実践! Windows 2000 アップグレード ガイド
第 3 章 ‐ バックアップ
「実践! Windows 2000アップグレード ガイド」 (発行 : 株式会社 IDG ジャパン) より抜粋
Windows 2000 へのアップグレードは既存 OS に上書きする作業なので、アップグレードに失敗すれば、以前の環境をすべて失ってしまう可能性がある。また、アップグレードに成功したとしても、アプリケーションに不具合が生じ元の状態に戻したくなる場合もあり得る。この章では、アップグレードを行う前にバックアップを取り、最悪の場合でも以前の状態に速やかに戻せるように備えておく方法と、バックアップから元の状態に復元する方法について、OS の種類ごとに説明していく。
トピック
3-1 バックアップの前に
3-2 Windows NT のバックアップと復元
3-3 Windows 95 のバックアップと復元
3-4 Windows 98 のバックアップと復元
3-5 Windows 2000 のバックアップと復元
3-1 バックアップの前に
本章で取り上げるバックアップと復元法は、OS が標準でサポートするツールを中心に解説したものだ。サードパーティーのツールを使用した方が、作業時間も短縮できる上に、作業手順も簡略化される場合が少なくないが、誰でも使えるツールということからシステムに付属しているツールを使用する。もし、使い慣れたバックアップ ツールがあるなら、そのツールを使うことをお勧めする。いずれの場合も、ここで説明する全体の流れと注意事項に目を通すようにしてほしい。
解説の要約
- バックアップの流れを確認する
図解・イメージ
バックアップの流れ
バックアップ ツールの |
バックアップ ツールのインストール |
バックアップ前の処理を実行 |
サービスや常駐アプリケーションの停止 |
バックアップの実行 |
|
バックアップ結果の確認 |
ログの確認 |
関連解説
「2-3 バックアップ計画」
「付録 ブートの仕組みと boot.ini の記述方法」
3-1-1 バックアップの基本手順
システムのバックアップは、Windows 2000 へのアップグレードに失敗したときの復元用に使用するものなので、慎重かつ適切に (そして効率よく) 行いたいものである。そのためにも、バックアップの基本手順はおさえておきたいところだ。
バックアップの基本手順は、次のとおりである。これは、既存 OS が Windows NT でも、Windows 95/98 でも同じことである。
バックアップツールの確認と前準備
バックアップ前の処理を実行
バックアップの実行
バックアップ結果の確認
まずは、バックアップ ツールが、インストールされているかどうかを確認する。後述するが、バックアップに使用するツールは対象 OS ごとに異なっているので注意する。バックアップ ツールがインストールされていない場合は、そのインストールから始める。また、前準備として、Windows NT の場合はブート ディスクとシステム修復ディスクを、Windows 9x の場合は起動ディスクを作成しておく。これらは、バックアップの際に OS に不具合が生じたときに対処するために使用するものである。
次に、バックアップ実行前の処理を行う。常駐アプリケーションの停止、アプリケーション独自のバックアップ作成、各種サービスの停止等の前処理を行う。特に、会計ソフトなどを使用している場合は、念のためアプリケーション独自のバックアップ機能でバックアップを別に作成しておくとよい。データベースなどについても検討の上、必要であれば個別に前処理を行う。そしてリモート コンピュータのバックアップを使用する場合には、ネットワーク ドライブの割り当てを行う。
前処理が完了したら、適切なバックアップ ツールを使用して全体のバックアップを取る。バックアップ完了後は、再度サービスなどを起動する必要があればそれを行う。ただし、データ書き込みを行うソフトウェアについては、この時点では起動しないようにする。
最後にバックアップ ログを確認し、バックアップが成功しているかどうかを確認する。バックアップし損ねたファイルがあれば、その必要性を確認し、場合によってはバックアップを取り直す。また、バックアップ ファイルを参照し、いくつかの小さなファイルを復元してみると、さらによいだろう。
バックアップ後、サービスを動作させておく必要がある場合、サービスを再起動し、アプリケーションの動作確認を行う。ただし、アップグレードをすぐに行う場合は、この必要はない。
3-2 Windows NT のバックアップと復元
Windows NT のバックアップは、Windows 9x のバックアップと比較すると、より神経をつかわなければならない。それは、Windows NT の環境では Windows 9x と比較して重要なデータを扱う傾向にあるからだけではない。Windows NT では各種サービスが動作しており、バックアップ前にはサービスを停止しておくことが必要となる。また、ディスク構成も柔軟性がある分、構成情報をきちんと保存しておかなければ復元ができなくなってしまう。ここでは、できるだけリスクを回避しつつ、バックアップと復元を行えるようなバックアップ法を紹介する。
解説の要約
ブート ディスクの作成方法を把握する
レジストリのバックアップを確実に行う
ディスク構成を確実に保存する
Windows NT のバックアップ ツールの操作を覚える
復元の手順を覚える
図解・イメージ
システム修復ディスクとブートディスクの作成
Microsoft バックアップ (NT 用) でバックアップと復元を行う
関連解説
「付録 ブートの仕組みと boot.ini の記述方法」
3-2-1 システム修復ディスクとブート ディスクの作成
Windows NT の場合、Windows 9x のようにコマンド プロンプトを起動させることができる起動ディスクを作成することはできない。Windows NT を修復するときにも、基本的にはWindows NT の CD-ROM が必要になる。しかし、Windows NT を正しく修復するためには、Windows NT の各種の情報を「システム修復ディスク」と「ディスクの構成情報」として保存しておかなければならない。特に、ストライプ セットやミラー セットなどを使用している場合や、ドライブ名を変更している場合は、ディスクの構成情報を保存しておかなければ後で復元できなくなるので注意する。
なお、Windows NT 3.51 については、Windows NT 4.0 の操作と大きく異なる点のみを参考として記述する。
システム修復ディスクの作成
以下のような手順で、システム修復ディスクの作成を行う。
手順 システム修復ディスクの作成
フロッピー ディスクを1枚用意する。
[スタート] - [ファイル名を指定して実行] をクリックし、「rdisk /s」と入力して [OK] ボタンをクリックする。
参考
Windows NT 3.51 の場合は、[プログラム マネージャ] を開き、[アイコン] メニューの [ファイル名を指定して実行] をクリックする。次に「rdisk /s」と入力し、[OK] ボタンをクリックする。構成が保存されるまでしばらく待つと、「システム修復ディスクを作成しますか?」というメッセージが表示される。ここで、 [はい] ボタンをクリックする。
フロッピー ディスクの挿入を求めるメッセージが表示されたら、フロッピー ディスクを挿入して [OK] ボタンをクリックする。フロッピー ディスクのフォーマットが開始され、しばらく待っていると、ディスクに構成情報が保存される。
「安全な場所に保管されているか確認してください。」のメッセージが表示されたら、 [OK] ボタンをクリックする。
ディスクの構成情報の保存
ディスクの構成情報の中には、ドライブ名、ストライプ セット、ミラー セット、ボリューム セット、およびパリティ付きストライプ セットの情報が含まれており、Windows NT のレジストリに格納されている。これらの情報を扱うには、ディスク アドミニストレータを使用する。
手順 ディスクの構成情報の保存
フォーマットされたフロッピー ディスクを1枚用意する。
[スタート] - [プログラム] - [管理ツール (共通) ] - [ディスク アドミニストレータ] をクリックし、ディスク アドミニストレータを起動する。
参考
Windows NT 3.51 の場合は、[プログラム マネージャ] を開き、[管理ツール] グループの [ディスク アドミニストレータ] を起動する。[パーティション] メニューの [構成情報] - [保存] をクリックする。
フロッピー ディスクの挿入を求めるメッセージが表示されたら、フロッピー ディスクを挿入して [OK] ボタンをクリックする。
保存の完了を示すメッセージが表示されたら、 [OK] ボタンをクリックする。
セットアップ ディスクの作成
セットアップ ディスクは、システムに何らかの障害が発生したときに、Windows NT を再度インストールするか、修復するかという事態に対応するために作成しておくものである。CD-ROM ブートができないコンピュータや、同等のフロッピー ディスク (製品に付属) が手元にない場合は、作成しておく必要がある。次のような手順で、セットアップ ディスクの作成を行う。
手順 セットアップ ディ スクの作成
フォーマットされたフロッピー ディスクを 3 枚用意する。
[スタート] - [ファイル名を指定して実行] をクリックし、「x:\i386\winnt32 /ox」 (x:は CD-ROM のドライブ) と入力して [OK] ボタンをクリックする。
[Windows NT 4.00 ファイルの格納されている場所] のパス名を確認して、 [続行] ボタンをクリックする。
フロッピー ディスクの挿入を求めるメッセージが表示されたら、フロッピー ディスクを挿入して [OK] ボタンをクリックする。
メッセージの指示に従ってフロッピー ディスクを入れ替え、合計 3 枚のディスクを作成する。
参考
3 枚のディスク ラベルには、それぞれ番号を付けておくこと。なお、最後に作成されるディスクが「1」である。
ブート ディスクの作成
ブート ディスクを作成しておくと、ハードディスクのマスター ブート レコード (MBR : Master Boot Record) に問題を起こし、システムが起動できない状態になっても、システム自体がハードディスクに残っていれば OS を起動することができる。特に、デュアル ブートなどを行っている場合には、OS のインストール順序を間違えても、このディスクを使って Windows NT を起動できるので、必ず用意しておきたい。
参考
MBR (Master Boot Record)
MBR はハードディスクの一番先頭にあるセクタのことで、アクティブなパーティションからブート コードを読み出す働きをする。MBR の内容はフォーマットを行っただけでは元に戻らないので、その内容を書き換えるには、「FDISK /MBR」を実行する必要がある。
次のような手順で、ブート ディスクの作成を行う。
手順 ブート ディスクの作成
Windows NT上でフォーマットされたフロッピーディスクを 1 枚用意し、ドライブに挿入する。
Windows NT の CD-ROM から、ntldr と ntdetect.com をフロッピー ディスクにコピーする (ファイルは、対応プラットフォーム別のディレクトリにある。例 : i386) 。
次の内容で、boot.ini ファイルをフロッピー ディスクに作成する。
[boot loader] timeout=30 default=multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINNT [operating systems] multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINNT="Windows NT 4.0"
参考
この場合、1 台目の IDE ドライブの 1 番目のパーティションから起動している。なお、Windows NT は、システム ファイルが \winnt にあることを前提にしているので、異なるディレクトリにインストールしてあるときは、適宜、変更する必要がある。記述方法の詳細については、「付録 ブートの仕組みと boot.ini の記述方法」を参照。参考
boot.ini ファイルは、動作中の Windows NT からコピーしてもよい。ただし、boot.ini が隠し属性になっている場合は、「attrib -s c:\boot.ini」でその属性をはずしてからコピーし (「copy c:\boot.ini a:\」)、次に「attrib -s c:\boot.in」で元の属性に戻しておく。
エクスプローラを使ってコピーするときは、隠し属性を変更する必要はない。ただし、エクスプローラの [ツール] - [オプション] をクリックし、[表示] タブの [すべてのファイルを表示する] がオンになっていることと、[登録されているファイルの拡張子は表示しない] はオフになっていることを確認する。使用しているWindows NT の boot.ini ファイルに「SCSI()」の記述がある場合は、ntbootdd.sys をフロッピー ディスクにコピーする。
作成したディスクを使って、ブートできるかどうかを確認する。
通常のハードディスクから起動したときと同じようなシステムの選択画面が出てくれば成功である。ブートできないときは、フロッピー ディスクの作り方に問題はないか、boot.iniの記述に誤りがないかどうかを確認する。
3-2-2 バックアップの実行
ここからの説明は、バックアップの実践である。Windows NT 3.51 や 4.0 では、テープ ドライブによるバックアップが標準のバックアップ方法なので、ここでの説明はテープ ドライブの使用を前提にしている。
バックアップの実行手順として、まず「サービスの停止とバックアップの起動」を行い、次に「バックアップ対象の選択とバックアップ情報の設定」を行う。
なお、テープ ドライブを使用する際には、前もってテープ ドライブのデバイスとドライバをインストールしておく必要があるが、この方法については、テープ ドライブの製品マニュアルを参照してほしい。
参考
Windows NT では、コンピュータに直接接続されたテープ ドライブにレジストリをバックアップできる。テープ ドライブの接続されていない Windows NT のバックアップを取る場合は、まず rdisk.exe を使用して、レジストリ情報を最新の状態に更新・保存した上でバックアップを行うこと。また、レジストリの保存は、『Windows NT リソースキット』に付属する regback.exe (レジストリのバックアップ用プログラム) を使ってもよい。なお、regback.exe を使ってレジストリをバックアップした場合、復元には regrest.exe を使用することになる。
手順 サービ スの停止とバックアップの起動
Administrators グループか Backup Operators グループのメンバーであるアカウントでログオンする。
[スタート] - [設定] - [コントロール パネル] をクリックしてコントロール パネルを開き、 [サービス] アプレットをダブルクリックする。
参考
Windows NT 3.51 の場合は、[プログラム マネージャ] を開き [メイン] グループの [コントロール パネル] をダブルクリックして開く。次に、[サービス] をダブルクリックする。停止するサービスを選択して、 [停止] ボタンをクリックする。
しばらく待つと、サービスが停止する。
注意
特にサーバー サービスやデータベース サーバー、メール サーバーなどは、必ず停止させる。ファイルに書き込みを行っていると、バックアップが正しく取れないので、これは必須事項である。また、ウィルス検知プログラムなども停止させる。サービスに依存関係がある場合は、その下位にあって影響を受けるサービスも同時に停止できる。
注意
Directory Replicator サービスは、Windows 2000 と互換性がないので、この時点で、[スタートアップ] ボタンをクリックし、[無効] にしておくのがよい。ファイル複製のシステムは、Windows 2000 でも別の形でサポートされているので、Windows 2000 にアップグレードしてから再設定を行えばよい。この点については、「第 2 章 アップグレード計画」を参照。参考
サーバーを停止する際、ユーザーへの口頭あるいは書面による事前報告はもちろん、「net send」コマンドを使って通知することもできる。たとえば、ドメイン全体にメッセージを出す場合は「net send /domain:DomainName "NTSVR01 は、10 分後にサービスを停止します。サービス開始予定は、15:00 です。"」、サーバーに接続しているユーザーだけにメッセージを出す場合は「net send /user "10 分後にサービスを停止します。サービス開始予定は、15:00 です。"」などと実行しておくとよいだろう。参考
「net stop」コマンドを使えば、コマンドラインからサービスを停止できる。いくつものサービスを停止するときには、次のようにバッチ ファイルを作成すれば、サービスの止め忘れがなくてよい。通常では、停止メッセージの提供、サーバー サービスの停止、バックアップ、サーバー サービスの開始、開始メッセージの提供を一連のバッチ ファイルにしておくと便利である。 例 :net stop mssqlserver /yes net stop server /yes
リモートコンピュータのバックアップを行う場合は、バックアップ対象のリソースにドライブ文字を割り当てる。アップグレード前のコンピュータを対象にするには、次のようにコマンドラインからディスクごとにドライブを割り当てるのがよい。
net use R: \\NTWK01\C$
この場合、NTWK01 という名のコンピュータの C:ドライブを、R:ドライブに割り当てている。どのドライブも既定で「ドライブ名$」でディスクが共有されているので、必要なドライブをすべて割り当てる。
[スタート] - [プログラム] - [管理ツール (共通) ] - [バックアップ] をクリックして、バックアップ ツールを起動する。
起動画面は、基本的には「バックアップ ウィンドウ」と「テープ ウィンドウ」の 2 つで構成される。バックアップ ウィンドウには、ハードディスク ドライブおよび CD-ROM ドライブのリストが表示される。一方、テープ ウィンドウには、テープ ドライブにテープが入っている場合はテーブの内容が表示される。2つのウィンドウを切り替えるには、 [ウィンドウ] メニューで、該当するウィンドウをクリックする。バックアップ ウィンドウを選択しているときは [バックアップ] ボタンが、テープ ウィンドウを選択しているときには [復元] ボタンが使用可能になる。
手順 バックアップ対象の選択とバックアップ情報の設定
バックアップ ウィンドウをクリックし、バックアップの対象となるディスク ドライブの左側のチェック ボックスをオンにする (基本的には、ネットワーク ドライブ以外のすべてのドライブをチェックする) 。
バックアップの処理はドライブ単位に行われ、それぞれがバックアップ セットとなる。ドライブを複数選択した場合、複数のバックアップ セットが作成される。
参考
選択されたドライブをダブルクリックすると、ドライブに含まれるフォルダおよびファイルが表示される。さらに、任意のフォルダの + 記号をクリックすると、そのフォルダが展開できる。 - 記号をクリックすると閉じる。フォルダとファイルそれぞれにチェック ボックスを持っているので、すべて選択されていることが確認できる。もし、バックアップの対象としないフォルダがあるときは、そのフォルダまたはファイルのチェック ボックスだけを再度クリックし選択解除する。フォルダの選択解除を行った場合は、そのフォルダに含まれるすべてのフォルダおよびファイルが選択解除される。バックアップ対象の選択が終了したら、 [バックアップ] ボタンをクリックする。
[バックアップ情報] ダイアログ ボックスが表示される。
ここでは、テープの使い方の指示ができる。
[操作] の [置き換え] を指定すると、テープ中にデータが既に存在する場合でも、上書きモードでテープの先頭から使用される。
参考
[操作] の [追加] を指定すると、テープは書かれているデータの最後に追加される。[追加] でテープを使用すると、バックアップの量の少ないときなど 1 本のテープを複数回分のバックアップに使うことができる。ただし、システムのバックアップはバックアップ量が多いことに加え選択を誤ることもあるので、スムーズに復元を行えるように、テープの構成もシンプルにしておくことが必要である。このため、[置き換え] をクリックする。[バックアップ後に検査] と [ローカル レジストリ ファイルのバックアップ] のチェック ボックスをオンにする。
[バックアップ後に検査] を指定すると、ディスクのデータをテープに書き込んだ後にディスクのデータとテープに書かれたデータを比較し、正しくバックアップが実行されたことを検証する。このオプションは必ず指定すること。
[ローカル レジストリ ファイルのバックアップ] を指定すると、レジストリもバックアップされる。レジストリを含むドライブを選択したときに指定できる。つまり、レジストリをバックアップするときは、レジストリが格納されているフォルダをバックアップ対象として選択しておかなければならない。[バックアップの種類] で「Normal」か「Copy」 (推奨) を選択する。
「Copy」を選択するのは、日常のバックアップに影響を与えないようにするためである。差分バックアップや増分バックアップを行っていない場合は、「Normal」でもよい。
[説明] には、このバックアップ セットの概要を入力する。
複数ドライブの選択を行った場合は、手順 3 から 6 を繰り返す。
[ログ情報] で [すべての情報] をチェックする。
ここで指定したファイル名、格納場所を忘れないようにメモしておくこと。
[OK] ボタンをクリックすると、バックアップが開始される。
バックアップの間、 [バックアップ状態] ダイアログ ボックスが表示され、バッアップの状況を見ることができる。破損ファイルやバッアップに失敗したファイルの情報等が表示されるので、注意して見るようにする。
[検査状態] ダイアログ ボックスが表示される。
検査が完了したら、 [OK] ボタンをクリックして終了する。
最後に、バックアップ ログ ファイルを確認し、バックアップに問題がなかったかどうかを確認する。
テープを取り出し、「Windows 2000 アップグレード前 NTSVR01: 2000/4/29」のように使用目的を明示したラベルを貼っておく。複数のテープを使用した場合は、番号づけも忘れずに行う。
3-2-3 Windows NT への復元
Windows NT 4.0 の復元方法は、Server も Workstation もほぼ同じと考えてよい。ただし、Server では各種のサービスが動作しているため、復元後に動作確認を行った方がよい。Windows NT 3.51 の場合も、インターフェイスこそ異なるものの、基本的には同じ操作になる。
Windows NT への復元の手順としては、まず「復元の前準備」を行い、次に「Windows NT の復元」を行う。
手順 復元の前準備
復元を行うコンピュータのシステム パーティションを、FDISKコマンドを使って削除する。
参考
Windows NT のセットアップ中にパーティションを削除すると、ドライブ名が思い通りにならない場合があるので、このようにあらかじめ削除しておくとよい。かなり乱暴なやり方に感じられるかもしれないが、おそらくダウンタイムが短く確実なのはこの方法だろう。Windows NT CD-ROM、またはセットアップ ディスクを使って、セットアップ プログラムを起動する。
通常、新規インストールしたときと同じ手順で、インストールを最後まで行う。
インストールが完了したら、テープ ドライブを認識できるように、ドライバのインストールを行う。
前の状態と同じになるように、Windows NT のサービス パックを適用して、再起動する。
ディスク構成を保存したフロッピー ディスクか、修復ディスクを用意する。
[スタート] - [プログラム] - [管理ツール (共通) ] - [ディスク アドミニストレータ] をクリックし、ディスク アドミニストレータを起動する。
参考
Windows NT 3.51 の場合は、[プログラム マネージャ] を開き、[管理ツール] グループの [ディスク アドミニストレータ] を起動する。[パーティション] メニューの [構成情報] - [復元] をクリックする。
この操作で、ディスクの構成情報を復元しておく。ドライブ名を変更している場合や、ディスク セットを使用している場合は、この操作を行う。
ディスク構成を上書きすることを示す警告が表示されたら、 [はい] ボタンをクリックする。
ディスクの構成情報が入ったディスクの挿入を求めるメッセージが表示される。
ディスク アドミニストレータを使って保存したディスクか、システム修復ディスクを挿入して、 [OK] ボタンをクリックする。
ディスク構成の復元が行われる間、そのまま待つ。ディスク構成を反映させるために、再起動を求めるメッセージが表示されたら [OK] ボタンをクリックして、再起動する。
手順 Windows NT の復元
バックアップ プログラムを起動するために、Administrators グループか Backup Operators グループのメンバーであるアカウントでログオンする。
[スタート] - [プログラム] - [管理ツール (共通) ] - [バックアップ] をクリックし、Windows NT バックアップ プログラムを起動する。
復元するテープをテープ ドライブに挿入する。
Windows NT バックアップ プログラムは、バックアップ セットのカタログを読み込み、その内容を表示する。
カタログはすべてのバックアップ セットの最後に書かれている。このため、複数のテープに分割されたバックアップ セットを復元する場合は、カタログ ファイルを読み込むために、該当するテープを挿入するように要求される。
復元するバックアップ セットのチェック ボックスをオンにする。
ここでは、コンピュータのシステムバックアップとして、バックアップしたドライブのすべてのバックアップ セットを復元対象として選択する。
復元対象を選択したら、 [復元] ボタンをクリックする。
[復元情報] ダイアログ ボックスが表示される。
[復元後に検査] のチェック ボックスをオンにする。
ここでは、テープの中のデータをディスクに書いた後に、テープのデータとディスクのデータを比較し正しく復元されたかどうかを検証する。
[復元] の [ローカル レジストリ ファイルの復元] と [ファイル アクセス権の復元] チェック ボックスをオンにする。
[ローカル レジストリ ファイルの復元] では、レジストリを含むバックアップ セットで選択する。 [ファイル アクセス権の復元] は、NTFS のファイルセキュリティを戻すかどうかを指定する。FAT ボリュームに復元するときは、自動的にチェック ボックスの選択は解除される。
[復元先ドライブ] を確認する。
複数のバックアップ セットを復元するときは、手順 6 から 8 を繰り返す。
[ログ情報] の [すべての情報] をチェックする。
[OK] ボタンをクリックし、復元を開始する。
復元の間、 [復元状態] ダイアログ ボックスが表示される。
復元と検証が完了したら、 [OK] ボタンをクリックして終了する。
バックアップ ログ ファイルで、正常に復元が行われたかどうかを確認する。
そのほかのサービスも、正常に動作しているかどうかを確認する。
3-3 Windows 95 のバックアップと復元
Windows 95 のバックアップは Windows NT とは違い、テープ ドライブだけでなくハードディスクや MO などのメディアに保存できるので便利だ。ウィルス検知プログラムなどの常駐アプリケーションを停止して行えば、比較的簡単にバックアップを行うことができる。復元も Windows 98 に比べると若干作業が増えるものの、それほど難しくはない。ただし、Windows 2000 Professional へアップグレードした後の復元に関しては、若干の知識と手間が必要になる。
解説の要約
起動ディスクを作成する
バックアップ ツールをインストールする
バックアップ ツールの操作を覚える
復元の手順を覚える
図解・イメージ
起動ディスクの作成
Microsoft バックアップ (95 用) でバックアップと復元を行う
3-3-1 起動ディスクの作成
Windows 95 を Windows 2000 Professional へアップグレードすると、ブートローダーが Windows 2000 用のものに変換されてしまうため、Windows 95 に復元する際は、ブートローダーを元に戻す必要がある。また、ファイル システムを NTFS に変換した場合も、FAT でフォーマットし直す必要がある。このようなとき、復元のために起動ディスクを作成しておく必要がある。
注意
Windows 95 は、OS R2 以降のバージョンで FAT32 に対応している。つまり、Windows 95 用のパーティションを作成するときには、FAT32 ではなく、FAT でフォーマットしなければならない。そのために、Windows 95 を復元するために使用する起動ディスクは、Windows 95 OS R2 や Windows 98 の起動ディスクではいけないのである。
次のような手順で、起動ディスクの作成を行う。
手順 起動ディスクの作成
フロッピー ディスクを 1 枚用意する。
[スタート] - [設定] - [コントロール パネル] をクリックし、コントロール パネルを開く。
[アプリケーションの追加と削除] をダブルクリックし、 [アプリケーションの追加と削除のプロパティ] ダイアログ ボックスを表示する。
[起動ディスク] タブを選択し、 [ディスクの作成] ボタンをクリックする。
フロッピー ディスクの挿入を求めるメッセージが表示される。フロッピー ディスクをドライブに挿入して、 [OK] ボタンをクリックする。
起動ディスクの作成が始まると、進行状況が表示される。進行状況が消えると、元のダイアログ ボックスに戻る。
[OK] ボタンをクリックして、ダイアログ ボックスを閉じる。
3-3-2 Microsoft バックアップの追加
Windows 95 の標準インストールでは、バックアップ ツールに使用する Microsoft バックアップがインストールされない。したがって、Microsoft バックアップがインストールされていない場合は、次の手順であらかじめインストールしておく必要がある。
手順 Microsoft バックアップのインストール
[スタート] - [設定] - [コントロール パネル] をクリックし、コントロール パネルを開く。
[アプリケーションの追加と削除] をダブルクリックし、 [アプリケーションの追加と削除のプロパティ] ダイアログ ボックスを表示する。
[Windows ファイル] タブを選択し、 [ファイルの種類] 一覧から [ディスク管理ツール] を探してチェック ボックスをオンにする。
[詳細] ボタンをクリックし、 [バックアップ] のチェック ボックスがオンになっていることを確認する。
[OK] ボタンをクリックする。 以上で、Microsoft バックアップが使用できるようになる。 必要であれば、この後テープ ドライブのデバイスやドライバのインストールを行う。
3-3-3 バックアップの実行
Windows 95 の標準インストールでは、バックアップ ツールに使用する Microsoft バックアップがインストールされない。したがって、Microsoft バックアップがインストールされていない場合は、次の手順であらかじめインストールしておく必要がある。
手順 バックアップ
[スタート] - [プログラム] - [アクセサリ] - [システム ツール] - [バックアップ] をクリックする。
[OK] ボタンをクリックすると、「次の一括バックアップ用のファイル セットが作成されました。」のメッセージが表示される。
[OK] ボタンをクリックすると、テープ ドライブをインストールしていないので、「テープ ドライブが見つかりませんでした。」というメッセージが表示されるので、 [OK] ボタンをクリックする。テープ ドライブをインストールしているにも関わらず、このメッセージが表示されたときには、メッセージに従って、テープ ドライブを使用できるようにセットアップする。
[設定] メニューでオプションの確認をする。 次のオプションが選択されていればよい。 [バックアップの種類] : [一括] [詳細設定] : [バックアップ後、自動的に比較してデータを照合する] 、 [データを圧縮する]
参考
テープ ドライブを使用している場合は、[テープを必要なときにフォーマットする] をオンにしておくとよい。[OK] ボタンをクリックして、ダイアログ ボックスを閉じる。
[バックアップ] タブが開いているのを確認し、バックアップ対象のドライブをチェックする。 ここでは、サーバーの共有フォルダにバックアップした例を想定している。
[次へ] ボタンをクリックすると、デバイスまたは場所の選択画面が表示されるので、バックアップ先を指定する。
[バックアップの開始] ボタンをクリックすると、 [バックアップ セットのラベル] の入力を求められる。わかりやすい名前を付けて、 [OK] ボタンをクリックする。
参考
バックアップ ファイルの中身をほかの人から参照されたくない場合は、[パスワードによる保護] ボタンをクリックすると、パスワードを設定することができる。ただし、パスワードを忘れると、バックアップ ファイルを開く手段がなくなるので、設定する場合には忘れないように注意すること。しばらくすると、バックアップが開始されて、その進行状況が表示される。バックアップが終了すると、バックアップ元との比較が自動的に行われる。
バックアップが完了するとメッセージが表示されるので、 [OK] ボタンをクリックする。
念のため、 [復元] ボタンをクリックして、バックアップ ファイルを選択し、バックアップが取れているかどうかを確認する。 さらに確実さを求めるなら、一部のフォルダだけを選択して、部分的に復元してもよい。
参考
バックアップのエラーが発生したときには、\Program Files\Accessories\Error.log を参照し、重要なファイルでないかどうかを確認する。場合によっては、再度バックアップを取り直す。
3-3-4 Windows 95 への復元
システム環境を Windows 95 に戻したいときには、作成したバックアップ メディアからシステムとデータを復元する。ここでは、Windows 2000 Professional へのアップグレードが途中で失敗したときを想定して、Windows 95 への復元手順を紹介する。
手順 ハードディスクのフォーマット
Windows 95 の起動ディスクをドライブに挿入し、コンピュータの電源をオンにする。しばらく待つと、コマンド プロンプトが表示される。
参考
ファイル システムが NTFS に変換されている場合は、「FDISK」を起動して起動ドライブ (C:) をいったん削除して、再起動する。コマンド プロンプトで「format c:」 (フォーマット先が C ドライブの場合) と入力して、 [Enter] キーを押す。
「ハードディスクのデータはすべてなくなります」のメッセージに続いて、「フォーマットしますか (y/n) ?」のプロンプトが表示されたら、「y」キーを押す。
フォーマットが開始されるので、そのまましばらく待つ。
フォーマットが終了すると、ボリュームラベルの入力を求められる (半角 11 文字以内) 。ボリュームラベルを入力して、 [Enter] キーを押す。
コマンド プロンプトで「sys c:」と入力して、 [Enter] キーを押す。
システム ファイルがハードディスク (C:) に転送される。転送が終了すると「システムが転送されました」というメッセージが表示され、コマンド プロンプトに戻る。
参考
「format /s c:」とすれば、フォーマット実行後に続けて「sys」コマンドを実行したのと同じように、システム ファイルをハードディスクに転送することができる。ただし、環境によってはメモリが不足しているというエラー メッセージが表示されて、これを実行できないこともある。よって、ここではフォーマット後にシステムファイルを転送する方法を紹介した。コマンド プロンプトで「fdisk /mbr」と入力して、 [Enter] キーを押す。
これで、ハードディスクの MBR が Windows 95 用に書き換えられ、Windows 2000 が削除された後でもハードディスクから起動できるようになる。
手順 ハードディスクのフォーマット
CD-ROM を参照できる環境でブートする。
参考
このとき、CD-ROM ドライバを読み込むようにしてあるフロッピー ディスクで起動してもよいし、ハードディスクにいったんドライバをコピーして、ハードディスク上の config.sys と autoexec.bat を編集してもよい。通常は、CD-ROM を参照できるように、ドライバを組み込んだ起動用のフロッピー ディスクを、作業の前に作成しておくのが無難だろう。システムが起動したら、コマンド プロンプトで「x:\win95\setup」 (x: はCD-ROMドライブ) とプロンプトで入力して、 [Enter] キーを押す。つまり、ここからは、Winows 95 の通常のインストールになる。
インストールが終了して再起動したら、最低限必要なデバイス (バックアップ メディアを認識するためのドライバは必須) のインストールとドライバのインストールを行う。
バックアップ メディアを読み取れる環境を整える。
[スタート] - [プログラム] - [アクセサリ] - [システム ツール] - [バックアップ] をクリックする。
[OK] ボタンをクリックすると「次の一括バックアップ用のファイル セットが作成されました。」のメッセージが表示される。
[OK] ボタンをクリックする。
なお、テープ ドライブをインストールしていない場合は、「テープ ドライブが見つかりませんでした。」というメッセージが表示されるので、 [OK] ボタンをクリックする。
[復元] タブをクリックし、バックアップを実行したメディアを選択する。ここでは、ネットワーク コンピュータを選択する。
[設定] メニューでオプションを確認する。
[ファイルの復元先] では [元の場所] 、 [詳細設定] では [ファイルを上書きする] 、 [復元後、自動的にデータを比較して照合する] が選択されていればよい。
参考
復元を早急に行うことを優先する場合は、[復元後、自動的にデータを比較して照合する] はオフにしておいてもよい。[OK] ボタンをクリックして、ダイアログ ボックスを閉じる。
必要に応じて、バックアップ セットから復元するファイルを選択し、 [復元の開始] ボタンをクリックする。復元が終了すると、自動的に比較が行われる。
注意
比較終了後にエラーが発生した旨のメッセージが表示されることがあるが、多くの場合 [いいえ] ボタンをクリックするだけでよい。エラーについては、\Program Files\Accessories\ Error.log にログファイルが保存されるので、後で確認してみよう。復元が終了したら、Microsoft バックアップを終了し、再起動する。
OS が正常動作していること、普段使用しているアプリケーションが起動することなどを確認する。
エラーが発生したり、アプリケーションの動作がおかしいときは、ログ ファイルを参照し、復元に失敗していないかどうかを確認する。場合によっては、そのファイルだけ復元を再試行してみる。
3-4 Windows 98 のバックアップと復元
Windows 98 のバックアップは、Windows 95 と比較して、同様の作業が発生するものの、復元にかかる手間は少し軽減される。起動ディスクに CD-ROM のドライバが入っているために、CD-ROM ドライバを用意する必要もなく、また、復元用のツールも用意されている。
ただし、バックアップや復元に際して、ウィルス検知プログラムなどの常駐アプリケーションを停止することは Windows 95 と同様である。
解説の要約
起動ディスクを作成する
バックアップ ツールをインストールする
バックアップ ツールの操作を覚える
復元の手順を覚える
図解・イメージ
起動ディスクの作成
Microsoft バックアップ (98 用) でバックアップと復元を行う
3-4-1 起動ディスクの作成
Windows 98 用の起動ディスクは、CD-ROM 用のドライバを自分で用意しなくても CD-ROM を認識できる便利なものなので、必ず作成しておきたい。Windows 98 のパッケージに用意されている場合もあるが、持っていない場合は、次の手順で起動ディスクを作成しておくことをお勧めする。
Windows 98 用の起動ディスクを作成する際は、Windows 98 CD-ROM とフロッピー ディスクを 2 枚用意しておく。
手順 起動ディスクの作成
Windows 98 CD-ROM とフロッピー ディスク 2 枚を用意する。
[スタート] - [設定] - [コントロール パネル] をクリックし、コントロール パネルを開く。
[アプリケーションの追加と削除] をダブルクリックし、 [アプリケーションの追加と削除のプロパティ] ダイアログ ボックスを表示する。
起動ディスク] タブを選択し、 [ディスクの作成] ボタンをクリックする。
Windows 98 CD-ROM の挿入を求めるメッセージが表示されたら、CD-ROM をドライブに挿入し、 [OK] ボタンをクリックする。
フロッピー ディスクの挿入を求めるメッセージが表示されたら、フロッピー ディスクをドライブに挿入し、 [OK] ボタンをクリックする。起動ディスクの作成が始まると、進行状況が表示される。
1 枚目の作成が終了すると、2 枚目のディスクの挿入を求めるメッセージが表示される。ディスクを入れ替えて、 [OK] ボタンをクリックすると、処理が開始される。
作成が完了すると進行状況が消えて、元のダイアログ ボックスに戻る。
[OK] ボタンをクリックして、ダイアログ ボックスを閉じる。
3-4-2 Microsoft バックアップの追加
Windows 98 の標準インストールでは、バックアップ ツールがインストールされないので、次の手順でバックアップ ツールのインストールを行う。
手順 Microsoft バックアップのインストール
[スタート] - [設定] - [コントロール パネル] をクリックし、コントロール パネルを開く。
[アプリケーションの追加と削除] をダブルクリックし、 [アプリケーションの追加と削除のプロパティ] ダイアログ ボックスを表示する。
[Windows ファイル] タブを選択し、 [システム ツール] をクリックする。 [詳細] ボタンをクリックして、 [システム ツール] ダイアログ ボックスを表示する。
[Microsoft バックアップ] チェック ボックスをオンにして、 [OK] ボタンをクリックする。 [アプリケーションの追加と削除のプロパティ] ダイアログ ボックスに戻る。
[OK] ボタンをクリックすると、必要なファイルのコピーが開始される。CD-ROM の挿入を求めるメッセージが表示されたら、CD-ROM をドライブに挿入し、 [OK] ボタンをクリックする。
コピーが終了すると、再起動を求めるメッセージが表示されるので、 [はい] ボタンをクリックして再起動する。
3-4-3 バックアップの実行
ここからは、Microsoft バックアップを使った Windows 98 のバックアップについての説明である。ここでは、ネットワーク経由で共有フォルダにバックアップを取る手順を紹介する。
手順 Microsoft バックアップのインストール
[スタート] - [プログラム] - [アクセサリ] - [システム ツール] - [バックアップ] をクリックする。 [Microsoft Backup] のフラッシュ画面が表示された後、次のようなメッセージが表示されるので、必要に従って、デバイスのインストールを行う。
バックアップ デバイスを既にインストールしてある場合は、 [はい] ボタンをクリックし、新しいハードウェアの追加ウィザードを実行する。 ここでは、ネットワーク ドライブにバックアップを取ろうとしているので、 [いいえ] ボタンをクリックする。
[Microsoft Backup] ダイアログ ボックスが表示されたら、 [閉じる] ボタンをクリックして、ダイアログ ボックスを閉じる。
[ツール] メニューの [基本設定] をクリックする。
[Windows ディレクトリをバックアップまたは復元する時、レジストリもバックアップまたは復元する (推奨) ] がオンになっていることを確認して、 [OK] ボタンをクリックする。
[バックアップ] タブの [オプション] ボタンをクリックし ( [ジョブ] メニューの [オプション] でもよい) 、オプションの確認をする。
次に、特に注意すべきオプションの値を挙げておく。
[ 全般 ] タブ [バックアップされたファイルを元のファイルと比較し、データが正しくバックアップされたか確認する] オン [ ファイルの種類 ] タブ [選択したファイルすべて] すべてオン [ 除外するファイル ]
タブ[除外するファイル] 既定では何も追加されていない。追加されているときは、バックアップを取りたいものは [削除] ボタンをクリックして削除する。 [ レポート ] タブ [バックアップされたファイルの一覧] オン [ 詳細設定 ] タブ [Windows レジストリもバックアップする] オン [OK] ボタンをクリックし、ダイアログ ボックスを閉じる。
[バックアップ] タブの [バックアップする項目] が [選択したファイルすべて] になっていることを確認する。また、バックアップするドライブすべてにチェックが付いていることを確認する。
参考
ここで、ネットワーク ドライブを割り当ててあっても、バックアップの対象にならない。バックアップをすべてのドライブで取る必要がないか、MO などのメディアに分割して明示的にバックアップを取りたい場合は、[選択したファイル、フォルダ、ドライブのバックアップ] を選択してもよい。[バックアップを保存する場所] として、適切なオプションを選択する。
[開始] ボタンをクリックすると、「このジョブを今開始しますか」のメッセージが表示されるので、 [はい] ボタンをクリックする。
[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスが表示されたら、わかりやすい名前を付けて、 [保存] ボタンをクリックする。
バックアップが完了したら、念のため [復元] タブでバックアップ ファイルを参照し、バックアップが適切に取れていることを確認する。
参考
エラーが発生したときには、\Program Files\Accessories\Error.log を参照し、エラーの対象が重要なファイルでないかどうかを確認する。場合によっては、再度バックアップを取り直す。
3-4-4 Windows 98 への復元
Windows 98 では、「システム回復ウィザード」を利用して、システムの復元を計ることができる。ここでは、Windows 2000 Professional へのアップグレードが途中で失敗したときを想定して、Windows 98 への復元手順を説明する。
手順 ハードディスクのフォーマット
Windows 98 の起動ディスクを挿入し、コンピュータの電源をオンにする。
Microsoft Windows 98 Startup Menu で「2. Start Computer with CD-ROM support」を選択する。しばらく待つと、コマンド プロンプトが表示される。
参考
ファイル システムが NTFS に変換されている場合は、「FDISK」を起動し、起動ドライブ (C:) をいったん削除して、再起動する。コマンド プロンプトで「format c:」 (フォーマット先が C ドライブの場合) と入力して、 [Enter] キーを押す。
「ハードディスクのデータはすべてなくなります」というメッセージに続いて、「フォーマットしますか (y/n) ?」のプロンプトが表示されたら、「y」キーを押す。
フォーマットが開始されるので、そのまましばらく待つ。フォーマットが終了すると、ボリューム ラベルの入力を求められる。
ボリューム ラベルを入力して (半角 11 文字以内) 、 [Enter] キーを押す。
コマンド プロンプトで「sys c:」と入力して、 [Enter] キーを押す。 システム ファイルがハードディスク (C:) に転送される。転送が終了すると、「システムが転送されました」というメッセージが表示され、コマンド プロンプトに戻る。
コマンド プロンプトで「fdisk /mbr」と入力して、 [Enter] キーを押す。
ハードディスクの MBR が Windows 98 用に書き換えられ、Windows 2000 が削除された後でも、ハードディスクから起動できるようになる。
手順 Windows 98 への復元
Windows 98 CD-ROM をドライブに挿入する。
コマンド プロンプトで「cd x:\tools\sysrec」 (x: は CD-ROM ドライブ) と入力して、 [Enter] キーを押す。
システム回復ウィザードを起動するために、「pcrestor.bat」と入力して [Enter] キーを押す。
指示に従って、Windows 98 をインストールする。インストールが完了すると、システム回復ウィザードが起動する。
[次へ] ボタンをクリックする。
[名前] と [会社名] を適宜入力し、 [次へ] ボタンをクリックする。
[完了] ボタンをクリックする。
バックアップ デバイスが見つからない旨のメッセージが表示される。ローカルのハードディスクや、ネットワーク上の共有フォルダにバックアップを取った場合は、 [いいえ] ボタンをクリックする。
「Microsoft Backup へようこそ」画面が表示されたら、 [バックアップ ファイルの復元] のチェックをオンにし、 [OK] ボタンをクリックする。
ファイルのある場所を指定して、 [次へ] ボタンをクリックする。
「バックアップ セットの選択」画面が表示されたら、 [復元する項目] のチェックをオンにして、 [OK] ボタンをクリックする。バックアップ ファイルの中に保存されているファイルのリスト (カタログ) を作成する処理が開始される。
カタログの作成が完了すると、復元項目を選択する画面が表示される。必要なドライブごとにチェックをオンにし (基本的にはすべてオンにしてよい) 、 [次へ] ボタンをクリックする。
[復元する場所] では [元の場所] が選択されているので、そのまま [次へ] ボタンをクリックする。
「復元方法の指定」画面では、 [コンピュータにあるファイルを常に置き換える] のチェックをオンにして、 [開始] ボタンをクリックする。
注意
前の状態に完全に戻すことが目的なので、[コンピュータにあるファイルを常に置き換える] オプションを使用する。「必要なメディア」画面が表示されたら、 [OK] ボタンをクリックする。
「レジストリも復元しますか ?」のメッセージが表示されたら、 [はい] ボタンをクリックする。次に表示される「ハードウェアとシステムの設定」のメッセージも、 [はい] ボタンをクリックする。
以上で、復元が開始される。
次のようなメッセージが表示されるが、 [OK] ボタンをクリックして進める。
復元処理が終了すると、完了メッセージが表示されるので、 [OK] ボタンをクリックする。
警告が出た場合は、 [レポート] ボタンをクリックして、警告の内容を確認する。確認できたら、 [OK] ボタンをクリックする。
再起動を求めるメッセージが表示されたら、 [はい] をクリックして、再起動する。
OS が正常動作していること、普段使用しているアプリケーションが起動することなどを確認する。
エラーが発生したり、アプリケーションの動作がおかしいときは、ログ ファイルを参照し、復元に失敗していないかどうかを確認する。場合によっては、そのファイルだけ復元を再試行してみる。
3-5 Windows 2000 のバックアップと復元
Windows 2000 のバックアップについては、本来、アップグレードに必須の作業ではなく、運用の部類に入る話だが、Windows NT のバックアップ プログラムとの違いを見るためにも、ここで簡単に説明する。
解説の要約
ブート ディスクの作成方法を把握する
修復ディスクの作成方法を把握する
Windows 2000 のバックアップ ツールの操作を覚える
復元の手順を覚える
図解・イメージ
システム修復ディスクとブートディスクの作成
Windows 2000 のバックアップツールでは、バックアップ、復元ができるだけでなく、システム修復ディスクの作成も行える
関連解説
「付録 ブートの仕組みと boot.ini の記述方法」
3-5-1 システム修復ディスクとブート ディスクの作成 (Windows 2000)
Windows 2000 は、Windows 9x のように 1 枚のフロッピー ディスクだけでシステムを起動することはできない。ただし、新しくサポートされた「回復コンソール」によって、CD-ROM または、ハードディスクにインストールされたファイルを使ってコマンドラインだけのモードで起動できるようになった。このため、Windows 2000 のシステム ファイルの一部が壊れた場合には、システム パーティションを FAT にしておかなくても、ファイルを変更したり、置き換えたりすることができる。また、Windows 9x のようにセーフ モードもサポートされるようになったので、これまでのように再インストールやシステム修復にかかる手間が軽減された。
なお、Windows 2000 では、「RDISK」コマンドはサポート外になり、システム修復ディスクもバックアップ プログラムから作成するようになった。さらに、Windows NT では、 [ディスク アドミニストレータ] から明示的にディスク構成を保存することができたが、Windows 2000 では、ディスク構成の情報がハードディスク自体に記録されるようになったので、ディスク構成情報を明示的に保存しなくてもよい。
システム修復ディスクの作成
Windows 2000 を正しく修復するためには、Windows NT と同様に、Windows 2000 の各種情報を「システム修復ディスク」として保存しておかなければならない。次の手順のように、システム修復ディスクの作成を行う。
手順 システム修復ディスクの作成
フォーマットされたフロッピー ディスクを1枚用意する。
[スタート] - [プログラム] - [アクセサリ] - [システムツール] - [バックアップ] をクリックする。 [ウィザード] タブに「Windows 2000 バックアップと回復ツール」画面が表示される。
「Windows 2000 バックアップと回復ツールの開始」画面には、3 つのウィザード ボタンがあり、ファイルとフォルダのバックアップ、復元、修復ディスクの作成を行うことができる。バックアップや復元は、ウィザードを使わなくても、 [バックアップ] タブや [復元] タブから直接設定項目を指定し実行することもできる。修復ディスクの作成も、 [ツール] メニューの [システム修復ディスクの作成] から実行できる。
参考
起動したときにリムーバブル メディアが検出されると、右のメッセージが表示される。[互換性のあるインポート メディアをすべてバックアップに割り当てる] のチェック ボックスをオンにしておくと、管理コンソールなどでメディアをバックアップに割り当てなくても、自動的に割り当てるようになる。[システム修復ディスク] ボタンをクリックする。 フォーマット済みのフロッピー ディスクの挿入を求めるメッセージが表示されたら、フロッピー ディスクをドライブに挿入する。
[修復ディレクトリのレジストのバックアップも作成する] のチェック ボックスをオンにして、 [OK] ボタンをクリックすると、ファイルのコピーが始まる。進行状況が表示されるので、そのまましばらく待つ。
参考
[修復ディレクトリのレジストリのバックアップも作成する] をチェックすると、レジストリを %SystemRoot%\repair にバックアップできる。これは、システム回復時に使用される。修復ディスクの作成が完了すると、次のようなメッセージが表示される。 [OK] ボタンをクリックすると、 [バックアップ] ダイアログ ボックスに戻る。
ディスクのラベルに「システム修復ディスク」と明記する。日付とコンピュータ名も忘れずに書き込んでおく。
セットアップ ディスクの作成
セットアップ ディスクは、何らかの障害が発生して、Windows 2000 を再度インストールするか、修復するかという事態に対応するために作成しておくものである。
Windows 2000 からは、CD-ROM ブートできるコンピュータが標準として扱われるようになったため、製品にフロッピー ディスクが付属していない。このため、CD-ROM ブートできないコンピュータを使用している場合は、このディスクを作成しておく必要がある。セットアップ ディスクは、Windows 2000 CD-ROM の \bootdisk フォルダ内にある Makebt32.exe (32 ビット版) 、または、Makeboot.exe (16 ビット版) を使って作成することができる。
ブート ディスクの作成
ブート ディスクを作成しておくと、ハードディスクの MBR に問題を起こし、システムが起動できない状態になっていても、システム自体がハードディスクに残っていれば OS を起動できるようになる。また、回復コンソールを「winnt32 /cmdconsole」でインストールしておき、ここからもブートできるようにしておけば、CD-ROM を使って回復コンソールを起動するより、はるかに早く修復作業を行うことができる。この実際の手順は、基本的に Windows NT と同じなので、「3-2-1 システム修復ディスクとブート ディスクの作成」を参照してほしい。また、詳細については、「付録 ブートの仕組みと boot.ini の記述方法」を参照のこと。
3-5-2 バックアップの実行
Windows 2000 のバックアップ ユーティリティは、テープ ドライブ、論理ディスク、リムーバブル ディスク、書き込み可能な CD など、さまざまなメディアがサポートされている。使用方法もウィザードが用意されており、より簡単に利用できるようになった。 まず、サービスの停止を行ってから、バックアップ作業を行う。
手順 サービスの停止
Administrators グループか Backup Operators グループのメンバーであるアカウントでログオンする。
最低限のサービスを残して、サービスを停止する。 特にサーバー サービスやデータベース サーバー、メール サーバーなどは、必ず停止する。また、ウィルス検知ソフトなども停止する。
[スタート] - [プログラム] - [管理ツール] - [サービス] をクリックして、サービスの一覧を開く。
参考
デスクトップの [マイ コンピュータ] をマウスの右ボタンでクリックし、[管理] をクリックしてもよい。この場合、[サービスとアプリケーション] ツリーを展開してサービスをクリックする。停止するサービスをダブルクリックするか、マウスの右ボタンでクリックして、 [プロパティ] を選択する。
サービスのプロパティが表示されたら、 [停止] ボタンをクリックする。
参考
停止したサービスに依存関係のあるサービスは、自動的に停止する。これは Windows NT と同様だが、Windows 2000 では [依存関係] タブをクリックすると、依存関係を参照することができる。バックアップ後に再度サービスを開始したときには、このタブを参照しながら、下位のサービスも忘れずに開始させる。注意
Windows NT のバックアップでも説明した「net send」コマンドは、Windows 2000 でも使うことができるので、実運用に入ってからのサービス停止時には、メッセージをユーザーに送るようにした方がよいだろう。
SQL Server などを使用している場合は、いったんサービスを一時停止する。この状態では、新規のユーザーがデータベースに接続することができなくなるが、既に接続していたユーザーはアクセスを続けることができる。そして、既存の接続がすべてなくなってから、停止するような配慮も必要である。
手順 バックアップ
[スタート] - [プログラム] - [アクセサリ] - [システムツール] - [バックアップ] をクリックする。 [ウィザード] タブに「Windows 2000 バックアップと回復ツール」の画面が表示される。
[バックアップ ウィザード] ボタンをクリックすると、バックアップ ウィザードが起動するので、 [次へ] ボタンをクリックする。
「バックアップを作成する項目」画面で、 [コンピュータ上のすべてのファイルのバックアップを作成する] のチェックがオンになっているのを確認して、 [次へ] ボタンをクリックする。
参考
「バックアップを作成する項目」画面では、コンピュータ上のすべてのファイルをバックアップするか、一部のファイルをバックアップするか、システム状態のみをバックアップするかを選択する。Windows 2000 では、[システム状態データのみのバックアップを作成する] というオプションが新しく加わっている。これは、レジストリだけでなく、Active Directory や COM+ クラス登録データベースなども確実にバックアップすることができる。システム状態は、なるべく頻繁にバックアップを取るようにしたい。[コンピュータ上のすべてのファ
イルのバックアップを作成する]ローカルコンピュータ上のすべてのファイル、フォルダがバックアップされる。これにはシステム状態データも含まれる。 [選択したファイル、ドライブ、
ネットワーク データのみのバッ
クアップを作成する]バックアップするファイルを[バックアップ項目]画面で任意に選択する。[マイコンピュータ] の [システム状態] を選択すると、システム状態もバックアップできる。 [システム状態データのみのバ
ックアップを作成する]システム状態だけをバックアップする。 「バックアップを保存する場所」画面では、 [バックアップ メディアの種類] と [バックアップを格納するメディア名またはファイル名] を指定し、 [次へ] ボタンをクリックする。
参考
バックアップ メディアの確認は、[コンピュータの管理] の [リムーバブル メディア] で行うことができる。[コンピュータの管理] を起動するには、[スタート] - [プログラム] - [管理ツール] - [コンピュータの管理] をクリックする。「バックアップ ウィザードの完了」画面が表示されたら、 [詳細設定] ボタンをクリックする。 [バックアップの内容] 、 [バックアップ項目] 、 [バックアップを保存する場所] の確認を行い、必要であれば変更する。
参考
詳細項目は、[ツール] メニューの [オプション] で指定してある設定が既定値として使われる。したがって、[オプション] で指定してある値を確認していない場合は、詳細設定を行った方がよい。たとえば、詳細設定を行わないと、既定ではバックアップ後にデータの検証が行われないなどの問題がある。「バックアップ ウィザードの完了」画面で [完了] ボタンをクリックすると、バックアップが開始される。
バックアップが開始されると、「バックアップの進行状況」画面が表示され、バックアップのプロセスを監視できる。 [キャンセル] ボタンをクリックすると、バックアップは中止される。
バックアップが完了したら、 [レポート] ボタンをクリックすると、詳細レポートが表示されるので確認する。 [閉じる] ボタンをクリックして終了する。
テープ メディアを使用している場合は、忘れずにラベルにわかりやすい名称を付けておく。
参考
システム状態データ
Windows 2000 から導入されたバックアップ オプション。Windows 2000 が OS として使用しているデータベースを指す。コンピュータの種類や実行しているサービスによって、そこに含まれるデータ要素が変わる。また、個々の要素を指定してバックアップはできない。Windows 2000 バックアップでは、このオプションを指定すると自動的に全要素がバックアップされる。システム状態に含まれるデータ要素 * Server は、証明書サービスを実行しているコンピュータのこと。証明書サービスを実行していない場合は、Professional と同じ。
システム状態データ要素 DC Server Professional レジストリ ○ ○ ○ COM+ クラス登録データベース ○ ○ ○ ブート ファイル ○ ○ ○ Certificate Server ○ ○ × Active Directory ○ × × SysVol フォルダ ○ × ×
* Server は、証明書サービスを実行しているコンピュータのこと。証明書サービスを実行していない場合は、Professional と同じ。
3-5-3 Windows 2000 への復 元
Windows 2000 の復元方法は、Server も Professional もほぼ同じと考えてよい。ただし、Server では各種のサービスが動作しているため、復元後に動作確認を行った方がよいものが多い。特に、Server を DC にしている場合には、Active Directory を復元しなければならないなど難しい面があり、慎重に作業を行ってもらいたい。
次の手順のように、Windows 2000 への復元を行う。
手順 Windows 2000 への復元
[スタート] - [プログラム] - [アクセサリ] - [システムツール] - [バックアップ] をクリックする。 [ウィザード] タブに「Windows 2000 バックアップと回復ツール」の画面が表示される。
[復元ウィザード] ボタンをクリックすると、復元ウィザードが起動するので、 [次へ] ボタンをクリックする。
「復元する項目」画面が表示されたら、 [復元する項目] のウィンドウから任意のメディアを展開し、復元するドライブのチェック ボックスをオンにする。このとき、複数のメディアから、同時に選択することはできないので注意すること。
[次へ] ボタンをクリックすると、 [復元ウィザードの完了] が表示される。
[詳細設定] ボタンをクリックして、復元の設定を確認した後、 [完了] ボタンをクリックする。
参考
[詳細設定] では、[復元する場所] [復元する方法] [特別なオプション] について参照と変更ができる。基本的には、詳細設定はそれほど変更の必要はないだろう。しかし、既定では、ハードディスクにあるファイルは復元しないので、障害が発生したときなどは、詳細設定で、[ディスク上のファイルが古い場合のみ置き換える] または [常にディスクのファイルを置き換える] を選択する必要がある。参考
復元先は、元の場所以外にも指定できる。復元前にファイルの中身を確認したい場合は、復元先を指定する。なお、NTFS を使用しているフォルダのバックアップでは、セキュリティを復元するオプションが既定で選択されている。このオプションは必要ない限りははずさずに、復元先も NTFS のディスクにする。復元が完了すると、 [閉じる] と [レポート] ボタンが現れる。 [レポート] ボタンをクリックすると復元レポートが表示される。確認後、 [閉じる] ボタンをクリックして終了する。
※ この文書は株式会社 IDG ジャパンの協力により書籍の一部を抜粋したものです。