくなりました。

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      4: ネットワーク接続ウィザード

    VPN を使用すると、ユーザーは企業ネットワークへの安全なパイプラインとして、インターネットを利用することができます。ユーザーは移動時に、ほとんどのローカルインターネットサービスプロバイダ (ISP) にダイヤルインして、VPN セッションを設定してインターネットから企業ネットワークに接続できます。VPN によって、組織は長距離電話による変更を大幅に削減し、モバイルユーザーは安価に長時間、企業ネットワークへ接続し続けられます。Windows XP をVPN を使用する接続に構成するには、新しいネットワーク接続ウィザードを用いると非常に簡単です。ユーザーが VPN サーバー名を入力すると、Windows XP が自動的にデバイスを構成して適切なネットワークサービスを追加してくれます。今日、最も一般的な VPN プロトコルである Point-to-Point トンネリングプロトコル (PPTP) をサポートするだけでなく、Windows XP は仮想接続を作成するための、より安全な新しい方法をサポートします。これらには、レイヤ 2 トンネリングプロトコルおよびインターネットプロトコルセキュリティ (IPSec) があり、ユーザーは安心して企業ネットワークに接続できます。

    IT プロフェッショナルはこれらの接続を事前に構成する必要はありません。モバイルユーザーが自分で接続を構成できるようになるため、いらいらしたモバイルユーザーから深夜に電話を受けることも少なくなります。

  • Windows XP では、モバイルユーザーが場所ごとにダイヤル規則などの設定を構成できるので、構成を繰り返し行う必要がありません。

    モバイルユーザーは移動しながら、さまざまなクライアントネットワーク、企業ネットワーク、ISP など、多くの異なるネットワークに接続します。旧バージョンの Windows では、ユーザーは異なるネットワークに接続するたびに、モデムを構成し直す必要がありました。たとえば、会社のプロキシサーバーでは、ユーザーの ISP とは異なるモデム構成が必要になる場合があります。こうした手動での再構成はWindows では不要です。代わりに、接続単位設定の機能がネットワーク接続ごとに個々の設定を保持するため、ユーザーは複雑な設定を思い出して再構成する必要がなく、いろいろなネットワークに接続できます。

    接続マネージャのお気に入り機能を使用すると、共通のダイヤル場所間で切り替えるときに、ユーザーは接続マネージャのプロパティを繰り返し構成しなくて済みます。この機能により、簡単に設定を保存し、アクセスできます。たとえば、モバイルユーザーがホームオフィスとビジネスパートナーのオフィス間を移動中に、接続マネージャを使用して、最寄りのアクセス電話番号、市外局番、ダイヤル規則などの設定を場所ごとに構成できます。次に、保存した設定から選択して、各場所のネットワーク接続を迅速に設定できます。

    最後に、複数のネットワークでラップトップを使用するユーザーは、ある場所では静的 IP アドレスを使用し、別の場所では動的 IP アドレスを使用する必要があります。たとえば、職場では動的アドレス指定 (DHCP) を使用し、自宅では静的 IP アドレスを使用して広帯域 ISP により接続する場合があります。Windows XP はNetwork Location Awareness を備えており、これによりユーザーはラップトップを再構成せずに、組織の企業ネットワークやユーザーのホームネットワークなど、有線ネットワーク間で移動できます。これで、IT プロフェッショナルは、典型的なモバイルユーザーのネットワーク接続を構成するときに、最もよく感じたジレンマへのソリューションを得ました。

  • モバイルユーザーは自宅から、あるいは移動中にデスクトップコンピュータに接続し、自分のコンピュータの前に座っているかのように、すべてのアプリケーション、情報、およびネットワークリソースにアクセスできます。

    リモートデスクトップはターミナルサービステクノロジに基づいています。リモートデスクトップを使用すると、図 5に示すように、ユーザーはWindows 95 以降が動作する他のクライアントからWindows XP Professional が動作するリモートコンピュータ上のアプリケーションを実行できます。アプリケーションはリモートコンピュータ上で実行されて、キーボード入力、マウス入力、およびディスプレイ出力データのみがネットワークを介してリモートの場所に転送されます。リモートデスクトップは狭帯域のシナリオでも正常に機能します。

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    5: リモート デスクトップ

    リモートデスクトップによって、ユーザーは分散コンピューティング環境の柔軟性を活用できます。Windows XP Professional の標準コンポーネント (Windows XP Home Edition には含まれていません) であるリモートデスクトップを使用すると、モバイルユーザーはWindows 95 以降のクライアントから任意の接続を介してWindows XP のコンピュータにリモートでアクセスできます。リモートデスクトップを使用すると、ユーザーは自分のコンピュータの前に座っているかのように、すべてのアプリケーション、ファイル、およびネットワークリソースにアクセスできます。オフィスで実行したままにしておいたアプリケーションは、後で自宅、会議室、あるいは外出先からリモートで接続したときにも、まだ動作しているはずです。

    IT プロフェッショナルとして、席に着いたままユーザーのコンピュータのトラブルシューティングを実施するとします。リモートデスクトップによって、IT プロフェッショナルはAdministrator としてユーザーのコンピュータにログオンして、アプリケーションのトラブルシューティング、構成、およびインストールを実施できます。この機能により、ユーザーのところまで出向く必要がなくなります。モバイルユーザーの場合は訪問すること自体、不可能であることが多いのです。ユーザーをAdministrator グループに無理やり登録することもありません。さらに、リモートデスクトップはダイヤルアップ接続などの低速リンクでも十分に機能します。

  • モバイルユーザーは、行きたいところにネットワークへの接続を維持したまま移動できます。オフィスでのネットワーク展開コストが下がるとともに、ユーザーは公衆ワイヤレスネットワークがあるところではすぐ利用できます。

    ワイヤレスネットワーク接続によって、ネットワークユーザーがハードウェアに直結されたネットワークに関連するさまざまな問題をより自由に解決できるようになり、展開コストを削減できる場合もあります。Windows XP には、ワイヤレスネットワーク接続を高速かつ簡単にする拡張機能が含まれます。

    以前は、モバイルユーザーがオフィスから離れた場所でラップトップをオンラインにする最も信頼性の高い方法は、電話回線を見つけることでした。高速アクセスの場合、有線ネットワーク接続を見つける必要がありました。Windows XP では、Wi-Fi ネットワーク接続という、現在の広帯域ワイヤレスネットワークの中でも有数のテクノロジを使用して、ワイヤレステクノロジとワイヤレスアクセスポイントを公私両方の場で活用し、インターネットおよび企業ネットワークへのワイヤレスアクセスを提供します。

    また、Windows XPのワイヤレスネットワーク接続を用いると、IT プロフェッショナルの作業が少なくなります。たとえば、会議室にネットワーク接続を配線するのに何日も費やさずに、会議室にワイヤレスアクセスポイントを展開することができます。

  • モバイルユーザーはラップトップコンピュータまたは Tablet PC 上のネットワーク接続設定を再構成することなく、ワイヤレスネットワークをローミングできます。

    ホワイトペーパー“Higher Yields: The Financial Benefits of Windows XP Professional” によると、自動構成によってラップトップ単位で年間 830 ドルの節約になり、ワイヤレスネットワーク接続に実用性が出てきます。Windows XP は、ワイヤレスネットワーク用のWi-Fi標準を使用して、自動ワイヤレスネットワーク構成を提供し、ワイヤレスネットワークへのアクセスに必要な構成を最小限に抑えています。

    Windows XP 以前にワイヤレスネットワーク接続を構成した IT プロフェッショナルであれば、ワイヤレス接続の利用価値以上に、その構成作業に手間がかかる場合が多いことを知っています。Windows XP では、ワイヤレス接続の構成が自動化されたため、ユーザーが自分で実施できます。

    ユーザーが自動ワイヤレスネットワーク接続を自分のラップトップコンピュータ上で有効にする場合、場所ごとにコンピュータのネットワーク接続設定を再構成することなく、いろいろなワイヤレスネットワークをローミングできます。場所を移動すると、自動ワイヤレスネットワーク接続が使用可能なワイヤレスネットワークを検索し、使用できる新しいワイヤレスネットワークが存在すれば、これをユーザーに通知します。使用するワイヤレスネットワークを選択すると、自動ワイヤレスネットワーク接続はユーザーのワイヤレスネットワークアダプタを更新してこのワイヤレスネットワークの設定に適合させて、このワイヤレスネットワークに接続しようとします。自動ワイヤレスネットワーク接続を使うと、ユーザーはワイヤレスネットワークの優先リストを作成して、これらのワイヤレスネットワークへの接続試行の順序を指定できます。

  • モバイルユーザーはケーブルを使わずに、他のモバイルユーザーと便利に情報を共有できます。

    Windows XP Professional は、ユーザーが情報を転送し、物理ケーブルなしにコンピュータ間でプリンタなどのリソースを共有できるIrDA (Infrared Data Association) プロトコルスイートをサポートします。ラップトップコンピュータの最近のモデルには、IrDA のハードウェアサポートが含まれます。たとえば、ラップトップコンピュータを携帯して移動中の 2 人のモバイルユーザーは、ケーブルやフロッピーディスクを使用せずにIrDA 接続を作成して、ファイルを転送できます。これらのユーザーの 2 台のコンピュータがお互いに近くに置かれている場合は、IrDA は自動的にこの接続を構成します。

    また、アドホックWi-Fi ネットワーク接続では、2 人のモバイルユーザーはファイルをワイヤレスで交換できます。インフラストラクチャワイヤレスネットワークでは、アクセスポイントがネットワークに接続している必要があり、これはコンピュータとネットワーク間のワイヤレスネットワークです。一方、アドホックワイヤレスネットワークはコンピュータ間のワイヤレスネットワークであり、アクセスポイントは不要ですが、各コンピュータがワイヤレスNICを備えている必要があります。

より効果的にコラボレーションを実行できる

以下は、Windows XP と Office XP がモバイルユーザーに効果的なコラボレーションを提供する方法です。

  • ユーザーは高度なカスタマイズが可能な Web サイトを使用して、文書、活動、および連絡先情報について同僚と、よりよく、調整やコラボレーションが可能です。

    Microsoft SharePoint Team Services は表現力があり、作成が簡単な Web サイトです。これを使うと、チームの情報や活動の管理方法を改善できます。Web ブラウザを使用するだけで、チームのメンバは連絡先とタスクのリスト、イベントの予定表、ドキュメントの格納ライブラリ、およびアンケートを作成できます。ディスカッションはニュースグループ形式で行い、サイトのコンテンツの変更時には通知を受信できます。SharePoint Team Services は、インターネットインフォメーションサービス (IIS) と一緒に動作する、Windows ベースのソリューションです。SharePoint Team Services のWeb サイトでユーザーが作成できるコンテンツの種類は以下の通りです。

    • **ドキュメントライブラリ。**ドキュメントライブラリは Web ベースのユーザーインターフェイスを使用します。このライブラリは、ユーザーが他のメンバと一緒にドキュメントにアクセスして作業するための、イントラネット上の場所となります。各ドキュメントライブラリ内では、ドキュメントの新規作成や、既存のドキュメントのチーム領域へのアップロード、テンプレートのライブラリへの関連付け、およびドキュメントのフィルタ処理が可能です。

    • **リスト。**SharePoint Team Web サイトはリストで構成されます。これは、Web インターフェイスを使用して表示および編集できる情報の集まりです。ユーザーはさまざまなリストテンプレート(お知らせ、連絡先、イベント、アンケートなど) から選択するか、Excel 2002 で最初からリストを新しく作成できます。さらに、リストを簡単に編集、カスタマイズ、購読、または適切なOffice XP アプリケーションへエクスポートできます。

    • **イベント。**イベントリストは、チームのイベントを格納および表示するための場所をチームのメンバに提供します。イベントに関する情報を追加し、Outlook 2002 のカレンダにイベントを直接エクスポートできます。

    • **連絡先。**チームの連絡先を利用すると、チームが互いの連絡先を共有したり、連絡先に表示される列や表示方法を変えることができます。また、Outlook 2002 の [連絡先] フォルダにエクスポートしたり、フォルダからインポートすることができます。

    • **ディスカッション掲示板。**ユーザーは、図 6に示すように、ドキュメントまたは Web サイトについての議論で意見を述べたり、返答したりできます。

    Microsoft SharePoint Team Web ページは、FrontPageョ 2002 で直接編集できます。ユーザーはサイトのテーマを変更して、FrontPage コンポーネントを追加するか、静的なHTML 要素を追加して、チームサイトを思い通りにカスタマイズすることができます。

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    6: SharePoint Team Services

  • Office XP はドキュメントのレビュープロセスを簡潔にし、複数のレビュアからのコメントや改訂内容をよりスムーズに結合します。

    Office XP は、レビュー過程でのユーザー個々の役割を把握し、上手に協同でドキュメント作業を行うために必要なツールを、ユーザーに提供します。ユーザーがレビュー用のドキュメントを送信すると、適切なレビューツールが自動的に起動されます。さらに、レビュアがドキュメントを送り返すと、ユーザーは変更箇所を元のドキュメントに結合できます。

    ドキュメントのレビュー時に、レビューツールバー(図 7を参照) には、さまざまな表示方法やオプションが提示されます。ドキュメントをフィルタ処理して、特定のレビュアまたは全レビュアによる変更を表示できます。ユーザーは各変更を順番に確認して、変更を個別に承認または拒否するか、全変更を同時に承認または拒否することができます。さらに、Office XP では、ユーザーは複数のレビュアのコメントと改訂を結合できます。著者は個々の、あるいはすべての改訂を、承認または拒否できます。

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    7: レビュー ツールバー

コミュニケーションや調整を可能にする

以下は、Windows XP と Office XP で、コミュニケーションや調整がより簡単になる方法です。

  • モバイルユーザーはパートナー、顧客、および同僚と常に連絡を取り、関係を深めることで、チャンスを活用することができます。

    Windows Messenger を使用すると、モバイルユーザーは顧客、パートナー、および同僚と簡単に連絡をとることができます。連絡先のオンライン状態に常に最新の状態に保たれます。ユーザーはオンライン上の連絡先と連携を取り、ファイルを転送し、アプリケーションやホワイトボードの図をを共有できます。Windows Messenger は、ユーザーにオンライン会議とコラボレーションのためのすぐれたプラットフォームを提供します。また、Windows Messenger は、顧客とパートナーとの関係を改善し、社員間のコミュニケーションを密にします。

    Windows XP のWindows Messenger テクノロジには、次の 3 つの主な特長があります。

    • ユーザーがコミュニケーションを制御できる、簡単で完全なリアルタイムコミュニケーションエクスペリエンス。

    • 電話と同等の品質の音声と、利用に耐える品質のビデオを特長とする、高品質のエクスペリエンス。インターネット電話は価格面だけでなく性能面でも魅力的です。

    • リアルタイム通信の利点をアプリケーションやサービスに広げる、拡張性のあるプラットフォーム。ユーザーはさまざまな開発者やサービスプロバイダの新技術を活用できます。

    Outlook 2002 はWindows Messenger と統合されています。Outlook 2002 ユーザーは、電子メールメッセージまたは連絡先カードを開くと、相手先がオンラインであるかどうかがわかります。ユーザーはOutlook 2002 からWindows Messenger セッションをすぐに開始できます。

  • Outlook 2002 には組み込まれている予定表、スケジュール、通知、およびグループの連係機能は、改良が行われており、モバイルユーザーはこれらの機能を使って、日常の業務を効率よく管理できます。

    複数の電子メールアカウント (Hotmail アカウントとExchange のアカウントなど) を持つユーザーは、メッセージ単位でメッセージを送信するために使用するアカウントを選択できます。ユーザーがアカウントを選択すると、情報バーはメールを送信するアカウントを表示します。既定として使用されるアカウントを判定するために、はっきりした規則が組み込まれています。

    ユーザーはインターネットを介して予定の有り/空き情報を他の人と共有できます。この情報を共有すると、Exchange サーバーを共有しないOutlook 2002 ユーザー間で、会議を予定しやすくなります。

    会議の要求を受信すると、ユーザーはこの要求を断るだけではなく、この会議の担当者に新しい会議時間を提案できます。また、Exchange サーバーを持つユーザーは、新しい会議時間を提出する前に各出席者の予定の有/空き情報を確認できます。

    最後に、ユーザーはOutlook 2002 内に複数のグループの予定表を保存できるので、チームまたは会議室のスケジュールにすばやく簡単にアクセスできます。この単一の予定表インターフェイスで、ユーザーはグループの空いている時間と予定が入っている時間を表示できるとともに、簡単に電子メールを送信したり、グループ全体の予定調整ができます。

モバイルの生産性

Windows XP と Office XP の連係により、モバイルユーザーの生産性が向上します。両製品の信頼性と接続性の高さのおかげで、ユーザーは問題点のサポート、機能の管理、およびセキュリティ危機の軽減に要する時間を短縮し、他の重要なタスクに割り当てることができます。

さらに、新しい[スタート] メニューやタスクベースの設計などのWindows XP の機能と、作業ウィンドウやスマートタグなどのOffice XP の機能を使用すると、Windows 2000 と Office 2000 の場合と比較して、ユーザーの生産性が 25 % 向上します。American Institutes for Research (AIR) が大規模な調査を実施してこの結論を得ました。AIR は、Microsoft Office 2000 と Office XP の両方のユーザーも評価しました。結果は、Office XP ではユーザーがすべてのタスクを完了する時間が短縮され、Office 2000 よりも多くのタスクを完了することができました。 [2]

Windows XP を使用すると、ユーザーの生産性が向上するだけではなく、ユーザーの作業速度も向上します。eTesting Labs は、Windows XP は他のどのバージョンのWindows よりも高速であることを確認しました。たとえば、オペレーティングシステムの起動はWindows 98 よりも 27 % 高速化しています。スタンバイモードからの再開速度は19 % 向上し、休止モードでは 13 % 向上しています。さらに、eTesting Labs によると、Windows XP のBusiness Winstone 2001 ベンチマークの実行速度は、Windows 98 よりも26 % 向上しており、Content Creation Winstone 2001 ベンチマークでは、77 % 向上しています。Windows XP はWindows 98 よりもアプリケーションの起動速度が 50 % 向上しています。 [1]

このセクションでは、Windows XP と Office XP の生産性の利点について説明します。

  • **より少ない時間でより多くの作業を完了できる。**この利点はすべてのタイプのモバイルユーザーに同様にあてはまります。旧バージョンの製品と比べて、Windows XP と Office XP ではすべてのモバイルユーザーの生産性が向上します。ユーザーのタスク実行速度向上は、組織全体の生産性にとって重要ですが、ユーザーがヘルプデスクに問い合わせの電話をせずにタスクを完了できるようになる利点からは、ヘルプデスクも直接、恩恵を受けることができます。

  • **ユーザーの生産性を社内および移動中も維持する。**外出して飛び回る人々とデータを収集する人々は、モバイルユーザーが重要な情報を移動中に携帯できるという、Windows XP 機能の利点を最も多く得ています。これらの機能は自動化されてユーザーが自分で対処できるので、IT プロフェッショナルが実施する必要のある構成と管理も少なくて済みます。

  • **より簡単に取り外して外出する。**外出して飛び回る人々とデータを収集する人々がドッキングソリューションの簡素化、プラグアンドプレイ、およびスタンバイモードと休止モードの高速化により、大きな恩恵を受けるのはもちろんですが、社内を飛び回る人々こそ、こうした機能からもっとも恩恵を受けます。Windows XP の電源管理の改良により、休止状態を正しく機能させたかったり、エラーを起こさずにコンピュータを取り外したいユーザーをサポートするために、IT プロフェッショナルがかけていた時間を短縮できます。

より少ない時間でより多くの作業を完了できる

以下は、Windows XP と Office XP がすべてのユーザーの生産性を向上させる方法です。

  • Office XP では、必要な機能がすぐクリックできる場所にあるので、ファイルをすばやく見つけたり、内容の書式を簡単に設定したり、作業を効率よく進めることができます。

    Office XP アプリケーションでは、重要なタスクに簡単にアクセスできるように、統合化された単一の表示部を備えています。これが作業ウィンドウです。作業ウィンドウはウィンドウの右側に表示され、ここからユーザーは、検索や、ドキュメントを開いたり新規作成したり、あるいはクリップボードの内容を表示したり、ドキュメントの書式を変えたり、その他いろいろなことができます。異なるタスクは異なるウィンドウで行います。この結果、ユーザーはヘルプデスクに手順を問い合わせる必要なく、これまでより多くの作業を行うことができます。以下はその例です。

    • **新しいドキュメント。**ファイルの新規作成や、既存のファイルを開くには、作業ウィンドウを使うと簡単です。このウィンドウからすばやく新しいファイルを開くことができるだけでなく、Web ベースのテンプレートまたは既存のドキュメントから新しいドキュメントを作成したり、最近使用したテンプレートとフォルダのリストを確認したりできます。

    • **クリップボード。**Office XP では、ユーザーがすべてのOffice XP アプリケーションまたは Web で最大 24 個の情報を同時にコピーして作業ウィンドウに保管できるように改良されました。また、作業ウィンドウはユーザーにクリップボード上のデータとテキストのサンプルを視覚的に提示するので、クリップボード上の異なるアイテムが選択しやすくなります。

    • **検索。**Office XP の新しい検索機能により、ドキュメントのテキストの検索が簡単になりました。ファイルとフォルダの検索も、その保存場所に関わらず、ドキュメントを作業場所に置かなくても可能です。さらに、ユーザーはコンピュータ上のファイルに索引を付けることができ、包括的な検索が可能になります。

  • Office XP は、ユーザーが必要なときに関連した情報とオプションを提供します。

    スマートタグは、すべてのOffice XP アプリケーションが共有するボタンのセットです。これらのボタンは、Excel 2002 の式にエラーが含まれるとき、あるいはWord 2002 で、ユーザーが入力しているテキストを自動的に修正するときなど、ユーザーが必要とするときに表示されます。たとえば、Word 2002 では、図 8に示すように、自動的な動作を調節することができます。自動修正を取り消したり、修正を後回しにして、今は行わずにおくことができます。

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    8: スマート タグ

    スマートタグはユーザーがコンテンツをドキュメントに貼り付けたときに表示されます。貼り付け方法は複数あり、コピーしたそのままの状態で貼り付けるか、貼り付け先の文脈に合わせてスタイルを変更するか、または内容に基づいてデータに特定の形式を適用するかを選ぶことができます。

    さらに、スマートタグは拡張性があるので、独自のタグを作成できます。サードパーティはスマートタグテクノロジに対応しており、Office XP ユーザーに独自のソリューションを提供します。たとえば、スマートタグを作成して、注文番号を Excel に入力するたびに、顧客、注文、価格などのすべてにリンクすることができます。

  • Windows XP は起動の高速化によってユーザーの作業をスピードアップします。

    従来のコンピュータは起動に数分間かかります。これだけの時間を、ビジネスの会議でクライアントはとても我慢できません。起動と終了の時間は、モバイルユーザーのエクスペリエンスの重要な要素です。Windows XP には電源管理の改良が含まれており、インスタントオンアクセスの実現に近づきつつあります。

    Windows XP は、ACPI (Advanced Configuration and Power Interface) 仕様に基づいています。この仕様により、コンピュータは 30 秒かからずに休止モードから回復します。休止モードは、開いたすべてのプログラムや接続されたデバイスの状態を維持したまま、コンピュータのすべての電源を無期限に停止します。Windows XP はサスペンドモードもサポートしています。これはコンピュータをほとんど電力を消費しない深いスリープ状態にするモードです。サスペンドモードからの回復には数秒しかかからず、バッテリ寿命を数時間、延ばすことができます。休止モードと再開モードのパフォーマンスの強化により、ユーザーのコンピュータの可用性が向上します。旧バージョンのWindows よりも快適に動作するので、IT プロフェッショナルはモバイル構成の計画と電源管理のサポートをより簡単に実施できます。

  • Windows XP はユーザーの作業を中断しないため、生産性が向上します。

    Windows XP では、Windows 2000 に比べて再起動のシナリオが大幅に削減されました。このオペレーティングシステムでは、旧バージョンのWindows でエンドユーザーが強制的に再起動させられていた、ほとんどのケースがなくなりました。また、多くのソフトウェアのインストールで再起動する必要がなくなりました。この結果、コンピュータの稼動水準が向上しています。しかし、再起動回数の削減により、最も恩恵を受けているのは、IT プロフェッショナルでしょう。各ステップでコンピュータを再起動する必要がなくなったため、トラブルシューティング、構成、およびソフトウェアのインストールに要する時間が大幅に短縮されました。

  • モバイルユーザーが複数の画面で作業して、作業領域を拡大することで、ハードウェア資産を活用します。

    モバイルユーザーは、DualView などのユーザーエクスペリエンスの向上のために設計されたハードウェア機能から恩恵を受けられます。DualView は、Windows 2000 に組み込まれた複数のモニタサポートへの拡張機能です。いくつかのハイエンドディスプレイアダプタと多くのポータブルコンピュータは、同じディスプレイアダプタで、2 つのインターフェイスをサポートします。DualView を使用すると、2 つのインターフェイスに、異なる出力内容を同時に表示できます。たとえば、ポータブルコンピュータ上で、ユーザーがモニタに接続して、ラップトップコンピュータのディスプレイと外部モニタの両方を使用して、デスクトップ空間を拡大できます。また、プレゼンテーションを行うユーザーは、ラップトップコンピュータのディスプレイで文書内の情報を探す間に、聞き手にはもう 1 つのモニタにプレゼンテーションを表示しておけるので、中断する必要がなくなります。

  • モバイルユーザーは読みやすいテキスト表示のおかげで疲労が少なくなり、長時間作業できるようになります。

    Microsoft ClearTypeョ は、テキスト表示のために水平解像度を 3 倍にした新しいテキスト表示テクノロジです。このテクノロジのおかげで、デジタルインターフェイスを使用する標準の LCD 画面でテキストが読みやすくなります。

  • ユーザーはより自然な入力形式を選択できます。

    Windows XP Tablet PC Edition と Office XP では、ペンを使用してコンピュータを制御し、テキストを入力し、手書きメモを直接ドキュメントに保存できます。たとえば、ユーザーが自分の手書きで会議メモを作成して、このメモを会議の後でテキストに変換することができます。

    Windows XP Tablet PC Edition と Office XP は、従来のマウスとキーボードに加え、より自然な入力形式として音声認識をサポートしています。音声認識を使用して、文章の口述筆記やメニューの操作、ドキュメントの書式設定、その他、もっといろいろなことが可能です。

ユーザーの生産性を社内および移動中にも維持する

以下は、Windows XP でユーザーがネットワークに接続していないときにユーザーの生産性を向上させる方法です。

  • モバイルユーザーはオフィス内と同様に重要な情報を携帯できるので、生産性が向上し、 IT プロフェッショナルの作業負荷も軽減されます。

    Windows XPでは、オフラインファイルとオフラインフォルダがネットワークベースのドキュメントへの一貫したアクセスを提供し、ユーザーは飛行機に乗っていても、オフィスから離れた場所で作業していても、高い生産性を維持できます。複数のユーザーがネットワーク接続の有無に関係なく、同じファイル、フォルダ、および Web サイトを共有できるので、これらのリソースを簡単に同期できます。

    オフラインファイルとオフラインフォルダを使用すると、オフラインのファイル、フォルダ、およびマップされたドライブ全体を組み合わせて使用できます。任意のネットワーク上のファイルまたはフォルダを右クリックしてから [オフラインで使用する] をクリックします。すると、まるで接続し続けているかのように、 [マイネットワーク] フォルダ内のオフラインリソースにアクセスできます。これは、ユーザーがネットワーク接続の有無に応じて、オフラインリソースの異なる場所を見る必要がないことを意味します。オフラインファイルとオフラインフォルダが自動的に同期を処理するので、ユーザーはオフラインリソースを手動で同期する必要もありません。

    この機能がIT プロフェッショナルにもたらす利点は数多くあります。まず、使いやすい機能なので、オフラインファイルの使い方をユーザーに教育する時間が短く済みます。オフラインファイルとオフラインフォルダはブリーフケースに比べて大規模な改良が加えられています。その証拠に、ユーザーが手動で同期を行ってエラーが発生し、ヘルプデスクにファイルの復旧を依頼する電話をかけてくるといったことは、もうありません(オフラインファイルとオフラインフォルダは自動的に同期します)。さらに、オフラインファイルとオフラインフォルダはグループポリシーから管理できます。たとえば、IT プロフェッショナルは同期を構成して、ユーザーが特定のネットワークフォルダを構成しなくても、自動的にオフラインで使えるようにできます。ここのポイントは、IT プロフェッショナルはユーザーに以前のオフラインテクノロジのように頭を悩ませることなく、ほとんど苦労せずに、移動中に重要なファイルを携帯させることができるということです。

  • Windows XP は自動的にオフラインリソースを同期して、最新のバージョンを常に確実に使用、更新できるようにします。

    オフラインリソースを使用する場合、ユーザーはネットワークに接続したときにオンラインバージョンのリソースを更新する必要があります。同様に、ネットワークから接続を切断したときには、ローカルバージョンのリソースを更新して、移動中に確実に最新のバージョンを携帯する必要があります。

    同期マネージャはWindows XP の機能ですが(図 9を参照)、これを使用するとユーザーは単一のユーザーインターフェイスですべてのネットワークリソースを同期できます。これには、ファイル、フォルダ、電子メール、およびデータベースが含まれます。これを構成して、リソースの一部または全部に対して自動的に実行することができます。たとえば、特定のファイルとフォルダを構成して、ユーザーがネットワークにログオンまたはログオフするたびに同期することができます。同期マネージャは変更されたリソースだけを更新するので、プロセスが短時間で完了します。さらに、これは複数のユーザーが同じドキュメントをインテリジェントに変更するイベントを処理します。ユーザーはネットワークコピーまたはローカルコピーを置き換えるか、あるいは予備の複製コピーを作成することができます。

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    9: 同期マネージャ

    ユーザーは同期マネージャを構成して、コンピュータが待機状態のときや、不定期あるいは予定した時刻に、同期することができます。ユーザーは接続の種類に基づいてリソースを同期することもできます。たとえば、高速接続を使用するネットワークに接続したときに限り、サイズの大きいデータベースファイルを同期するように構成できます。

    IT プロフェッショナルのために、同期マネージャは、オフラインファイルとネットワークバージョンのファイルを自動的に同期し続け、ユーザーには手動でプロセスを起動させません。オフラインテクノロジがこうして進歩し、エラーが発生しがちな手動のプロセスから、手動操作がいらない、堅牢なプロセスへと変わりました。

  • 各ユーザーのデータと設定は他のユーザーのデータと設定と分けて保存されます。

    組織では、ラップトップコンピュータを共有するユーザーが大勢います。Windows XP はコンピュータごとに複数のユーザープロファイルをサポートするので、データや設定はそのプロファイルに従って利用できると同時に、他のユーザーからプロファイルを保護することもできます。ユーザーはWindows XP を自分の希望に合わせて構成することが可能で、しかも、他のユーザーに影響は与えません。

    ローミングユーザープロファイルを実装すると、コンピュータごとに、データと設定を、そのプロファイルに従って利用できます。この機能は、ユーザーが毎回同じコンピュータを使用しないシナリオで有効です。また、この機能により、ユーザーの重要なデータと設定が、必ず定期的にバックアップされます。

    IT プロフェッショナルにとって、各ユーザー設定が個別のフォルダにあると、ユーザーのサポートが簡単です。ローミングユーザープロファイルを有効にすると、ユーザーはコンピュータを共有することができ、個々の設定とアプリケーションを使って、どのコンピュータでも利用できるので、費用の節減に役立ちます。

より簡単に取り外して外出する

以下は、Windows XP でモバイルユーザーが外出しやすくなる方法です。

  • Windows XP により、ラップトップコンピュータをすばやく、かつ簡単に取り外せます。

    Windows XP ユーザーは、ハードウェア構成の変更や、コンピュータを再起動せずに、ラップトップコンピュータをドッキングステーションに取り付けおよび取り外しできます。この機能は特に、ユーザーが環境を移動するときに、アプリケーションを実行したままコンピュータを取り外せるので便利です。オペレーティングシステムが、ユーザーがコンピュータをドッキングステーションに取り付けたときに自動的に新しいハードウェアを検出してインストールします。ただし、この機能を使用するには、アプリケーションとハードウェアがホットドッキングをサポートする必要があります。

  • モバイルユーザーはラップトップコンピュータの電力消費を管理して、残りの電力量を予測できます。これらはすべて生産的な作業を長時間継続するための主要なツールです。

    ACPI によって、Windows XP はユーザー、アプリケーション、およびデバイスドライバからの入力に応じて、コンピュータの電力状態を管理できます。たとえば、営業担当者がメモを取ったり、製品情報を検索するために、時々ラップトップコンピュータを使用する場合、コンピュータが数分間使用されないと、ディスプレイとハードディスクの電源が切れるように構成できます。コンピュータが長時間使用されない場合はスタンバイモードになるように構成することもできます。実際、バッテリを充電せずに、一日中、顧客からの電話に対応することも可能です。

    Windows XP は、Windows 2000 の ACP 実装に基づいて構築されており、コンピュータとデバイスが使用する電源をオペレーティングシステムが制御できる新しい電源管理機能を提供しています。以下の電源管理機能がモバイルユーザーに役立ちます。

    • **プロセッサ電源制御。**ユーザーは、コンピュータがAC 電源を使用する場合は最高速で実行し、バッテリ電源を使用する場合は速度を下げて実行するようにプロセスを構成できます。これによりプロセッサの電力消費量が減少し、バッテリ駆動時間を延長できます。

    • CardBus Wake-on-LAN **。**このテクノロジを使用すると、IT が企業セットワークに接続したラップトップコンピュータを管理できます。CardBus Wake-on-LAN によって、IT はコンピュータのスリープを解除して、ソフトウェアをインストールし、オペレーティングシステムを更新してからスリープ状態に戻します。

    • Wake-on-battery **。**バッテリ電源を使用中にコンピュータがスタンバイモードになり、電力状態が極度に低下しているとき、スリープ解除イベントによってシステムを休止モードにしてデータを保護します。

    • **コンピュータの開閉による電源および輝度の調節。**ユーザーがラップトップコンピュータを閉じると、Windows XP はディスプレイの電源を切り、バッテリの電源を節約します。さらに、ラップトップコンピュータがバッテリ電源で動作している場合は、オペレーティングシステムが LCD モニタの輝度を調節します。ユーザーが AC 電源でコンピュータに再接続すると、オペレーティングシステムは LCD を元の輝度に戻します。

    • USB **ポートのサスペンド選択。**Windows XP はUSB ポートを個別にオフにして電力を節約できます。

  • Windows XP は、オフライン作業時でも周辺装置をラップトップコンピュータに簡単に追加できるので、構成時間が大幅に短縮されます。

    ユーザーはオフライン作業時でも、周辺装置をラップトップコンピュータに短時間で追加できます。Windows XP はまさしくプラグアンドプレイパフォーマンスを実現しており、自動的に新旧のデバイスを検出してインストールします。プラグアンドプレイによって、プレゼンテーション時にプロジェクタや大規模モニタなどのデバイスをラップトップに装着するときに、時間を節約できます。

    オペレーティングシステムの ACPI サポートによって、プラグアンドプレイの作業の信頼性が以前のプラグアンドプレイシステムよりも向上しています。新しいデバイスが特定されて、適宜システムの復元に割り当てられます。また、コンピュータへの変更が検出されたときに、リソースの割り当てが自動的に再構成されます。

    Windows XP は USB 標準をサポートしており、ユーザーは USB デバイスを再起動せずに、コンピュータに接続できます。USB デバイスは標準の接続ケーブルを使用しており、モバイルユーザーは移動時に余分なケーブルやコネクタを持っていく必要はありません。さらに、USB デバイスはコンピュータから電力供給を受けるため、余分な電源コードのためにコンセントを探す必要はありません。

    新しいデバイスをインストールするときに、IT プロフェッショナルがコンピュータに触れる必要はなく、ユーザーをローカルAdministrators グループに追加する必要もありません。Windows XP は、デバイスドライバが署名されていて、ローカルである限りは、システム特権を使ってデバイスドライバをインストールします (%SYSTEMROOT% のDrivers.cab は、Windows XP に付属するほとんどのデバイスドライバを含み、IT プロフェッショナルは展開時に Windows XP ソースファイルに、サードパーティのデバイスドライバを簡単に追加できます)。

まとめ

Windows XP と Office XP によって、モバイルユーザーおよび彼らをサポートする IT プロフェッショナルの作業環境が強化されます。モバイルユーザーは、Office XP の作業ウィンドウやWindows XP の新しいユーザーインターフェイスなどの機能を使用して生産性を向上させることができます。また、ネットワーク接続を簡単に構成できるため、企業ネットワークリソースに接続し、さらに顧客、パートナー、および同僚とのコラボレーションを実現できます。問題の発生時にモバイルユーザーが常に現場で IT プロフェッショナルのサポートを得られるわけではないので、Windows XP と Office XP はモバイルユーザーが自分で対処できるようにすることで、これを支援します。全体的に見て、Windows XP と Office XP はあらゆるタイプのモバイルユーザーに対して、申し分のない組み合わせです。

Windows XP と Office XP によって IT プロフェッショナルの仕事も簡素化されます。この組み合わせによる生産性の向上は、ヘルプデスクへの問い合わせの電話が減り、ユーザーとの通話時間が減ることを意味します。ネットワークの新機能と拡張機能を使用すると、Windows XP と Office XP の展開のための構成が簡単になります。また、ユーザーがIT プロフェッショナルのサポートなしに、ネットワーク接続を正しく構成できるようになります。IT プロフェッショナルにとっての最大の利点は、Windows XP と Office XP がもたらす信頼性レベルの向上であり、これには 2 つの大きな理由があります。まず、製品に組み込まれたサポートツールがこれまでのバージョンのものよりも大幅に強化されています。これらのツールによって、ユーザーが自分で問題に対処できるようになるだけでなく、モバイルユーザーを簡単かつ迅速にサポートできるようになります。次に、Windows XP と Office XP は、これまでのMicrosoft 製品の中で最も安全で最も安定性があります。このどちらの場合においても、つまり、IT プロフェッショナルが重要なタスクを行う時間が増え、ありふれた問題をサポートする時間が短縮されることにつながるのです。

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