Windows XP と Office XP の導入計画ブループリント

トピック

はじめに
Windows XP Professional と Office XP を実装するステップ
Windows XP は IT プロフェッショナルにどのように役立つか
Office XP は IT プロフェッショナルにどのように役立つか
Windows XP と Office XP の概要
Windows XP と他の Windows 製品との比較
Office XP と以前の Office 製品との比較
スタート方法
Windows XP Professional 導入のブループリント
Windows XP のセットアップ
Windows XP の評価
Windows XP のインストール方法
以前のバージョンの Windows からのアップグレード
NTFS で利用できる機能
動的更新
ネットワーク情報の提供
USMT (User State Migration Tool)
Office XP 導入のブループリント
移行計画
Office XP 導入計画
概念実証
パイロット テスト
リスク見積もり
実装
リソース

はじめに

ここでは、導入計画のブループリントを説明するにあたり、まず組織内のデスクトップとノートパソコンをいかにして Microsoft Windows XP Professional オペレーティング システムと Office XP にアップグレードするのかを理解してもらうことを目的としています。

Windows XP Professional と Office XP をサイトに実装する上で必要な情報が得られることを保証する意味もあり、このガイドでは以下の情報を提供します。

  • ビジネスを行う上で XP デスクトップ (Windows XP と Office XP) が最高の選択である理由

  • Windows XP と Office XP の概要

  • Windows XP と他の Windows 製品との比較

  • Office XP と他の Office 製品との比較

  • セットアップとインストール準備手順

  • Windows XP へのアップグレードパス

  • Windows XP ユーザーのネットワークへの追加

  • ユーザー設定の移行支援手段

  • 実装プロセスで役立つリソース

Windows XP を導入する前に必ず、このガイドに含まれる計画関連の記述に従ってレビューします。また、このガイドで Windows XP の機能と利点について述べている部分も重要ですのでレビューします。ここでは Windows XP の新機能と改善点につき、幅広く技術的観点から概要を述べています。Office XP の導入情報とオプションをレビューし、会得することにより、企業内に Office XP スイートを迅速かつ堅牢に導入することができます。

このガイドでは、新しいテクノロジと機能を使えば、仕事をこなし、情報を共有し、ユーザーのデスクトップを管理し、モバイルコンピュータを携えて出張中も生産性を落とさず、ヘルプとサポートも得られて、その他の多くのコンピューティング作業を遂行することが、いかに簡単になるかを示しています。

導入が成功するかどうかは、現在の環境、テクニカルスタッフのスキルレベル、予算、およびユーザーの期待を始めとする多くの要因に依存しています。自社環境内にいつ、どのように Windows XP Professional と Office XP を実装するかを決めるにあたっては、このような要因をすべて考慮に入れます。

Windows XP Professional と Office XP を実装するステップ

Windows XP Professional と Office XP を実装するにあたり、互換問題、教育要件、および移行の心配を始めとする幅広い問題を考慮していく必要があります。

以下のステップに従うことにより、Windows XP を問題なく組織内に実装することができます。

  1. このドキュメントを読みます。このドキュメントを使って、どのようにすれば Windows XP ソリューションを組織内に実装できるのかを具体的に理解します。このプロジェクトガイドで参照している別のドキュメントも参考にし、このソリューションを適切に実装するのにどのような要件が必要かを理解します。

  2. 頭脳を鍛えます。まだ Windows XP と Office XP に十分に慣れていないなら、このチャンスを利用して学びましょう。このドキュメントの概要を読み、このプロジェクトガイドに含まれる Windows XP の機能と利点をレビューします。このドキュメントでは、Windows XP と Office XP の全体的な利点について説明し、競合製品と比較します。教育関係のリソースについては、このドキュメントのリソースのところを参照してください。

  3. プロジェクト管理の記述をレビューします。予測できない問題の発生を避けるには、注意深く導入計画を練ることが重要です。適切な計画を立てることで、リソースを最大限に活用し、ユーザーの期待に応えることができます。このガイドに含まれるプロジェクト管理のところを必ずレビューするようにします。

  4. ハードウェアとソフトウェアの互換性チェック。Windows XP セットアップでは、自動的にコンピュータのハードウェアとソフトウェアをチェックし、潜在的な矛盾点を報告します。ただし、インストールを確実に成功させるには、ユーザーのコンピュータハードウェアとアプリケーションが Windows XP と互換があることを、セットアップ以前に確かめてチェックすることをお勧めします。

  5. ファイルのバックアップ。以前のバージョンの Windows から Windows XP にアップグレードする場合には、重要なファイルをバックアップしておくことを推奨します。クリーンインストールを行うのであれば、ユーザーが取っておきたいファイルはすべてバックアップする必要があります。そうしないとファイルがなくなる可能性があります。ファイルは、ネットワーク上にあるディスク、バックアップメディア、または別のコンピュータにバックアップできます。

  6. アップグレード。計画プロセスを完了し、ハードウェアとソフトウェアの互換性をチェックし、バックアッププロセスを完了したならば、PC のアップグレード作業へと進むことができます。

  7. ネットワーク情報の提供。Windows XP Professional をインストールする際には、ワークグループまたはドメインに参加する必要があります。

  8. ユーザーファイルの転送。USMT (User State Migration Tool) を使用し、ユーザー設定と指定ファイルを正常に移動させます。

  9. 自動インストールとカスタムインストール。1 台以上のデスクトップコンピュータに Windows XP Professional を自動インストールまたはカスタムインストールする方法については、リソースのところを見てください。

Windows XP は IT プロフェッショナルにどのように役立つか

IT プロフェッショナルには、信頼でき、セキュリティ保護されていて、サポートしやすい環境が必要です。しかしビジネス現場のデスクトップ環境は多様性に富んでいるところが多く、コスト効果の高い方法でサポートすることは困難です。ユーザーのデスクトップを Windows XP にアップグレードすることにより、安定した管理しやすい作業環境を提供できるので、ビジネスの価値が高まり、全体としてのサポートコストは下がります。

Windows XP を選択する理由

Windows XP Professional はビジネスに最適なオペレーティングシステムで、管理性、信頼性、および構成制御における最先端技術を提供します。Windows XP Professional は、インテリジェントなユーザーインターフェイスとユーザビリティ機能、いかなる種類のネットワークとも接続し協調動作するツール、いかなる時いかなる場所でも仕事ができる能力で、仕事の効率性を向上させるパワーとインテリジェンスを提供する設計になっています。

Windows XP は、強化された信頼性、アプリケーションとデバイスの互換性、セキュリティ、およびプライバシー機能を提供することで、今までの Windows の中で最も頼りになるバージョンです。Windows XP では IntelliMirror 管理テクノロジのような集中管理機能を提供し、ビジネスネットワーキングとセキュリティに必要な機能を含んでいます。

これはまた、システムアクセスも高速化し、アプリケーションパフォーマンスも改善しているため、Windows の中でも最高のパフォーマンスを示すバージョンです。Windows XP Professional ではサポートコストも削減されており、今までのものよりも管理性が向上しています。導入、サポートが簡単で、中央集中管理が可能です。

ネットワーキングと通信

Windows XP Professional は、ネットワーク接続されているビジネスデスクトップのための効果的なオペレーティングシステムです。Windows 2000 Professional のすべてのネットワーキング能力を備えているばかりか、以下のサポートも追加されています。

  • インスタントメッセージング

  • 音声とビデオ会議

  • ワイヤレスネットワーキングデバイス

導入

Windows XP Professional は、どのような組織にでも簡単に導入できます。

  • 自動セットアップオプション

  • 更新デバイスドライバ、アプリケーション互換パッチ、およびオペレーティングシステムの更新向けに、 Windows Update サービスを強化、自動化します。

  • ソフトウェアとハードウェアの互換性を改善したことにより、以前に比べて Windows ビジネスデスクトップは、さらに多くのアプリケーションやデバイスを動作させられます。

モバイル性

Windows XP Professional は、以下のような機能をサポートしているので、モバイルコンピュータ向けの最高のオペレーティングシステムです。

  • 電源管理能力を強化し、バッテリ持続時間を延長。

  • セキュリティ保護されたワイヤレス接続および自動ワイヤレスネットワークモード検出のサポート。

Office XP は IT プロフェッショナルにどのように役立つか

テクノロジを導入しやすく、使いやすく、管理しやすくしていく道のりの中で、Office XP の登場は重要なマイルストーンになります。生産性を最大限に高めるため、Office XP は企業の特殊なビジネスニーズにターゲットを絞るカスタムソリューションの構築に適したプラットフォームも提供します。

簡単に生産性が向上します

すべての Office アプリケーションのフルパワーを簡単に引き出せる設計となっている Office XP には、必要な情報に迅速かつシームレスにアクセスできる新しいツールやテクノロジが含まれています。

  • **作業ウィンドウ。**Office XP では、重要な作業をすべて 1 つのビューに集約しています。作業ウィンドウからは、検索を行い、ドキュメントを開いて作成し、Office のクリップボードにアクセスし、新しいスタイルや書式機能を活用し、Web の翻訳やテンプレートサービスにまでアクセスできます。

  • **スマートタグ。**作業内容に応じてスマートタグがユーザーに便利なオプションを提示し、ドキュメントに貼り付けるデータの書式設定の選択、Microsoft Excel の数式内のエラー修正、およびオートコレクト機能への優れた制御を実行できます。

  • **再設計されたインターフェイス。**新しいビジュアル要素とデザインの改善があいまって、改良された、より自然なユーザーエクスペリエンスを提供します。

  • **適切で使いやすいツールと情報。**データがどこにあっても、データのアクセスと分析がより容易になりました。Office XP の Web クエリを使えば、ユーザーは Web から直接に Excel 表にデータを取り込んで分析できます。Microsoft Office のテンプレート ギャラリーでは、ユーザーがプロフェッショナルレベルのドキュメントを素早く作れるようにする、テンプレート、イメージ、およびサウンドを提供します。

だれでも気軽にコラボレーションすることができます

劇的に単純化したスケジューリング機能から、革新的な新しい編集、改訂機能にいたるまで、Office XP はコミュニケーションとコラボレーションオプションを改善し、ドキュメントとデータの共有を楽にします。

  • **通信はクリアに、接続は効果的に。**グループスケジュールや別の日時を指定といった Microsoft Outlookョの新機能を利用することで会議に新しい調整効率がもたらされます。モバイルワーカー向けに機能追加を行ったことで、オフィスから離れて作業していても、電子メール、予定表、仕事一覧、および連絡先にアクセスできるようになります。Outlook が備える重要なセキュリティ機構により、企業ネットワークをウィルスから保護することもできます。

  • **ドキュメントのコラボレーションが簡単になりました。**ドキュメントの校閲プロセスに関わる全員からの入力をとりまとめることは、きわめて複雑な作業です。変更箇所を追跡する新機能、編集と校閲を行う新ツール、および編集結果をマージして完全なドキュメントに仕上げる機能の改善により、ドキュメント共有作業は著しく容易になります。

  • SharePoint Team Services **。**Office XP の新しいツールである SharePoint" Team Services を使うことにより、すべてのユーザーはドキュメント、予定表、お知らせ、連絡先等を含むすべてのプロジェクト情報をまとめる倉庫の役割を果たす Web サイトを作成できます。管理ツールを使用することで、サイトの所有者は簡単にユーザーを管理し、ロールを割り当て、ページへのアクセス許可を適切に与えることができます。

ビジネスニーズに柔軟に対処

Office XP はすばらしいエクスペリエンスを提供しますが、1 つの製品で今日の企業が求める複雑な要件のすべてを満たすことはできません。企業固有のビジネスニーズを満たす支援ができるように、Office XP では豊富なツールとサービスを提供しますので、開発者は強力な企業ソリューションを迅速かつ効率的に構築できます。

Office **プラットフォームサービス。**Office XP 開発インフラストラクチャには Office Web コンポーネントが含まれており、これを利用すると Web アプリケーションにインタラクティブで更新可能なスプレッドシートやグラフを追加することができます。また、XML もネイティブにサポートしていて、拡張可能なスマートタグアーキテクチャを使うことにより、開発者はアプリケーション、ビジネスプロセス、およびデータを迅速に結び付けることができます。Microsoft VBA (Visual Basicョ for Applications) では、Office の全機能を COM コンポーネントとして再利用するテクノロジを提供します。

  • RAD (Rapid Application Development) **。**使い慣れた Office ツールを使うことで、開発者はツールを迅速かつ能率的に構築できます。Microsoft Access を使えば、開発者は “Microsoft SQL Server" に格納された企業データをフル活用する Web ベースのカスタムソリューションを作成できます。SQL Server と Microsoft Exchange Server 2000 向けの新しいワークフローデザイナを使うことで、ビジネスプロセスの自動化とワークフローの管理がかつてないほど容易になります。

  • **改善された信頼性と強化されたセキュリティ。**ダウン時間を削減し、データの安全性とセキュリティを保証することが、すべての IT マネージャの重要な目標となっています。新しいアプリケーションとドキュメント回復機能により、ユーザーは既に完了した作業を再度やり直すのではなく、新しい仕事を作り出すのに時間を費やすことができるようになります。特別なアプリケーションエラー報告機能により、問題を追跡する方法が得られるだけでなく、修正や回避方法にも迅速にアクセスできるようになります。その他の機能としては、ドキュメントへのデジタル署名、および Microsoft Word、Excel、および Microsoft PowerPointョ 向けのパスワード暗号化の改良があります。

  • **容易な開発、改善された制御。**Office XP を使うと、削減した時間とコストでアプリケーションを展開することができます。インテリジェントセットアップでは、既存環境を分析し、各ユーザーが必要とする機能とコンポーネントをインストールします。カスタムインストールウィザードを使用すると、セキュリティ設定と Outlook のプロファイルをカスタマイズできます。カスタムメンテナンスウィザードを使うと、Office XP をいったん導入してからも設定変更を簡単に行えるようになります。

企業向けライセンシングと購入

マイクロソフトでは、従来からの小売チャネルよりもかなり安価で、柔軟性があり、簡単なライセンス管理を企業ユーザーに提供する特別なライセンシングプログラムをいくつか用意しています。マイクロソフトの企業ライセンシングプログラムを通じて Office XP を購入した場合には、店頭で購入したカスタマには利用できない特別な管理ツールと機能にもアクセスできます。ライセンシング 101 概要には、Office XP の企業向けライセンシングプログラムに関する詳細情報があります。Office XP を購入する用意ができているなら、企業ニーズにぴったりのオプションを探すために購入方法のページを訪れてみてください。

Windows XP と Office XP の概要

ユーザーにビジネスデスクトップ環境を変更する提案をする際には、アップグレードしたくなるだけの理由が必要です。この理由は、アップグレード費用と変更がユーザーに与える影響を相殺するものである必要があります。

Windows XP Professional は、信頼性とパフォーマンスの新しい標準を提供します。このオペレーティングシステムはあらゆる規模のビジネスに対応できるように、また、今までのコンピューティングエクスペリエンスから最高のものを要求するユーザーに対応できるように設計されています。Windows XP を 1 台のコンピュータに導入しても、企業ビジネスネットワークに導入しても、どちらであっても Windows XP はデスクトップの総所有コストを削減しつつ、コンピューティングパワーを増大します。

Windows XP Professional は、信頼性と信頼できるコンピューティングの新しい標準です。

  • **盤石の信頼性。**Windows XP Professional は、Windows 2000 と Windows NT Workstation で使用されたコアとなるソフトウェアコードを元に構築されています。Windows Engine と呼ばれるこのコードには、プリエンプティブマルチタスキング、フォルトトレランス、およびシステムメモリ保護が含まれています。このような機能は問題を防止、解決し、システムをスムーズに動作させ続ける働きをします。

  • **ビジネスクラスセキュリティ。**Windows XP Professional のセキュリティ機能では、ユーザーのコンピュータ上にある場合と、ネットワークやインターネットを介して転送中の両方で、機密性が高い極秘データを保護します。最新のセキュリティ標準を装備し、ウィルス保護を強化しているので、Windows XP は最も一般的なタイプのインターネット攻撃からもユーザーを保護します。

  • **新しい単純化設計。**新鮮で新しい外観から自然なタスクベース設計にいたるまで、Windows XP Professional は今までにないレベルでコンピュータを使いやすくしています。ユーザーは少ない時間でより多くのことができ、見つけたい項目をすぐに見つけられ、ファイルやフォルダを分かりやすい方法で並べ替えられます。Windows XP Professional を使えばユーザーは賢く仕事ができます。

  • **高いパフォーマンス。**Windows XP Professional が動作しているコンピュータは、複数のアプリケーションを動作させながら、集中的に作業をこなすことができます。Windows XP はアプリケーションを高速に動作させられるだけでなく、たいていの場合、システムの起動時間もかなり速くなります。

Windows XP Professional では、ビジネスを効率的かつ効果的に動作させるために、生産性ツールを提供しています。

  • **いつでもどこでも高生産性。**リモートデスクトップを使えば、ユーザーは実用上どのようなネットワーク接続を使ってもオフィス外から自分のデスクトップにアクセスできます。

  • **カスタマとパートナーとのコミュニケーション。**Windows Messenger と強化されたオンライン会議を使うと、ユーザーはテキスト、音声、またはビデオチャットを使ってベンダやカスタマと直接にコミュニケーションや共同作業を行えます。

  • **良質で低コストのサポート。**リモートアシスタンスを利用すると、ユーザーは離れたところからヘルプを受けることができ問題の解決が早まります。サポート要員がユーザーのデスクトップにアクセスできるため、より迅速かつ容易に問題を特定し解決できます。このことはビジネスに時間とお金の節約をもたらします。

Office XP の大きな改善により、ビジネスの収益性も改善されます。

  • **スマートタグにより、データアクセスが改善され、企業ナレッジをうまく活用できるようになります。**ビジネスプロセスで必要とする情報へのアクセスを改善することが、会社の生産性をサポートする重要な要因となります。Office XP のスマートタグ機能により、企業イントラネットとデータベースの力をフルに発揮し、情報共有を改善できます。

  • **ユーザー作業の単純化により、ドキュメント作成に費やす時間を減らします。**Office XP はユーザー作業を簡素化し、製品の活用度を高めてもらうことを目標としてゼロから設計されました。

  • **簡単にコラボレーションできるようになり、市場への投入時期を早めることが可能となります。**チームコラボレーションは、研究開発グループの新しい発見を知らせ、マーケティング部門の宣伝キャンペーンを作成し、適切なドキュメントが組織内外に流通することを保証することを始めとする、各種活動に欠くことができないものです。Office XP ではドキュメントに関するコラボレーションを容易にし簡素化する機能を多数提供します。

  • 導入を容易にすることで IT **コストを削減。**Office XP では、現在の Office スイートとの完全なファイル形式の互換性を保証し、デスクトップ設定の集中的な導入、管理方法を提供することにより、企業への導入プロセスを単純化できます。

Windows XP Professional と Office XP を使うことにより、ユーザーはコンピュータの最も強力な機能を活用し、より能率的に作業を進め、全体としての生産性を増大させ、グループとチームの共同作業努力を強化することができます。さらに、Windows XP Professional と Office XP は強力なだけではなく、使いやすくなるように設計されているため、ユーザーにはこの組み合わせが最もコスト効果が高く貴重な資産の 1 つであることがすぐに分かります。

Windows XP と他の Windows 製品との比較

信頼でき、セキュリティ保護されていて、サポートしやすい環境が必要です。しかし、ほとんどのビジネス現場のデスクトップ環境は多様性に富んでいるため、コスト効果の高い方法でサポートすることは困難です。ユーザーのデスクトップを Windows XP にアップグレードすることにより、安定した作業環境を提供できるので、ビジネス価値が高まり、全体としてのサポートコストは下がります。

以下にユーザーとそのビジネスを支援する目的で設計されている Windows XP Professional の新機能をいくつか示します。

  • ファイルと設定の転送ウィザード。 この新機能を使うことにより、フロッピーディスクやネットワーク接続を経由して、ドキュメントや設定を古いコンピュータから新しいコンピュータに簡単に移行できます。

  • リモートアシスタンス。 Windows XP には、リモートアシスタンスと呼ばれる新しいサポートツールがあります。このユニークなツールを使うと、サポート担当者はユーザーの問題解決支援を目的として、セキュリティ保護された状態でユーザーのコンピュータにアクセスし制御できます。このことはビジネスにお金と時間の節約をもたらします。

  • システム復元。 Windows XP にはシステム復元という、もう 1 つの重要な機能があります。この機能を使うと、動作を止めずにオペレーティングシステムを以前の状態にロールバックできます。何かまずいことが起きても、少なくとも問題を起こしている原因を取り消すことができます。

  • インターネット接続ファイアウォール。 ICF (Internet Connection Firewall) は、家庭や小規模オフィスネットワークとインターネットとの間でやりとりされる情報について、ネットワークに制限をかけるファイアウォールソフトウェアです。ICF は新たに改善された ICS (Internet Connection Sharing) 機能と一緒に使用するか、インターネットに直結しているコンピュータ上で別途有効にし、要求していないトラフィックをすべて阻止することができます。

Windows XP Windows 9x との比較

Windows XP は Windows 2000 と同じオペレーティングシステムカーネル上に構築されているため、Windows 98 または Me よりも安定したオペレーティングシステムになっています。Windows XP は Windows 95 や Windows 98 よりも高速に動作します。起動時間が短縮され、休止状態やスタンバイからの迅速な再開により、ユーザーの貴重な時間を節約します。

システムクラッシュが起きるという不満を持つユーザーもいると思います。システムリソースプールの大きさはオペレーティングシステムカーネルのプログラムで固定されていたため、Windows 98 または Me のコンピュータにいくら大量に RAM を搭載しても、この大きさが変化することはありません。これとは対照的に、Windows XP Professional のオペレーティングシステムでは、システムリソースプールにはいかなる制約もなく、これが良好なパフォーマンスと安定性増加に寄与しています。

旧バージョンの Windows 9.x 製品では、いろいろな要因がある中でも、サードパーティ製のデバイスドライバが OS とアプリケーションの不安定問題の原因となっていました。Windows 2000 から始めて Windows XP でも続けていますが、マイクロソフトはドライバ署名プログラムを定着させてきました。今では、Windows XP 標準に合わせて忠実に作成されてきたドライバには、デジタル署名が行われています。デジタル署名されていないドライバをインストールしようとすると、Windows XP はインストールの継続は問題を引き起こすという警告メッセージを表示します。Windows XP 向けに作成され、デジタル署名されているデバイスドライバだけをインストールすることにより、オペレーティングシステムは障害のない最適な状態で実行できます。

Windows XP Windows NT 4.0 および 2000 と比較してどの程度改善されたか

Windows XP Professional は、Windows 2000 Professional と Windows NT 4.0 のすべての利点を提供するだけでなく、特に互換性、モバイル性、信頼性、および管理性の分野で、中核機能を強化してこのような利点をさらに拡張しています。Windows XP Professional では、リアルタイム通信、リモートアシスタンス、リモートデスクトップ、およびヘルプとサポートの改善のような新機能を追加しており、管理コストをさらに削減します。Windows XP Professional では、インテリジェントな新しいユーザーインターフェイスデザインや、生産性を増大する先進的なラップトップサポートのような改善点も導入しています。

Office XP と以前の Office 製品との比較

生産性向上のパッケージソフトウェアとしては、高速で信頼性があり、強力で、簡単に利用、共有できる製品が必要です。Office XP では以下のような機能を追加し、このような機能のすべてを新しいレベルに高めています。

  • **カスタムメンテナンスウィザード。**この新機能ではインストール後のメンテナンスと設定を単純化します。これをファイル、プログラム、およびコンポーネントの追加と削除、構成設定の変更、およびその他多数の管理作業遂行に使います。

  • HTTP **からのセットアップ。**HTTP、HTTPS、および FTP のインストールサポートは、Office XP を組織内ネットワークの Web サーバーまたはファイル共有から直接にインストールできることを意味しています。

  • **スマートタグ。**Office プログラム全般で共有される一連の内容依存ボタンであるスマートタグは、(たとえばデータを貼り付けたり、Microsoft Excel の数式でエラーを起こしたりする場合など) 必要なときに現れ、作業を迅速に完了させるのに適切なオプションを提供します。

  • 作業ウィンドウ。作業ウィンドウを使い、ある 1 つの場所から重要な作業にアクセスします。検索を実行し、ドキュメントを開き、クリップボードを表示し、ドキュメントとプレゼンテーションの書式を整え、Web からテンプレートをダウンロードする等の作業を行います。

  • **貼り付けオプションのスマートタグ。**コピー対象データの書式を変更してから、貼り付けオプションのスマートタグで新ドキュメントに貼り付けます。内容に応じてデータに特別な特性を適用することも可能です。

  • オートコレクトオプションのスマートタグ。Office アプリケーション内で適用される自動機能を制御します。[ツール] メニューにまで行かなくても、自動訂正を取り消したり、無効にしたりして、[オートコレクト] オプションのダイアログボックスにアクセスできます。

  • Office **ドキュメントのイメージング。**Office プログラムで後から表示したりテキストを再利用するためにドキュメントをスキャンします。スキャンしたドキュメントを検索するには、Office のテキスト検索能力を活用します。

  • **音声認識。**音と声のコマンドを使って、文字を書き、書式を直接に変更し、メニューを移動して、生産性を向上させます。

  • **手書き。**ハンドヘルドデバイスでメモを取り、Office プログラムにテキストとしてアップロードできます。また、Microsoft Word を使い、英語以外に日本語、中国語、韓国語を直接に書き込むことができるので、手書き文書を使ったり、テキストや活字に変換したりする手間を節約します。

  • **質問。**質問ウィザードや Office アシスタントを起動しなくても、質問を Office のメニューバーに書き込むだけで、Office XP からヘルプ情報を得られます。

  • **マイクロソフトデザインギャラリーライブ。**Web にある Office メディアギャラリーから、何千にも及ぶイメージ、サウンド、およびアニメーションにアクセスできます。毎月更新されますので、いつも新鮮な素材にアクセスできます。

  • **マイデータソース。**マイドキュメント内にある、この新しいフォルダでは、以前にアクセスした情報を追跡しており、ここからデータベースやその他のデータソースに迅速に接続できます。

  • **自動回復。**今では Word、Excel、PowerPoint、および Publisher に提供されている自動修復機能を使うことで、どれだけ頻繁にファイルを保存するかを選ぶことができます。エラーが発生した場合には、修復できたファイルを捨てることも、オリジナルの代わりに保存することも、また、別ファイルとして保持することも可能です。

  • **デジタル署名。**Office XP ではドキュメント全体をデジタル署名します。デジタル署名をすると、ドキュメントが信頼できるソースから得られたものか、または変更されているかどうかを知ることができます。

  • **校閲用へ送信。**新機能では、ドキュメント校閲サイクルの関係者全員にロールを割り当てますが、各校閲者には正しいツールを自動的に提供します。校閲プロセスが進展すると、変更点は元のドキュメントに簡単にマージされます。

  • マイクロソフトの SharePointョ **Team Services。**すべてのプロジェクト情報の中央集中場所として機能し、簡単に作れる Web サイトである、SharePoint Team Services (Microsoft FrontPageョ 2002 に含まれます) を使うと、ディスカッション、連絡先や作業リスト、イベント予定表、ドキュメントライブラリ、およびサーベイの作成をすべて Web ブラウザから簡単に行えるようになります。

  • MSN Messenger **統合。**自分宛の電子メールメッセージを開くか、連絡先カードを開くと、相手がオンラインであるかどうかを調べることができるため、すぐに MSN Messenger セッションを開始できます。

ユーザーと IT 担当者向けに、新しく改善された機能が非常に多くあります。

スタート方法

スタート方法は、Windows XP 用と Office XP 用の 2 つに分けて書いています。プロジェクトの企画と導入は何段階にも分かれるのが普通で、この場合の導入も例外ではありません。オペレーティングシステム導入に関係する計画段階の問題は、同時に発生するとしても、生産性スイートのアップグレードと比較すると違いがあります。先に進む前に、このドキュメント全体を読まれることを強くお勧めします。Windows XP professional は Office XP とは独立して導入することも、並行して導入することも選択できます。どちらの場合でも、導入を進める前にすべての問題点をしっかりと把握しておく必要があります。

Windows XP Professional 導入のブループリント

ユーザーがスムーズに移行できるようにするため、このガイドにあるプロジェクト管理のところをレビューします。計画段階が完了すると、次のようなステップが続きます。

  1. Windows XP の CD に入っている Read1st.txt ファイルを参照します。

  2. ハードウェアとソフトウェアの準拠性を評価します。

  3. ユーザーにこれからのインストールについて注意を促します。

  4. ユーザーに Windows XP Professional を教育します。

  5. 必要であれば、クライアントコンピュータのハードウェアをアップグレードし、企業方針に準拠しないソフトウェアを削除します。

  6. クライアントコンピュータにある重要なデータと設定ファイルをバックアップします。

  7. ウィルススキャン、ディスクスキャン、およびハードディスクの最適化を実施します。

  8. 各コンピュータ用のユーザーパスワードと ID を一時的にリセットします。これにより、技術担当者がクライアントのコンピュータに簡単にアクセスでき、ログインスクリプトとログイン環境が正しく動作することを保証できます。

  9. [ファイルと設定の移行ウィザード] 情報をレビューします。

  10. [ファイルと設定の移行ウィザード] を実行します。

  11. クライアントのコンピュータが使用でき、ネットワークが動作していることを確認します。

  12. 将来のインストールに備えて、導入に関する事項をドキュメントにまとめます。

Windows XP のセットアップ

Windows XP はセットアップと管理が極めて容易な設計になっています。Windows XP の主要目標は、Windows 2000 Professional のパワーと Windows Me の使いやすさを併せ持つことです。セットアップエクスペリエンスにおける使いやすさは、この使いやすさの大半を占めます。

Windows XP の 2 種類のクライアントバージョンのセットアップ手順は、異なるタイプのユーザーに向けて整備されています。ビジネスユーザーとパワーユーザーが選択する Windows XP Professional は、インストール中にオペレーティングシステムをカスタマイズし、先進的でビジネス指向の機能を設定するためのユーザーオプションを提供します。

Windows Welcome

Windows Welcome (ようこそ画面) は全画面型の HTML アプリケーションで、セットアップ完了後に Windows XP コンピュータが始めて起動される場合に動作します。Windows Welcome では OEM (Original Equipment Manufacturer) PC の場合の典型的なシナリオで 15 分以下で終わるように設計されていて、コンピュータのセットアップが行われ、適切に設定され、インターネットに接続され、ユーザーが適切な法的契約を完了し、OEM とマイクロソフトに登録完了していることを保証します。

Windows Welcome は、Windows XP のセットアップで必ず動作します。OEM の場合にはこれをスキップすることができます。

Windows XP の評価

デスクトップとノートパソコンをアップグレードする前に、ハードウェア要件と利用できるアップグレードパスの種類を理解しておくことが重要です。

ハードウェア要件

ハードウェア要件

Windows XP Home Edition

Windows XP Professional

最大 CPU 数

1

2

最低 CPU 速度

233 MHz

233 MHz

推奨 CPU 速度

300 MHz

300 MHz

最小 RAM

64 MB

64 MB

推奨 RAM

128 MB

128 MB

最大 RAM

4 GB

4 GB

ある種の Windows XP 機能を使用するのに必要な追加項目またはサービス

インターネットアクセスに必要なもの。

  • インターネット機能によっては、インターネットアクセス環境、Microsoft .NET Passport アカウントが必要で、サービスプロバイダへの別費用の支払いと市内通話料金や長距離通話料金の支払いが適用されることがあります。

  • 14.4 Kbps (kilobits per second) 以上の高速モデム

ネットワーキングに必要なもの。

  • ローカルエリア、ワイドエリア、ワイヤレス、またはホームネットワークのようにつなぎたい種類のネットワークに適したネットワークアダプタ、および適切なネットワークインフラストラクチャへのアクセスが必要です。サードパーティ製ネットワークへのアクセスには追加料金が必要なことがあります。

インスタントメッセージング、音声とビデオ会議、およびアプリケーション共有に双方で必要なもの。

  • Microsoft .NET Passport のアカウントとインターネットアクセス、または Microsoft Exchange 2000 Server のインスタントメッセージングアカウントとネットワークアクセス (構成によってはさらにコンポーネントをダウンロードする必要があります)。

音声とビデオ会議の場合には、双方で次のものも必要。

  • 33.6 Kbps 以上の高速モデム、またはネットワーク接続

  • マイクとサウンドカードにスピーカまたはヘッドホン

ビデオ会議の場合には、双方で次のものも必要。

  • ビデオ会議用カメラ

  • Windows XP

アプリケーション共有の場合には、双方で次のものも必要。

  • 33.6 Kbps 以上の高速モデム、またはネットワーク接続

  • Windows XP

リモートアシスタンスに必要なもの。

  • 双方が Windows XP を動作させ、ネットワークで接続されていること

サウンドに必要なもの。

  • サウンドカードとスピーカまたはヘッドホン

DVD ビデオの再生に必要なもの。

  • DVD ドライブと DVD デコーダカードまたは DVD デコーダソフトウェア

  • 8 MB のビデオ RAM

Windows Movie Maker に必要なもの。

  • ビデオキャプチャ機能の利用には適切なデジタルまたはアナログビデオキャプチャデバイスが必要です

  • デジタルビデオカメラからキャプチャするには 400 MHz 以上のプロセッサが必要

実際に必要なものは、システム構成およびインストールする選択をしたアプリケーションと機能に応じて変化します。ネットワーク経由でインストールするのであれば、さらに多くのハードディスク空き領域が必要になることがあります。

Windows XP のアップグレードパス

  • Windows XP Home Edition では、Windows 98/SE と Windows Me からのアップグレードをサポートしています。

  • Windows XP Professional では、Windows 98/SE、Windows Me、Windows NT Workstation 4.0、Windows 2000 Professional および Windows XP Home Edition からのアップグレードをサポートしています。

Windows Me Windows 98 Windows 95 、および Windows 3.x とのハードウェア互換性

Windows XP Professional のオペレーティングシステム CD には更新されたドライバが多数付属しています。ただし、ハードドライブコントローラのような重要なデバイスドライバが Windows XP Professional と互換性がないか見つからない場合には、セットアップは更新されたドライバが入手できるまでアップグレードを停止します。

Windows Me、Windows 95、Windows 98、および Windows 3.x 向けの初期の 16 ビットデバイスドライバは、仮想デバイスドライバ (VxD) モデルに基づいていました。VxD モデルは、Windows XP Professional ではサポートされていません。

アップグレードでは、Windows 98 または Windows Me から Windows XP Professional にドライバを移行しません。ある特定のデバイス向けのドライバが Windows XP Professional に存在しない場合には、デバイスの製造元から更新されたドライバをダウンロードしてくる必要があります。

アプリケーション互換性

Windows 2000 Professional と Windows XP Professional では新しいテクノロジが導入されているため、この新しいオペレーティングシステムとビジネスアプリケーションに互換性があるかどうかテストする必要があります。現在、Windows NT 4.0 で使用していたとしても、既存の環境と同じように Windows XP Professional でも動作することを確認するため、アプリケーションをテストしてみる必要があります。アプリケーションによっては、改善されたセキュリティ機能のように、Windows XP Professional から含まれている強化機能を活用できないものがあります。

カスタムソフトウェアを含めて、現在ビジネスで使用しているすべてのアプリケーションを特定します。アプリケーションの特定が済むと、そのアプリケーションに優先度を付け、組織内の各ビジネスユニットにどのアプリケーションが必要かを調べます。アンチウィルス、圧縮、バックアップ、およびリモート制御プログラムのような運用ツールや管理ツールを含めておくことを忘れないでください。

Windows 95 または Windows 98 ベースのアプリケーション

Windows 95 または Windows 98 向けに作成されたアプリケーションの中には、修正しないと Windows XP Professional では動作しないものがあります。Windows XP Professional で適切に動作しないアプリケーション問題への 4 種類の対処方法を示します。

  • アプリケーションに Windows XP Professional と互換性があることが判明した場合には、アップグレード後にアプリケーションを再インストールします。

  • アプリケーションの Windows XP Professional 互換バージョン向けに新しい標準構成を作成します。

  • アップグレード中に移行できないアプリケーションごとに、移行用の DLL (Dynamic-Link Library) を使用します。

  • 互換モードツールでの実行 (APPCOMPAT) を使用します。

  • 注意 実行可能な各アプリケーションのショートカットメニューを経由すれば、アプリケーション互換機能もアクセス可能です。

Windows Me Windows 98 、または Windows 95 からの移行時のシステム問題

スキャンディスクや DriveSpace のような Windows 98 と Windows 95 のシステムツールは、Windows XP Professional にアップグレードできません。さらに、他のネットワーククライアントも Windows XP Professional にアップグレードできないため、アップグレードを完了させるには、このようなクライアントの新バージョンを取得する必要があります。

Windows NT 4.0 または Windows NT 3.5 ベースのアプリケーション

Windows NT Workstation のバージョン 4.0 と 3.51 では Windows XP Professional と共通の属性を共有するので、Windows NT Workstation 4.0 と 3.51 で動作するほぼすべてのアプリケーションは、無修正で Windows XP Professional で動作します。ただし、Windows NT Workstation 4.0 と Windows XP Professional の間の違いに影響されるアプリケーションも少しあります。

この 1 例がアンチウィルスソフトウェアです。Windows NT 4.0 に含まれている NTFS ファイルシステムのバージョンとWindows XP Professional に含まれる NTFS のバージョンとが異なるため、アンチウィルスソフトウェアで使用しているファイルシステムフィルタは、この両者のファイルシステム間では動作しません。この他の例としては、Windows NT Workstation 4.0 向けに作成された、(他の TCP/IP または IPX/SPX (Internetwork Packet Exchange/Sequenced Packet Exchange) プロトコルスタックのような) 製造元が異なるネットワーキングソフトウェアがあります。

次の機能とアプリケーションは、適切にWindows XP Professional にアップグレードできません。

  • たとえばアンチウィルスソフトウェア、ディスクツール、およびディスククォータソフトウェアのように、ファイルシステムフィルタに依存するアプリケーション。

  • カスタム電源管理ソリューションとツール。これらについては、Windows XP Professional 向けの ACPI (Advanced Configuration and Power Interface) と APM (Advanced Power Management) サポートが置き換えます。アップグレードする前に、このようなカスタムソリューションとツールを削除します。

  • カスタムプラグアンドプレイソリューション。Windows XP Professional ではプラグアンドプレイサポートを完全にサポートしていますので、このようなものはもはや必要ありません。アップグレードする前にカスタムプラグアンドプレイソリューションをすべて削除します。

  • ディスクミラーのようなフォールトトレラントオプション

  • その他のネットワーククライアントとサービス

  • ウィルススキャンプログラム

  • 無停電電源装置

注意 Windows XP Professional セットアッププログラムを起動する前に、ウィルススキャンプログラム、他のネットワークサービス、および他のクライアントソフトウェアを削除する必要があります。

Check Upgrade Only モードの使用

Windows XP Professional のセットアップには Check Upgrade Only モードが含まれていて、アップグレードを実際に実行する前にアップグレードプロセスをテストできます。Check Upgrade Only モードは、ハードウェアの互換性問題やアップグレード中に移行できないソフトウェアなど、実際のアップグレード中に発生する恐れのある潜在的トラブルを示すレポートを作成します。Check Upgrade Only モードでのセットアップを実行するには、-checkupgradeonlyというコマンドラインスイッチを付けて i386 フォルダの Winnt32.exe を実行します。

アップグレードレポートは、ハードウェアとソフトウェアの潜在的なアップグレード問題を要約したものです。このレポートには以下のエントリがあります。

  • Microsoft MSDOS **構成情報。**これには、Windows XP Professional と互換性のない Autoexec.bat および Config.sys 内のエントリが含まれます。このエントリは、Windows XP Professional と互換性のない古いハードウェアやソフトウェアと関連しています。また Windows フォルダ内の Setupact.log ファイルには、明らかに多数のテクニカル情報が含まれています。

  • **プラグアンドプレイハードウェア。**このエントリには、追加ファイルがないと Windows XP Professional でサポートされないハードウェアがあります。

  • Windows XP Professional **と互換性のないソフトウェア。**このエントリには、Windows XP Professional をサポートしていなかったり、Windows XP Professional の [コントロールパネル] にトラブルをもたらすプログラムに必要なアップグレードパックが含まれます。Windows XP Professional にアップグレードする前に、[コントロールパネル] 内の [アプリケーションの追加と削除] を使って、使用されていないプログラムを削除して、ディスク領域を確保します。

  • **再インストールするソフトウェア。**このエントリには、Windows XP Professional では別のファイルと設定を使用するプログラム向けに推奨されるアップグレードパックが含まれます。アップグレードを取得できない場合、[コントロールパネル] 内の [アプリケーションの追加と削除] を使用して、アップグレードする前にプログラムを削除します。そのプログラムは、Windows XP Professional にアップグレード後に再インストールまたはアップグレードします。

またアップグレードレポートは、Microsoft Windows XP Professional Web サイトへのリンクを表示します。

Check Upgrade Only モードの実行中に互換性がないと確認されたアプリケーションがある場合、Windows XP Professional のインストール前に、競合するアプリケーションを削除する必要があります。

Windows NT Workstation からのアップグレードでは、ほとんどのアプリケーションを移行できます。ユーザーのビジネス向けに作成されたカスタムメードアプリケーションなど一部の独自アプリケーションは、移行できません。互換性リストへのリンクについては、本ドキュメントのリソースのところを参照してください。

アップグレードを妨害する非互換性

非互換性によりアップグレードの続行が妨害される場合は、ウィザードが表示されてユーザーにその旨知らせます。非互換性についての詳細情報を表示できる場合があります。**[ディスク使用]**ボタンを押して不足しているファイルを提供することにより問題を修正できなければ、セットアップを中止して Winnt32.exe を再起動する前に問題を修正する必要があります。

アップグレード中の非互換性の警告

非互換性があるにもかかわらず Windows XP Professional へのアップグレードの完了が妨害されない場合は、そのアプリケーションが Windows XP Professional で正常に動作しない恐れがありますという警告が表示されます。この時点で、アップグレードを中止するか続行するか選択できます。またこのケースでも **[ディスク使用]**ボタンを利用できます。

Windows XP のインストール方法

Windows XP セットアップでは、自動的にコンピュータのハードウェアとソフトウェアをチェックし、潜在的な矛盾点を報告します。インストールを正常に完了するには、セットアップを起動する前にユーザーのコンピュータハードウェアが Windows XP と互換があることを確認しておきます。

互換性のチェック

これを行うには、このガイドのリソースにあるハードウェア互換性リスト (HCL) を調べます。この中にユーザーのハードウェアがない場合には、Windows XP では Windows 2000 Professional よりも強力なハードウェア互換性を提供しているとはいっても、セットアップが正常に終了しないことがあります。ただし、Windows XP ではマイクロチャネルバスをサポートしません。

さらに、コンピュータにはハードウェアデバイス用に Windows 2000 Professional 互換のドライバを更新したかどうか、(x86 ベースコンピュータ向けの) システム BIOS が最新かどうかをチェックすることをお勧めします。デバイスの製造元はこのような項目の取得に協力してくれます。

Windows XP では、現在の標準である ACPI(Advanced Configuration and Power Interface) 準拠 BIOS をサポートします。Windows XP は、以前の APM (Advanced Power Management) とプラグアンドプレイ設計に基づく、ある種の BIOS 上でも動作します。

ACPI ベースの BIOS バージョンには、この標準に準拠していないものもあります。ACPI BIOS のバージョンが新しくなればなるほど、準拠している可能性は高くなります。ACPI 標準に準拠していない ACPI ベースの BIOS では、オペレーティングシステム (またはセットアップ) とコンピュータハードウェア間のコミュニケーションがうまく働かないことがあります。コミュニケーションがうまく取れない場合には、セットアップは停止し、ハードウェア製造元と連絡を取り、問題を解決する別の手段を取るようにという指示を表示します。このようなことが起きた場合には、指示されるとおりにすることをお勧めします。

ACPI ベースの BIOS バージョンが ACPI 準拠かどうかの情報については、Windows XP 用のハードウェア互換性リスト (HCL) を参照してください。この件については、これが最も権威ある情報源です。BIOS のバージョン情報については、セットアップを動作させる前に、コンピュータを再起動し、画面上に現れる「BIOS」または「ACPI BIOS」という言葉を含むテキストを探して確認します。

ハードウェアに対応する BIOS バージョン情報については、コンピュータハードウェアドキュメントをチェックし、ハードウェアの製造元と連絡を取ります。

ネットワーク情報の取得

まず、コンピュータをドメインに参加させるか、ワークグループに参加させるかを決める必要があります。どちらを選べば良いか分からない場合には、ワークグループオプションを選択します (ユーザーは Windows XP のインストール後でもドメインに参加できます)。ドメインオプションが選択された場合には、そのドメイン内にコンピュータの新しいアカウントを作成するか、既存のアカウントをリセットします。

コンピュータが現状でネットワークに接続されている場合には、セットアップ開始前に次の情報を識別する必要があります。

  • コンピュータ名

  • ワークグループまたはドメインの名前

  • ネットワークに DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サーバーがない場合には、コンピュータの TCP/IP アドレス

セットアップ中にネットワーク接続の必要性が生じる場合には、コンピュータに正しいハードウェアをインストールし、ネットワークアダプタとケーブルで接続する必要があります。詳細情報については、本ガイドの「ネットワーク情報の提供」を参照してください。

ファイルのバックアップ

以前のバージョンの Windows から Windows XP にアップグレードする場合には、重要なファイルをバックアップしておくことを推奨します。クリーンインストールを行うのであれば、ユーザーが取っておきたいファイルはすべてバックアップする必要があります。そうしないとファイルが失われます。ファイルは、ネットワーク上にあるディスク、バックアップメディア、または別のコンピュータにバックアップできます。

ファイルのバックアップ方法は、現在のオペレーティングシステムに依存します。オペレーティングシステムが Windows 98 または Windows Me の場合には、Windows バックアッププログラムをインストールする必要があります。オペレーティングシステムが Windows NT 4.0 または Windows 2000 Professional の場合には、Windows バックアップは既定でインストールされています。Windows NT 4.0 以前のバックアップツールを使用するには、テープドライブをインストールしておく必要があります。

Windows バックアップのインストールまたは利用に関する詳細情報については、現バージョンの Windows のヘルプファイルを参照してください。

アップグレード対クリーンインストールの実行

Windows XP セットアップを実行させる前に、アップグレードするか、新規インストールを実行するかを決定する必要があります。両方の選択とも有効なため、どちらがベストかの決定は、現在の PC 上のハードウェアとソフトウェアの両者の構成に大きく依存しています。

アップグレードを実行すると、Windows XP では以前の Windows オペレーティングシステムを置き換えますが、既存のファイルとプログラムは保存されます。クリーンインストール *[ワイプアンドロードとも言われます]*を実行すると、以前のオペレーティングシステムとハードディスク上のその他すべてのファイルを削除するか、または以前にオペレーティングシステムがインストールされていないディスクまたはディスクパーティションに Windows XP をインストールすることが行われます。クリーンインストールでは、PC 上に余分なコードが残っておらず、インストールプロセスの一環で、使用されていないコードや不要なコードのすべての痕跡がクリーンな状態に戻されるか、完全に削除されることを保証します。完全に新しいコードを相手に作業することになるので、どこからスタートするのかを正確に知ることができます。クリーンインストールは、多数の PC を同時に切り替える際に選択されるのが普通です。

注意 Windows XP セットアップを起動する前に、DriveSpaceまたは DoubleSpace ボリュームの圧縮を解凍しておく必要があります。

以前のバージョンの Windows からのアップグレード

アップグレード処理中に、Windows XP は既存のユーザー設定とインストールされているアプリケーションを保持します。クリーンインストールを実行する場合には、Windows XP のセットアップは、新しいフォルダにオペレーティングシステムファイルをインストールするので、すべてのアプリケーションを再インストールし、デスクトップやアプリケーション設定のようなユーザー設定をリセットする必要があります。

アップグレードする際には、セットアップは自動的に、現在オペレーティングシステムがインストールされているのと同じフォルダに Windows XP をインストールします。次のバージョンの Windows から Windows XP Professional にアップグレード可能です。

  • Windows 98/98SE

  • Windows Me

  • Windows NT Workstation 4.0

  • Windows 2000 Professional

  • Windows XP Home Edition

コンピュータに Windows 95、Windows 3.x や Windows NT 3.51、または別のベンダのオペレーティングシステムが入っている場合には、クリーンインストールを行うか、まずアップグレードリストに入っているバージョンにまでアップグレードしてから、さらに Windows XP にアップグレードする必要があります。

次のような場合には、Windows XP のクリーンインストールを選択する必要があります。

  • コンピュータには現時点でオペレーティングシステムは何もインストールされていません。

  • 現在インストールしているオペレーティングシステムでは、Windows XP へのアップグレードをサポートしていません。

  • コンピュータに複数のパーティションがあり、Windows XP Professional と現在のオペレーティングシステムを使用してマルチブート構成をサポートする必要があります。

Windows XP をクリーンインストールすることが一般的に好ましく、複数のシステムを同時にアップグレードする場合には特に好ましいと言えます。クリーンインストールの最も基本的なメリットは、すべてのシステムが同一構成で開始できることです。すべてのアプリケーション、ファイル、設定はリセットされます。単一のディスクイメージや応答ファイルを使用して、組織内のすべてのデスクトップが標準化されているかどうかを確認できます。こうして、変則的な構成から発生する多数のサポートトラブルを回避できます。

注意 同一パーティション上に複数オペレーティングシステムをインストールすることはサポートされておらず、オペレーティングシステムが正しく動作することを妨害する恐れがあります。

アップグレードの実行

アップグレードプロセスを開始すると、セットアッププログラムは適切なドライバを検出しインストールするか、アップグレードできなかったデバイスに関する報告書を作成しますので、ハードウェアとソフトウェアが Windows XP と互換があることを確認しておきます。ドメインに接続されている Windows 98/98SE または Windows Me ベースのコンピュータをアップグレードするには、コンピュータのワークグループが参加ドメインに設定されていることを確認しておくことをお勧めします。

アップグレード前に、[スタート] をクリックし、[設定] に合わせ、次に [コントロールパネル] をクリックし、[ネットワーク] をダブルクリックし、 [識別情報] タブをクリックし、ワークグループを調べます。次に、このコンピュータに対して、ドメインサーバー上にコンピュータアカウントを作成する必要があります。このコンピュータはセットアップ中にドメインにアクセスする必要があります。セットアップ中にドメインを利用できない場合には、ユーザー設定情報はコンピュータのローカルユーザーアカウントに保存されますので、ドメインに参加してからローカルユーザープロファイルをドメインプロファイルに手作業でコピーする必要があります。

プロファイルをコピーするには、[スタート] をクリックし、[設定] に合わせ、[コントロールパネル] をクリックし、[システム] をダブルクリックし、[ユーザープロファイル] タブをクリックします。また、Windows XP にアップグレードする前に、DriveSpaceョ または DoubleSpaceョ ディスク圧縮を解凍しておく必要があります。

CD を使って Windows 98 または Windows NT 4.0 からアップグレード

現在のオペレーティングシステムを使ってコンピュータをスタートさせ、Windows XP の CD を CD-ROM ドライブに挿入します。

Windows が自動的に CD を検出し、コンピュータを Windows XP にアップグレードさせたいかどうかを尋ねてきた場合には、「はい」をクリックします。CD を自動検出しない場合には、[スタート] をクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。

次に [Enter] をクリックし、指示に従います。

詳細なセットアップニーズの決定

コンピュータが Windows 98、Windows Me、Windows NT 4.0、または Windows 2000 Professional で動作していて、Windows XP セットアップ中に新規インストールを選択した場合には、セットアップ中に [Select Special Options] 画面が現れます。この画面からユーザー補助設定と言語設定を選択できます。セットアップで Windows XP をインストールする方法を修正したい場合には、[詳細オプション] をクリックし、次のいずれかの作業を実行します。

  • セットアップファイルの既定の格納場所を変更します。

  • システムファイルを既定フォルダ以外の場所に格納します。

  • インストールファイルを CD からハードディスクにコピーします。

  • Windows XP をインストールするパーティションを選択します。

ファイルシステムの選択

Windows XP を動作させるコンピュータのディスクパーティション上のファイルシステムとしては、NTFS、FAT、および FAT32 の 3 種類のファイルシステムの中から選択可能です。NTFS が推奨システムです。FAT と FAT32 は似ていますが、FAT32 の方が FAT よりも大容量のディスク向けに設計されています。NTFS はさらに大容量のディスクに適合しています。ここではファイルシステムの比較に役立つ情報を提供します。また、NTFS に関する追加情報も提供します。

NTFS は、FAT や FAT32 よりも強力なファイルシステムとして位置付けられてきました。Windows XP には、各種機能を追加サポートする NTFS の新バージョンを含んでいます。

セットアッププログラムでは、以前に FAT や FAT32 を使用していたとしても、NTFS の新バージョンにパーティションを簡単に変更できるようにしています。この種の変換では、(パーティションのフォーマット処理とは違って) パーティション内のファイルはそのまま保持されます。ファイルを保持する必要が無く、ハードディスクドライブが FAT または FAT32 パーティションである場合には、FAT または FAT32 パーティションから変換するよりも、パーティションを NTFS でフォーマットすることをお勧めします。パーティションをフォーマットするとパーティション上のデータをすべて消去しますが、FAT または FAT32 から変換したパーティションよりも NTFS でフォーマットしたパーティションの方が、フラグメンテーションが少なくパフォーマンスも良好です。

ただし、パーティションが NTFS でフォーマットされたか、変換されたかには関わらず、NTFS を使用する方が有利であることには変わりありません。セットアップ後でも、Convert.exe を使えばパーティションを変換できます。セットアップ完了後に Convert.exe についての詳細情報が必要な場合には、[スタート] をクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックしてから、[cmd] と入力して、[ENTER] を押します。コマンドウィンドウで、[**help convert]**を入力し、[ENTER] を押します。

注意 Active Directory とドメインベースのセキュリティを活用したいならば、NTFS を選択する必要があります。

ファイルシステムとして FAT または FAT32 を選択したいと思われる状況があります。場合によって、Windows XP を実行させたり、Windows NT 以前のオペレーティングシステムを動作させる必要がある場合には、ハードディスク上のプライマリ (起動) パーティションを FAT または FAT32 パーティションにしておく必要があります。このような初期のオペレーティングシステムは、1 つの例外を除き、NTFS の最新バージョンを使用しているパーティションにはアクセスできません。この 1 つの例外は Windows NT version 4.0 に Service Pack 4 以降を適用したもので、制限は多少あるものの、NTFS の最新バージョンのパーティションにアクセスできます。Windows NT 4.0 は、そのリリース時点で存在しなかった NTFS 機能を使って格納されているファイルにはアクセスできません。

2.2 ファイルシステムと各種オペレーティングシステムとの互換性

NTFS

FAT

FAT32

Windows 2000 Professional または Windows XP で動作しているコンピュータは、NTFS パーティション上のファイルにアクセスできます。Windows NT 4.0 の Service Pack 4 以降で動作しているコンピュータは、ある種のファイルにアクセス可能です。その他のオペレーティングシステムからはアクセスが許されていません。

MS-DOS、全バージョンの Windows、Windows NT、Windows XP、および OS/2 からアクセスできます。

Windows 95 OSR2、Windows 98/98SE、Windows 2000 Professional、およびWindows XP のみからアクセスできます。

2.3 各ファイルシステムで可能なディスクサイズとファイルサイズの比較

NTFS

FAT

FAT32

推奨される最小ボリュームサイズは約 10 MB です。

ボリュームで推奨される実用的な最大値は、2 TB (TeraBytes) です。さらに大きさサイズも可能です。

フロッピーディスクには使用できません。

フロッピーディスクサイズから4 GB までのサイズのボリューム。

ドメインをサポートできません。

512 MB から 2 TB までのボリューム。

Windows XP では、32 GB までの FAT32 ボリュームしかフォーマットできません。

ドメインをサポートできません。

ファイルサイズはボリュームのサイズによってのみ制限されます。

最大ファイルサイズは2 GB です。

最大ファイルサイズは4 GB です。

注意 FAT と FAT32 の間で選ぶとすれば、基本的な基準はインストールパーティションのサイズです。2 GB 以上のパーティションでは、ユーザーは FAT ではなく、FAT32 を使用することをお勧めします。

Windows XP では、Windows 95 または Windows 98 で作成された任意のサイズの FAT32 ボリュームをサポートします。ただし、Windows XP では、32 GB までの FAT32 ボリュームまでしかフォーマットできません。NTFS の方が良いオプションで、32 GB を超える大きさのボリュームでは NTFS を使用することをお勧めします。セットアップ中にパーティションのフォーマット形式として FAT を選択しても、パーティションが 2 GB を超えている場合には、セットアップは自動的に FAT32 としてフォーマットします。

NTFS で利用できる機能

NTFS ファイルシステムを選択することで、次の機能を始めとし、多数の特殊機能を使用することができます。

  • Active Directory。これはネットワークリソースを簡単に表示、制御するのに使用できます。

  • ドメイン。これは Active Directory の一部であり、管理はシンプルなままでセキュリティオプションを微調整するのに使用できます。ドメインコントローラは NTFS である必要があります。

  • ファイルの暗号化。これはセキュリティを大いに強化します。

  • アクセス許可は、フォルダだけでなく、個々のファイルにも設定可能です。

  • スパースファイル。これはアプリケーションが作成する非常に大きなファイルですが、限られたディスク領域しか必要ありません。すなわち、NTFS では書き込むファイルのディスク領域のみを割り当てます。

  • リモートストレージ。テープのようなリムーバブルメディアにアクセスしやすくし、ディスク領域を拡張します。

  • ディスクアクティビティログの回復。電源障害またはその他のシステム障害の発生時に情報を迅速に復元するのに役立ちます。

  • ディスククォータ。個々のユーザーが使用したディスク領域量を監視し制御するのに使用できます。

  • 大規模ドライブのスケーラビリティが良くなります。NTFS の最大ドライブサイズは、FAT の場合よりもずっと大きくなり、ドライブサイズが増大しても、NTFS のパフォーマンスは FAT のように低下することはありません。

セットアップの実行

セットアッププログラムを起動すると、セットアップウィザードは、地域設定、名前やパスワードを始めとする情報を集めます。セットアップは適切なファイルをハードディスクにコピーし、ハードウェアをチェックし、インストールを設定します。インストールが完了すると、Windows XP は実行準備が整います。セットアップの起動方法は、アップグレードするのか、クリーンインストールを実行するのかに依存して変わります。インストール方法を決定し、本ドキュメントの適切なところを参照し、そのセットアップシナリオの手順に従います。

このセットアッププロセスでは、動的更新も起動します。この新機能は Windows Update サイトをチェックし、コンピュータが Windows XP を正常にインストールすることを保証します。この機能は更新されたドライバ、ソフトウェアパッチ、およびその他の更新をチェックし、PC にダウンロードします。

動的更新

アップグレードする場合には、セットアッププロセスが動的更新を起動します。この新機能は Windows Update サイトをチェックし、コンピュータが Windows XP を正常にインストールすることを保証します。この機能は新しいドライバ、ソフトウェアパッチ、およびその他の重要な更新をチェックし、PC にダウンロードします。

Windows 98、Windows 98 SE、または Windows Me からアップグレードする際には、システムのディスク領域に余裕があれば、ユーザーの Windows 設定は自動的に保存され、必要なら後から Windows XP をアンインストールすることができます。セットアップがシステムドライブに領域を見つけられない場合には、ファイルを保存したいかどうか、およびどのドライブに保存したいかを尋ねてきます。

ユーザーアカウントの作成

Windows XP Professional には、所有者 (Owner)、制限ユーザー (Limited User)、Guest、Power User の 4 種類の異なるプロファイルをビルトインして出荷します。所有者は Windows 2000 Professional の Administrator に等しく、制限ユーザーは Windows 2000 Professional の「Users」グループと同じです。Windows 2000 Professional と同じく、このようなユーザーアカウントはいつでもコントロールパネルから作成可能です。

ユーザーとコンピュータ情報の収集

Windows XP のセットアップルーチンは、ユーザーとコンピュータに関する情報の収集プロセスを案内します。このインストールプロセスは大部分が自動で行われますが、コンピュータの現状構成に依存し、次の画面で情報を与えたり、設定を選択したりする必要があります。

  • NTFS **へのアップグレード。**Windows XP は、ハードディスク上のパーティションを自動的に NTFS に変換することも現在のファイルシステムを保持することもできます。アップグレードの状況では、セットアップは現在のファイルシステムを使用します。

  • **特殊オプションの選択。**新規インストレーションに対して、セットアップ、言語、およびユーザー補助設定をカスタマイズします。

  • **地域設定。**異なる地域と言語に対応し、システムとユーザーロケールの設定を変更します。

  • **ソフトウェアのカスタマイズ。**使用する人の正確な名前を入力し、オプションでこの Windows XP のコピーがライセンスされる組織名を入力します。

  • **コンピュータ名と管理者パスワード。**ネットワーク上の別のコンピュータ、ワークグループ、またはドメイン名とは異なるユニークなコンピュータ名を入力します。セットアップではコンピュータ名を推奨していますが、名前は変更可能です。

  • **日付と時間の設定。**地域の日付と時間を調べ、適切なタイムゾーンを選択し、Windows XP が自動的に夏時間への調整処理を行うかどうかを選択します。

  • **ネットワーキング設定。**上級ユーザーは、ネットワーク構成に対する典型的な設定オプションを選択可能です。ネットワーククライアント、サービスとプロトコルを手作業で設定するためのカスタム設定オプションを選択可能です。

  • **ワークグループまたはコンピュータドメイン。**セットアップ中に、ユーザーはワークグループまたはドメインに参加する必要があります。

ネットワーク情報の提供

Windows XP Professional をインストールする場合には、ワークグループまたはドメインに参加する必要があります。

ワークグループへの参加

ワークグループとは、同じワークグループ名を持つ 1 台またはそれ以上のコンピュータのことです。ユーザーならだれでも 1 つのワークグループに参加可能です。ユーザーがネットワークで作業していないなら、ユーザーがワークグループに参加したいことを示す必要があります。ワークグループに参加するには、既存または新規ワークグループ名を指定するか、またはセットアップ中に Windows XP が示すワークグループ名を使用できます。

ドメインへの参加

ユーザーアカウントはコンピュータにユーザーを識別させるものですが、コンピュータアカウントはドメインにコンピュータを識別させるものです。ドメインはセキュリティと管理目的で、ネットワーク管理者が定義したコンピュータの集まりです。セットアップ中にドメインに参加するには、コンピュータを参加させたいドメインにコンピュータアカウントを持っている必要があります。適切な特権さえあれば、セットアップ中にアカウントを作成し、ドメインに参加できます。セットアップ中にドメインに参加するには、ユーザー名とパスワードを用意しておく必要があります。

注意 セットアップ中にドメインに参加を試みて問題が発生した場合には、まずコンピュータをワークグループに参加させておいて、Windows XP Professional のインストールが完了してから、ドメインに参加します。

ドメインに参加しようとしている場合には、ユーザーが Windows XP Professional にログオンできるようになる前に、ネットワーク ID ウィザードが現れ、コンピュータをネットワークに接続する手助けをしてくれます。

Windows XP の起動

情報を集め終わると、セットアップウィザードはインストールを完了します。コンピュータが再起動し、Windows XP のログオンプロンプトが現れます。ライセンシング契約に依存しますが、ログオンすると、Windows XP のコピーを登録するかどうか尋ねられることがあります。このプロセスが完了すると、ユーザーアカウントを作成し、セットアップで入力されている設定を再設定します。

段階的導入

組織が長期にわたって重要なビジネスニーズに対応できるようにしながら、総所有コストを削減する目的で、Windows XP を段階的に導入することが可能です。このアプローチを使えば、組織は必要になり次第、個々のデスクトップを簡単にアップグレードできるようになるので、短期と長期の両方でメリットを達成できます。Windows 2000 と同様に、Windows XP アーキテクチャを使えば、モジュラー型の導入を行うことができ、Windows XP で得られる新テクノロジを自分のペースで活用できます。

USMT (User State Migration Tool)

ファイルと設定の移行は、Windows XP で USMT (User State Migration Tool) を使用することにより、今までよりも簡単になっています。USMT は、企業環境で Windows XP Professional の大規模な導入を実行する IT 管理者のために設計されています。管理者は USMT により、レジストリに個別の変更を加えるなど、特定の設定をカスタマイズするための細かなコマンドラインを使用することができます。USMT を使うと管理者はレジストリに個別の変更を加えるなど、特定の設定を完全にカスタマイズする能力を得られます。

USMT は IT プロフェッショナルが変更可能な INF ファイルの共有セットの内容に基づいて動作します。ほとんどすべてのケースで、自動移行のために USMT を使用する場合は、組織独自の環境とニーズに対処するために IT プロフェッショナルが INF を変更するものと思われます。

USMT とは何か

USMT (User State Migration Tool) は 2 つの実行可能ファイル、ScanState.exe と LoadState.exe および 4 つの移行ルール情報ファイル (Migapp.inf、Migsys.inf、Miguser.inf、Sysfiles.inf) から構成されています。

ScanState.exe は、Migapp.inf、Migsys.inf、Miguser.inf および Sysfiles.inf に含まれた情報に基づき、ユーザーデータと設定を収集します。LoadState.exe はこのユーザーの状態データを Windows XP Professional の新規 (アップグレードではない) インストールを実行しているコンピュータに移植します。

追加 INF ファイルを作成することにより、移行条件を追加することも可能です。既定の設定の場合、USMT は次の設定を移行します。

  • Internet Explorer 設定

  • Outlook Express 設定

  • Outlook 設定

  • Outlook Express 保存データ

  • Office の共通ファイルタイプ

  • Outlook 保存データ

  • ダイヤルアップ接続設定

  • 電話とモデムオプション

  • ユーザー補助設定

  • クラシックデスクトップ

  • スクリーンセーバーの選択

  • フォント

  • フォルダオプション

  • タスクバー設定

  • サウンド設定

  • 地域オプション

  • マウスとキーボード設定

  • Office 設定

  • デスクトップフォルダ

  • ネットワークドライブとプリンタ

  • マイドキュメントフォルダ

  • マイピクチャフォルダ

  • お気に入りフォルダ

  • クッキーフォルダ

ScanState.exe が収集する設定状態に何を含めるのかは、簡単に変更することができます。ツール上で特定のファイル、フォルダ、レジストリエントリおよびレジストリサブツリーを収集するかしないかを指示できます。

USMT の使用方法とスクリプト変更のルールに関する詳細情報については、次のページにあるリソースのところを参照してください。

Office XP 導入のブループリント

基本情報

導入範囲により、追加やスキップが必要かも知れませんが、少なくとも以下の項目についてはすべて検討することをお勧めします。おのおのについては、この章の中で詳しく議論していますが、それぞれが導入準備のマイルストーンになるので、適切にドキュメントとして残していくことをお勧めします。

  • エグゼクティブサマリ

  • 範囲

  • 現状対計画環境

  • 移行計画

  • Office XP 導入計画

  • 概念実証

  • パイロットテスト

  • リスク評価

  • 実装計画

  • 実装後レビュー

エグゼクティブサマリ

エグゼクティブサマリでは読者と意思決定者にこの計画の役立つポイントの要点を知らせます。実装の技術的計画の要点だけでなく、Office XP を導入するビジネスケースも含めます。ここは計画の最初の部分ですが、計画の構成と詳細について定義し内容を整えてから、最後に記述する内容です。

範囲

プロジェクトに含むものは、ニーズで定義され、時間、予算、人員等で制約を受けます。プロジェクトに含まないものは何かをはっきりと示すことは、含むものを示すことと同じ位重要なことがあります。これによって、スケジュールからテスト手順までのすべてを絞り込み、明確にすることができます。

同じ組織の人だけでプロジェクトチームを結成し、すべての導入作業をそのプロジェクトチームで処理するのであれば、プロジェクトチームの全員が知っているはずのビジネスモデルのようなところは省略可能かもしれません。業者やコンサルタントのような外部リソースを使用する計画があるのなら、この情報はプロジェクトと環境について理解するのに役立つものになります。

実用レベルの詳しさで書いた範囲の記述例を示します。

Office XP をすべてのアプリケーションと機能を含めて、全ユーザーのローカルコンピュータに導入します。 SharePoint Team Services を部門ベースで実装し、 SharePoint Team Services をビジネスユニットのWeb サーバーでサポートします。ソフトウェアについては、すでに稼働している Microsoft Systems Management Server を使用して配布します。サポートと教育組織はすぐに対応できるように十分過ぎるぐらいに増員し、導入前に全ユーザーを対象に教育を施し、導入後も十分にサポートします。Office 97 から移行するので、同じファイルフォーマットを使っていることからファイルの移行は必要ありませんが、カスタムソリューションはすべてテストします。」

ビジョン

計画と導入期間を通じて、組織の移行ビジョンに基づいていろいろな決定を下しますが、これは組織の仕組みと変更の管理に関連する要因に基づいています。たとえば、IT はユーザーに自分自身のデスクトップのコンピューティングニーズを処理させるのか、また、IT は意思決定を行い、ソフトウェア配布を制御し、ユーザーのデスクトップをサポートするのか。これにより分業が行われ、各種作業に誰が責任を持つのかを定義します。

導入に関する明確なビジョンがあれば、問題点を解決し、全員を計画の中に巻き込むことは簡単です。すべてのプロジェクト関係者からこのビジョンへの賛意を取り付け、動き出す前に承認を取っておきます。関係者は管理者だけとは限りません。関係者には、ユーザー、設計者、サポート要員等も含まれます。

ビジョン声明文の例を示します。

「組織全体の生産性を改善するために、 Microsoft Office XP を導入し、エンドユーザーの作業方法を単純化する新テクノロジをフルに活かし、チームのコラボレーションと情報共有がより効率的になるようにして、 IT(情報技術) スタッフに柔軟なツールを提供し、Office XP の実装とサポートに費用があまりかからないようにします。プロジェクトのスタート時点から 6 か月以内に国内の全ユーザーに Office XP を導入し、9 か月以内に国外の全ユーザーに Office XP を導入します。この導入によりユーザーの作業中断が発生することはありません。IT スタッフは、スケジュールされた SMS パッケージを使って、すべてのアップグレードを深夜か週末に行い、一回に 1 ビジネスユニットに限定してソフトウェアを展開していきます。」

ビジネスモデル

ビジネスモデルを明確にドキュメントとして残すことにより、サードパーティの要員が意思決定力学を理解できるようになります。組織について、以下の点を明確に説明します。

  • 中核技術

  • 強みと弱み

  • 主要競争相手

  • 日常ビジネスにおける IT の主要用途

  • 導入用ビジネスドライバ

ビジネスドライバは、作業が達成される道筋と機構を示すものです。たとえば、導入作業は中央主導型で行われていますか、または部門やサイトの要求で行われていますか。各ビジネスドライバごとに、そのドライバに主に関わっている人を特定します (たとえば、IT または特定の部門)。とりわけ、この情報があれば、予算要求の計算は容易になり、導入のビジネス価値を理解しているマネージャと部門長から承諾を得るのが簡単になります。

IT ビジネスモデル

このプロジェクトに関わっているすべてのリソースは、背景にあるビジネスモデルを理解しておく必要があります。次のものを記述します。

  • 中央集中型対地方分散型、および両者の適切な関係。

  • IT とビジネスユニットとの関係

  • 資金調達

  • ビジネスユニットに提供できるサポートレベル

  • サービス提供のために利用するサードパーティリソースの利用度

内部スタッフのリソースしか使わない場合、ここをスキップできます。

IT 組織のプロファイル

導入と関係する、または影響を受ける IT グループをすべて記述します。プロジェクト参加者は計画、テスト、および実装のどの段階でも、問題点や決定に関して、誰に相談に行けばよいのかを知りたく思っています。

予算

以下に示すのは予算作成の出発点として使う Microsoft Excel のスプレッドシートです。スプレッドシートをダブルクリックすれば、Word ドキュメントから Excel を起動でき、項目を追加、削除し、予算を決定する式を作成し、数値が変更になればいつでも更新できます。

deployment1

タイミング

このプロジェクトのキックオフ、企画、パイロットテスト、および実装の開始日と終了日のような主要マイルストーンを含む、望ましいタイミングとは何ですか。Microsoft Project で作成する計画には、詳細なマイルストーンとタイミング情報が含まれているので、このドキュメントにはレベルの高いサマリだけが必要です。プロジェクトのタイミングについてもドキュメント化すれば、予算や教育のようなその他の変数に影響を与えそうな制約を特定できます。

サポートの約束

実装中や実装後には、ビジネスユニットとユーザーはどの程度のレベルのサポートを期待しているでしょうか。この疑問に対しては、「必要なリソースは用意し、ユーザーがダウン時間を経験することはないことを約束します。」のようなビジョン声明文で答えます。ビジョンは、ビジョンを達成する計画を作れるように定義する必要があります。

現状対計画環境

現在環境と計画環境をドキュメント化し、理解することにより、それらに基づいた移行計画を作成できます。Systems Management Server のような既存のハードウェアやソフトウェアの在庫システムを持っていれば、そのシステムから必要とする情報種類のガイドラインとして、ここで示す表を使用します。個々で作成した情報を最終ドキュメントの付録として提供することができます。

デスクトップアーキテクチャ

ハードウェア

現在のハードウェアは (以下に示すような) Office XP システム要件をサポートしていますか。

サポートしていないなら、アップグレードする (どのようにアップグレードするのかを記述) ハードウェアをリストアップし、どのユーザー (もしいれば) が移行するためにハードウェア待ちとなっているかを示します。

ソフトウェア

項目

Office XP 要件

チップ

Pentium 133 MHz 以上の高速プロセッサ。音声認識に使用する場合には、Pentium 400 MHz 以上の高速プロセッサ

オペレーティングシステム

Microsoft Windows 98

Microsoft Windows 98 Second Edition

Windows Millennium (Me)

Microsoft Windows NTョ 4.0 Service Pack 6a 以上

Microsoft Windows 2000

Microsoft Windows XP

RAM

Windows 98 と Windows Me の場合には、オペレーティングシステムに 24 MB の RAM、これに加えて同時に動作するアプリケーションごとに 4 MB を追加 (Microsoft Outlookョ、Microsoft FrontPageョ、または Microsoft Access には 8 MB)。

Windows NT Workstation または Server 4.0 以降の場合には、オペレーティングシステムに 64 MB の RAM、これに加えて同時に動作するアプリケーションごとに 4 MB を追加 (Outlook、FrontPage、または Access には 8 MB)。

Windows 2000 Professional には、最低で 64 MB の RAM、これに加えて同時に動作するアプリケーションごとに 4 MB を追加 (Outlook、FrontPage、または Access には 8 MB)。

Windows 2000 Server または Advanced Server には、最低で 256 MB の RAM を推奨、これに加えて同時に動作するアプリケーションごとに 4 MB を追加 (Outlook、FrontPage、または Access には 8 MB)。

音声認識の利用には、最低で 128MB の RAM が必要です。

Windows XP Professional には、推奨が 128 MB、最低で 64 MB の RAM、これに加えて同時に動作するアプリケーションごとに 4 MB を追加 (Outlook、FrontPage、または Access には 8 MB)。

ハードディスク

Office Standard。210 MB (W、E、P、O*)

Office Small Business。 280 MB (W、E、O、Publisher)

Office Professional。 245 MB (W、E、P、O、A)

Office Professional with FrontPage。 285 MB (W、E、P、O、A、F)

Office Developer。Professional with FrontPage に 160 MB を追加。

ハードディスクの追加領域が必要になる可能性があります。

Windows 2000、Windows Millennium、または Office 2000 SR-1 のないユーザーは、システムファイル更新に余分に 50 MB のハードディスク領域が必要です。

Office XP がオペレーティングシステムとは異なるドライブにインストールされているコンピュータでは、オペレーティングシステムドライブには、115 MB のハードディスク領域を用意しておく必要があります。

国際的な導入については、インストールする追加言語ごとに余分に 50 MB のハードディスク領域を用意しておく必要があります。

Microsoft Office XP Developer の場合には、システムコンポーネントの更新に追加ハードディスク領域が必要です。必要な領域はオペレーティングシステムに依存します。

Windows NT 4.0 以降の場合には、120 MB のハードディスク領域が必要です。

Windows 98、Microsoft Windows 98 Second Edition、または Windows Millennium の場合には、50 MB のハードディスク領域が必要です。

Windows 2000 には、230 MB のハードディスク領域が必要です。

すべてのサイズ情報はローカルコンピュータへのインストールをベースとして計算しています。サーバーからソフトウェアを実行する場合には、ローカルコンピュータ上の領域を節約できます。

* W=Word、E=Excel、P=PowerPointョ、O=Outlook、A=Access、F=FrontPage

CD-ROM

ネットワークを利用しないインストール形態で必要です。

ネットワークカード

ネットワークを利用するインストール形態で必要です。

既存のソフトウェアは Office XP と連携動作しますか、特にサードパーティ製の Office 統合ソフトウェアの場合に連携動作しますか。

連係動作しないなら、そのソフトウェアの重要性はどの程度ですか。そのソフトウェアを使用する必要があるなら、それが計画に与える影響はどのようなものですか。非互換のサードパーティソフトウェアと互換性がある代替品はありますか。

プロファイル

  • 環境にシステムポリシーを実装しましたか。もし実装しているなら、Office リソースキットに Office XP 用のシステムポリシーテンプレートがあります。これらのテンプレートは、Windows 2000 Server グループポリシーオブジェクトにも利用可能です。

  • Outlook セキュリティとマクロセキュリティ設定のように、ユーザー設定を実装、推進する方法が必要ですか。もし必要なら、Windows 2000 Server でシステムポリシーまたはグループポリシーを実装することを検討したいでしょう。

ネットワーキング構成

Office XP と Office ベースソリューションを動作または導入するのに適したネットワーク要素を文書化します。サーバーやリンクが過負荷状態となっていて、あまりにも速度が遅くて適切に導入をサポートできない、といった心配事を記述しますが、ネットワークのトポロジ全体を詳細にドキュメント化する必要はありません。

  • 既存のネットワーク構成では、ネットワークからの Office XP 導入をサポートしますか。もしサポートしないなら、ソリューションには、モバイルユーザーやリンクの遅いユーザー向けに CD-ROM を使用したソフトウェア導入をピークを外れた時間帯に行ったり、ネットワークにサーバーや帯域幅を追加して導入に対処できるようにしたりするものを含めます。

  • 既存のネットワーク構成では、ネットワークからの Office XP 実行をサポートしますか。もしサポートしないなら、Office XP には、ネットワークからの Office XP 実行を防ぐ新機能があります。

  • ネットワークで「初回利用時にインストール」を使用すると、どのような影響がありそうですか。

  • 管理上のインストールポイントはどこに存在していますか。各地域グループごとに代替地のリストを編集しておき、最初のインストールポイントがすでに利用できなくなっていたとしても、ユーザーはメンテナンスモード作業を引き続いて行えるようにします。Windows 2000 Server または Windows NT Server 4.0 の DFS (Distributed File System) を実装すると、このプロセスがより容易になります。

  • ネットワークサーバーには、クリップアートのようにデスクトップには導入されていない、付加的コンテンツを格納するだけの余裕はありますか。もしないようなら、ユーザーはどのようにしてアクセスするのでしょうか。

  • ターミナルサービスをすでに利用しているか、または利用を検討していますか。ターミナルサービスを実行するには、どのようなハードウェアを実装する必要がありますか。現在のターミナルサービス構成は、Office XP をサポートしていますか。

移行計画

これは現在の環境から計画環境へのロードマップです。そこには目標到達のために何をするのか、どのようにするのかが示されています。移行作業全体にわたる計画を更新し、全員が正確性に自信を持てるようにします。

リソース

プロジェクトチーム / ロール

各プロジェクトエリアには、各段階に関連する作業に責任を持つ主管理者を必要とします。以下のリストは、大規模企業のロールに基づいています。自分用のリストを作ってみるとかなり短くなると思われます。環境のために必要なものはどんなものでも採用します。

ロール

責任

名前と会社の役職

ビジネスマネージャ

業務の観点からプロジェクトをまとめます。予算、プロジェクト管理者とユーザー間のコミュニケーション、および最終決定に責任があります。

 

製品マネージャ

プロジェクトを推進し、優先度を設定します。エンドユーザーのニーズが満たされていることを保証し、部門プロファイル等を確立します。マーケティングと顧客窓口に責任を持ちます。

 

主プログラムマネージャ

プロジェクトを管理し、マイルストーンを設定し、プロジェクト全体状況と問題点を監視します。全体計画とプロジェクト計画をまとめます。(もし適用可能なら) 財務的側面を監視します。運用部門を引き受ける責任があります。

 

均一のプログラムマネージャは、主プログラムマネージャに報告します。

 

 

データベースサーバー管理者

SQL Serverヤ、Sybase、Oracle、DB2 等のようなデータベースサーバーの管理に責任があります。計画の中のデータベース接続に関係する部分をまとめます。

 

配布管理者

アプリケーション導入とライセンシングに責任があり、特にMicrosoft Systems Management Server や IBM Tivoli のようなプッシュ型インストールモードに責任があります。計画の中でも配布関連作業のすべてをまとめます。

 

デスクトップ管理者

ワークステーションオペレーティングシステム、ソフトウェア、およびハードウェアに責任があります。現在の環境と計画環境、および移行計画と構成計画を始めとして、この計画のデスクトップコンポーネントをまとめます。

 

開発者/コンサルタント

企業固有のデスクトップアプリケーション (カスタムアプリケーション) の開発に関連しています。

 

エンドユーザーのテクニカルサポートチーム

ヘルプデスク要員。Office XP スイートユーザーの質問と問題にテクニカルサポートを提供します。Office XP 設定を維持、操作、および修復します。この計画のすべてのサポート面をまとめます。

 

イントラネット/インターネットの管理者

イントラネット/インターネットサーバーとサービスの構造設計とメンテナンスだけでなく、Web ドキュメント標準についても責任を持ちます。この計画の中のブラウザと SharePoint" Team Services をまとめます。

 

メッセージング管理者

サーバーサイドのメッセージング管理に責任を持ちます。この計画の中のメッセージング部分をまとめます。

 

ネットワーク管理者

ネットワークサーバー、プロトコル、および (プリンタを含めた) ハードウェアから、ワークステーションとユーザーのドメイン管理にまで広がるネットワークの設定とメンテナンスに責任があります。現在および計画中の設定情報と計画を始めとして、この計画の中のネットワーク関連コンポーネントすべてをまとめます。

 

Office 管理者

Office XP の設定を決定します。

 

テクニカルコンサルティング

コンサルティングサービスと問題解決を提供します。

 

テスティング/品質保証チーム

機能要件と企業標準に関して Office XP がシステム的に適合していることを保証します。すべてのベータ版、カスタムアプリケーション、および移行/共存問題をテストします。このテスト計画をまとめます。

 

ユーザー教育

ヘルプデスクとエンドユーザー教育を始めとする、エンドユーザーとテクニカルサポート要員向け教育教材とドキュメントを開発します。この計画の中の教育部分をまとめます。

 

物流管理

世界にまたがる物流を処理します。物流計画とロールアウト戦略をまとめます。

 

追加要員

Office XP 開発を実装するのに必要な追加要員をすべてリストアップします。例は以下のとおりです。

名前と役職

責任

従業員/コンサルタント/受託契約者

期間

インストーラ

すべてのエンドユーザーコンピュータに新しい設定をインストールします。

受託契約者

6 ~ 8 月

機器

ここでは、移行に必要な追加機器 (および数量) を明らかにします。以下のものを含みます。

  • テストラボ機器

  • プロジェクト要員向け機器

  • エンドユーザー向け新コンピュータ

  • ネットワーク関連の新機器

  • 既存機器のアップグレードコンポーネント

ニーズ評価

部門ベースで、現在の構成から望ましい環境へと変えるために必要なものの決定にどのような計画を立てていますか。特に対象となるものは次のとおりです。

  • タイミング

  • ハードウェア

  • オペレーティングシステム

  • サードパーティ製ソフトウェア統合

  • テンプレートとマクロ変換

  • カスタムソリューション変換

  • 具体的な機能要件

  • ユーザー設定/ローミングユーザー

  • ブラウザの考慮

  • メッセージングプラットフォームの考慮

  • 配布インフラストラクチャ

  • 開発プラットフォームの考慮

  • SharePoint Team Services の実装ニーズ

  • ファイル共有共存問題

ニーズを評価するには、正確なだけでなく実用的な方法を選択します。報告書作成に入る前に、ハードウェア/ソフトウェア在庫システムデータベースが最新になっていることを確認します。各ビジネスユニットからの代表者 1 名と作業し、1 対 1 のインタビューまたは週 1 度の定例会議で情報を提供してもらいます。インタビューをすることにより、回答者に用語やビジネスニーズを説明することもできるので、ビジネスユニットには情報収集と品質の責任を受け入れてもらうことができます。調査結果はメールで送るか、イントラネットサイトに投稿できますが、このような方法ではよけいなコストがかかるだけでなく、参加協力を得たり正確で完全な情報を得たりするのに失敗することが多くなります。

ファイル変換

データファイルを移行または変換する計画の詳細を詰めます。メソッド、物流、およびエスカレーションパスを含めます。

ファイル変換方法は、現在のソフトウェアに依存します。Office ファイルのフォーマットは、Office 97 以来変化していません。したがって、Office 97、Office 2000、および Office XP のユーザーは同じフォーマットのファイルを共有できます。Access 97 だけが唯一の例外で、同じフォーマットで統一されている Access 2000 と Access 2002 とは異なるフォーマットになります。たいていの組織では、Office 97 以降を使用していますので、ファイル変換は昔と比べるとたいした問題ではありません。

ユーザーは必要に応じてドキュメント、スプレッドシート、およびプレゼンテーションを単に Office XP で開いて、保存し直すだけで新バージョンのフォーマットに変換できます。Access 97 や Office 95 以前を利用しているユーザーと共同で利用するため、オリジナルフォーマットを使い続ける必要があることが、時々あります。

Access 2000 以前のフォーマットで Access データベースを開くユーザーは、データを操作し、アプリケーションを使用できますが、テーブル、クエリ、レポート、フォーム、マクロ、またはモジュールに変更を加えることができません。このような変更を加えたい場合には、データベースを Access 2002 または Access 2000 フォーマットに変換する必要があります。このプロセスでデータベースのコピーが古いフォーマットで残ります。古いフォーマットの使用を止める前にすべてのデータベースを徹底的にテストしていることを確認します。

マイクロソフト製品ではないデスクトップソフトウェアからの移行については、さらなる計画が必要です。使用パターンにより単純化される問題もあります。たとえば、ほとんどのワードプロセッサファイルは作成され、一度使用されると、2 度と使われることはありません。ユーザーは、頻繁に利用するスプレッドシートをしばらくの間いくつか使っていますが、ある時点で使用を止めてしまう傾向にあります。したがってファイル変換は、必要なファイルだけを選り分けてから変換を試みることをお勧めします。

詳細情報については、Office リソースキットを見てください。また、Microsoft Office XP リソースキット中の「他のアプリケーションからの切り替え」も見てください。

マクロ、テンプレート、およびカスタムソリューション変換

既存のマクロとテンプレートを移行、利用中止、または更新する計画の詳細を決めます。これにはテスティング、メソッド、物流、およびエスカレーションパスを含めます。

テンプレートとマクロ変換方法についても、Office の既存バージョンに依存します。重ねて言えば、たいていの組織は Office 97 以降から移行してきているので、従来経験してきた Office ソフトウェアからの変更と比べると、問題点は大きく減るものと思われます。実際のところ、最大の移行問題は、より制限の強いセキュリティレベルでもマクロを使えるように、使用している各テンプレートにデジタル署名を行うことです。

テストし再開発の必要があるカスタムソリューションを探す作業の中で、注意深く評価して残しておく価値があるかどうかを決定します。カスタムソリューションの中でも、もう使われていないビジネスルールを推進するもの、今では Office XP に組み込まれている機能を提供するもの、またはプロの開発者以外のユーザーがあわてて作ったもので正しく作り直す必要があるものについては、捨てることをお勧めします。ソリューションは実際にミッションクリティカルなものであることを確認してからテストにかかります。

使えるものを抽出するために、業務ソリューションをすべてリストアップし、どのようなソフトウェア (Word、Microsoft VBA (Visual Basicョ for Applications)、ODBC、Internet Explorer 等) を使用しているか、または依存しているかを特定し、次にそれらを重要性に基づいた順番に並べ替えます。次のカテゴリを使用します。

  • **ミッションクリティカル。**このようなアプリケーションに失敗すると、収益を大いに減らし、経費を増大させ、カスタマやパートナーに不満足感を与えます。組織としては失敗のリスクはほぼゼロでないと容認できません。

  • **ビジネスクリティカル。**このようなアプリケーションに失敗すると、コストと影響はかなり大きいですが何とか耐えられるものです。組織としては、失敗のリスクが低いものは容認できます。

  • **必須。**このようなアプリケーションに失敗すると、収益を少し減らし、経費を増大させ、カスタマやパートナーに不満足感を与えることがあります。

  • **その他。**このようなアプリケーションに失敗しても、無視できるほどですが影響があります。

マイクロソフト製以外のソフトウェアで作成されたマクロとテンプレートは、Microsoft Office で作り直す必要があります。マイクロソフト製以外のソフトウェアで作成されたマクロは、Office XP アプリケーションでは動作しません。もう使われていない項目は使用しないようにします。Office でソリューションを再開発するのは、まず新ソリューションが古いソフトウェアを単純にまねていることがないことを確認してから行います。Office 機能は生産性を高めるために使用し、ユーザーの熱意を高めるようなものにします。

Office XP で開発された新ソリューションが、まだ移行していないユーザーにどのような影響を与えるのかの確認も計画の中に含めることをお勧めします。スマートタグのような新機能を使用する新ソリューションは、以前のバージョンの Office では動作しません。

詳細情報については、次の Office Developer Web サイトを参照してください。 https://www.microsoft.com/japan/office/developer/

サポート計画

ユーザーと開発者のサポートを含めた、サポートモデルは何ですか。定常状態のサポートポリシーとレベル、エスカレーションパス、サードパーティの関与、およびヘルプデスクサポートの必要性の削減方法を含めます。

  • 現状のスタッフレベルでデスクトップの移行を処理できますか。できないのなら、たとえば、現スタッフをフロアサポートのようにスキルが必要な作業に割り当て、業者をコール処理に使うような再割り当てを行って、スタッフの増強を検討します。

  • 作業量だけでなく、ユーザーがどのような問題で困るのかまで含んでいて、ニーズの見積もりに使えるような、過去の移行時の統計情報を持っていますか。パイロットテストを行うと、基本的な利用上の問題への対処に役立ちます。

  • カスタム構成を変更してユーザー問題を避けることができますか。ローカルコンピュータにコンポーネントを (初回利用時ではなく) いくつかインストールし、業務ソリューションが適切に機能するようにし、予測可能な問題に対処できるようにヘルプをカスタマイズするなどの処置を行うことができます。

  • 現在の要員は必要なスキルと知識を持っていますか。もし、そうでないなら、要員の教育を実施するか、業務委託要員を雇います。

  • カスタマイズ可能ヘルプや企業内エラー報告ツールのような Office XP テクノロジを実装することにより、サポート負荷を減らすことはできますか。このような機能の実装計画を作成します (Office XP 機能実装の部分を参照)。

ヘルプデスクの具体的計画を作成します。スタッフ配置、教育、業務委託雇用、判明している問題点への対処ステップを含めます。また、カスタマイズ可能ヘルプと警告、エスカレーションパス、およびイントラネットコンテンツ、ヒント集、オフィスアシスタントのようなエンドユーザーによるセルフヘルプ手段を検討します。組織によっては、ユーザーニーズを理解しているヘルプデスク要員にソフトウェア導入を手伝わせているところもあります。導入作業中は問題に対してヘルプデスク要員の実践的ノウハウを提供し、導入後には設定作業で学んだことをサポートスキル向上に利用できます。

ユーザーはサポートレベルと品質に基づいて移行の成功/失敗のランク付けを行う傾向にあります。ほとんどのユーザーは問題が予想可能な範囲にあることは認識していても、ヘルプデスクの方で準備が不足していたり人員不足であったりする場合には我慢できなくなります。人員不足であわてるよりも、人が余り気味の方が良いと言えます。スタッフは後で減らすか再割り当てすればかまいません。

サポート環境を適切に計画、準備するための詳細情報については、Microsoft Press 発行の The Sourcebook for the Helpdesk を参照してください。

教育計画

「定常状態」の新教育ポリシーと方法についてドキュメントにまとめます。エンドユーザーとサポート要員教育の両方の情報を含めます。移行教育方法については、インストラクタによる教育、終日のセッション、コンピュータベース教育、および書籍を含めた、すべての方法を確実に評価します。Microsoft Press では、コンピュータベースのチュートリアルシリーズだけでなく、あらゆるユーザーのために何種類かのシリーズ本を用意しています。

この計画には、ユーザーがどの製品から移行してきているか、ユーザーロールの違い、ユーザー能力についても考慮に入れることをお勧めします。サードパーティのリソースも含め、必要なリソースと教育のタイミングとスケジューリングについて詳細を計画します。潜在的なベンダとできるだけ早い時期に連絡を取って、必要なときにすぐに協力が得られるようにしておきます。

ヘルプデスク要員を準備する際には、新製品の使い方、移行ツールと戦略、ソフトウェアをどのように導入しようとしているか、導入をサポートするヘルプデスク要員のロール、および共存戦略について教育することを確認します。

ユーザーをカテゴリ分けする表のサンプルを示します。

仕事の内容

Microsoft Office 経験

教育要件

 

 

 

4 ユーザーをカテゴリ分けする表のフォーマット

コミュニケーション計画

この計画は非常に重要です。プロジェクトスタッフ内のコミュニケーションおよびプロジェクト要員とユーザー間のコミュニケーションを扱う必要があります。可視性を維持し、通知し、熱意を引き出し、協力を促し、プロジェクトに関する状況やニュースを伝えるのに役立てるようにします。知り合いのグループが Office XP を使うと得をすることを保証し、そのグループが Office XP に変更することの利点を伝道するようにします。

この計画を準備するには、以下の質問に答える必要があります。

  • 導入が計画されていますが、多数の IT グループがどのようにしてコミュニケーションを取るのでしょうか。

  • 以前にデスクトップの導入を行ったことはありますか。ユーザーコミュニケーションはどのように扱われていましたか。

  • 以前のどの戦略が、ユーザーを教育し通知する上で効果的で、変更を受け入れさせるのに有効でしたか。

  • 失敗したので避けるべきなのは、以前のどの戦略ですか。

  • どんな資料を使いましたか。

チームメンバ全員が計画、進捗、および問題点にコメントを出せるチーム Web を SharePoint Team Services を使って作ることを検討します。SharePoint Team Services の使い方を学ぶことは有益です。

コミュニケーションのテーマ

メディア

オーディエンス

頻度

一般的なニュース

 

 

 

プロジェクト状況

 

 

 

移行スケジュール

 

 

 

サービスレベル契約 (SLA)

 

 

 

5 コミュニケーションワークシート

テスト計画

ここには、新しいデスクトップ構成のテスト計画だけでなく、Office ベースの業務ソリューション、ユーザーへのセキュリティポリシーの影響、および配布シナリオについての情報を含めます。適切な情報としては、テストラボのリソース、テストに協力してくれるサードパーティの情報も含みます。

  • この導入を完全にテストするにあたり、ハードウェア、ソフトウェア、接続性、および要員といったラボリソースは十分ですか。もし、そうでないなら、このようなリソースはどのようにして取得できますか。

  • テスト作業の中で何か特別なツールを使いますか。すべての要員がこのようなツールの使用訓練を受けていますか。

  • アプリケーションがテストされたかどうかの判定基準は何ですか。

  • テストスイートが合格かそうでないかの判定基準は何ですか。

  • テスト計画の異なる部分の所有権は誰にありますか。

テスト計画については、少なくとも次のものをテストするようになっていることをお勧めします。

  • 考えられるすべてのデスクトップ導入シナリオ

  • サーバーテストシナリオ

  • テンプレート、マクロ、およびカスタムソリューションの移行

  • サードパーティ製品の相互運用性

  • ファイル共存シナリオ

  • 新機能の実装

  • デスクトップの以前の状態への復元

Office XP 実装の計画をサポートするテスト環境を、要員、運用時間、およびサードパーティの関わりを含めて適切に記述します。

コンポーネント

構成 (ハードウェアおよびソフトウェア)

クライアントコンピュータ

 

 

 

サーバーコンピュータ

 

 

 

要員

社内

ロール

 

 

 

 

社外

ロール

 

 

 

 

Office XP 導入計画

ハードウェア

現在のハードウェア構成から提案しているハードウェア構成に移行する際に、既存ユーザーをどのように移行させるかを規定します。コンピュータを置き換えるのか、コンポーネントのアップグレードで済ませるのか、また調達や物流も含めて、その正確な実施方法の詳細を定めます。各コンポーネントのハードウェアアップグレードも含めます。

  • デスクトップハードウェア

  • 配布サーバー

  • SharePoint Team Services の Web サーバー

ユーザー設定

ここでは、あらかじめ定義されているユーザー設定の実装について、実施手段を含めた計画を記載します。

Microsoft Office XP の設定

Office XP のシステムファイル更新

Office XP 関係のオペレーティングシステムファイルは、すべて OSP.MSI と呼ばれる別パッケージに含まれています。このシステムファイル更新は、Office 2000 のサービスリリース 1 以降を使っていない Windows 98 と Windows NT Workstation 4.0 にのみ適用する必要があります。Windows Me と Windows 2000 では既に更新済みです。Internet Explorer 5.01 は、このシステムファイル更新に含まれています。Setup.exe では、このシステムファイル更新の必要性をチェックし、必要ならインストールします。このシステムファイル更新を実施後は再起動が必要になりますので、インストールプロセス中の再起動を予定しておく必要があります。再起動後に Setup.exe は、Windows インストーラを起動し、Office XP パッケージをインストールします。

Office XP 機能の実装

Office XP のカスタム設定を作成するにあたり、Office XP の提供内容をすべて活用する形でより効率的に導入するために、組織として Office XP の能力を理解しておくことをお勧めします。このような決定の中には Office XP の導入には必要ないものも多数ありますが、デスクトップに手を加える回数を減らすことができるため、コストを削減し、エンドユーザーにかける不便も少なくなります。ここでは計画に含めたい主要機能と、このような機能に関するホワイトペーパーへのリンクやその他追加情報、および Office XP の導入に先立って決めておきたいことについて触れます。ただし、ここで示す内容を計画に関する高レベルの議論で置き換えることには問題ありません。

具体的なアプリケーションと機能

Office XP では、構成アプリケーション群をOffice Standard から Office Professional Plus までの異なるエディションにまとめています。たとえば、カスタマサポート要員に FrontPage は必要ないでしょうが、販売サポート関連では必要となります。アプリケーションの基本的使用方法しか必要ない人もいれば、財務分析担当のように、ほとんどすべての Excel 機能を使うため、最初からローカルコンピュータに全機能をインストールしてほしい人もいます。

要決定事項

  • どの Office エディションを導入しますか。

  • どれだけの数の Office エディションを導入したいですか。

  • 全ユーザーに共通な基本設定とは何ですか。

  • 基本設定からの変更はどのようなプロセスで決定しますか。

このような決定にあたっては、ライセンス問題も理解しておきます。Office XP の機能に関する詳細情報については、Office XP Product Enhancement Guideを参照してください。Office XP 機能のインストールのカスタマイズに関する詳細情報については、Office リソースキットの中の「Office XP インストールのカスタマイズ」を参照してください。

導入能力

Office XP を導入する前に、Office XP の導入能力を理解しておく必要があります。Setup は、Office 2000 から Windows インストーラを使用する形に再設計され、Office XP でさらに改良されています。このソフトウェアは、ローカルコンピュータからも、ネットワークから実行できるようにインストールすることも、初回利用時にインストールすることもできます。同じく含まれているのは、ユーザーによる特定機能のインストールを防ぐ能力、欠如ファイルを修正できる自動修復アプリケーション、および導入をカスタマイズし自動化するウィザードです。しかし、ネットワークサーバーからインストールしたり、Office XP 設定をカスタマイズするには、Office XP の新しい Enterprise エディションを使用する必要があります。

要決定事項

  • どのアプリケーションと機能をユーザーに提供する必要がありますか。

  • ソフトウェアをネットワークサーバーからインストールする計画がありますか。

  • カスタム設定を作成する計画がありますか。

  • ある種のアプリケーションや機能で、初回使用時にインストール機能状態を使用しますか。使用しているオペレーティングシステムに依存しますが、Windows デスクトップ更新機能を追加する必要があります。詳細については、次の項目を参照してください。

  • ユーザーから利用できないアプリケーションや機能がありますか。

  • ソフトウェアの実行は、ローカルコンピュータから、サーバーから、または初回インストール時のどれで実行させますか。どのアプローチにも賛成意見と反対意見があります。ソフトウェアをローカルコンピュータから実行するには、ハードディスクが余分に必要でインストールにも時間が多めに必要で、サーバーから実行するには、さらに多くのネットワークリソースと安定したネットワーク環境が必要です。初回利用時にインストールを使用することは、不必要なソフトウェアのインストールを避けると共に、必要なユーザーにはすぐに利用できるようにしている点で良い妥協点です。

  • アプリケーションレベルで自動修復が行われるようにする、Windows デスクトップ更新を実装する必要がありますか。これにより信頼性が改善され、ヘルプデスクの負担も減りますが、前もって十分な計画が必要と思われます。これは Windows NT Workstation 4.0 の場合にのみ必要です。

  • ユーザー設定はどのように実装しますか。単に新しい既定を設定する必要があるだけなら、Office XP と共に導入できますが、設定を推進する必要があるのなら、システムポリシーまたは Windows 2000 のグループポリシーオブジェクトを計画する必要があります。

Windows デスクトップ更新に関する詳細情報については、次の項目を参照してください。

導入機能の詳細については、『Office XP *の導入と管理』*のホワイトペーパーまたは Office リソースキットを参照してください。

Windows デスクトップ更新

Windows デスクトップ更新は、Microsoft Internet Explorer 4.01 と Internet Explorer 5 以降の機能です。Windows デスクトップ更新は、Windows シェルへの更新です。これには Windows インストーラへのショートカットを含んでいるため、Office ユーザーにとっては重要です。このようなショートカットでは、実行可能ファイルへの固定パスではなく、アプリケーションにアクセスするための一意な識別子を使用します。ユーザーが Windows インストーラのショートカットをクリックするたびに、いつでも Windows インストーラが起動されます。Windows インストーラは、まずアプリケーションのインストール状態をチェックします。初回利用時にインストールという状態であれば、Windows インストーラはアプリケーションをインストールします。状態が、インストール済みの状態のどれかになっているなら、Windows インストーラは次にアプリケーションが正常に起動できるように重要なファイルがそろっているかどうかをチェックします。もしそろっていれば、Windows インストーラは単純にアプリケーションを立ち上げます。そうでないなら、Windows インストーラはアプリケーションを修復し、修復後にアプリケーションを起動します。

要決定事項

  • 初回利用時にインストールの機能をアプリケーションから活用できることを望みますか。

  • 自動修復アプリケーション機能をサポートできることを望みますか。

  • このような質問に対する答えがはいなら、Windows デスクトップ更新機能を確実に全部のデスクトップで使いたいと思うでしょう。Windows 98 Second Edition、Windows ME、Windows 2000、および Windows XP にはすでに更新したデスクトップがあります。Windows NT Workstation 4.0 に Windows デスクトップ更新機能を追加するには、Internet Explorer 5 以降で Windows デスクトップ更新をインストールすることをお勧めします。Internet Explorer 4.01 SP1 でもインストールはできますが、Microsoft Active Desktopョ のような別機能を制御することがより難しくなり、Internet Explorer 4.01 では管理者が Active Desktop を無効にすることもできません。Internet Explorer 5 の場合には、管理者はIEAK (Internet Explorer Administration Kit) のカスタマイズウィザードを利用して、アクティブデスクトップを無効にすることができます。さらに、Internet Explorer 5 では Office XP にさらに高いレベルの機能を提供します。

ソースリスト

Windows

インストーラは、デスクトップを管理し、ヘルプデスク呼び出しを防ぐ機能を多数提供しています。このような機能のほとんどすべては、ソフトウェアの確かなソースにアクセスできることに依存しています。一般的には、これは管理上のインストールポイントで、CD-ROM ディスクのこともあります。ある製品のライフサイクルを見れば、ネットワークアーキテクチャが変更になったり、または導入後よりも導入中の方が管理インストールポイントが多数存在することにより、このような場所は変更になったりすることが頻繁にあるため、元のインストールポイントが使えなくなっても、Windows インストーラがアクセスできるネットワーク内の代替地リストの作成を計画します。このリストが導入されるのは、Office で変換を作成するためにカスタムインストールウィザードを使用した際か、カスタムメンテナンスウィザードを使用して Office を導入した後です。

Windows ターミナルサーバー

Office XP は今までの Office の中で Windows ターミナルサーバーが最も使いやすいバージョンです。Office XP では、マイクロソフトが用意するカスタマイズやツールを追加実施しなくても、Windows ターミナルサーバーを自動的に検出し、適切にインストールします。さらに、Windows ターミナルサーバーにインストールされると、Office XP は、画面の再描画とネットワークやサーバー利用を最小限に抑えて、その環境でできるだけ効率的に動作します。ユーザーは自分用の設定とドキュメントディレクトリを使って個別セッションを実行します。

多言語利用

Office XP 文章校正ツールキットは、単に 2 つ以上の言語でドキュメントを作成、編集、印刷したいユーザーのためのものです。これは Office XP を利用できるすべての言語用の様々な校正ツールを 1 枚の CD-ROM にまとめたものです。このキットは Office XP のいかなる言語バージョンでも動作します。

英語バージョンでは、適切な MUI (Multilingual User Interface) と組み合わせると、Office XP がサポートするほとんどすべての言語用の言語インターフェイスを提供します。これによって、多くの国向けに多くの言語を使う導入が単純化されます。Office 2000 から改良されたことは、どのような言語環境であっても、任意の言語の組み合わせを使用できる点です。Office XP では、言語設定をオペレーティングシステムの既定言語に自動的に合わせ、エンドユーザーが現在操作している言語だけでなく、その言語を使用している際に通常適用される既定の設定までも簡単に切り替えられるツールを提供します。

最後に、Office XP の単一言語バージョンをすべて揃えたものがありますが、これはオペレーティングシステムと一致する言語バージョンが動作する設計になっています。組織環境に最も適したソリューションを決定する必要があります。

要決定事項

  • 組織で使用している言語は何種類ほどありますか。

  • ユーザーは単に別の言語でテキストを編集したいだけですか、またはユーザーインターフェイスとヘルプシステムをネイティブな言語に変更できる必要がありますか。

  • 世界中に通用するカスタムインストールを作成しているのですか、またはローカルな IT 組織が責任を持つものを作成しているのですか。

  • ユーザーにはインストールソースにアクセスを許して、初回使用時に各種言語でインストール可能とするのですか、または言語ごとに Office XP インストールをカスタマイズする計画ですか。

  • 詳細情報については、Office リソースキットを参照してください。

  • Office XP セキュリティ。

  • Office XP 機能には、マクロウィルスから保護できるものがいくつかあります。最もセキュリティ保護を高めて Office XP を導入するには、VBA (Visual Basic for Applications) をインストールしないことで、これによりユーザーが自分自身のマクロを作成することを防げます。しかし、残念ながら、全マクロだけでなく、Access 2002 も動作しなくなることです。したがってこの方法は一般的には勧められませんが、そのような機能を必要としないユーザーにはオプションとして残ります。Office XP アプリケーションを使えばウィルス保護ソフトウェアは、ファイルが選択されていて開く前の状態であっても、そのファイルをスキャンすることができます。今お使いのウィルス保護機能に、この機能があるかどうか調べてください。各アプリケーション内のマクロ保護については、3 種類のユーザーセキュリティレベルを設定可能です。 : 製品と共にインストールしたマクロまたは信頼できるソースが署名したマクロだけを実行します。 : マクロを含むドキュメントを開くたびにマクロを有効にするか、無効にするかをユーザーに問い合わせます。 : マクロのチェックは何もしません。Outlook、Word、Excel、および PowerPoint の既定の設定はで、Excel と PowerPoint の既定がであった Office 97 とは異なります。信頼できるソースはマクロにデジタル署名可能で、ソースの証明書を信頼することを示すために Internet Explorer を使えば、Office アプリケーションはソースが署名したマクロをロードし、実行できます。あらかじめ定義済みの信頼できるソースのリストを含めた形で Office を導入可能です。ユーザーは設定でも自分の生産性マクロに記録し、そのマクロを実行できますが、別のユーザーと共有することはできません。Office XP は Microsoft ActiveXョ コンポーネントにもセキュリティオプションを提供します。

要決定事項

  • マクロ保護に最高のセキュリティレベルが必要な環境ですか、またはユーザーは別のユーザーと簡単にマクロを共有することが許されていますか。セキュリティ設定を下げるのではなく、使用を許すテンプレートとマクロにはすべてデジタル署名を行うステップを入れることをお勧めしています。

  • Office XP に導入可能で、信頼できると判明しているソースのリストはありますか。もしそうなら、設定ドキュメントの中に含めます。

  • 証明書を管理するのに現在、Internet Explorer または Certificate Manager を使っていますか。もし使っていないのなら、使う予定はありますか。

  • デジタル署名するように、既存のテンプレートまたはソリューションを更新する必要はありますか。もしそうなら、そのようにする時間が十分にある計画にします。

  • 現在使用しているウィルス保護ソフトウェアは、Office XP のウィルスチェック能力を使用していますか。現在使用しているウィルス保護ソフトウェアには、この能力を利用できる新バージョンがありますか。アップグレードする計画はありますか。

  • Access を使用しない、非常に基本的なユーザーグループはいますか。もしそうなら、マクロセキュリティの機能追加として、マシンへの VBA のインストールを防止する決定を行うことができます。

  • 詳細情報については、Office リソースキットを参照してください。

  • カスタマイズ可能なヘルプ。

  • (Office リソースキット内の) アンサーウィザードビルダを使えば、Office XP アンサーウィザードをカスタマイズして、ユーザーが既存のヘルプトピック、カスタムヘルプトピック、およびライブ Web サイト情報に関する自然言語による問い合わせを追加できるようになります。これにより Office XP のカスタムソリューションをサポートし、ユーザーは法律用語や会計用語のような専門用語を使って質問できるようになります。ヘルプトピックに関しては、内部のヘルプデスクの電話番号やイントラネットのソースの一覧を出すものや、セキュリティポリシーを説明し、ファイルやマクロを認められた代替手段で共有する方法に関する情報を提供するものを作成できます。

要決定事項

  • ユーザーの一般的問題に関するドキュメントは既にヘルプデスクに届いていますか。

  • このコンテンツを簡単に HTML 化して、Office XP の追加ヘルプとして配布可能ですか。

  • Office XP のカスタムソリューションを導入する際に使用できる、この能力について社内の Office 開発者は気づいていますか。

詳細情報については、Office リソースキット内の「Helping Users Help Themselves」を参照してください。

カスタマイズ可能な警告

Office XP の警告ダイアログボックスの中には、ユーザーが望めば Microsoft Office の Web サイトの情報にアクセスできるようにしているものがいくつかあります。このようなダイアログボックス内の Web ヘルプボタンをカスタマイズし、ユーザーを内部情報へと導くことができます。たとえば、オフラインプリンタを通じて Word ドキュメントの印刷を試みると、一般的にはプリンタが利用可能な状態にないというエラーメッセージを受け取ります。この警告をカスタマイズし、現在のプリンタ状態と他の潜在的なプリンタをリストアップするイントラネットページに移ることができれば、ユーザーはヘルプデスクを呼び出さなくても問題を解決できます。

要決定事項

  • ヘルプデスクでイントラネットサイトを開設し、ユーザーに対して付加的にヘルプを提供していますか。もしそうなら、カスタマイズ可能な警告を出して、そのサイトを活用します。

  • できあがっているドキュメントを Word で簡単に Web コンテンツに変換できますか。

  • ユーザーを支援するイントラネットサイトを作る計画が 6 か月以内にありますか。もしそうなら、その計画を説明するトップページを作成し、Office XP の導入時にこのサイトへのリンクを付けます。

詳細情報については、Office リソースキット内の「Helping Users Help Themselves」参照してください。

企業内エラー報告ツール

DW.exeというクラッシュ報告ツールは、Office XP アプリケーションのデバッグに使用するため、すべてのクラッシュケースをマイクロソフトに報告できますが、ユーザーはクラッシュケースをマイクロソフトに報告しない選択ができます。DW.exeはすべてのエディションの Office に含めて出荷され、Office XP に既定でインストールされます。DW.exeは、クラッシュ検出時には必ず自動的にスタートします。クラッシュを発生させるアプリケーションは、関係するクラッシュデータが失われる前に自動的にシャットダウンされます。DW.exeは、クラッシュに関連するユーザー設定をレジストリおよびアプリケーションが動作中の現在のメモリブロックから取り出します。DW.exeは集めたデータを圧縮キャビネットファイルにパッケージし、分析用としてマイクロソフトに送信します。

企業内エラー報告ツールは、DW.exe が作成したキャビネットファイルを管理者が管理するために使用するツールです。企業内エラー報告ツールを使用すれば、インターネットでマイクロソフトのクラッシュ報告サーバーに情報を直接に送信する代わりに、組織内のファイルサーバーにクラッシュ報告をリダイレクトできます。この仕組みにより、管理者はマイクロソフトに送信されるものを制限することができます。

要決定事項

  • クラッシュ報告を社内部門にリダイレクトしたいですか。もしそうなら、Office の導入設定でこの場所を設定し、報告を受信するサーバーをセットアップします。

  • どの程度頻繁にマイクロソフトへ情報を転送したいですか。計画を今作成し、この情報が無視されないようにします。

  • システムポリシー/デスクトップロックダウン

  • システムポリシーは、Windows 98/ME、Windows NT Workstation 4.0 以降、Windows 2000、および Windows XP の機能で、ローカルコンピュータにポリシーを設定、推進するのに使用します。システムポリシーは、デスクトップを変更したりコントロールパネルを利用したり、またはセキュリティ設定を実装しセキュリティをゆるめたりするユーザー能力を無効にすることで、よりセキュリティ保護の強いデスクトップを作成するといった、誤用される可能性のある Windows 機能を無効にするのに使用します。

要決定事項

  • システムポリシーを現在使っていますか。もしそうなら、Office XP テンプレートを調べて、ユーザーと組織にどのような設定を行いたいかを決めます。

  • 推進したい共存計画、セキュリティ (マクロウィルス) 計画、または 2000 年計画がありますか。もしそうなら、システムポリシーを使って行うことをお勧めします。

  • 組織内に Windows 2000 Server ネットワークを実装していますか。もしそうなら、Windows 2000 ユーザー向けの設定推進にグループポリシーオブジェクトを使用します。

詳細情報については、Office XP Deployment and Maintenanceのホワイトペーパーと Office リソースキットを参照してください。

ローミングユーザー

Windows 98/Me、Windows NT Workstation 4.0、および Windows 2000 を使えば、ユーザーは別のコンピュータから自分のプロファイルを呼び出すことができます。Office XP とそのユーザー設定では、この能力をサポートします。

要決定事項

  • あるコンピュータから別のコンピュータへと渡り歩き、自分のカスタム設定がどこででも使えるようにする必要があるユーザーはいますか。

詳細情報については、Office リソースキットを参照してください。

Office XP カスタムソリューション開発

Microsoft Office XP は、単にエンドユーザー生産性アプリケーションをひとまとめにしたものではなく、機能豊富な開発環境です。Office が有するアーキテクチャ上の柔軟性は、業界標準 COM (Component Object Model) に基づいた、豊富なインターフェイスとイベントにより可能となります。これを使用すると企業と開発者は Office サービスを再利用し、この上に構築できます。Office XP は幅広いツールとサービスを提供するので、開発者は統合ビジネスソリューションを迅速かつ効率的に構築できます。Office XP を使えば、次のようなことができます。

  • Office を Web ベースのビジネスプロセスに統合します。

  • データを重視する Web アプリケーションを迅速に構築します。

  • Office コンポーネントを活用する豊かな Web サイトを構築します。

  • 統合チームソリューションを迅速に構築します。

  • 一度に構築し、複数のデバイスをターゲットとします。

  • エンドユーザーの効率性を改善します。

  • 使い慣れたアプリケーション、ツール、およびリソースを活用し、開発の効率性を改善します。

ユーザーが既に習得しているツールを使って、ユーザーの現在の作業を大きく単純化するか、または以前にはできなかったことをできるようにするソリューションを作成できます。Office XP に、カスタマイズした Microsoft Office ソリューションを導入することは、Office への投資を最適化するすばらしい方法であるだけでなく、この導入によりユーザーの熱意や興奮を引き出すことができ、変更を嫌うエンドユーザーに打ち勝つことができます。

要決定事項

  • Office XP で導入できるソリューションはありますか。もしそうなら、適切な Office 機能も同じく導入されることを確認します。Office を含むソリューションを導入すると、実装コストを節約できます。

  • ビジネスユニットに対して前もって、Office XP の開発能力について教育しておきたいですか。もしそうなら、展開スケジュールに組み込んでおきます。

詳細情報については、次の Office Developer Web サイトを参照してください。 https://msdn.microsoft.com/japan/office/developer/

SharePoint Team Services

マイクロソフトの SharePoint" Team Services は、新しい共同作業方式を提供します。SharePoint Team Services では Web 公開とコラボレーション機能の両方を提供し、アイディアの伝達と情報共有を容易にします。SharePoint Team Services は FrontPageョ 2002 Server 拡張のスーパーセットであり、サーバー拡張で利用できるすべての機能を含んでいます。さらに、SharePoint Team Services には、Web 公開とチームコミュニケーションに適した環境を作成する新しいワークグループ機能が含まれています。SharePoint Team Services を使うことにより、管理者は Web サイトの作成、オーサリング、および管理を行い、チームがプロジェクトを編成し業務を遂行する手助けができます。

SSC (Self-Service Site Creation) は、SharePoint Team Services 用に作成された最初のアドインです。アドインを使用する目的は、Web サーバー管理者の助けを借りなくても、非管理者が SharePoint サイトを作成できるようにすることです。この機能を使えるようにするためには、管理者が SharePoint Team Services をインストールし、設定する必要がありますが、一度実装されると、正式ユーザーなら誰でもサイトを作成できます。このツールは次のところから取り出せます。 https://www.microsoft.com/technet/prodtechnol/sppt/sharepnt/default.mspx/downloads/sptsssc.mspx

注意 SharePoint Team Services は、Microsoft Windows 2000 または XP プラットフォームのみで利用できます。FrontPage 2002 Server 拡張は、Microsoft Windows NT、Windows 2000、および UNIX プラットフォームで利用可能です。

FrontPage 2002 Server 拡張は、FrontPage 2000 Server 拡張を更新したもので、ロールや権限、およびサーバーの健全性と Web サイト使用率を監視する新機能のような、新セキュリティ機能を含んでいます。

カスタマ向けの Web サイトを構築、保守し、複数の作成者と共同作業するのであれば、SharePoint Team Services と FrontPage XP Server 拡張に含まれる機能は、次のような作業を達成するのに役立ちます。

  • Web サイトを、ローカルサーバー上で管理するか、または HTML 管理ページまたは迅速なコマンドラインインターフェイスを使用して、リモートから管理します

  • Web サイトをセキュリティ保護し、認証ユーザーに対し、オーサリング、ブラウジング、サイト管理、またはその他のユーザー権利を許可します。

  • サイトの使用率を分析し、誰がサイトをどの程度の頻度で訪問しているのかを明らかにします。

  • SharePoint チームの Web サイトまたは FrontPage ベースの Web サイトでファイルにバージョンを付けて、ユーザーが常にファイルの最新のコピーを使用することを保証します。

  • サーバー上のエラーを追跡し、サイトまたはサーバーのクラッシュを未然に防ぎます。

  • FrontPage Web サイト管理機能を更新し、フォーム、検索ツール、および利用率分析のような機能を持たせます。

  • Microsoft Office XP の豊富な機能を使用し、SharePoint Team Services を動作させているサーバーで、新しくドキュメントを追加したり、既存ドキュメントを編集します。

要決定事項

  • ユーザーはドキュメント、スプレッドシート、またはプレゼンテーションを頻繁に作成し、チームメンバとコンテンツをレビューする必要がありますか。

  • ユーザーは、頻繁に更新されるコンテンツの変更と最新バージョンを意識しながら、Web コンテンツを最新に保つ簡単な方法を必要としていますか。

  • ユーザーは、印刷用と Web 用の 2 種類のコンテンツを作成、公開しますか。

  • このようなユーザーが異なるオペレーティングシステムプラットフォーム上にいることは考えられますか。

  • Windows 2000 と IIS 5.0 を動作させて、SharePoint を実行できるサーバーがありますか。

このような疑問に対し「はい」と答える場合には、SharePoint がこのようなシナリオを有効にする機能を提供することを意識します。

詳細情報については、 Office リソースキットを参照してください。

Office の段階的導入

Office アプリケーションの個別機能については、たとえば Outlook 2002 を Office のどの機能よりも先に導入し、Access 2002 を Office の機能の中で最後に導入する、というように時間をずらして導入する必要があるかもしれません。マイクロソフトでは、このことを段階的導入と呼んでいます。段階的導入を実現するには、構成を注意深く計画し、導入開始前にすべての段階をテストしておく必要があります。

Office XP を段階的に導入する最良の方法は、カスタムメンテナンスウィザードを使用することです。この方法を使うと、ユーザーが Access をインストールしないようにするといった、アプリケーションインストール状態を適切に設定して Office XP を導入します。ユーザーに最新バージョンの Access にアップグレードしてほしい場合には、カスタムメンテナンスウィザードを使ってクライアントコンピュータの設定を変更します。このウィザードで作成する変更はクライアントのコマンドラインから静かに実行できます。カスタムメンテナンスウィザードを使用すれば、既定のアプリケーション設定やファイル追加のような、ソフトウェアを最初に導入する際のオプションと同じオプションをほぼすべて変更できます。

詳細情報については、 Office リソースキットを参照してください。

以前のバージョンの Office を削除

Office XP の Setup では以前のバージョンの Office を安全に削除し、他のソフトウェアが使用している可能性があるコンポーネントは残しておくことができます。この削除プロセスは、ユーザーニーズに応じて、より強引にすることも控えめにすることもできます。ディスク領域の残りが少ないような状況では、Office XP をインストールするにスタンドアロンモードで Office 削除ウィザードを実行し、以前のバージョンを削除して、ハードディスク領域の空きを増やすこともできます。この場合には以前のバージョンにロールバックすることは可能ではありませんが、Office XP のインストールで問題がある場合には、インストール自体をロールバックし、デスクトップを使える状態にすることは可能です。

詳細情報については、 Office リソースキットの「削除ウィザード」を参照してください。

サードパーティソフトウェアの更新

Microsoft Office と統合されているサードパーティソフトウェアの中で、Office XP と正しく連携動作させるために更新する必要があるものをリストアップします。設定に関するありとあらゆる問題や計画を明らかにします。

他の標準ソフトウェア

実装に新しいコンピュータが必要なら、その完全な構成とソフトウェア要件の詳細を決めます。

メッセージングプラットフォームの考慮

現在のメッセージングインフラストラクチャはどうなっていますか。デスクトップへの影響はどのようなものが考えられますか、現在のクライアントポリシーはどうなっていますか。さらには、メッセージングは誰がサポートしますか、Office XP 導入チームはどのようにしてメッセージンググループと連絡を取り共同作業をしますか。

  • 現在のメッセージングインフラストラクチャは Microsoft Outlook をクライアントとしてサポートしていますか。

  • Office XP で Microsoft Outlook メッセージングとコラボレーションクライアントを導入するには、誰を巻き込む必要がありますか。

  • 物流関係はどのように調整していますか。

  • 新しいプロファイルの設定はどうなっていますか。この件についてドキュメント化し、カスタマイズ計画に含めます。

  • 複数の電子メールアカウントを使えるようにするなどして、プロファイルを変更する必要がありますか。この件についてドキュメント化し、カスタマイズ計画に含めます。

  • 組織として、Exchange 2000 へのアップグレードを考えていますか。この実装は Office XP の導入の前ですか、後ですか。Office XP の導入後のタイミングにするのなら、既存ユーザーへの新プロファイル設定導入には、カスタムメンテナンスウィザードを使用する計画を立てます。

ほとんどの大企業では、デスクトップアプリケーションとメッセージングシステムとでは管理グループが異なっているため、これを実現するにはさらに調整が必要で、導入は別フェーズで完了させることになることがあります。たとえば、Outlook は別のタイミングで導入するか、または Exchange 2000 へのアップグレードをサポートするようにプロファイル設定を変更する必要があります。

配布する際の考慮

Office XP を Windows NT Workstation と Windows 2000 Professional にインストールするには管理者特権が必要です。ソフトウェアのインストールが済むと、Windows インストーラはオペレーティングシステムの単なる 1 サービスとなり、自己修復および機能の追加と削除のようなメンテナンスモード活動を処理できるように特権が高められています。Office XP を配布するという計画では、このことを考慮に入れる必要があります。

配布計画に影響を与えそうな要因としては、再起動があります。Office XP には、Microsoft Office XP システムファイル更新と呼ばれる、オペレーティングシステムへ別途インストールが必要な更新を含めています。システムファイル更新は、オペレーティングシステムの更新であり、必要な時にのみインストールするものです。このシステムファイル更新は、Windows 2000 SP1、Windows ME、または Office 2000 SR1 以降を有するコンピュータにはインストールできません。この更新を必要とするシステムには、Office 2000 SR1 または SR1a をインストールしていない Windows 98 と Windows NT Workstation 4.0 ユーザーが含まれます。まず、システムファイル更新をインストールすると、Setup.exe はコンピュータを再起動し、その後で Office XP をインストールします。したがって、インストールを正常に完了するには、Setup の実行の途中で再起動し、ログオンし直すことを計画に入れておく必要があります。Office の Setup が両方のプロセスを処理している間は、ユーザーに制御は戻ってきません。

クライアント側のソフトウェア配布ソフトウェアのインストールを含め、Office XP の配布サポートに必要な、エンドユーザーデスクトップへの変更を始めとし、これらの問題を処理するアプローチを詳細に決めます。

データベースアーキテクチャ

ODBC ドライバの必要性、接続の復元、または Office XP 付きでインストールする機能のような、バックエンドデータベースを使用することに関連して予想されるすべての問題の概要を説明します。

新構成ビルドプロセス

Setup.ini のカスタマイズウィザードのセットアップ

Setup.ini をカスタマイズするウィザードの使用方法をドキュメント化します。このウィザードでできる一般的なカスタマイズとしては、Office XP インストールに別のインストールを関連づけ、変換と表示設定、およびその他のコマンドラインプロパティを指定することも含みます。

追加レジストリ設定

Office XP で導入すべきレジストリ設定の中でも、Office プロファイルウィザードで作成できないものをドキュメントにします。このような設定を作成する方法としては、テストコンピュータに設定を作成するユーザーインターフェイスを使うことで、必要なキーを REG ファイルにエクスポートし、カスタムインストールウィザードでキーをインポートします。

Office 削除ウィザード

.OPC ファイルに何か変更があればドキュメントに残します。Office 削除ウィザードは、このファイルを使って以前のバージョンの Office を削除します。既定の方法は互換性を維持する安全な方法ですが、Office XP 以前のバージョン用の古いソフトウェアを多数、インストールしたままにしておきます。Windows インストールは非常に正確に Office XP を削除できます。

カスタムインストールウィザード

カスタムインストールウィザード (CIW) を使用し、必要な Office のカスタムビルドを作成するステップをビルドごとにドキュメントにします。各カスタムビルドの提供先のユーザーコミュニティ、変換ファイル名 (*.MST) と場所、作成した設定、および関連する .OPS ファイルを特定します。

カスタムユーザー設定

カスタムインストールウィザードでカスタムユーザー設定を作成するか、または Office プロファイルウィザードでユーザー設定を取り出す際のステップをドキュメントにします。作成する設定がほとんどないのなら、CIW を使用します。設定が多岐にわたるのであれば、Office プロファイルウィザードの方が簡単です。各設定を個別にリストアップします。各設定を作成する際のユーザーインターフェイスオプションもリストアップしておけば、インストール後のチェックに利用可能です。追加設定を取り込むには、Proflwiz.ini にカスタマイズ項目をすべて記述しておきます。

カスタムメンテナンスウィザード

Office XP を導入してから構成を変更するのに、カスタムメンテナンスウィザードを使ったとしたら、この表を使って使用状況についてドキュメントにします。

カスタマイズプロセスのフローチャート

これはカスタマイズプロセスに関するフローチャートの例です。ここにある全ステップを使うとは限りませんが、環境に応じて順序を変更したり、ステップを追加したりする必要もあると思われます。

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6 カスタマイズフローチャートの例

配布計画

設定のテストが済み、ユーザーニーズを満たしている点で関係者の合意が得られたら、ユーザーにはどのようにして配布しますか。ここでは、特にソフトウェアをデスクトップに配布する際に利用できるテクノロジと方法に焦点を当てます。利用する方法や方法の組み合わせのうち、ハードウェア、オペレーティングシステム、地理的条件、および接続性に依存するものはどれですか。

技術者をデスクトップの所まで派遣するよりも Microsoft Systems Management Server のような自動化ツールを使用する方が安価に済みます。ただし、自動化すればするほど、導入の正常終了を保証できるように、計画しテストする必要があります。以下に示すのは、ソフトウェアを配布する手段として最も一般的なものを、配布コストが低いものから並べたものです。

  • ハードウェアをアップグレードする場合には、Office XP 構成を含め、ベンダのコンピュータ手配方法を指定します。

  • コンピュータを自作する場合には、ディスクイメージに Office XP を含めます。

    注意 サードパーティ製のイメージングソフトウェアを使って Office XP を別個に導入しないようにします。Windows インストーラが持っている修復や初回利用でインストールといった機能を損なう危険性があります。さらに、この方法を使用すると 1 台ごとのソフトウェアの違いを認識できないため、マイクロソフトの製品サポートサービスのサポートを受けられません。

  • Office は、Systems Management Server のような既存のソフトウェア配布ツールで導入します。

  • 新しい配布ツールを実装して Office を導入します。初期コストは高くても、特に多数のデスクトップへの Office 導入に使っていれば、いずれは取り戻せます。この作業は実装を複雑にしますので、問題を最小限にとどめ、トラブルシューティングを改善するために変化を段階的に導入します。

  • ログオンスクリプトを使用して Office の自動インストールを開始します。この方法では初期コストが低くなりますが、ネットワーク利用の場合のコントロール性が良くありません。帯域問題と再起動の考慮が必要で、この方法ではどうにも対処できない可能性があります。

  • リモートユーザーやノートパソコンユーザーには、特別仕立ての CD を配布します。

  • 技術者をデスクトップの所まで派遣します。

他にも自動インストールのトリガとなるショートカットを電子メールで送る方法、インターネット、イントラネットからのダウンロードなどの方法がありますが、このような方法を使用する場合には、特に強制できない方法やマクロウィルス保護と矛盾する方法を使用する場合にリスクがあります。

計画時に検討すべきものとしては次のものがあります。

  • ユーザーに Setup とインタラクティブなやりとりをさせたいですか。もしそうでないなら、Enterprise エディションを採用し、Office リソースキットに含まれているツールを使って Setup をカスタマイズして自動動作とし、サイレントインストールを実施します。ユーザーに Setup をインタラクティブに実行させるにしても、まだ設定をカスタマイズしたり、特定のオプションを無効にしたりすることができます。

  • ソフトウェアを配布するシステムが導入されていますか。もしそうでないなら、近いうちに導入する計画がありますか。システムを導入すると、本来の導入作業を大幅に遅延させますか。全体としてのコストや計画にこのような要因が与える影響はどのようなものですか。

  • ソフトウェア配布システムでは対応できないコンピュータ (たとえば、ノートパソコン、リモートユーザー、または家庭内のコンピュータ) がありますか。もしそうなら、問題があるコンピュータをアップグレードする計画を立てます。

管理用 Office XP のインストール

管理用 Office XP のインストール、各種エディション (Office Standard、Professional、Developer、Pro Plus)、カスタマイズファイル (OPS と MST)を収容するサーバーと共有場所をリストアップします。また、そこにはユーザーグループや共有と関連するドライブマッピングも格納します。

論理的な保存場所ごとに、メンテナンスモードの活動に必要な代替保存場所のリストを作成します。このような作業はカスタムインストールウィザードやカスタムメンテナンスウィザードを使って行うことができ、オリジナルソースの保存場所が有効でなくなった場合の自動修復操作だけでなく、機能の追加と削除を行うための代替保存場所を提供します。

MUI (Multilingual User Interface) パックサーバーのセットアップ

MUI の管理用インストール、インストールされている関連言語、収容されている必要があるカスタマイズ用ファイル (MST)、およびユーザーグループや、このような共有と関連するドライブマッピングを収容するサーバーと共有をリストアップします。

配布パッケージ構成

ソフトウェア配布システムを利用している場合には、インストールパッケージを作成するのに必要なステップをすべて詳細に決めます。Systems Management Server Package の定義ファイルを使って、クライアントにソフトウェアを配布する基本的なステップを以下に示します。

  • パッケージソースのディレクトリを作成

  • 定義ウィザードの [Create Package] を使って、アプリケーション用パッケージを作成

  • パッケージの配布サーバーを指定

  • パッケージのアクセスアカウントを指定

  • パッケージのプログラムをいくつかクライアントに宣伝

詳細情報については、 Office リソースキット を参照してください。

概念実証

概念実証 (POC) では、実働環境をシミュレーションする閉環境の実装ソリューションを評価します。このフェーズには完全な Office XP インストールのインストール、テスト、および削除を含みます。もし必要なら、最終的な企業承認のモデルとして利用可能です。POC を利用すれば、フィードバックを集め、プロセスを改善できるので、以前のフェーズに戻っていくつかの項目を参照し、追加作業を行う必要がある場合があります。IT グループは、この POC を使うことがよくありますが、結果を評価する際には、平均的なユーザーを代表しているものではないことを覚えておきます。

パイロット テスト

パイロットテストフェーズでは、実装全体の生産環境の実証に焦点を当てます。企業ユーザーの代表的サンプルである、パイロットグループは、実装プロセス全体を追っていき、サンプル母集団の仮定と開発を検証し、チームとサポート組織の準備状況を評価します。学んだ教訓は、提案されているソリューションを検証し、さらにプロセスを改善するのに使われます。

注意 IT グループは一般的なユーザーの代表となることはまれです。IT グループはパイロットグループとして使わないようにします。

実装

導入プロセスの詳細やパイロットテストの導入計画実行を変更する予定があるのなら、この段階でドキュメントにしておきます。そうでない場合には、現在の計画のままで進行させます。

パイロットテストレビュー

パイロットテストが完了すると、問題点、成功点、失敗点、および学んだ教訓を評価し、ドキュメントに残します。

リスク見積もり

リスク見積もりを行うことにより、予想されるリスクを減らし、実装の成功確率を増加させることができます。分析により、プロジェクトと関係するリスク要素を定量化し、実装への影響度から優先度を付け、特定のリスクを軽減するためにシナリオを工夫します。潜在的なリスクを分離するために以下の質問をします。

リスク見積もりチェックリスト

想定質問

  • 衝突や競合があるプロジェクトはありますか。

  • 本当のデッドラインは何ですか。

  • プロジェクトの実施方法や成果について異なるビジョンを持っている人が、スポンサー組織のメンバの中にいますか。

  • 導入に影響を与えそうな、ビジネス的、政治的考慮点が他にありますか。たとえば、環境のアップグレードや合併問題等です。

予算

  • 予算は適切な顧客レベルで承認されていますか。

  • コスト超過を最も引き起こしそうな要因にはどのようなものがあります。それはどのように処理されますか。

人材

  • プロジェクトには適切なリソースがありますか。もしないならば、次の事項を明確にします。

  • このことが導入にどのような影響を与えそうですか。

  • 時間を含めた、必要なリソースの入手計画

  • 適切なテクニカルスキルのある人材を利用可能ですか。もしできないならば、次の事項を明確にします。

  • テクニカルスキルが追加で必要になる分野

  • テクニカルな教育の提供方法や適切なスキルがある人材の雇用方法または契約方法。マイクロソフトソリューションプロバイダを活用するのも 1 つの手です。

  • プロジェクト作業者はフルタイムまたはパートタイムのどちらですか。

テクノロジ

  • Office XP 以外の新テクノロジが投入されていますか。

  • このことが Office XP の導入成功にどのようなリスクをもたらしますか。

  • このようなリスクを除去したり緩和したりするのにどのような計画を持っていますか。

リスク見積もりマトリックス

影響と確率は高、中、または低で表現します。

影響

確率

リスク説明と判明日付

緩和計画と策定日付

リスク責任者

 

 

 

 

 

9 リスク見積もりマトリックスのサンプル

実装

実装フェーズは、パイロットテストフェーズにリスク見積もり要素を加味してから実行に移します。実装を開始する前に、展開スケジュールと物流計画を完成させます。以下の作業の詳細を決めます。

  • ユーザーとのコミュニケーションの取り方

  • ユーザー教育の実施方法

  • テンプレート、マクロ、およびカスタムソリューションの移行

  • サポート組織が準備され、用意ができていることの確認

  • カスタム設定の作成

  • ソフトウェアの配布

  • ユーザーからのフィードバックを入手

このドキュメントの最初の方で述べた Microsoft Project を使用し、展開スケジュールと物流計画を改善します (Microsoft Project *は別途入手可能です)。*物流計画には、追加作業やフローチャートが必要になることがあります。

実装後レビュー

作業結果をレビューします。これはいつか再び行う必要が出てきます。実装中に見つかったソフトウェアや開発の将来検討課題を含めます。プロセス、チーム、および成果の全体を批判的にレビューするだけでなく、Office XP の新機能の活用方法にも焦点を当てることをお勧めします。実装が進行中の場合には、ここの内容を使ってプロセスをレビューします。ユーザーからきちんとフィードバックをもらいます。以下の項目をレビューし評価します。

  • コミュニケーション

  • 移行

  • ソフトウェア配布

  • 共存

  • サポート

  • 教育

  • 将来の方向

問題点、成功点、失敗点、および学んだ教訓をまとめてドキュメントに残します。

リソース

IT プロフェッショナル向け技術情報記事では、組織で Windows XP を実装する際に便利な技術情報の詳細が得られます。ここの記事は Windows XP の導入を計画し、実装する上でのガイドにもなります。

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