Server Core での IIS 7.0

作成者 : Tobin Titus 発行日 : 2007 年 11 月 16 日 (作業者 : pharr(英語))
更新日 : 2008 年 3 月 30 日 (作業者 : pharr(英語))

はじめに 

TechEd 2007 の発表 (英語)と Bill Staples のブログ投稿 (英語)からご存知かと思いますが、IIS 7.0 は Windows Server® 2008 の Server Core インストール オプションでもサポートされます。Server Core 上の IIS 7.0 は、新しく強力な Web サーバーと最小フットプリントのサーバー オペレーティング システムを結合して、必要なディスク スペースやメモリ使用量を削減し、攻撃を受けやすい側面も減少させて、管理の手間を軽減します。

この記事では、IIS 7.0 を Server Core で利用する基本的な導入手順 (従来の ASP と PHP アプリケーションを実行するためのインストール手順を含む) について説明します。

IIS 展開と構成に関するヒント 

Q1. Server Core 上で IIS 7.0 をインストールするには、どのようにしますか。

A. pkgmgr.exe コマンド ライン ツール オプションを使用して Server Core ボックスに IIS 7.0 をインストールできます。既定の IIS インストール オプションでは、コマンド ウィンドウで下記を入力します。

              start /w pkgmgr /iu:IIS-WebServerRole;WAS-WindowsActivationService;WAS-ProcessModel

 

IIS の完全インストール オプションでは、コマンド ラインに下記を入力します。

  start /w pkgmgr /iu:IIS-WebServerRole;IIS-WebServer;IIS-CommonHttpFeatures;IIS-StaticContent;IIS-DefaultDocument;IIS-DirectoryBrowsing;IIS-
HttpErrors;IIS-HttpRedirect;IIS-ApplicationDevelopment;IIS-ASP;IIS-CGI;IIS-ISAPIExtensions;IIS-ISAPIFilter;IIS-ServerSideIncludes;IIS-
HealthAndDiagnostics;IIS-HttpLogging;IIS-LoggingLibraries;IIS-RequestMonitor;IIS-HttpTracing;IIS-CustomLogging;IIS-ODBCLogging;IIS-
Security;IIS-BasicAuthentication;IIS-WindowsAuthentication;IIS-DigestAuthentication;IIS-ClientCertificateMappingAuthentication;IIS-
IISCertificateMappingAuthentication;IIS-URLAuthorization;IIS-RequestFiltering;IIS-IPSecurity;IIS-Performance;IIS-HttpCompressionStatic;IIS-
HttpCompressionDynamic;IIS-WebServerManagementTools;IIS-ManagementScriptingTools;IIS-IIS6ManagementCompatibility;IIS-Metabase;IIS-
WMICompatibility;IIS-LegacyScripts;IIS-FTPPublishingService;IIS-FTPServer;WAS-WindowsActivationService;WAS-ProcessModel

注意 :

1. IIS をアンインストールするには、「/iu:」の代わりに「/uu:」を上記のコマンドで指定します (例 : Start /w pkgmgr **/uu:**IIS-WebServerRole...)。

2. pkgmgr.exe の詳細については、こちらのリンクをクリックしてください。

    

Q2. IIS 7.0 の機能のうち、Windows Server 2008 の Server Core インストール オプションで利用できないのはどれですか。

Windows Server 2008 上の Server Core インストールは通常の Windows Server 2008 OS インストールとは異なります。簡潔に言うと、.NET Framework を利用できません (つまり ASP.NET がありません)。また、Windows のシェルがないため GUI 管理ツールを利用できません。Server Core インストール オプションにおける .NET Framework の提供とサポートについては検討中で、現時点では最終結論は出ていません。

A. 次の機能は Server Core でのインストール オプションには存在しません。

• IIS-ASPNET
• IIS-NetFxExtensibility
• IIS-ManagementConsole
• IIS-ManagementService
• IIS-LegacySnapIn
• IIS-FTPManagement
• WAS-NetFxEnvironment
• WAS-ConfigurationAPI

 

Q3. Server Core で従来の ASP をインストールするには、どのようにしますか。

A. 次の pkgmgr.exe コマンドを入力して、Server Core コンピューターに静的コンテンツ Web サーバーの機能と共に従来の ASP をインストールします。

Start /w pkgmgr /iu:IIS-WebServerRole;IIS-WebServer;IIS-CommonHttpFeatures;IIS-StaticContent;IIS-DefaultDocument;IIS-DirectoryBrowsing;IIS-
HttpErrors;IIS-ApplicationDevelopment;IIS-ASP;IIS-ISAPIExtensions;IIS-HealthAndDiagnostics;IIS-HttpLogging;IIS-LoggingLibraries;IIS-
RequestMonitor;IIS-Security;IIS-RequestFiltering;IIS-HttpCompressionStatic;IIS-WebServerManagementTools;WAS-WindowsActivationService;WAS-ProcessModel

Q4. Server Core で PHP をインストールするには、どのようにしますか。

A. Server Core 上に PHP をインストールして構成する手順は次のとおりです。

1. http://www.php.net/downloads.php (英語) からダウンロードした PHP のコンテンツをファイル共有に解凍します。

注 : Server Core はブラウザーをサポートしないので、ブラウザーからアクセスが可能なファイル共有に PHP コンテンツをダウンロードすることをお勧めします。

                     2. Server Core コンピューター上に %SystemDrive%\PHP ディレクトリを作成し、上記のファイル共有からローカル コンピューター上の %SystemDrive%\PHP フォルダーにフォルダーのコンテンツを xcopy します。

                     3. %SystemDrive%\PHP\PHP.INI-Recommended ファイルを %SystemDrive%\PHP\PHP.INI としてコピーします。

 

Q5. IIS サーバー上で Fast-CGI サポートをインストールして構成するには、どのようにしますか。

A. Q4 で PHP をインストールする手順を完了した後で、下記の手順に従って Fast-CGI をインストールして構成してください。

手順 1. 次のコマンド ラインを使用して、静的コンテンツ Web サーバーの機能と共に FastCGI の IIS 機能をインストールしてください。

Start /w pkgmgr /iu:IIS-WebServerRole;IIS-WebServer;IIS-CommonHttpFeatures;IIS-StaticContent;IIS-DefaultDocument;IIS-DirectoryBrowsing;IIS-
HttpErrors;IIS-ApplicationDevelopment;IIS-CGI;IIS-HealthAndDiagnostics;IIS-HttpLogging;IIS-LoggingLibraries;IIS-RequestMonitor;IIS-
Security;IIS-RequestFiltering;IIS-HttpCompressionStatic;IIS-WebServerManagementTools;WAS-WindowsActivationService;WAS-ProcessModel

注 : または、Q1 で説明した IIS の完全インストール オプションを選択することもできます。既定の IIS インストール オプションには、FastCGI インストールは含まれていません。

手順 2. 次の 2 つの c:\windows\system32\inetsrv\ にある appcmd.exe コマンドを入力することにより、コマンド ラインから PHP/FastCGI ハンドラー マッピングを作成します。

> AppCmd set config /section:system.webServer/fastCGI /+[fullPath='d:\php\php-cgi.exe']

> AppCmd set config /section:system.webServer/handlers /+[name='PHP-FastCGI',path='*.php',verb='*',modules='FastCgiModule',scriptProcessor='d:\php\php-cgi.exe',resourceType='Either']

注意 :

1. AppCmd.exe は、IIS 7.0 と共に出荷されている新しいコマンド ライン ツールです。AppCmd.exe は %WinDir%\System32\InetSrv ディレクトリにあります。AppCmd コマンド ライン ツールの詳細については、こちらのリンクをクリックしてください。
2. Q4 で説明した PHP インストールの場所によっては、ハード ディスク上の実行可能ファイルへのパスに更新プログラムが必要になります。上記のすべての appcmd のサンプル コマンドは、PHP インストールが D:\PHP フォルダーにあることを前提にしています。  

Server Core の管理に関するヒント 

このセクションでは、一般的なタスクまたは操作を実行するためのコマンド ライン ユーティリティとコマンドについて説明します。

Q1. Server Core インストールでコマンド ウィンドウを起動するには、どのようにしますか。

A. Ctrl + Alt + Del を押して、[タスク マネージャーの起動] を選択します。[Windows タスク マネージャー] ウィンドウで、[ファイル] をクリックし、メニューの [新しいタスクの実行] オプションを選択します。[新しいタスクの作成] ウィンドウで「cmd.exe」と入力して [OK] をクリックします。

 

Q2. Server Core インストール ボックスのリモート デスクトップを有効にするには、どのようにしますか。

A. 他の Windows Server 2008 または Vista コンピューターからアクセスする場合は、次のコマンド ラインからこれを実行します。

               Cscript %windir%\system32\SCRegEdit.wsf /ar 0

または、以前の Windows OS (Windows XP など) のコンピューターからアクセスする場合は、次のコマンド ラインを実行します。

                Cscript %windir%\system32\SCRegEdit.wsf /ar 0

                Cscript %windir%\system32\SCRegEdit.wsf /cs 0

 

Q3. 管理者パスワードを変更するには、どのようにしますか。

A. コマンド ウィンドウで「Net user administrator *」と入力します。プロンプトが表示されたら、管理者ユーザーの新しいパスワードを入力します。

 

Q4. ローカル管理者グループにユーザーを追加するには、どのようにしますか。

               Net localgroup Administrators /add <domain>\<username>

 

Q5. ローカル管理者グループにユーザーを追加するには、どのようにしますか。

               Net localgroup Administrators /add <domain>\<username> 

 

Q6. コンピューター名を変更するには、どのようにしますか。

A.  コンピューターがワークグループに属している場合は、コマンド ウィンドウで下記を入力します。

                 Netdom renamecomputer <currentcomputername> /NewName:<new computer name>

 <currentcomputername> は実際の名前ではなく、"localhost"で代用することも可能です。

 

または、コンピューターがドメインのメンバーである場合は、コマンド ウィンドウで下記を入力します。

                 Netdom renamecomputer <currentcomputername> /NewName:<new computer name> /userd:<domain>\<username> /password:*

 

Q7. コンピューターをドメインに参加させるには、どのようにしますか。

A. コマンド ウィンドウで下記を入力します。

                Netdom join %computername% /domain:<domain> /userd:<domain>\<username> /password:*

 

Q8. ドメインからコンピューターを削除するには、どのようにしますか。

A.

                   Netdom remove

 

Q9. ファイアウォールを無効するには、どのようにしますか。

 A.

             netsh firewall set opmode disable

 

Q10. Server Core コンピューターを再起動するには、どのようにしますか。

A.

            shutdown /r

 

Q11. 更新プログラムをインストールするには、どのようにしますか。

A.

   wusa <update_package_name.msu> /quiet

 

Q12. イベント ログにアクセスするには、どのようにしますか。

A. 「Wevtutil el」と入力して、イベント ログ名を列挙します。特定のログでエベントを参照または照会するには、「Wevtutil qe <イベント ログ名>」と入力します。

 

関連コンテンツ

記事

• Installing FastCGI Support On Server Core
• Using FastCGI to Host PHP Applications on IIS 6.0
• Using FastCGI to Host PHP Applications on IIS 7.0

追記：Server Coreコマンド集

よく使うコマンドの一覧表示		cscript c:\windows\system32\scregedit.wsf /cli
コンピュータ名の確認		set c または hostname または ipconfig /all または systeminfo
コンピュータ名の変更	ドメインに参加している場合	netdom renamecomputer %computername% /NewName:[新しいコンピュータ名] /UserD:[ドメインユーザー名] /PasswordD:*
ドメインに参加していない場合	netdom renamecomputer %computername% /NewName:[新しいコンピュータ名]
ワークグループの変更		wmic computersystem where name="%computername%" call joindomainorworkgroup name="[新しいワークグループ名]"
役割・機能	パッケージ一覧	Oclist
追加	start /w ocsetup [パッケージ名] Active Directory のインストールは dcpromo
アクティベーション	アクティベーションの実行	cscript slmgr.vbs -ato
状態の確認	cscript slmgr.vbs -dli cscript slmgr.vbs -dlv (ボリュームライセンス)
タスクマネージャーの起動		Ctrl-Shift-ESC
ツール (MSI パッケージ)	インストール	msiexec /I [MSIパッケージ]
一覧	wmic product
削除	wmic product get name /value wmic product where name="[ツール名]" call uninstall
デバイスドライバ	一覧	sc query type= driver (driver の前にスペース)
インストール	ドライバーファイルをコピー pnputil -i -a [パス]\[ドライバ].inf
更新プログラム	Windows Update の有効化	cscript c:\windows\system32\scregedit.wsf /au 4 net stop wuauserv net start wuauserv
更新プログラムの確認	wuauclt /detectnow
個別インストール	wusa [更新プログラム].msu /quiet
時計、時間帯の変更		control timedate.cpl
地域設定の変更		control intl.cpl
WinRM の初期設定		winrm quickconfig
ターミナルサービスの有効化		cscript c:\windows\system32\scregedit.wsf /ar 0 cscript c:\windows\system32\scregedit.wsf /cs 0 (以前のクライアント)