Tablix データ領域について (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

Tablix データ領域は、行と列で構成されたセルにレポート データを表示する、汎用のレイアウト レポート アイテムです。レポート データには、データ ソースから取得される詳細データや、指定したグループに分類される集計詳細データなどがあります。各 Tablix セルには、テキスト ボックスや画像、Tablix 領域などの他のデータ領域、グラフ、ゲージなど、任意のレポート アイテムを含めることができます。複数のレポート アイテムをセルに追加するには、まず、コンテナーとして機能する四角形を追加します。次に、四角形にレポート アイテムを追加します。

テーブル、マトリックス、一覧などのデータ領域は、基になる Tablix データ領域のテンプレートによってリボン上に表されます。これらのテンプレートのいずれかをレポートに追加すると、実際には、特定のデータ レイアウトに最適化された Tablix データ領域が追加されます。既定では、テーブル テンプレートはグリッド レイアウトに詳細データを表示し、マトリックスはグリッド レイアウトにグループ データを表示し、一覧は自由な形式のレイアウトに詳細データを表示します。

テーブルまたはマトリックスの各 Tablix セルには、既定でテキスト ボックスが含まれます。一覧のセルには四角形が含まれます。既定のレポート アイテムは、別のレポート アイテム (画像など) に置き換えることができます。

テーブル、マトリックス、または一覧のグループを定義すると、レポート ビルダーおよびレポート デザイナーによって、グループ化されたデータを表示するための行と列が Tablix データ領域に追加されます。

Tablix データ領域を理解するには、まず次の内容を理解する必要があります。

  1. 詳細データとグループ化されたデータの違い。

  2. グループ階層のメンバーとして構成されるグループ。水平軸に沿って構成されるグループは行グループ、垂直軸に沿って構成されるグループは列グループです。

  3. Tablix データ領域の 4 つの部分 (本体、行グループ ヘッダー、列グループ ヘッダー、およびコーナー) の Tablix セルの目的。

  4. 静的および動的な行と列、およびこれらの行および列とグループとの間の関係。

これらの概念を理解すると、テンプレートの追加とグループの作成を行う際にレポート ビルダーおよびレポート デザイナーによって自動的に追加される構造を把握し、独自のニーズに合わせてその構造を変更することができます。レポート ビルダーおよびレポート デザイナーには、Tablix データ領域の構造の把握に役立つ複数の視覚インジケーターが用意されています。詳細については、「Tablix データ領域のセル、行、および列について (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

注意

レポート定義 (.rdl) は、Business Intelligence Development Studio のレポート ビルダー 3.0 およびレポート デザイナーで作成および変更できます。これらの作成環境では、レポートおよび関連アイテムの作成方法、開く方法、および保存方法が異なります。詳細については、microsoft.com Web サイトの「レポート デザイナーとレポート ビルダー 3.0 でのレポートのデザイン (SSRS)」を参照してください。

詳細データとグループ化されたデータについて

詳細データとは、データ ソースから取得されたレポート データセットのすべてのデータです。通常、詳細データは、データセット クエリを実行する際にクエリ デザイナーの結果ペインに表示されます。実際の詳細データには、作成した計算フィールドが含まれており、データセット、データ領域、および詳細グループで設定されているフィルターによって制限されます。[Quantity] などの簡単な式を使用して、詳細行に詳細データを表示できます。レポートを実行すると、実行時にクエリ結果の行ごとに詳細行が 1 回繰り返されます。

グループ化されたデータとは、[SalesOrder] などのグループ定義で指定する値によって分類された詳細データです。グループ化されたデータをグループ行およびグループ列に表示するには、[Sum(Quantity)] など、グループ化されたデータを集計する簡単な式を使用します。詳細については、「グループについて (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

グループ階層について

グループは、グループ階層のメンバーとして構成されます。行グループと列グループの階層は、異なる軸に沿った同一の構造です。行グループはページを垂直に展開したもの、列グループはページを水平に展開したものと考えることができます。

ツリー構造は、親子リレーションシップを持つ入れ子になった行および列グループを表します。カテゴリとサブカテゴリなどがその例です。親グループはツリーのルートであり、子グループはその分岐です。区域別の売上高や年度別の売上高など、グループには、独立した隣接するリレーションシップが存在する場合もあります。関連しない複数のツリー階層をフォレストと呼びます。Tablix データ領域の場合、行グループと列グループはそれぞれ、独立したフォレストとして表されます。詳細については、「グループについて (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

Tablix データ領域部分について

Tablix データ領域には 4 つのセル領域 (Tablix コーナー、Tablix 行グループ階層、Tablix 列グループ階層、Tablix 本体) があります。Tablix 本体は常に存在します。その他の領域は省略可能です。

Tablix 本体領域のセルには、詳細データとグループ データが表示されます。

行グループを作成すると、セルが行グループ領域に自動的に作成されます。これらは行グループ ヘッダー セルであり、既定で行グループ インスタンス値が表示されます。たとえば、[SalesOrder] でグループ化した場合、グループ インスタンス値は、グループ化された個々の販売注文です。

列グループを作成すると、セルが列グループ領域に自動的に作成されます。これらは列グループ ヘッダー セルであり、既定で列グループ インスタンス値が表示されます。たとえば、[Year] でグループ化した場合、グループ インスタンス値は、グループ化された個々の年度です。

行グループと列グループの両方を定義すると、Tablix コーナー領域にセルが自動的に作成されます。この領域のセルはラベルを表示したり、セルを結合してタイトルを作成したりできます。

詳細については、「Tablix データ領域部分について (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

静的および動的な行と列について

Tablix データ領域では、セルが、グループに関連付けられた行と列に分類されます。行グループと列グループのグループ構造は同じです。この例では行グループを使用しますが、同じ概念を列グループにも適用できます。

行には静的なものと動的なものがあります。静的な行は、グループに関連付けられていません。レポートを実行すると、静的な行は 1 回表示されます。テーブル ヘッダーとテーブル フッターは静的な行です。静的な行にはラベルや合計が表示されます。静的な行のセルのスコープは、データ領域に設定されます。

動的な行は、1 つまたは複数のグループに関連付けられています。動的な行は、最も内側のグループの一意のグループ値ごとに 1 回表示されます。動的な行内のセルのスコープは、そのセルが属する最も内側の行グループおよび列グループに設定されます。

デザイン画面にテーブルまたは一覧を追加すると、動的な詳細行は、自動的に生成される詳細グループに関連付けられます。定義上、詳細グループは、Tablix データ領域の最も内側のグループです。詳細行内のセルには詳細データが表示されます。

既存の Tablix データ領域に行グループまたは列グループを追加すると、動的なグループ行が作成されます。動的なグループ行内のセルには、既定のスコープの集計値が表示されます。

[合計の追加] 機能によって、そのグループにスコープが設定されている値を表示するための行が、現在のグループの外側に自動的に作成されます。静的な行および動的な行は、手動で追加することもできます。視覚インジケーターは、静的な行と動的な行を見分けるのに便利です。詳細については、「Tablix データ領域のセル、行、および列について (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。