WebDAV リダイレクターの使用

発行日 : 2008 年 3 月 5 日 (作業者 : robmcm(英語))
更新日 : 2008 年 8 月 7 日 (作業者 : robmcm(英語))

はじめに

Microsoft は、Windows Server® 2008 用に完全に書き換えられた、新しい WebDAV 拡張モジュールを作成しました。この新しい WebDAV 拡張モジュールには多くの新機能が組み込まれており、Web 作成者にコンテンツの発行がしやすくなる環境を提供します。

このドキュメントでは、WebDAV リダイレクターを使用して、新しい WebDAV モジュールがインストールされた既存の Web サイトにコンテンツを発行する方法について説明します。

このチュートリアルの内容

  • WebDAV リダイレクターのインストール
  • WebDAV リダイレクターを使用したドライブのマッピング
  • WebDAV リダイレクターのトラブルシューティング
  • WebDAV リダイレクターのレジストリ設定

WebDAV リダイレクターのインストール

前提条件

  • Windows Vista または Windows Server 2008 を実行している必要があります。
  • WebDAV モジュールが既にインストールされている Web サーバーに接続している必要があります。
    : 詳細については、「IIS 7.0 での WebDAV のインストールと構成」を参照してください。

Windows Vista

Windows Vista を使用している場合、WebDAV リダイレクターは既にインストールされています。

Windows Server 2008

Windows Server 2008 を使用している場合、デスクトップ エクスペリエンス機能をインストールする必要があります。それには、次の手順を実行します。

  1. Windows のサーバー マネージャーを起動します。
  2. ツリー ビューで [機能] ノードを選択します。
  3. 詳細ペインで [機能の追加] をクリックします。
  4. 機能の追加ウィザードで、[デスクトップ エクスペリエンス] チェック ボックスをオンにし、[次へ] をクリックします。
  5. [インストール] をクリックします。
  6. 機能の追加ウィザードが完了したら、[閉じる] をクリックします。
  7. コンピューターの再起動を求めるメッセージが表示されたら、[はい] をクリックします。

WebDAV リダイレクターを使用したドライブのマッピング

WebDAV リダイレクターがインストールされたら、WebDAV が有効な Web サイトにドライブをマップできます。これを行うには、2 つの方法があります。

  • ネットワーク ドライブの割り当てウィザードを使用したドライブのマッピング
  • コマンド プロンプトからのドライブのマッピング

方法 1 : ネットワーク ドライブの割り当てウィザードを使用したドライブのマッピング

ネットワーク ドライブの割り当てウィザードを使用してドライブをマップするには、次の手順を実行します。

  1. ネットワーク ドライブの割り当てウィザードを開きます。このウィザードは、次のいずれかの方法で開くことができます。
    • Windows エクスプローラーでフォルダーを開き、[ツール][ネットワーク ドライブの割り当て] の順にクリックします。
      Ee155455.using webdav redirector fig1(ja-jp,TechNet.10).jpg
    • Windows のコントロール パネルで [ネットワークと共有センター] を開き、[ツール][ネットワーク ドライブの割り当て] の順にクリックします。
      Ee155455.using webdav redirector fig2(ja-jp,TechNet.10).jpg
    • デスクトップ上の [コンピューター] または [ネットワーク] アイコンを右クリックし、[ネットワーク ドライブの割り当て] をクリックします。
      Ee155455.using webdav redirector fig3(ja-jp,TechNet.10).jpg
  2. ネットワーク ドライブの割り当てウィザードが表示されたら、Web サイトの URL を入力して [完了] をクリックします。
    Ee155455.using webdav redirector fig4(ja-jp,TechNet.10).jpg
  3. 資格情報の入力を求められたら、ユーザー名とパスワードを入力して [OK] をクリックします。
    Ee155455.using webdav redirector fig5(ja-jp,TechNet.10).jpg
  4. これらの手順が完了すると、ネットワークにマップされたドライブを Windows エクスプローラーで開くことができます。
    Ee155455.using webdav redirector fig6(ja-jp,TechNet.10).jpg

: エラーが発生した場合は、「WebDAV リダイレクターのトラブルシューティング」のセクションを参照してください。

方法 2 : コマンド プロンプトからのドライブのマッピング

コマンド プロンプトからドライブをマップするには、次の手順を実行します。

  • Windows の [スタート] メニューをクリックします。

  • [すべてのプログラム] をクリックします。

  • [アクセサリ] をクリックします。

  • [コマンド プロンプト] をクリックします。

  • コマンド プロンプトが開いたら、次のコマンドを入力します。

    NET USE * http://www.example.com
    

    "www.example.com" を、使用するサーバーの URL に置き換えてください。

  • 完了すると、空いている次のドライブ文字が Web サイトにマップされます。

次の画像は、この一連の処理を示しています。

Ee155455.using webdav redirector fig7(ja-jp,TechNet.10).jpg

: エラーが発生した場合は、「WebDAV リダイレクターのトラブルシューティング」のセクションを参照してください。

WebDAV リダイレクターのトラブルシューティング

以下のエラー状況の一覧は、WebDAV の使用時に発生する可能性のある状況のトラブルシューティングに役立つことを目的としています。

1. WebDAV サイトにドライブをマップしようとする際に、次のエラーが発生することがあります。

System error 67 has occurred.

ネットワーク名が見つかりません。

これは、次のいずれかの状況が原因で発生します。

  • 接続しようとしているサーバーに IIS がインストールされていないか、または IIS が実行されていません。
  • クライアント システムに WebDAV リダイレクターがインストールされていません。
  • クライアント システムで WebClient サービスが実行されていません。
  • Web サイトで WebDAV が有効になっていません。
  • 基本認証を使用しており、HTTPS ではなく HTTP を使用して Web サイトに接続しようとしています。

2. WebDAV サイトにドライブをマップしようとする際に、次のエラーが発生することがあります。

System error 1920 has occurred.

ファイルにアクセスできません。

このエラーは、使用しているアカウントに対してオーサリング ルールが作成されていない場合に発生します。

3. WebDAV サイトにドライブをマップしようとする際に、次のエラーが発生することがあります。

System error 5 has occurred.

Access is denied.

これは、次のいずれかの状況が原因で発生します。

  • 使用しているアカウントが存在しません。
  • 使用しているアカウントに対して入力したパスワードが正しくありません。
  • 使用しているアカウントに、Web サイトのコンテンツに対する十分なアクセス許可がありません。
  • Web サイトでどの認証方法も有効になっていません。

4. HTTPS を使用して WebDAV サイトにドライブをマップしようとする際に、次のダイアログ ボックスが表示されることがあります。

Ee155455.using webdav redirector fig8(ja-jp,TechNet.10).jpg

これは、使用しているサイトの SSL 証明書が、使用しているアドレスの名前と一致しない場合に発生します。たとえば、"www.contoso.com" という名前のサイトに接続しており、SSL 証明書が "shopping.contoso.com" に対して発行されている場合などです。

5. WebDAV サイトにドライブをマップしようとする際に、次のエラーが発生することがあります。

System Error 1244 has occurred.

ユーザーが認証されていないため、要求された操作は実行されませんでした。

これは、次のいずれかの状況が原因で発生します。

  • 接続先のサーバーで、どの認証方法も有効になっていません。
  • WebDAV クライアントで、KB941050 または KB943280 で説明されている問題が発生しています。

6. WebDAV サイトにドライブをマップしようとする際に、次のエラーが発生することがあります。

System error 59 has occurred.

予期しないネットワーク エラーが発生しました。

これは、次のいずれかの状況が原因で発生します。

  • 接続しようとしている Web サイトが停止しています。
  • 接続しようとしている Web サイトのアプリケーション プールが停止しています。

7. WebDAV サイトにドライブをマップしようとする際に、次のエラーが発生することがあります。

System error 1397 has occurred.

Mutual Authentication failed.The server's password is out of date at the domain controller.

このエラーは、WebDAV クライアントで、KB941298 で説明されている問題が生じている場合に発生します。

WebDAV リダイレクターのレジストリ設定

WebDAV リダイレクターの動作を制御するいくつかの設定は、次のレジストリ キーで構成できます。

                        HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WebClient\Parameters
                      

以下の表は、使用可能な各種設定および値の詳細を示しています。 : これらの値のいずれかを変更したら、Web クライアントまたはコンピューターを再起動する必要があります。

警告 : レジストリ エディターを不適切に使用すると、重大な問題が発生し、オペレーティング システムの再インストールが必要となる可能性があります。Microsoft は、レジストリ エディターの不適切な使用によって発生した問題の解決を保証できません。レジストリ エディターは、ユーザー自身の責任において使用してください。

値および説明 種類 既定値
AcceptOfficeAndTahoeServers

WebClient サービスが SharePoint または Office Web サーバーを実行している Web サイトに接続できるかどうかを指定します。

DWORD
0=False
1=True
1
AuthForwardServerList

プロキシ設定をバイパスする資格情報を転送するためのローカル URL の一覧を指定します (注 : これには Windows Vista SP1 以降が必要です)。

MULTI_SZ キャリッジリターン/ラインフィードで区切られた URL の一覧です。 なし
BasicAuthLevel

WebClient サービスがサーバーとの通信に基本認証を使用できるかどうかを指定します。

: 基本認証を使用すると、ユーザー名およびパスワードがクリア テキストで転送されるため、セキュリティ上の重大な問題が発生する可能性があります。そのため、接続で SSL が使用されていない限り、WebDAV での基本認証の使用は既定で無効になっています。以上を踏まえて、このレジストリ キーで既定の基本認証の動作を上書きできますが、これは避けることを強く奨励します。

DWORD
0=基本認証は
無効
1=基本認証は
SSL Web サイト
に対してのみ有効
2=基本認証は
SSL および非 SSL の
Web サイトに対して有効
1
FileAttributesLimitInBytes

WebClient サービスで特定のコレクションのすべてのプロパティに対して許可される最大サイズを指定します。

DWORD 属性のサイズ (バイト) 1,000,000
(10 進表記、1 MB)
FileSizeLimitInBytes

WebClient サービスのファイル転送で許可される最大サイズをバイト単位で指定します。

DWORD ファイル サイズ (バイト) 50,000,000
(10 進表記、50 MB)
InternetServerTimeoutInSec

WebClient サービスがローカル以外の WebDAV サーバーと通信する際に使用する接続タイムアウトを指定します。

DWORD 時間 (秒) 30 (10 進表記)
LocalServerTimeoutInSec

WebClient サービスがローカルの WebDAV サーバーと通信する際に使用する接続タイムアウトを指定します。

DWORD 時間 (秒) 15 (10 進表記)
SendReceiveTimeoutInSec

WebClient サービスが "GET /file.ext"、"PUT /file.ext" などの要求の発行後に使用するタイムアウトを秒単位で指定します。

DWORD 時間 (秒) 60 (10 進表記)
ServerNotFoundCacheLifeTimeInSec

サーバーが WebClient サービスによって WebDAV 以外としてキャッシュされる時間を指定します。

: WebClient サービスでは、接続したことのある WebDAV 以外のサーバーの一覧が保持されます。この一覧に接続先のサーバーが含まれている場合、サーバーへの接続を試行することなく直ちに失敗が返されます。

DWORD 時間 (秒) 60 (10 進表記)
SupportLocking

WebClient サービスでロックがサポートされるかどうかを指定します。

DWORD
0=False
1=True
1

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