Office 2010 のサイレント インストールを構成する

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2011-12-06

Config.xml ファイルを使用して、Microsoft Office 2010 のサイレント インストールを構成できます。

Config.xml ファイルは、インストール タスクの構成に使用され、セットアップの実行時にのみ使用されます。このファイルは、ユーザーのコンピューターにインストールされることも、キャッシュされることもありません。Config.xml ファイルを編集してインストールをカスタマイズできます。

既定では、Config.xml ファイルは、コア製品フォルダーの core_product_folder_name.WW に格納され、該当する製品をインストールするようにセットアップに指示します。たとえば、ProPlus.WW がフォルダー名の場合、ProPlus.WW フォルダー内の Config.xml ファイルは Microsoft Office Professional Plus 2010 をインストールします。

企業規模の展開で、キー管理サービス (KMS) ライセンス認証を使用して Office 2010 をライセンス認証する場合は、プロダクト キーの入力は必要ありません。これは、すべてのボリューム ライセンス版の Office 2010 には、あらかじめ KMS クライアント キーがインストールされているためです。KMS は、マイクロソフト ボリューム ライセンス プログラムでライセンスされている製品をライセンス認証するために、Office ライセンス認証テクノロジによって提供される方法の 1 つです。ボリューム ライセンス版の Office 2010 をインストールするとき、Office により、ライセンス認証する KMS ホストが見つけられます。

マルチ ライセンス認証キー (MAK) もまた、マイクロソフト ボリューム ライセンス プログラムの下でライセンスされている製品をライセンス認証するために、Office ライセンス認証テクノロジで提供されている方法の 1 つです。MAK ライセンス認証を使用する場合は、Config.xml ファイルで PIDKEY 要素を使用して、MAK キーを追加できます。PIDKEY 要素は、ボリューム ライセンス版の Office 2010 でのみ使用されます。Office 365 の Office Professional Plus には適用されません。

Config.xml ファイルで Setting 要素の AUTO_ACTIVATE プロパティを使用すると、Office 2010 の展開中に製品のライセンス認証が自動的に行われるように指定できます。

重要

AUTO_ACTIVATE プロパティがインストールに追加されると、Office 2010 のライセンス認証の試みが一度だけ実行されます。(プロキシの問題、ユーザーの権利、インターネット接続問題などが原因で) ライセンス認証の試みに失敗すると、別の試みは実行されず、ユーザーは後から Office 2010 をライセンス認証するように促されます。

ボリューム ライセンス認証の詳細については、「Office 2010 のボリューム ライセンス認証を計画する」と「Office 2010 のボリューム ライセンス認証を展開する」を参照してください。Config.xml の要素と構文の詳細については、「Office 2010 の Config.xml ファイル」を参照してください。

Config.xml ファイルを変更して、サイレント インストールと自動ライセンス認証を構成する (MAK キーを使用)

Office 2010 製品のサイレント インストール (無人インストール) では、ユーザーは操作を行う必要はありません。このインストールを構成するには、以下の手順に示すように、インストールする製品の Config.xml ファイルを変更し、Display 要素の Level 属性を "none" に設定 (Display Level="none") した後、Config.xml ファイルを保存します。Display 要素は、セットアップ時のユーザー インターフェイスの表示レベルを指定します。以下の手順では、MAK キーと自動ライセンス認証オプションを追加する方法についても示します。

Config.xml のサイレント インストール オプションを指定するには

  1. テキスト エディター ツール (メモ帳など) を使用して、インストールする Office 製品 (Office Professional Plus 2010 など) の Config.xml ファイルを開きます。

  2. 次の例に示すような、Display 要素を含む行を探します。

    <!-- <Display Level="full" CompletionNotice="yes" SuppressModal="no" AcceptEula="no" /> -->

  3. 目的のサイレント オプションを使用するように Display 要素のエントリを変更します。コメント区切り記号 "<!--" と "-->" を削除します。たとえば、構文は次のようになります。

    <Display Level="none" CompletionNotice="no" SuppressModal="yes" AcceptEula="yes" />

    これらのオプションによって、サイレント インストールを実行し、情報の入力を求める画面をユーザーに表示せず、インストールでユーザー操作を待機しないようにセットアップに指示されます。構文および Config.xml の詳細については、「Office 2010 の Config.xml ファイル」の「Display 要素」を参照してください。

  4. MAK キーを追加するには、PIDKEY 要素を使用して 25 文字のボリューム ライセンス キーを入力します。Config.xml ファイルに次の行を追加します。

    <PIDKEY Value=" AAAAABBBBBCCCCCDDDDDEEEEE" />

    AAAAABBBBBCCCCCDDDDDEEEEE は、プロダクト キーです。Office 2010 では組織固有の MAK プロダクト キーを使用します。

  5. 自動ライセンス認証オプションを設定するには、Config.xml ファイルに次の行を追加します。

    <Setting Id="AUTO_ACTIVATE" Value="1" />

    AUTO_ACTIVATE を設定しない場合は、AUTO_ACTIVATE の値を 0 に設定したときと同じ状態になります。したがって、Office 2010 の展開時に製品のライセンス認証は実行されません。

  6. Config.xml ファイルを保存します。

重要

Office 2010 をインストールするときは、Office アプリケーションが実行されていないことを確認してください。

たとえば、Config.xml ファイルを変更してサイレント インストールのオプションを指定した後で、Office Professional Plus 2010 をインストールするには、次のコマンドを使用します。

\\server\share\setup.exe /config \\server\share\ProPlus.WW\config.xml

ここで、

\\server\share は、Office Professional Plus 2010 ソース ファイルへのパスです。

/config は、Config.xml ファイルの場所を指定するセットアップのコマンド ライン オプションです。「Office 2010 のセットアップのコマンド ライン オプション」を参照してください。

\\server\share\ProPlus.WW\config.xml は、Office Professional Plus 2010 用に変更した Config.xml ファイルの場所です。

注意

前の例で説明したように、Config.xml ファイルを使用してサイレント インストール オプションを設定する場合、Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して、追加のカスタマイズ項目を構成するセットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) を作成することもできます。たとえば、OCT を使用して、以前のバージョンの Microsoft Office アプリケーションのうち、どのアプリケーションを残して、どのアプリケーションを削除するかを指定できます。また、OCT を使用して、Office 機能の既定のインストール方法を変更することで、機能のインストール状態を設定することもできます。OCT を使用して構成可能な領域の詳細については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。OCT は、Office 2010 (および 2007 Office system) のボリューム ライセンス版で使用できます。インストールする Office 2010 がボリューム ライセンス版であるかどうかを調べるには、Office 2010 インストール ディスクに Admin という名前のフォルダーが含まれているかどうかを確認します。Admin フォルダーがあれば、ボリューム ライセンス版、Admin フォルダーがなければ、製品版です。
OCT を使用してサイレント インストール オプションを設定することもできます。詳細については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」の「使用許諾契約とユーザー インターフェイス」セクションを参照してください。Config.xml ファイル内の Display 要素の Level 属性は、OCT の [表示レベル] オプションに相当します。企業規模の展開で、OCT を使用してセットアップをサイレント モードで実行する場合は、[表示レベル] を [なし] に設定することをお勧めします。このように設定しておくと、ユーザーに情報の入力を求める画面は表示されず、ファイルを使用している場合も、ユーザーの操作を待機してインストールが中断することはありません。[入力項目を表示しない] と [完了通知を表示する] オプションが無視され、[「使用許諾契約書」の条項に同意します] チェック ボックスがオンであることを確認する必要があります。また前に説明したように、管理者は、Office 2010 のインストール中に他の Office アプリケーションが実行されていないことを確認する必要もあります。

以下の例は、OCT を使用して、サイレント インストール オプションの設定、MAK プロダクト キーの入力を行い、自動ライセンス認証のために AUTO_ACTIVATE プロパティ値を指定する方法を示します。

OCT でサイレント インストールと自動ライセンス認証オプションを構成するには

  1. Office 2010 ソース ファイルが格納されたネットワーク インストール ポイントのルートから、コマンド ラインで「setup.exe /admin」と入力して、OCT を実行します。たとえば、\\server\share\Office14\setup.exe /admin と入力します。

  2. サイレント インストール オプションを設定するには、左側のウィンドウで [使用許諾契約とユーザー インターフェイス] を選択し、[表示レベル] ドロップダウン ボックスで [なし] を選択し、[入力項目を表示しない] を選択します。次に [完了通知を表示する] チェック ボックスをオフにして、[「使用許諾契約書」の条項に同意します] を選択します。

  3. MAK キーを入力するには、左側のページで [使用許諾契約とユーザー インターフェイス] を選択し、右側のページで [プロダクト キーの入力] を選択し、[プロダクト キー] テキスト ボックスに Office 2010 用の組織の MAK プロダクト キーを追加します。

  4. 自動ライセンス認証オプションを設定するには、左側のウィンドウで [セットアップのプロパティの変更] を選択し、右側のウィンドウで [追加] をクリックします。

  5. [プロパティ値の追加] ダイアログ ボックスの [名前] ボックスに「AUTO_ACTIVATE」と入力します。プロパティ名には大文字を使用する必要があります。

  6. [] ボックスに「1」と入力し、[OK] をクリックします。

  7. OCT でカスタマイズが完了したら、[ファイル] メニューの [名前を付けて保存] をクリックして、セットアップ カスタマイズ .msp ファイルを保存します。