CompatAdmin ユーザー ガイド

互換管理ツール向けユーザガイド

トピック

CompatAdmin の概要
システム データベースの作業
アプリケーションの検索
カスタム データベース
カスタム修正データベースの導入

CompatAdmin の概要

以前のバージョンの Windows では正しく動いていたアプリケーションが、Windows XP では適切に機能しないことがあり得ます。そのような事態が発生する原因として、下記の理由が挙げられます。

  • Windows から新しい上位OSのバージョン番号を渡されたときに、アプリケーションはそれを受け付けません。アプリケーション内のその処理を行っている部分をユーザが回避することができれば、Windows のバージョンが新しくなっても、アプリケーションは多くの場合正常に作動します。

  • アプリケーションは古いバージョンの

    Win32 API 関数を呼び出します。ところが、呼び出されたWin32 API 関数は、ディスクの空きスペースのような資源量の多いマシン上では、異常な値を返します。

  • アプリケーションでは古いフォーマットの Windows データを想定しています。

  • アプリケーションで必要とする個人フォルダや一時フォルダのようなユーザ情報が、特定のロケーションにあるかまたは特定のフォーマットであることが前提とされています。

古いアプリケーションが Windows XP 上で正常に動作しないそのほかの理由については、このコンパクトディスクに収録されているホワイトペーパCommon Application Compatibility Issues on Windows XP.doc を参照してください。

CompatAdmin として知られる互換管理ツールは、Windows XP 互換関係の修正データベースを参照して編集できるインターフェイスを提供します。このツールを使うと、任意の実行可能ファイルを選択して、実行可能ファイルに現在適用可能な100 以上の修正からいくつかを選んで適用できます。それにより、どの修正点を組み合わせて適用すると、アプリケーションを Windows XP 上で動かせるかを把握することができます。アプリケーションに適用する必要のある修正点を判定できたら、CompactAdmin を使用して、これらアプリケーションの修正点をほかのユーザの Windows XP マシンに適用できるパッケージを作成できます。CompatAdmin には、システムまたはネットワークドライブ上にある修正済みアプリケーションを検索する能力もあります。

システム データベースの作業

CompatAdmin のメインインターフェイスでは、Windows XP システムデータベースから互換用修正のあるアプリケーション群を表示し、参照するためのコントロールを提供します。この表示は CompatAdmin コンソールの左上に常に表示されています。

システム互換データベースは Windows XP オペレーティングシステムと一体になっていて、数百もの Windows アプリケーションに手軽に互換性を保証できます。このデータベースと対応アプリケーションのエントリはオペレーティングシステムにより保護されています。

Microsoft では、将来の Service Pack のリリースまたは Windows 更新パッケージでシステムデータベースを更新することがあります。

データベース ウィンドウに表示されるエントリを制限

システムデータベース内には数百のアプリケーションがあり、それぞれが、これら複数の互換技術の 1 つを利用しています。エントリと情報の数が多いため、システムのデータベースコントロールで表示、作業するのは難しくなっています。 

[ 表示 ] メニューオプションを使って、表示されるシステムエントリ数を制限します。

システム修正を無効化

システムデータベースに一覧としてあがっている修正は、すべての Windows XP システム上の保護データベースの一部なので、削除できません。ただし、システムデータベースのエントリはローカルシステム向けに無効にできます。エントリを無効にすることにより、アプリケーションが動作中には、対応するシステム修正は適用されないことが保証されます。このオプションは既にシステムデータベース内にあるアプリケーションをテストする際に、またはアプリケーション向けに別の修正を適用する際に便利です。

エントリを無効にするか有効にするには

  • システム、またはカスタムデータベースウィンドウからアプリケーションを選択します。 

  • CompatAdmin 画面の右側にある詳細ウィンドウは、このアプリケーションに適用される互換ソリューションのそれぞれに対する情報を表示します。

  • 無効にしたい特定のアプリケーション修正を詳細ウィンドウ内で [右クリック] し、メニューから [無効] を選択します。

  • このエントリには、無効になったことを確認する意味で、赤い感嘆符が付きます。

  • エントリの無効化と有効化は直接的に行われるので、この種の変更を保存する必要はありません。選択の変更が行われると、オペレーティングシステムはアプリケーションの実行時に、相応の動きをします。

注意 システムデータベース内のアプリケーションエントリを無効にする際には注意を払います。アプリケーションと、適用されている修正に依存しますが、これらの修正を適用せずに実行すると、アプリケーションは新たな問題を発生させるか、または完全に失敗することがあります。

アプリケーションの検索

CompatAdmin には、ローカルドライブとネットワーク接続ドライブ上で、互換修正を使用するアプリケーションを検索するツールがあります。これにはシステムデータベース内だけでなく、インストールされる他のカスタムデータベース内にエントリを持つアプリケーションを含みます。

アプリケーションの検索:

  • メニュー表示から [検索] を選択します。

  • プロファイルの適切なドライブをクリックします。

  • 検索を始めるには、[開始] を、好きなときにアボートさせるには [キャンセル] をクリックします。

注意 CompatAdmin のメイン表示は、[検索] 表示に切り替わります。これには、検索パスで見つかったすべてのアプリケーションと、これに対応する互換エントリの一覧を含みます。

メインのデータベース表示に戻るには、メニュー表示の [データベース] オプションを選択します。

カスタム データベース

CompatAdmin はカスタム互換データベースの作成と保守のサポート機能を提供します。これはツールの最も実用性の高い特徴の 1 つになります。

現在のカスタムデータベースは、CompatAdmin のメイン表示の左下のウィンドウに表示されています。CompatAdmin を開始すると、カスタムデータベースエリアが新しい空のデータベースとしてオープンされます。

[ データベース ] メニューオプションを使って、カスタムデータベースへの修正の作成、または修正の除去を行います。メニューオプションは、カスタムデータベースウィンドウまたは有効なエントリ、およびその両方を選択した場合のみ有効となります。

カスタム修正データベースの導入

Windows XP でアプリケーションが正常に動作するためにどのような修正が必要なのかを決定したら、これらの修正を他のマシンに導入するのに CompactAdmin を利用できます。

  • ターゲットアプリケーション向けの修正を調べてテストします。

  • 意図する修正(*.sdb) を含むカスタムデータベースファイルを作成します。

  • 目的とするWindows XP マシンに.SDB ファイルを提供します。

  • .SDB ファイルをマシン上で実行します――これは自動インストールされます。 

  • 修正情報を対象マシンのレジスタに付加します。

ターゲット向けにカスタム データベースファイル (SDB) を作成

CompatAdmin は、互換修正用カスタムデータベースを作成しますので、複数のアプリケーションと修正を指定できます。導入したい修正を含んだデータベースができると、このカスタムデータベースを保存します。これによって、データベースの .SDB ファイルが作成されますので、どの Windows XP システムにもインストール可能になります。

対象マシンにファイルを提供

この修正を利用する各マシンに .SDB ファイルのコピーを提供する機構が必要となります。.reg ファイルは必要に応じてコピーでき、ネットワークの共有ポイントで使えるようにできますし、またはインストールプログラム内に入れてしまうこともできます。

対象マシンに修正情報を追加

カスタムデータベースファイルのインストールは、Windows XP のターゲットマシン上で .SDB を動作させる位シンプルです。オペレーティングシステムは新しい修正をデータベースに登録するのに必要なアクションはすべて行うと同時に、追加 / 削除プログラムのエントリを作成します。

注意 スペースを含む SDB パス名は、ターゲットの Windows XP マシンで正しくコンパイルできません。これは Windows XP Beta 2 における問題なので、最終バージョンでは、修正されると思われます。迂回方法は、.SDB ファイルが置かれているディレクトリから SDBINST.EXE を実行することです。

sdb をデスクトップに保存して、「sdbinst myfix.sdb」を指定してコマンド行から実行すると失敗します。コンソールウィンドウを開き、ディレクトリをデスクトップに変更して、「sdbinst myfix.sdb」を実行させます。

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