Windows XP IPv6 プロトコルに関する FAQ

この記事には、Windows XP 用 Microsoft IPv6 プロトコルについてよく寄せられる質問と、その回答が収められています。

Q. Windows XP IPv6 プロトコルはどのようにインストールしますか ?

A. Windows XP で IPv6 プロトコルをインストールするには、次の手順に従います。

  1. Windows XP を実行しているコンピュータに、ローカル管理者特権を持つユーザー アカウントでログ オンします。

  2. コマンド プロンプトを開きます。Windows XP デスクトップから [スタート] をクリックし、[プログラム] - [アクセサリ] をポイントして、[コマンドプロンプト] をクリックします。

  3. コマンド プロンプトで、次のコマンドを入力します。

    ipv6 install
    

Q. Windows XP SP1 がインストールされた PC で、「ネットワーク接続」に表示される IPv6 プロトコルはなぜ「 Microsoft IPv6 Developer Edition 」となっているのでしょうか?

A. 画面表示に関わらず、Windows XP SP1 での IPv6 プロトコルは、Windows Server 2003 ファミリでの IPv6 プロトコルと同様にサポートされています。マイクロソフトの開発者は、ローカライズ版 Windows XP でのテキスト内容に影響するため、プロトコルの名称を変更することができませんでした。

Q. Windows Server 2003 ファミリ、 Windows XP および Windows XP Service Pack 1(SP1) のそれぞれにおける IPv6 プロトコルの違いは何でしょうか?

A. Windows XP(SP1以前)での IPv6 プロトコルは開発者向けプレビューとして提供されたものでした。Windows XP SP1 におけるIPv6 プロトコルは正式にサポートされています。Windows XP および Windows XP SP1 の IPv6 プロトコルではファイルとプリンタの共有はサポートされておらず、IPv6 上での DNS メッセージや、WinInet、IPHelper、DCOM API の IPv6 サポートも含んでおりません。 Windows XP および Windows XP SP1 の IPv6 プロトコルには、Windows Server 2003 ファミリ向けには提供されていない、以下のツールが含まれています。

  • Ipv6.exe :IPv6 プロトコルの環境設定用に使用します。IPv6 の設定する方法として、このツールのコンテキストから netsh インターフェイスのコマンドを用いることを推奨します。

  • Ping6.exe :Ping.exe の IPv6 対応バージョンです。

  • Tracert6.exe :Tracert.exe ツールの IPv6 対応バージョン

Q. Windows XP IPv6 プロトコルがインストールされているかどうかを知るには、どうしたらよいですか ?   [ ネットワーク接続 ] のプロトコル一覧には表示されていません。

A. IPv6 プロトコルのインストールは、[ネットワーク接続] フォルダにある標準のプロトコル インストール手順を使用しません。したがって、これは、インストールされたプロトコルとして表示されません。IPv6 がインストールされているかどうかを判定するには、コマンド プロンプトで ipv6 if と入力します。IPv6 がインストールされている場合は、IPv6 のインターフェイスとその構成が表示されます。それ以外の場合は、IPv6 がインストールされていないことを ipv6 コマンドが示します。

Q. Windows XP IPv6 プロトコルにはオンライン ヘルプがありますか ? 参照先を教えてください。

A. IPv6 のオンライン ヘルプは、Windows XP の Help and Support Center ([スタート] - [ヘルプとサポート] をクリック) から、インデックスまたは全文検索を通してアクセスします。ベータ バージョンの Windows XP では、このインデックスまたは全文検索から IPv6 ヘルプが利用できない場合があります。この場合、SystemRoot\Help フォルダ (SystemRoot は Windows XP がインストールされたフォルダ名) に置かれた IPv6.chm という名のファイルを実行することにより、Windows XP IPv6 プロトコルのオンラインヘルプをすばやく参照することができます。

Q. 既存のソケット関数への変更点は、文書としてまとめられていますか ?

A. 既存のソケット関数への変更点は、RFC (Request for Comments) 2553 『Basic Socket Interface Extensions for IPv6』に文書化されています。Windows XP の IPv6 プロトコルは、次の例外を除き RFC 2553 をサポートしています。

  • RFC にリストされたヘッダ ファイルは、Windows XP には当てはまりません。Windows XP で相当するファイルは Winsock2.h および Ws2tcpip.h です。

  • Windows XP のソケット構造には sa_len が含まれません。したがって、セクション 3.3 は適用されますが、セクション 3.4 は当てはまりません。

  • セクション 3.7 に記載された IPv4 マップ アドレスはサポートされていません。

  • セクション 4 に記載されたインターフェイス識別機能はサポートされていません。

  • セクション 6.1 から 6.3、および 6.6 は、IETF (Internet Engineering Task Force) によって廃止される段階にあるため、サポートされていません。

Q. IPv6 アプリケーションの開発には、どんなツールが必要ですか ?

A. Winsock IPv6 アプリケーションの開発には、次のツールが必要です。

  • 2000 年 1 月以降の Microsoft Platform Software Development Kit (SDK、MSDN Web サイトから入手可能)

  • Microsoft Visual C++ョ バージョン 6.0 以降

  • Windows XP 用 IPv6 プロトコル

Q. IPv6 をサポートするために、既存の IPv4 Windows Sockets コードをどのように変更する必要がありますか ?

A. Windows Platform SDK には、Checkv4.exe という名前の確認ツールが含まれています。Checkv4.exe はソース コード ファイルを調べ、IPv6 をサポートするために変える必要のあるコードを識別します。Checkv4 は変更が必要な行の番号と、コードをどのように変更するかという推奨メッセージを表示します。以下に Checkv4.exe の出力例を示します。

test.c(35) : gethostbyname : use getaddrinfo instead 
test.c(40) : gethostbyaddr : use getnameinfo instead 
test.c(48) : SOCKADDR_IN : use SOCKADDR_STORAGE instead, or use 
SOCKADDR_IN6 in addition for IPv6 support 
test.c(57) : AF_INET : use AF_INET6 in addition for IPv6 support 
test.c(89) : inet_addr : use WSAStringToAddress or getaddrinfo with 
AI_NUMERICHOST instead

Checkv4.exe は、IPv6 プロトコルが解凍された場所の \Bin フォルダに置かれています。

Checkv4.exe は %Systemroot%\System32 ディレクトリにはコピーされません。

Q. IPv6 の基本コンセプト情報はどこで得られますか ?

A. IPv6 のコンセプトと Windows XP 機能セット用 IPv6 プロトコルについての概要は、Windows XP オンライン ヘルプの IPv6 関連部分を参照してください。IPv6 コンセプトとプロトコルのより詳細な解説は、ホワイト ペーパー 『IP Version 6の紹介』 を参照してください。

Q. 自分の IPv6 アドレスはどうやって知ることができますか ?

A. IPv6 はデフォルトで、インストールされた Ethernet ネットワーク アダプタに対応する各インターフェイスごとに、リンク-ローカル IPv6 アドレスを構成します。このリンク-ローカル アドレスは、FE80::/64 から始まります。ユーザーのリンク ローカル アドレスは、ipv6 if コマンドを入力し、aa-bb-cc-dd-ee-ff 形式のリンク-レベル アドレスを持つインターフェイスを探すことにより知ることができます。そのインターフェイスのリンク-ローカル アドレスが、推奨アドレスとなります。

コマンド例:

Interface 4: Ethernet: Local Area Connection 
uses Neighbor Discovery 
link-layer address: 00-b0-d0-23-47-33 
preferred link-local fe80::2b0:d0ff:fe23:4733, life infinite 
multicast interface-local ff01::1, 1 refs, not reportable 
multicast link-local ff02::1, 1 refs, not reportable 
multicast link-local ff02::1:ff23:4733, 1 refs, last reporter, 6 
seconds until report 
link MTU 1500 (true link MTU 1500) 
current hop limit 128 
reachable time 36500ms (base 30000ms) 
retransmission interval 1000ms 
DAD transmits 1 
Interface 3: 6to4 Tunneling Pseudo-Interface 
does not use Neighbor Discovery 
preferred global 2002:9d3c:89d9::9d3c:89d9, life infinite 
link MTU 1280 (true link MTU 65515) 
current hop limit 128 
reachable time 0ms (base 0ms) 
retransmission interval 0ms 
DAD transmits 0 
Interface 2: Automatic Tunneling Pseudo-Interface 
does not use Neighbor Discovery 
preferred link-local fe80::200:5efe:157.60.137.217, life infinite 
preferred global ::157.60.137.217, life infinite 
link MTU 1280 (true link MTU 65515) 
current hop limit 128 
reachable time 0ms (base 0ms) 
retransmission interval 0ms 
DAD transmits 0 
Interface 1: Loopback Pseudo-Interface 
does not use Neighbor Discovery 
link-layer address: 
preferred link-local ::1, life infinite 
preferred link-local fe80::1, life infinite 
link MTU 1500 (true link MTU 1500) 
current hop limit 128 
reachable time 40500ms (base 30000ms) 
retransmission interval 1000ms 
DAD transmits 1

この例では、Interface 4 がインストールされた Ethernet ネットワーク アダプタに相当します。これは [ネットワーク接続] フォルダに [ローカル エリア接続] として表示されるものと同じアダプタです。このインターフェイスのリンク-ローカル アドレスは、fe80::2b0:d0ff:fe23:4733 です。

Q. リンク - ローカル アドレスはどのように生成されますか ?

A. リンク-ローカル アドレスは、リンク-ローカルを表す前置記号 FE80::/64 と、EUI (Extended Unique Identifier)-64 アドレスから生成された 64 ビットの識別子である IPv6 インターフェイス識別子を組み合わせたものです。この EUI-64 アドレスは、ネットワーク アダプタに割り当てられるか、そのネットワーク アダプタの 48 ビット メディア アクセス制御アドレスから生成されます。48 ビット (6 バイト) の Ethernet メディア アクセス制御アドレスから EUI-64 アドレスを作成するためには、メディア アクセス制御アドレスの 3 バイトと 4 バイト目の間に、16 進数値 0xff-fe が挿入されます。

たとえば、メディア アクセス制御アドレスが 00-60-08-52-f9-d8 だとすると、16 進数値 0xff-fe が 0x08 (3 バイト目) と 0x52 (4 バイト目) の間に挿入され、EUI-64 アドレスは 00-60-08-ff-fe-52-f9-d8 となります。

EUI-64 アドレスから IPv6 インターフェイス識別子を取得するために、ユニバーサル/ローカル ビット (EUI-64 アドレスの最初のバイトの 2 番目に低いビット) が補正されます (1 の場合は 0 に変えられ、0 の場合は 1 に置き換えられる)。たとえば、EUI-64 アドレス 00-60-08-ff-fe-52-f9-d8 では 0x00 の第 2 最下位ビットは 0 であり、これが補正され 1 になります。結果として、最初のバイトの 0x00 が 0x02 となります。したがって、EUI-64 アドレス 00-60-08-ff-fe-52-f9-d8 (Ethernet メディア アクセス制御アドレス 00-60-08-52-f9-d8 に相当) に符号する IPv6 インターフェイス識別子は、02-60-08-ff-fe-52-f9-d8 となります。

リンク-ローカル アドレスは、前置記号 FE80::/64 と IPv6 のコロン-16 進表記で表された 64 ビット インターフェイス識別子との組み合わせであるため、このサンプル ノードのリンク-ローカル アドレスは前置記号 FE80::/64 とインターフェイス識別子 02-60-08-FF-FE-52-f9-d8 を持ち、fe80::260:8ff:fe52:f9d8 となります。

Q. なぜ複数のインターフェイスがあるのですか ?

A. ipv6 if と入力すると、すべての IPv6 インターフェイス一覧が表示されます。

  • インターフェイス 1 は、ループバックに使用される疑似インターフェイスです (Loopback Pseudo-Interface)。

  • インターフェイス 2 は、自動トンネリングに使用される疑似インターフェイスです (Automatic Tunneling Pseudo-Interface)。

  • インターフェイス 3 は、6to4 トンネリングに使用される疑似インターフェイスです (6to4 Tunneling Pseudo-Interface)。

  • このほかのインターフェイスは、作成される順に番号を割り当てられます。この順序は、コンピュータごとに異なります。

aa-bb-cc-dd-ee-ff 形式のリンク-レイヤ アドレスを持つインターフェイスは、Ethernet またはファイバ分散データ インターフェイス (FDDI) です。たとえば、ユーザーのコンピュータにインストールされたすべての Ethernet アダプタは、単一のインターフェイスを持ちます。この Ethernet インターフェイスのリンク-ローカル アドレスは、Ethernet メディア アクセス制御アドレスから生成された上記の IPv6 インターフェイス識別子を使用します。

Q. 手動で IPv6 アドレスを設定するにはどうしたらよいですか ?

A. Windows XP の IPv6 プロトコルは、すべての Ethernet インターフェイスのリンク-ローカル アドレス自動設定に加えて、ルーター検出に加わりローカルなルーターの存在を検出し、ルーター通知メッセージの情報を基に追加の IPv6 アドレスを自動設定します。このために、ネットワーク セグメントで正しく設定された IPv6 ルーターが必要です。

IPv6 ルーターがない場合でも ipv6 adu コマンドを使用することにより、各インターフェイスに手動で追加の IPv6 アドレスを設定することができます。このコマンドによって、インターフェイス、アドレス、推奨有効期間と最終有効期間、アドレスがユニキャストかエニーキャストかを指定することができます。

次に、ipv6 adu コマンドの構文を示します。

ipv6 adu ifindex/address [life validlifetime[/preflifetime]] [anycast] [unicast]

ユニキャストあるいはエニーキャストをあるインターフェイスに追加またはインターフェイスから削除した場合、エニーキャストを指定しない限りデフォルトでユニキャストが選択されます。

有効期間が指定されない場合、無期限となります。正しい有効期間が 1 つだけ指定された場合、推奨有効期間と最終有効期間が同じと見なされます。有効期間は無期限とすることも、秒数で限定することも可能です。推奨有効期間は最終有効期間以下でなければなりません。有効期間をゼロと指定すると、そのアドレスが削除されます。

エニーキャスト アドレスでは、有効な有効期間値はゼロと無期限だけとなります。

たとえば、インターフェイス 4 にあるサイト固有のローカル ユニキャスト アドレス fec0::260:8ff:fe52:f9d8 に無期限の有効期間を設定するには、以下のコマンドを使用します。

ipv6 adu 4/fec0::260:8ff:fe52:f9d8

注意 : 設定変更には恒久性はなく、コンピュータまたは IPv6 プロトコルを再始動すると失われます。設定変更を保存するには、コンピュータおよび IPv6 プロトコルの再始動後に実行できるコマンド スクリプト ファイル (.cmd) にコマンド ラインとして記述します。コンピュータの再起動後に設定変更を自動実行するには、コントロール パネルのタスクを使用してコンピュータ起動時にその .cmd ファイルを実行します。

Q. Windows XP IPv6 プロトコルは IPsec をサポートしていますか ?

A. はい。IPv6 用 IPSec (Internet Protocol Security) が、以下の制限範囲内でサポートされています。

  • 認証ヘッダ(Authentication Header = AH) と暗号ペイロード (Encapsulating Security Payload = ESP) は、トランスポートとトンネルの両モードでサポートされますが、Windows XP IPv6 プロトコルの ESP はデータの暗号化をサポートしていません。

  • Windows XP IPv6 プロトコルの IPSec は、セキュリティ アソシエーション (SA) とネゴシエートする際に Internet Key Exchange (IKE) の使用をサポートしていません。AH または ESP のための IPSec ポリシー、SA、およびメッセージ ダイジェスト 5 (MD5) 鍵付きハッシュを計算する鍵は、手動で設定する必要があります。

  • IPv6 トラフィックの IPSec は、IPv4 トラフィックの IPSec から完全に独立しています。IPv6 IPsec セキュリティ ポリシーは、IPSec ポリシー スナップインでは管理されません。Windows XP IPv6 プロトコルの IPsec ポリシーと SA は、Ipsec6.exe コマンド ライン ツールで手動設定します。

Q. IPv6 ルーティングを有効にするには、どうしたらよいですか ?

A. IPv6 ルーティングを有効にするには、ipv6 ifc コマンドを使用して適切なインターフェイス上で転送と通知を有効にし、次に ipv6 rtu コマンドで公開するサブネットの前置記号を設定する必要があります。この詳細は、Windows XP の IPv6 オンライン ヘルプで「IPv6 traffic between nodes on different subnets of an IPv6 internetwork」というトピックに記された例を参照してください。

Q. PING の実行方法を教えてください。

A. Windows XP の IPv6 プロトコルには Ping6.exe という、Windows XP の TCP/IP で提供される Ping.exe と同等のツールが含まれています。Ping6.exe は指定された送信先へ ICMPv6 Echo Request (エコー要求) メッセージを送信し、往復時間の統計を符合する Echo Reply (エコー返答) メッセージに表示します。次に、Ping6.exe の構文を示します。

ping6 [-t] [-a] [-n count] [-l size] [-w timeout] [-s srcaddr] -r {name | dest[%scopeID]}

-t オプションは、中断されるまで指定されたホストを PING します。

-a オプションは、ホスト名までのアドレスを解決します。

-n count オプションは、送出するエコー要求の回数を指定します。

-l size オプションは、送出するバッファのサイズを指定します。

-w timeout オプションは、各返答を待つタイムアウト時間をミリ秒で指定します。

-s srcaddr オプションは、Echo Request のソース アドレスを指定します。-s オプションはマルチキャスト アドレスの PING にも使用できます。

-r オプションは、リバース ルートをテストするためにルーティング ヘッダを使用するよう指定します。

name オプションは、送信先の名前を指定します。

dest オプションは、送信先のアドレスを指定します。

scopeID オプションは、Echo Request メッセージ送信先の範囲または地域を指定します。

リンク-ローカル アドレスでは、この範囲を指定する識別子 (ID) は ipv6 if コマンドの出力に表示されたインターフェイス インデックスと同じになります。サイト-ローカル アドレスでは範囲 ID が、ipv6 if コマンドの出力に表示されたサイト番号と等しくなります。複数のサイトが使用されていない場合、サイト-ローカル アドレスの範囲 ID は必要ありません。送信先がグローバル アドレスの場合も、範囲 ID は必要ありません。

たとえば、リンク-ローカル アドレス fe80::260:97ff:fe02:6ea5 に対して範囲 ID 4 (インストールされた Ethernet アダプタのインターフェイス インデックス) を使って Echo Request メッセージを送信するには、次のコマンドを使用します。

ping6 fe80::260:97ff:fe02:6ea5%4

Q. Windows XP IPv6 プロトコルには、 PING のほかにどんなツールが含まれていますか ?

A. Windows XP には、Web ブラウザで IPv6 対応 Web サイトを表示するためのインターネット拡張ダイナミックリンク ライブラリ (DLL)、Wininet.dll のアップデート バージョンが含まれています。IPv6 ベースの接続を可能にする Telnet クライアント (Telnet.exe) と FTP クライアント (Ftp.exe) のアップデート バージョンも含まれています。Windows XP の Remote Procedure Call (RPC) コンポーネントは IPv6 対応となっており、Windows 2000 と Systems Management Server (SMS) バージョン 2.0 で提供されたネットワーク モニタの各バージョンは、IPv6 ヘッダの構文解析をサポートしています。また、RFC 2553 『Basic Socket Interface Extensions for IPv6』 の記述に従って IPv6 に対応するよう、IPv6 アプリケーションを作成したり、現在の IPv6 アプリケーションを移植することも可能です。

Q. Web ブラウザで IPv6 接続を強制するにはどうしたらよいですか ?

A. Web ブラウザは、新しいインターネット拡張 DLL (Wininet.dll) により、IPv6 対応 Web サーバーにアクセス可能になります。たとえば Microsoft Internet Explorer は Wininet.dll を使用して、Web サーバーと接続し Web ページを表示します。Internet Explorer は、URL 内の Web サーバー名のドメイン ネーム システム (DNS) クエリ (またはホスト ファイル) が IPv6 アドレスを返した場合、IPv6 を使用してその Web ページをダウンロードします。ユーザーはこれにより、IPv6 だけに解決する URL 名に接続することができます。DNS クエリが IPv6 アドレスを返したことを確認するには、Ping6.exe ツールを使用して Web サーバーのドメイン名を PING してください。

Internet Explorer 以外のアプリケーションでは、リテラル IPv6 アドレスを使用して接続を行います。RFC 2732 『Format for Literal IPv6 Addresses in URL』 に記載されたリテラル IPv6 アドレス形式を使用した URL は、Windows XP で提供されるバージョンの Internet Explorer ではサポートされません。

注意 : プロキシ サーバーを使用するよう設定された Internet Explorer は、IPv6 Web サイトを表示することができません。プロキシ サーバーを使用するよう Internet Explorer が設定されている場合、Web サイトの名前解決要求はすべてプロキシ サーバーに転送されます。そのプロキシ サーバーが IPv6 対応となるまで、ローカルあるいはリモート IPv6 Web ページへのプロキシ ベースの要求は成功しません。プロキシ サーバーの使用なしで Internet Explorer を設定する方法の詳細については、Internet Explorer ヘルプを参照してください。

Q. Windows XP から IPv6 プロトコルをアンインストールするには、どうしたらよいですか?

A. Windows XP から IPv6 プロトコルをアンインストールするには、以下の手順に従います。

  1. Windows XP コンピュータに、ローカル管理者特権を持つユーザー アカウントでログ オンします。

  2. コマンド プロンプトを開きます。Windows XP デスクトップから [スタート] をクリックし、[プログラム] - [アクセサリ] をポイントして、[コマンドプロンプト] をクリックします。

  3. コマンド プロンプトで、次のコマンドを入力します。

    ipv6 uninstall
    

Q. Windows 95 以降および Microsoft Windows NT バージョン 4.0 IPv6/IPv4 アプリケーションを実行する方法を教えてください。また、このリリースに .LIB ファイルがないのはなぜですか ? Wspiapi.h とは何ですか ? 使用方法を教えてください。

A. このバージョンの Windows XP IPv6 プロトコルは、IPv6 をサポートしていないプラットフォーム上でも IPv6/IPv4 アプリケーションを実行可能にする、ダイナミック リンク サポートを備えています。このダイナミック リンク サポートはデフォルトで有効になっており、Platform SDK のファイル Wspiapi.h に含まれています。このファイルは、ユーザーのプロジェクトには直接組み込みません。

将来の Windows バージョンでは、0x0500 よりも大きな _WIN32_WINNT を使用することにより、IPv6 対応アプリケーションから無駄なコードを取り除き、OS の補助的なサポートを廃止することが可能です。_WIN32_WINNT マクロの詳細は、Platform SDK のドキュメントを参照してください。

Q. IPv6 の流通トラフィックを調べるにはどうしたらよいですか ?

A. 一般のソフトウェアあるいはハードウェア ベースのネットワーク測定装置を使用して、IPv6 パケットを取得し解析することができます。Microsoft SMS 2.0 には、IPv6 パケットを取得できる Microsoft ネットワーク モニタ バージョン 2.0 が含まれています。Windows 2000 Server に含まれたネットワーク モニタ 2.0 も同様に使用可能です。

Windows 2000 Server に含まれた Microsoft ネットワーク モニタをインストールするには、以下の手順に従います。

  1. [ スタート ] をクリックし、[設定] をポイントしてから [コントロールパネル] をクリックし、[アプリケーションの追加と削除] をダブルクリックします。

  2. [ アプリケーションの追加と削除 ] で、[Windows コンポーネントの追加と削除] をクリックします。

  3. Windows コンポーネント ウィザードで [管理とモニタツール] 選択し、[詳細] をクリックします。

  4. [ 管理とモニタ ツール ] ウィンドウで、[ネットワークモニタ] を選択し、[OK] をクリックします。

  5. 追加ファイルを要求されたら、Windows 2000 Server の CD-ROM を挿入するか、ファイルが置かれたネットワーク上のパスを入力します。

Q. インターネット経由で IPv6 トラフィックを送信するには、どうしたらよいですか ?

A. 6to4 と呼ばれるトンネリング メカニズムを使用することにより、インターネットの IPv4 部分を経由して IPv6 トラフィックを送出することができます。6to4 は RFC 3056 に記述されています。また 6to4 を使用して、6bone として知られるインターネットの IPv6 対応部分に到達することも可能です。この詳細は Windows XP の IPv6 オンライン ヘルプで、「IPv6 traffic between nodes in different sites across the Internet (6to4)」および「Connecting to the 6bone」の両トピックを参照してください。

Q. IPv6 ルーターなしで IPv6 トラフィックを送信するには、どうしたらよいですか ?

A. IPv6 ルーターがない場合、ユーザーは同一サブネット (またはリンク) 上の 2 つのホスト間で、リンク-ローカル アドレスを使用してトラフィックを送出することができます。詳細は Windows XP の IPv6 オンライン ヘルプで、「Single subnet with link-local addresses」というトピックを参照してください。

既存の IPv4 ルーティング インフラストラクチャを使用し、異なるサブネット上のホスト間で IPv4 カプセル化された IPv6 トラフィックを送出するには、Windows XP の IPv6 オンライン ヘルプのトピック「IPv6 traffic between nodes on different subnets of an IPv4 internetwork」を参照してください。