Smooth Streaming for IIS 7.0 - ビット レートの変更

作成者 :John Bocharov

発行日 : 2009 年 2 月 23 日 (作業者 : dmnelson (英語))

更新日 : 2009 年 5 月 12 日 (作業者 : dmnelson (英語))

Internet Information Services (IIS) 7.0(英語)に対する Smooth Streaming 拡張機能を使用すると、Microsoft Silverlight 2.0(英語) の既定のクライアント実装で Web サーバーを Smooth Streaming サーバーとして設定できます。このドキュメントで説明するシナリオは次のとおりです。

  • 前提条件
  • Smooth Streaming ユーザー エクスペリエンス シミュレーターの使用
  • 使用可能な帯域幅の低下のシミュレーション
  • 使用可能な帯域幅の回復のシミュレーション
  • シーク操作時のユーザー エクスペリエンス

前提条件

この記事で紹介する事例には、Smooth Streaming サーバーが必要です。「Smooth Streaming for IIS 7.0 - はじめに」の手順に従って、Smooth Streaming サーバーをセットアップしてください。

Smooth Streaming ユーザー エクスペリエンス シミュレーターの使用

Smooth Streaming ユーザー エクスペリエンス シミュレーターを開くには、Web ブラウザーで https://localhost/Big_Buck_Bunny/UXSimulator.html にアクセスします。

メモ   : サンプル コンテンツを異なるコンテンツ ディレクトリに格納した場合は、Big_Buck_Bunny の代わりにそのディレクトリの URL を指定してください。コンテンツをリモート コンピューターから表示するには、localhost の代わりにそのサーバーの URL を指定してください。

この Web ページには、次のようなユーザー インターフェイスが表示されます。

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このインターフェイスは、各種の条件をシミュレートしたり再生状況を数値化したりするための以下のコンポーネントで構成されています。

[Current Bit Rate Selection] パネル (右上)

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右側の領域では、クライアントとサーバー間の使用可能なシミュレートされたビット レートを選択できます。使用可能なビット レートの低下をシミュレートするには、希望する赤色のバーをクリックします。使用可能なビット レートの上昇をシミュレートするには、希望する灰色のバーをクリックします。

左側の領域には、使用可能なエンコードされたビット レートが表示されます。緑色のバーは、現在実行されているダウンロードのビット レートを示します。ダウンロードのビット レートは、Silverlight でホストされている Smooth Streaming の発見アルゴリズムによって数秒ごとに決定します。シミュレートされた有効ビット レートが変更されてからダウンロードのビット レートが変更されるまでに、数秒の遅れが生じることがあります。

[Frame Rate History] パネル (右下)

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このパネルでは、再生フレーム レートの最近の履歴と現在の状態が、エンコードされたフレーム レートのパーセンテージとして表示されます。この情報に基づいて、使用可能なデコード能力がビット レートを決定する際の制限要因となっているかどうかを判断してください。ビデオ デコーダーとレンダラーで必要なリソースが使用可能な CPU リソースを上回るようになると (ハードウェア上の限界や他のプロセスによる CPU 使用が原因で)、Silverlight はリアルタイムのストリーム再生を維持するためにフレームをスキップしますが、その結果として、使用可能な最大フレーム レート (メディアのエンコードされたフレーム レート) と比べて明らかな再生フレーム レートの低下が生じます。再生フレーム レートの低下が大きすぎる場合は、ビデオ再生のスムーズさが失われて、デコード ノイズが現れ始めることがあります。高い再生品質を確保するために、Smooth Streaming のアルゴリズムは、フレームのスキップが過度に発生した場合はメディアのビット レートを制限します。これにより、デコードに必要な CPU 負荷が使用可能な CPU 能力の範囲内に維持されます。

[Bit Rate History] パネル (左下)

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このパネルには、再生時に使用されたビット レートの履歴が表示されます。このグラフの右端は常に、コンテンツを再生している現在のビット レートを示します。

使用可能な帯域幅の低下のシミュレーション

使用可能な帯域幅の低下をシミュレートするには、[Current Bit Rate Selection] パネルで赤色のバーをクリックします。次の図では、5000 Kbps (キロビット/秒) から 714 Kbps (サンプル コンテンツでは 3 本のバー) へ低下したようにシミュレートした様子を示しています。

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次の使用可能ビット レート決定ポイント (数秒後) で、Smooth Streaming の発見 アルゴリズムによって、このシミュレートされた低下に応じてダウンロードのビット レートが調整されます。この様子は、[Current Bit Rate Selection] パネルの緑色のバーで確認できます。

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Smooth Streaming クライアントは、低下前の高いビット レートでダウンロード済みのコンテンツを再生して可能な限り長い時間高品質を維持してから、ビット レートの低下後にダウンロードされたコンテンツを再生します。この様子は、[Bit Rate History] パネルで確認できます。

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使用可能な帯域幅の回復のシミュレーション

帯域幅が回復した時点で再生品質をシームレスに引き上げる機能は、すべてのユーザーがどの時点においても最大限の品質でコンテンツを再生できること を保証するために不可欠です。シミュレートされたビット レートを低い数値から開始して、ビット レートが上昇したときに Smooth Streaming クライアントの発見 アルゴリズムがどのように反応するかを調べてみましょう。[Current Bit Rate Selection] パネルで、赤色のバーの上にある灰色のバーをクリックして、シミュレートされたビット レートとして現在より高いものを選択します。

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次の使用可能ビット レート決定ポイントで、Smooth Streaming クライアントの発見 アルゴリズムは、クライアントとサーバー間の使用可能なシミュレートされたビット レートに一致するようにダウンロードのビット レートを変更します。この様子は、[Current Bit Rate Selection] パネルの緑色のバーで確認できます。

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その後まもなく、上昇したビット レートでダウンロードされたコンテンツの再生が開始します。この様子は、[Bit Rate History] パネルで確認できます。画質の変化を目立たなくするために、ビット レートが徐々に変更されることに注目してください。

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シーク操作時のユーザー エクスペリエンス

Smooth Streaming の発見 アルゴリズムは、シーク操作に対する再生画面の反応速度を高めるために、選択されたシーク位置のメディアを通常より低い帯域幅でダウンロードすることで、 シーク操作が実行されてからシーク位置の再生が開始するまでの時間差を小さくし、その後、使用可能なビット レートにすばやく回復させることで高い再生品質を維持します。この様子は、シーク操作後に [Bit Rate History] パネルで確認できます。

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